大本営第二特務課の日常   作:zero-45

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取り敢えず加速しないと話が進まないという事に今更気付きました_(´ཀ`」 ∠)_

そういう訳で今回まではボチボチと、次回は時間的にちょっと飛ぶかも知れません。

いや飛ばないかも知れません。

どっちにしてもまだまだ長い……


それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。

2021/09/18
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました水上 風月様、リア10爆発46様、酔誤郎様、有難う御座います、大変助かりました。


軍の大方針、西蘭派閥の大方針。

「ねぇ、何でみんな野宿してる訳?」

 

 

 特殊兵学校建設予定地であるスワン・ベイでは、図面片手にぜかまし以下工廠課の艦娘達三人+黒ツナギの妖精さん達が測量結果を確認しつつ縄張りを行っていた。

 

 建設する建屋の規模にもよるが、大規模鉄筋コンクリート構造物は基礎が頑丈かつ大規模になる為、完成予定の建物に地下区画がなくとも、基礎を置く関係上数メートルの掘削は必要となってくる。

 

 幅はメートル越えは当たり前で、高さは2メートル近くになり、エレベーターを設置する場に至ってはピット抗を掘削する為、設置するモノによっては4~5mを掘る事もある。

 

 ただでさえ海岸線に近い場に建設する建物である、設計段階でそれらの掘削が必要だとしても、掘削した場で海水等が染み出た場合は工法も検討しなければならないし、最悪設計自体変更しなければならなくなる。

 

 この為水場が近い場での大規模建設は測量と試掘を事細かに繰り返す必要があり、縄張りは殊更重要になる。

 

 

 そんな建築前測量を実施している脇では、海岸線に設置された色々諸々の人工物……ぶっちゃけてしまえば西蘭泊地が整備中だった頃に港湾施設脇にあった、例の(・・)狩人村的な、テントとも小屋とも言えないブツが乱立していた。

 

 恐らくダンボールをブルーシートで補強したナニカ、多分ダンボールを銀色のシートで補強したナニカ、一部を贅沢にも構造用合板(ベニヤ板)で驕ったナニカ。

 

 童話で有名な三匹の子豚で語られそうな程に、強度や造りの違う、それでも手作りには間違いないだろう宿泊用のナニカの密集地帯がそこに出来上がっていた。

 

 

「え~っと、まだ電気水道ガスなんかのインフラが通ってませんし、仮説住宅も縄張りが終わってからでないと位置出しが無理だからと説明したんですけど……その」

 

 

 現場の総責任者である夕張の言によれば、建設予定地は海岸線に近く、大規模建造物を建てるなら地盤改良は必須であり、それらが終わって地下埋設物……つまり上下水道設備が整わなければ仮設の住宅を設置するのは無駄であると教導課の者達に伝えた処、何故か一部の者達がどこからかダンボール的な物とか、流木的なウッドやら、後はどこから持ち込んだのかブルーシートなどで小屋をおっ建てはじめたのだという。

 

 因みに現状このスワン・ベイ入りしている教導課の者とは叢雲を筆頭とした艦娘側教官数名と、仮想敵として任に就く予定の深海勢三十名。

 

 兵学校関係の諸々は今も西蘭泊地で調整中ではあったが、取り敢えずの人員的な差配は早々に決定されたらしく、中核になる予定の者達は時間が惜しいとばかりに現地入りし、今は生活環境(仮)を整えている最中だという。

 

 

「……取り敢えず仮設住宅だけ先に設置する事は出来なかったの?」

 

「一応そういう方向で動く予定だったんですけど、叢雲さんと水晶(空母水鬼)さんが、ついでだからサバイバル訓練も兼ねて教導課でなんとかするから大丈夫だと仰って……」

 

「その結果が、あのフリーダムな人達が住んでそうな棲み家だと?」

 

 

 何度も言うが、主構造材がダンボールと思われる四角い建造物(仮)が群れている状態である。

 

