大本営第二特務課の日常   作:zero-45

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前回までのあらすじ

 南海でスーパー時雨となった彼女だったが色々な問題が発生した為、電ハカセによって改造を施されスーパー時雨MkⅡとして生まれ変わったのであった。


 それでは何かご意見ご要望があればお気軽にどうぞ。


2018/12/27
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました坂下郁様、雀怜様、有難う御座います、大変助かりました。


大本営麾下独立艦隊第二特務課
また辞令を受けた日、受難の始まり


「君から出されていた要望は通ったよ、艦隊旗も仕上がっているから帰りに持っていくといい」

 

 

 大本営執務棟最上階、もう何度目になるのかそろそろ回数もあやふやになる程に通ったそこは元帥大将坂田の執務室。

 

 部屋の主の他には吉野と大隅、ローテーブルを囲む面々の顔に見える色は其々違った物になっている。

 

 

「いつも御迷惑をお掛けして申し訳ありません」

 

「いやなに、今回の件は色々とこちらにも利がある物だったし、懸念されていた色々な物が纏めて片付いた感じだから苦労した覚えは無いな、しかし艦隊旗か……良く吉野の家がそれを使うのを許したね」

 

 

 溜息一つ、茶を啜っては何かを噛み締める様に呟く坂田、その横では大隅が薄い笑いを表に貼り付けながら顎鬚を撫でている。

 

 

「この御時勢ですからな、あんな物を艦隊旗として挙げられたならヘタに手出しは出来ないでしょう、まぁ一部新たに敵を作る事になるでしょうがそれは国内ではなく大陸系の物に限定されるでしょうし、やり易くもあります」

 

 

 艦隊旗

 

 それは言葉の通り艦隊が個別に(いただ)く固有の印である。

 

 通常は拠点毎にそれは存在し、その多くは拠点がある土地に由来する名称やマーク、またはマスコット的な物が用いられる場合が多い。

 

 そして大本営所属の艦隊にもそれはある、しかし中央組織である大本営所属の艦隊は他の拠点とは少し違った形態を取っている。

 

 現在第一艦隊から第四艦隊、そして潜水艦隊に第二特務課艦隊とそれらは大本営麾下でありながら其々将官クラスの者が各艦隊を受け持ち、其々が独立した存在であった。

 

 所属地が同じでも艦隊単位で別の命令系統に属するという特殊な環境故、各艦隊には別個の艦隊旗が設定されるのが通例であった。

 

 滅多に指揮系統の入れ替えが無い環境、稀に指揮官が任を離れ再編成がされた場合は運用法が大きく変わる為艦隊員はほぼ総入れ替えになる、そんな環境であった為大本営所属の艦隊には其々指揮官に当たる人物の家紋が艦隊旗として(えが)かれる。

 

 

 しかし第二特務課は設立当初は大隅巌麾下の一組織として独立した艦隊という形での運用は想定されていなかった。

 

 また現在の様に専用の設備と拠点の規模は与えられていなかった為に艦隊旗という物は存在しないまま今まで活動をしてきたのであった。

 

 

 だが度重なる未知なる存在との邂逅を経ての共闘体制の確立、肥大していく戦力。

 

 この様な変貌を辿ってはもはや大本営麾下の下部組織としての運用は難しく、また色々な面で問題となる。

 

 そういう後から付随してきた諸々の事情が対外的な問題を孕み、先送りの出来ない程に存在が大きくなってしまった結果、第二特務課は吉野の希望もあり名称はそのままだが大本営の六番目の独立艦隊として正式に発足するという形になった。

 

 

 軍中枢の独立組織という事で本来それを指揮する者は軍団の長として組織運営に専念し、平時は執務棟に詰め、実務の為に新たに人員を整備してそこが艦隊を動かすという小さいながらもピラミッド型の組織を形成するのが大本営麾下の艦隊運営であったが、敢えてその形を吉野は選択しなかった。

 

 相変わらず将官という身動きの取れない立場になるのを固辞しつつ、対外的な体裁を保つ為に出した吉野の答えは現在籍を持つ吉野家が代々受け継いできた家紋を艦隊旗として使用する事。

 

 

 吉野という家は三郎から見れば母方の実家に当たる、軍の表に出せない技術で命を繋いだ吉野は人としての体を保っている状態では無かった為、一之瀬桔梗という研究者が没した後軍部の不都合を消す為に死亡という扱いでこの世からその存在を一度は抹消される。

 

 そして検体としてこの世から消える筈だった吉野を当時桔梗の共同研究者であり、プロジェクトリーダーを引き継いだ者が個人的に手配し、当時血縁者として渡りが付く吉野の家に子供を送り、そこで新たに吉野三郎という籍を得て生き永らえる事になった。

