女神科高校の回帰生   作:Feldelt

19 / 95
どーも、フェルデルトです。予約投稿を使ってみました。
これなら隙間時間に書いたのを日曜に投稿出来ると思いましたが、
25話に半年かかるので毎週日曜投稿ではなく不定期更新です。
あ、あと今回はブランちゃん視点です。かわいいですよね。ほんと。
では、凍月君の怒りが迸る15話、どうぞ!


初夏の影月、散るは石榴の花也

「ストレス排除システム、ロック1……」

 

確か……人は誰でも能力を持っていて、影の変身能力は制御を司るって聞いた。そして制御能力は負の感情を解放させるシステムがあって能力を安定させるとも言っていた。てことは、まさか……!

 

「さて、ここまで影さんが怒り心頭では仕方ありませんね。ここは力ずくで聞かせていただきますわよ!」

「けどベール、私、武器が無いわ。」

「そんなのそこらへんの木片か体術でどうにかしなさい!」

 

ったく、どうしてそんな好奇心がわくんだよ。

 

「ロック2……」

 

背筋が凍るような殺気が影から放たれている。

 

「……っ!?この殺気、尋常じゃないわ。」

「フレームが開いて、赤黒い光が……これは本気でくるわ。間違いなく。」

「出来れば避けたかったのですが……致し方ありませんわね、突撃しますわよ!」

「おいこらてめぇら!いい加減にしやがれ!」

 

私の静止ももう届かない。

 

「ロック3……ウォォオオォォ!!!」

 

影の全身を纏う鎧から禍々しい赤黒い光が解き放たれ、もう既に影の足元は焦土と化していた。

 

「これ、羅生門……!?」

「それでは属性無効化されるだけでは済みませんわ……!」

「じゃあ何よ!鬼呪装備だとでもいうの!?」

 

違う。この赤黒い光、稲妻は影のストレスだ。影の心の闇だ。私だからわかる。影は心で泣いている。また、泣いている……!

 

「おいおい、これじゃ洒落にもならねぇぞ……」

 

もう影はあの3人を消さないと止まらないのだろうか。たった一人、私が愛してる影の手を血で濡らしたくはない、のに……

 

「くそ、足が動かねぇ……私に向けられた殺気じゃねぇのに!くそっ!」

 

もう既に戦闘は始まってる。

 

「先手必勝!でやぁぁ!」

「後ろは頂きましたわ!」

 

ノワールとベールは影を同時に両面から攻撃する。

 

「嘘……っ!?」

「これはっ……!?」

 

攻撃が当たるかどうかの直前で二人は赤黒い稲妻に覆われ、次の瞬間には黒影と白影を抜いた影に稲妻ごと斬り飛ばされる。

 

「ノワール、ベール!」

 

時間差攻撃の為に飛んでいたネプテューヌにとっては一瞬だった。

 

「なっ……これは……」

 

影が斬り飛ばした二人は木に激突し既に女神化は解けている。変身していなかったら即死であったと思う。

 

「地面が、抉れてる……影、一体貴方は何者なの……?」

「...何者でもない。教えても、すぐに消えるだろ、貴様など。」

 

また稲妻が今度はネプテューヌに向けて迸る。

 

「くっ、なんて力なの……!」

「お前の遺言、聞いたぞ。」

『えっ……!?』

 

速い。いや、稲妻の中に入って移動したのか……って、感心してる場合じゃねぇ!

 

「終わりだ。」

 

稲妻を纏った黒影をネプテューヌに叩き込み、ネプテューヌは地面に落ちる。

 

「影……!もういい、やめろ影!これ以上……もうこれ以上、自分もこいつらも傷つけるのをやめろ!」

「何で止める。止める必要があるか?」

「そういう問題じゃねぇ!こんなの、私の好きな影じゃねぇ!帰ってこい!いいから、私のもとへ!」

 

なりふり構ってられない、下手すりゃこいつら3人は影に消される。それだけはなんとしても止めないと……!

 

「優しいよ、ブラン。俺はもう、優しくなんてなれない……」

「なら……意地でも私が、てめえを止めてやる!」

 

さっきまで出来なかった女神化が出来た。もう腹は括った。

 

「そうか。君も、俺の敵になるのか……」

 

ならねぇよ、なりたくねぇよ!

 

「その言葉……そっくりそのままてめえに返してやるよ!」

「くっ、うおぉぉ!」

 

向かってくる。やることも決めた。後は動くだけ……!

 

「ちぃっ!」

 

影の話だ。私に対する剣筋は微妙に甘いから避けやすい。地面と水平に避け、影が体勢を立て直すこの瞬間だ。

 

「貰ったぁ!」

 

私は一気に戦斧を振るい、影に直撃させると思わせる。

 

「くっ……!?」

 

直撃が来ない影は一瞬でも狼狽える。それで十分。

 

「歯ぁ食いしばれ影、こんなてめえは、修正してやる!」

「ぐぉふっ!?」

 

そのまま影は気絶。ひょろひょろだから肉弾戦に弱いことも私だからわかること。

 

「はぁ、はぁ……うまく、いったな……」

 

膝をつき女神化が解ける。私も、疲れたわ……

 

 


 

 

次に目が覚めた時は、同じ場所だった。不思議なことに抉れていた土は元に戻っていた。

 

「何があったのかしら。」

「……罪滅ぼし、かな。」

 

そこには、左頬がまだ少し腫れてる私の大事な人、凍月影が元通りでいた。

 

「おかえり、影。」

 

まだ疲れていて微笑みもままならなかったと思うけれど。

 

「ただいま。」

 

ちゃんと返してくれた影は、いつもの影だった。




いかがですか?
まぁ、はい。血みどろ回にしようかと思いましたが、
制服が破れていろいろ面倒になるのでやめました。
あ、あとしばらくちょっと更新出来なくなります。悪しからず。
でも感想、評価等はいつでもウェルカムです。どしどしください。
次回、「学園祭は祭りと言う名の戦場である」
乞うご期待!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。