 だがそれらは統一感も無く、用途的な色々もあるのだろう、青かったり銀色だったり、パラボラアンテナやソーラーパネルが乗っかってたり。どう見てもサバイバル感を感じるのが難しい佇まいをそこかしこに見せていた。

 

 

「一応訓練はそれなり以上の厳しさでやってるのは確認できるんですけど、それ以外の時間が……その……」

 

 

 夕張の視線の先には、何故かキャンプファイヤーとしか表現できない格子に組まれた木材とか、被災地でたまに見掛ける仮設の野外入浴施設とか、後は何故かその脇では屋台と言うか、キッチンカー的な車両で一心不乱に焼きそばを焼く龍驤の姿が見えてたりした。

 

 

「何でその、彼女は焼きそば焼いてんの?」

 

「その隣では浦風さんがお好み焼きを焼いてますね」

 

 

 よく見るとキッチンカーには「粉モノ・焼きそばビーチサイド」という安易かつ単純なネーミングがカラフルに書かれていた。

 

 

「えーっと……焼きそば七百円、お好み焼き八百円、カレー・ラーメン千円。ってたっか!?」

 

「……なんやキミ、ウチらの商売に何か文句あるんかい」

 

「こがぁな辺鄙なとこで唯一まともな物が食べれるけぇ、これでも安い思うんじゃけど?」

 

「いやいやいや粉ものはアレだけど、カレーにラーメンが千円って……」

 

「富士山じゃとカップラーメンが八百円もするんよ? それに比べりゃあぶち良心的な値段になっとる思わん?」

 

「比較する対象ッ! 考え方が明石化してない君達!?」

 

「まぁキッチンカーレンタルする時、明石に色々教えてもろたけど」

 

「あああぁぁぁぁぁぁぁぁかしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! やっぱお前かあああぁぁぁぁぁぁぁぁかしぃぃぃぃぃぃぃぃ! ぼったくり過ぎだろあぁぁぁぁぁぁかしぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!」

 

「ちなみにうちらの店じゃぁ食べ物しか扱うとらんけぇ、何か飲みたかったらあっちで買うてね」

 

 

 おっぱい風もとい浦風が手にしたコテで指す方向には、軽トラを改造したと思われる幌付きの販売車が停車されていた。

 

 ちなみに浦風は特定部分が増槽されている為おっぱい風と呼称されるが、浜風も同様に増槽されている為通称にしてしまうと色々と被る危険があるという事でそっちはパイ風という別称となっているが、それはさておき。髭眼帯が見る先には麦わら帽子にグラサンといういで立ちの陽炎が「イラサイセーイラサイセー」と客寄せしつつ、何かを売っているのが見える。

 

 そんな彼女は上部に穴が開いた無地の白い箱を抱えており、両脇には"ジュース屋さん""一本150円"と書かれたのぼりが風にパタパタはためいていた。

 

 髭眼帯は怪訝な相でじっと見つめるが、そこには取り扱い商品を明示するメニューや看板を見つける事ができず、更にジュースと値段のみ書かれたのぼりの意味する処に酷く不安を掻き立てられた。

 

 

「……ジュース屋さんて」

 

「凄いピンポイントな物売りですけど、浜辺というシチュを考えればあり得る商売ですよねぇ」

 

「その割にはクーラーバックで取り扱ってるブツが何か見えないし、むしろあの白い箱が何のために用意された物なのかという恐怖があるんだけど」

 

「陽炎姉さんとこ昨日までかき氷売っとったけど、ぶっかけたら薄まるけぇ直に飲んでもらう言いよったよ」

 

「浦風君、そこ、かき氷にぶっかけてたのが何かって肝心の情報が抜けてるんだけど」

 

「じゃけぇジュース屋さんって書いとるし」

 

「ジュース?」

 

「うん」

 

「ぶっかけてたの?」

 

「うん」

 

「かき氷に?」

 

「じゃねぇ」

 

 