 

 

 その後吉野三郎となった者は自立しての日常生活が困難であった事と、駆け落ち同然で家を出た者の血縁者であった為に遠くの医療施設へ送られる事となり、そのまま治療を続けながら大隅に拾われ軍に席を置く事になった。

 

 この間吉野は実家とは一度も関係を持たず、またそことの関係は知識として知ってはいても記憶が無いという状態であった為、籍は吉野であっても絶縁した状態で天涯孤独という生活を送っていた。

 

 

「自分としましては(えん)(ゆかり)も無い家という認識ではありましたが、形振(なりふり)り構っていられない状況になりましたので恥を忍んで連絡を取り、家の名前と家紋を使わせて貰う為の許しを請いました」

 

「成る程ね、奈良の吉野と言えばもう表には出ないが西の方では相変わらずその名前の影響はそれなりとは聞いているよ、それに元は(くすのき)公に通じる血筋、そこが出自となれば元老院もおいそれとは口を挟めないだろうね」

 

「止めは菊が入った家紋、こんなのを艦隊旗として挙げられちゃぁねぇ……」

 

 

 吉野の家は元を辿れば鎌倉から続く楠木正成を輩出した豪族から連なる血筋を基にする家柄であり、深海棲艦が出現してからは表舞台より姿を消したものの、現在も『奈良の千本桜』と呼ばれ今も尚経済界に影響を持つ旧家である。

 

 その家に代々受け継がれてきた家紋は楠家伝来の菊水の家紋、民主国家として存在してはいたものの、深海棲艦の出現と共に軍が再編され、元老院が作られた際は天皇がその組織の頂に座る形となった現在は、菊の紋というのは特別な意味を持っていた。

 

 

「絶縁したとは言えその体には吉野の血が流れている、己の意地を通し、それが御旗を掲げる必要があるのなら遠慮をする事は無いと……」

 

「まぁ吉野の家としても軍部の要職に自分の縁者が名を連ねるなら利はあっても損は無いだろうからね、私からも(つて)を頼って連絡は入れてみたが、概ね好意的な事を述べておったよ」

 

 

 複雑な表情を浮かべながら坂田はテーブルに乗せられた物を吉野の前に置きつつ、さてと一言前置きをしつつ今回の本題に入る事にする。

 

 

「今回の捷号作戦作戦第二段階に於いて結果成功という形で作戦を終えたものの、実際は色々な問題点が残る結果となった、大佐自身の尽力もあり一応形となったので細かい事は……まぁここではその辺りの事は言及しないでおこう」

 

 

 そして吉野の前にはもう見慣れてしまった感が漂う分厚い封筒が三つ置かれる、それは中身がパンパンに膨れ張ち切れんばかりの状態の物であったが御丁寧にも絶妙なバランスで積み上げられている。

 

 そんな黒いオーラが発する封筒を前にまた妙高と共に寝ずの日々を暫く過ごすのかと吉野の心中は苦い物に染まるが、取り敢えず坂田の話はまだ始まったばかりだと気持ちを切り替える事にする。

 

 

「私も元老院へ向けて、そして大隅君も軍部内へ働き掛け色々調整したのだが、現況君が捷号作戦として提出した次の段階へ進む事は難しい状況となった」

 

「アンダマン海の制海権を握った事で日本はインドとの直接の繋がりを持つようになった、そしてその周辺の海域維持は我々軍が担う事になる、更にインドと渡りが付いた為にスエズとの行き来が容易となり、結果ヨーロッパとの繋がりも強くなった」

 

「大隅君が言うように、これからは軍部のみならず国内経済は外に向けて繋がりを強化する事になり、それを維持する為に軍は戦力を注ぐ事になるだろう、君の言う鹵獲した個体を各海域のボスとして配置するという案は有用だと私は思うが、現況その個体は君個人に恭順を示した存在であり、そのまま作戦を進めると国家間の繋がりを個人が握るという形になってしまい色々と問題が出てくる、拠って捷号作戦は現段階を以って一時凍結とし、君達には新たな役割が課せられる事になる」

 

 

 坂田はこれが新たな任務だと言い目の前に伏せて置いていた一枚の紙を吉野へ差し出した。

 

 そこに記されていた物に目を通した吉野は暫く無言であったが、一応納得したのか一度目を伏せた後坂田、大隅へと順に視線を送り、頭を深く下げて礼を述べた。

 

 

「御尽力感謝致します、海軍大佐吉野三郎、現時刻を以って新たなる任務の為の準備を開始する為、速やかに行動に移りたいと思います」

 

「前代未聞の内容だ、人員の移動や設備の準備に時間が掛かるだろう、全てが動き出せば我々もおいそれとは動けなくなるから何かあればそれまでに言うがいい」

 