 おっぱい風の言葉に再び軽トラを見れば、相変わらず風にはためくのぼりが見える。

 

 一本百五十円。こんな何もない辺鄙な浜辺で販売しているブツとしてそれは良心的な価格設定だと言えるだろう。

 

 しかしそれはあくまでも取扱商品が清涼飲料水であった場合である。もしブツを飲んだ時気分が清涼にならなかった場合、百五十円という値段はたとえ貰えたとしても客は納得できない価格なのではないかと吉野はプルプルした。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「基準点の設置と各所の拾い出し終わったよ。あとはボーリング打って湧き水の確認すればいい?」

 

「だねー、後は妖精さんに任せて、明日からぜかましちゃんは基礎の方よろよろ」

 

「ぉうっ」

 

 

 普通なら年単位は掛かるだろう事前調査期間を、妖精さんの謎技術で一週間に圧縮した工廠課の面々はさも当たり前のように受け入れ、いつもの如く大規模建築を数か月単位で竣工させるべく段取りを組んでいく。

 

 

 今回の校舎は大坂鎮守府で設置していた校舎を叩き台にし、利便性と実用性を更に押し上げた状態で造る計画になっていた。

 

 

「今回は近隣に配慮しなくてもいいですし、使える土地が広いので設備関係の取り回しが楽ですね」

 

「その代わりに湾の入り口を固める防衛施設も兼ねてるからね、そっちの分だけ大袈裟になっちゃうけどねぇ」

 

「確か武蔵さん達がメルボルンからこっちに異動してくるんでしたっけ?」

 

「だねぇ。幾らスケールダウンしたと言っても、戦艦の武装って外海でこそ威力が発揮されるそうだからね。湾内で迎撃するより、湾外で戦う方が彼女達(元大本営第一艦隊)にしてみればやり易いんじゃないかな」

 

 

 黄色のヘルメットを被って現場内を歩く夕張と吉野は、図面片手に各所の確認をしつつ、建設計画について意見の交換をしていく。

 

 内容は世間話染みたものになっているが、この軽い会話は現地を見つつのものであり、執務室や設計室では気付けない何かを確認できるという、割と重要な世間話(・・・・・・・・)でもある。

 

 

「教導関係の施設は一か月程で完成する予定ですし、防衛施設はそれに付帯する設備が整うのが更に一月後。問題は太平洋の用地(・・・・・・)がどの程度で使えるかで教導の受け入れ時期が決まるんでしょうけど……」

 

「こっちが竣工するまでには向こうも使えるようにはしておくつもりだから、その辺りは心配しなくてもいい」

 

「……でも前回の事を考えると、完全にあの辺りを掌握するのは難しくはありませんか?」

 

「いや、前回と違って今回は中間棲姫さんもこっち引き込んで……いや、ウチが世話してる状態だから、ある程度の有象無象は大人しくしてるだろうというのが海湊(泊地棲姫)の見立てではあるんだけど、何かあったら事なんで今回は舞鶴、硫黄島、クェゼリン、そしてウチ(西蘭泊地)の主力を投入して全力で叩く予定だから。まぁ大丈夫なんじゃないかな」

 

 

 現在西蘭泊地を筆頭とした派閥は内地に舞鶴、大坂の鎮守府二つ。その他に硫黄島とクェゼリンの基地二つ。そして西蘭泊地の五つの拠点で構成されている。

 

 その内大坂鎮守府は物流拠点として転用されている為、他の四拠点から捻出される十六艦隊が日本から旧ニュージーランドまで続く長い防衛線を守る戦力と言えよう。

 

 拠点防衛という事を考慮すると全ての艦隊が同時に出撃する事は不可能であり、一度に投入する最大戦力は恐らく全体の三分の一が精々であるが、西蘭泊地には深海棲艦という鬼札を持つ為、海域の広さの割りに拠点が少なくとも維持に関しての問題はない。

 