「判りました大将殿、その話はまた(いず)れ」

 

 

 吉野が席を立った時、部屋の奥から元帥の"表の秘書艦"である大和型一番艦大和が細長い包みを持って表れた。

 

 (かつ)て長門や武蔵と同じく大本営第一艦隊旗艦を務めた艦娘は、今は一線を退いた存在で表に滅多と姿を見せないながら今も軍の顔として存在している。

 

 その大和が手に持つのは吉野の家紋が刻まれた第二特務課艦隊旗、紺に染められた布には金刺繍を施された菊水が縫い付けられた物だった。

 

 

 その旗を受け取ろうとした吉野だったが、大和はそれを抱えたままローテーブルの上の封筒三つを事も無げに抱え上げ、笑顔を吉野へ向けている。

 

 流石大和型、色んな意味でデカいなと抱えられた封筒とそれに圧迫されても形が崩れていない胸部装甲を見ながら吉野は思ったが、さて、そのパンパンの封筒と旗をどうやって運ぼうかと思案した時、それを持つ大和が笑顔と共に予想外の言葉を口にした。

 

 

「荷物は大和がお持ち致します、それでは参りましょうか提督」

 

「ああそれは申し訳ないですね……ん? 提督?」

 

 

 大和と坂田を交互に見る吉野、大和は今確かに提督と言ったがそれは坂田の方には向けられておらず、気のせいでなければ吉野に向けた言葉の様な感じがした。

 

 挙動不審に首を振る吉野に、坂田はしてやったりと言った表情で声を上げて笑い、横に居る大隅は苦い顔を片手で押さえていた。

 

 

「はっはっはっ、最後にやっと意趣返しが出来たよ、どうかね大隅君」

 

「いや坂田さん、幾ら何でもやり方が幼稚じゃないですかねぇ」

 

「いいんだよ、最後まで若い物にやり込められたままだと私の気が済まん、最後っ屁位はかましてやらんとな」

 

「あの……一体何の事です?」

 

「三郎、辞令書をちゃんと読んだか?」

 

「……はい?」

 

「最後までちゃんと読め」

 

 

 吉野は手にした一枚の紙に再び目を通した。

 

 その中には大和に関する記述は一切無く、現状を把握する情報は含まれてはいない物に見えた。

 

 首を傾げ何度も読み返すがおかしな点は無く、時間を浪費するのもアレだと思った吉野はニヤニヤと笑いを浮かべる髭の傷に釈然としない物の、事の次第を確かめる事にする。

 

 

「……すいません、出来ましたら御説明して頂けませんでしょうか?」

 

「ああ……はっ、意地悪が過ぎたな、うん、その辞令書には"当該任務に就くに当たり、適時必要とされる物は大本営から支給されるものとする"と書いてはいないだろうか?」

 

 

 辞令書を確認する、坂田が言う様に末尾には特記事項として言葉通りの物が記載されてはいるが、それは通常この手の書類には付き物の文言であり、特別な意味合いを含む物では無い。

 

 

「ウチの大和がね……どこぞの金剛型が姫相手に暴れる様を聞いたらしく、久しく眠っていた艦娘としての血が押さえられなくなったらしい」

 

 

 坂田の言葉に吉野は大和を見る、端正な顔に笑顔を浮かべていたが、その目からは優しさ以外の何かが滲み出し、そこからは言葉にせずとも心の内が読める程の何かが感じ取れる。

 

 

「連れて行ってやってくれんか、ソレは私に付き合って長らく奥へ引き篭もってはいたが、老骨と共に陸で朽ち果てるのは本懐では無かろう、国の銘を付けられた戦舟(いくさぶね)は海に在ってこそだよ、大佐」

 

 

 何時の間にか笑い顔から少し寂しさを含む真顔に表情を変えた髭の傷は、目の前に居る艦娘を指して吉野へ送る大本営からの支給品だと述べた。

 

 そして傍らで立つ大和は抱えた荷物をそのままに器用に頭を下げ、改めて挨拶と心の内を言葉にした。

 

 

「大和型一番艦大和です、長らく海から遠ざかっておりましたが己の矜持に従い貴艦隊への編入を希望致します、我が身は護国を司る為に在ります、願わくば提督が指揮する艦隊の末席に加えて頂き些少なれどそのお役に立てたらと思います」

 

 

 己の存在を鑑みず、小さな体を犠牲にして全てを軍へ注いだ吹雪、人修羅と呼ばれ軍の礎を築いた長門、今も尚第一艦隊を率い大本営を牽引している武蔵。

 