 また今回の教導任務に於いても受け入れ数を一度に三艦隊に絞り、しかも大坂では一か月まで短縮に成功していた期間を敢えて三ヶ月に伸ばしたのも、それなりに考えた末に出した結果であった。

 

 

「先ずウチが担当する東方戦線ってのは、現状の九州から西蘭まで続く細い海域という定義には実はなってない。と言うかウチが維持していける海域が全部東方戦線になる訳だ」

 

「そう言えば今の制海権は最低単位として考えるって前に仰ってましたね」

 

「そう。軍部には内緒でウチは資源やら設備を大幅に拡大して完全に独立した行動も可能になっているからね。懸念としてはオーストラリアの西部、インド洋の船渠棲姫。そして北太平洋と南太平洋の東側を支配している深海鶴棲姫の動向になる」

 

 

 吉野が担当し、制海権を持つ海は九州を始点にし、南東に位置する硫黄島。そこから更に進んでマーシャル諸島に位置するクェゼリン。そして真っ直ぐ南下して旧ニュージーランド、現在の西蘭泊地というのが東方戦線という認識となっている。

 

 本土近海から真東は沖ノ鳥島までが制海権を持つ範囲とされているが、この近辺は戦略的利用価値もない事から最低限の戦力が本土の各拠点が持ち回りで巡回してる程度であった。

 

 だが今回正式に東方方面軍の司令官の内示を受けた吉野は、大本営からの発布された資料を熟読した上で、自身が差配する方面軍は他所よりも良く言えば自由裁量に富んだ、実際は軍のサポートがほぼ無い故に面倒事を丸投げしたと言うべき状態になっている事を認識した。

 

 

 これらの事を沢渡(軍令部第二課大佐)に確認した後吉野は急遽派閥会議を招集し、現状を叩き台にした東方方面軍の大方針を策定し、準備を進める事にした。

 

 

 先ず発端となった海軍特殊兵学校はオーストラリアのポートフィリップ湾に設置し、防衛施設も併設する事で外事課含む重要拠点の防衛に充てる事にする。

 

 次に未だ仮想敵として警戒するべき船渠棲姫の件は西蘭泊地が抑えとなり、主力艦隊を常駐しつつ暫くは様子見する。

 

 更に実質支配海域の最東部は現状クェゼリン基地の支配海域となっているが、更に東進し北太平洋の空白地帯、実際は中間棲姫の支配海域の一部に楔を打ち、東方戦線のラインを硫黄島──ハワイ──西蘭島に確定する事とした。

 

 

「船渠棲姫の方は海湊(泊地棲姫)さんも牽制してくれてるから暫くは大丈夫という事で、申し訳ないけど任せる事にして、自分達は先ずミッドウェー近海を掌握、ハワイ独立政府との関係を築く」

 

「そうするとほっぽちゃんの支配海域がベーリング海から真南まで降りてきてますから、ハワイを最東部として南北太平洋がほぼウチの制海権に収まる事になりますね」

 

「中間棲姫さんが暴走するのは姫・鬼クラスの上位個体が麾下に多く存在する為だという事は判ってるからね。あのエリアの上位個体って元艦娘(・・・)の個体が殆どらしいし、それらを取り込めば東に対する備えになるし、中間棲姫さんが不安定になる心配も排除できる」

 

 

 以前ミッドウェー近海に出撃()た際は、中間棲姫という存在が不安定かつ支配海域を放棄した状態であった為、当該エリアに潜む深海棲艦の一大攻勢を受け、大坂・舞鶴混成艦隊は犠牲こそなかったものの、ギリギリの状態で海域から撤退していた。

 

 だが前回の作戦とは違い、大本営からの縛りも無く、精鋭艦隊の全力出撃が可能な上、湧き出てくる下位の深海棲艦は中間棲姫が抑えるという事で勝算は十分にあると吉野は判断した。

 

 

「で、制海権を奪取した後は……定期清掃を教導の最終課題に組み込んで、維持していくという事でしたっけ。何と言うか転んでもただでは起きないと言うか、骨までしゃぶり尽くすと言うか」

 

「人聞きの悪い事言わないでくれるかな? 実際うちの派閥から精鋭艦隊が随伴しての安全な戦いなんだし、教導を受けに来た艦隊にしても他では絶対不可能な経験を積めるんだから、Win-Winじゃない?」

 

 

 吉野が推し進める計画がそのまま何事もなく推移し、ミッドウェー近海に存在する元艦娘の姫・鬼を取り込んだ場合、首魁が居なくなった海域には一定の時間が経過した後、居付きの上位個体(・・・・・・・・)が湧いてくる事になる。

 

 そうなると制海権を維持する為には、定期的に、具体的には凡そ三ヶ月毎にそれらの首魁を討伐するという定期清掃(・・・・)をする必要が出てくる。

 

 この定期清掃に割く戦力の一部を、教導する艦隊へ卒業試験として課す事で吉野は戦力を補う事にした。故に教導カリキュラムは大坂時代に最適化し、一か月で済む処までになっていたが、敢えて三ヶ月にする事で教導任務と制海権維持を両立させる事にしたのであった。

 

 

「大坂で教導を施した艦隊は内地の鎮守府と、最前線の主力艦隊だった。でも今度から受け入れる艦隊は主に南シナ海からフィリピン海に点在する拠点所属の艦娘さん達なんだよね。一応上位個体との戦闘経験もあるけど、最前線に比べれば一枚も二枚も落ちる。今欧州連合がスエズから出てくるとなればその辺りの拠点からもローテで最前線まで出して軍はスリランカまでの制海権を主張する事だろう。その時、今のままの経験不足の状態では色々と不安が残る事になる」

 

「つまり、提督は大坂の時とは違って今回の教導はガチになると思ってるんですね」

 

「だねぇ、恐らく中途に染みついた戦い方から矯正してって、そこから漸く仕込んでいく事になるだろうから……実際三ヶ月という期間はこっちの都合だけで決定したって訳でもないんだよ」

 

「なるほどぉ」

 

 

 鷹派と慎重派で割れた頃ではこれらの戦力の調整は不可能であった。しかし大隅が元師となり、後継の寺田が軍令部総長に就けば、政界に進出した坂田と合わせて三代に渡り慎重派が軍のトップに収まる事になる。それはつまり軍部の意見は割れる事もなく、大方針に従って全ての拠点が動き出す事になる。

 

 ここに軍として再編された日本海軍は、創立以来漸く真の意味で中央集権体制を整えた事になり、大本営の意向で最前線とは離れた拠点は戦力の底上げとしてレンドリース艦の受け入れと共に、体制が整えば主力艦隊を適時西蘭へ送り教導を受けるようにと通達する事になるだろう。

 

 

「拠点の数とウチの処理能力を考えると、この先教導する艦隊が途切れる事は恐らくないと思うよ。なんせ第一艦隊だけじゃなく第四艦隊まで……いや、拠点に所属する全ての艦娘が教導を受ける事になるだろうからね」

 

「それに対してうちは三ヶ月一度に三艦隊を受け入れるローテ、一年で十二艦隊、人数にして七十二人ですもんね」

 

「レンドリース艦も増えるだろうし、今よりも艦娘さんの数は増える。そう考えるとゆくゆくは受け入れ艦隊を倍にして、定期清掃を全てそっちにして貰うって事も考えておいた方がいいかもね」

 

「地方大学クラスの施設に利用するのが十八人じゃちょっとアレですし」

 

 

 こうして一旦凍結していた太平洋攻めは、当初計画していたよりも好条件を整えた上で再始動する事になる。

 

 またこの作戦が成功し、制海権を奪取した場合、戦略的な面ではそれ程有用ではないという前提の話になるが、東方方面軍が支配するエリアは太平洋の四割に及び、欧州連合が現在支配海域としている地中海の実に二十六倍、人類の支配海域の約七割は日本海軍東方方面軍の担当制海権となる。

 

 

 




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