 そして目の前に居る大和は敵を屠った数は何れの艦にも劣る物であったが、被弾数は歴代第一艦隊旗艦の中でも頭一つ飛び抜けた物であった。

 

 決して立ち回りが悪い訳では無く、戦う時は敢えて突出し大和型の装甲を以って攻撃をその身に集中させ、僚艦を戦う事に専念させると同時に全てを守ってきた。

 

 

「お前の艦隊は武蔵殺しという槍が居るがアレは尖り過ぎている、突き刺す力は軍の中でも指折りだろうが攻撃を受ける事に向いていない、そして長門は艦隊の頭だ、盾として立ち回る事はさせられん」

 

 

 大隅は睨む様な目で吉野を見て冷静に第二特務課艦隊の現状を冷静に口にする。

 

 戦力的には規格外と言っても過言では無い第二特務課艦隊であったが、そこにはどうしても埋められない穴は存在していた。

 

 攻撃力に偏重した編成は防御という面に関して言えば各拠点に編成される艦隊に比べても低いと言わざるを得ない状況だった、そして水雷戦隊が編成出来ない人員で構成される艦隊は更に力に頼り相手と対峙しないといけない欠陥を抱えていた。

 

 

「お前の艦隊はこれからオールラウンドに動けないといけない物になる、水雷関係の者は後で補う予定だが肝心の主力に盾となる者が存在しない、今までの様に力押しではどうにもならんという事は今回の作戦を思い返せば嫌と言う程お前は理解している筈だな?」

 

 

 アンダマン湾での戦いでは確かに勝利をもぎ取ってきたが、それは第一艦隊が戦線を維持し、サポートに回った結果が大きい、もしあそこでその存在が無ければ作戦は失敗に終わり、更に艦隊員の幾らかは帰らぬ者になっていたのは確実だった。

 

 

「……大将殿が仰る通り自分の艦隊は(いささ)か偏った編成ではありますが、長門君に加え大和君という"第一艦隊旗艦を務めた事のある艦娘を"ウチにとなると、色々対外的に難しい事にはなりませんか?」

 

「逆だよ大佐、菊水の旗を掲げ、歴代第一艦隊旗艦を複数擁する艦隊となればそれは名実共に大本営の本気を外に見せ付ける事になる、私は君の部隊をお飾りとして運用するつもりは無いよ、それは君も覚悟の上の事だろう?」

 

「成る程、仰る通りです元帥殿」

 

「なら誰に気を使う事も無いだろう、長門に続き大和、軍の看板二枚を率いて独立した君が潰されない事を私は願っているよ」

 

「肝に銘じておきます」

 

 

 改めて一礼し、大本営執務棟を後にする第二特務課々長。

 

 その男が通り、すれ違う者は(ことごと)く足を止め後ろ姿を見送ったという。

 

 その者は軍部では今や誰もが知る異端であり、それが(かつ)て大本営の代名詞であった艦娘を引き連れ、更に軍装の襟には菊水の紋をあしらった艦隊旗と同じ図柄のバッジが付けられていた。

 

 

 そんな男が率いる艦隊に新たに下された任務。

 

 艦娘を含む艦隊に使用する新たなる兵装の開発及びそれに付いての有用性の確認を実施する"新兵装及び戦略を研究する部隊"

 

 そして深海棲艦を麾下に置くという性質を利用し、各拠点より希望があればその存在を編成し模擬戦を請け負う"深海棲艦上位個体を軸に据えた教導艦隊"

 

 そしてその任務に伴い設備や模擬戦の為に使用する海域が大本営敷地内では賄い切れないという事情があり、第二特務課はそこから移動する事になる。

 

 

 新たに同課に宛がわれたのは現在呉鎮守府管轄にある海域大阪湾、そこに浮かぶ今は放棄され軍の管轄下にあった"旧大阪鎮守府"跡地。

 

 

 この海に浮かぶ人工島を再び大本営の管轄とし、整備した状態で第二特務課は活動をする事になる。

 

 所属は大本営との繋がりを重視した吉野が鎮守府を運営しながらも今のまま大本営の独立艦隊として活動する事を選択し、名称も変更せず第二特務課のままとした。

 

 

 こうして形を大きく変貌させ、関西へ拠点を移した第二特務課には大和を含む新たなる人員を大量に補充しつつ新たなる艦隊を形作る事となった。

 

 

 

 しかし後にこの時予想していなかった数々の難題が同課へ舞い込む事となり、日々吉野の毛根にダメージを負わせる事になるとはこの時本人の知る処では無かった。

 

 

 

 




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 また、拙作に於ける裏の話、今後の展開等はこっそりと活動報告に記載しております、お暇な方はそちらも見て頂けたらと思います。


それではどうか宜しくお願い致します。

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