竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

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前回までの龍に選ばれし赤龍帝......。

チビッ子たちの大会が終わり、ようやく本選が始まろうとしている。

軽々と予選を越えた戦士たちに加え、予選を通過してきた他の選手たち十六人が一同に会する。

集まった十六人の中から二人に分けられるようにくじを引いていく悟誠達。

結果、悟誠はエルシャと、そして悟空はベジータと初戦から戦うことになってしまうのだった。



訪れる暗雲。動き出した闇の者たち!

side悟誠

 

 

あの後、宇久にクリリンさんの出る第一試合が始まった。

 

クリリンさんお初戦の相手は、プンターとかいう太ったちょんまげの男だった。

 

対戦相手であるクリリンさんを煽りに煽り、挙句、敢えて自分を攻撃させるという愚策に出てあっさりと打ちのめされていた。やめときゃいいのに馬鹿な奴......

 

そして迎えた第二試合はピッコロさんとあの不思議な少年、シンだった。

 

どんな試合が見られるのかと注目していたのだが、意外なことにピッコロさんが棄権してしまい、シンの実力は分からずじまいだった......。

 

そして続く第三試合、現在行われている試合はともかく異様だった。

 

戦っているのはビーデル(じゃじゃ馬娘)とスポポビッチとかいうハゲの大男だ。

 

そこらの男であれば、じゃじゃ馬娘の敵じゃないと思っていたが、じゃじゃ馬娘がどれだけ攻めようとも倒れる気配がない。

 

殴れど蹴れど、首を折ろうが倒れることなくアイツに挑みかかっていく。

 

やがて体力が尽き始めたビーデル(じゃじゃ馬娘)が押され始め、やがて一方的に嬲られ始めた。

 

間一髪のところで悟飯や俺から教わった武空術で空へ逃げるが、スポポビッチも同じように...いやそれ以上に高くまで飛び上がり、ビーデルが使えない気合砲で空へ逃げたビーデル(じゃじゃ馬娘)を会場まで弾き落とした。

 

これには父さんや俺たちも驚きを隠せなかったが、敢えて弱く撃ったというのとはすぐに理解出来た。

 

 

「あ...あいつ...なんで...!!」

 

 

「......ヤツは自分の能力を遥かに超えた力を持ってしまっているらしい......。」

 

 

「え...?どういうことなんだ?父さん」

 

悟飯の言葉に父さんが答え、その言葉に俺が再び疑問を投げる。

 

 

「......オラにもわからねえ...どういうことだ.........」

 

そんなやり取りをしている間にもリング上での一方的な蹂躙は止まらない。

 

体力が尽き、動きが鈍いビーデル(じゃじゃ馬娘)をスポポビッチは嘲笑うかのようにいたぶっていく。

 

チッ...胸糞悪いことしやがって......!!

 

『......今出ていくなよ?奴も様子はおかしいが、あの娘を殺すことはしないはずだ...』

 

......あぁ、分かってるさドライグ......。

 

 

『ならいい...アイツも降参すればいいが、負けん気が強い奴だからな...やろうとはせんだろう』

 

あぁ、俺もそう思う...じゃなきゃ、俺達に絡んでこようなんてしないはずだ......。

 

隣で必死に叫ぶ悟飯を見ながら俺は煮えくり返っている腹を無理矢理抑え込む。

 

あまりの怒りに自身の変装が解け、(スーパー)サイヤ人になってしまっている悟飯。

 

それを父さんやクリリンさんが止めるが悟飯は聞かない。

 

今にも飛び出して行きそうな悟飯を他所に俺は会場に目を向ける。

 

するとそこには会場の裾の壁に立っていたヤムーと呼ばれた選手が叫んでいた。

 

ヤムーはリング付近にまで近づくとスポポビッチに向けて叫んだ。

 

 

「我々のすべきことはこんなことではないはずだ、さっさと勝ってしまえ」

 

そんな言葉が俺の耳に聞こえてきて、俺はピクリと反応する。

 

やるべきこと...?どういうことだ...?試合をしに来たという感じではなかった...じゃあ......

 

『今は様子を見ておけ、相棒』

 

あ、あぁ、分かったよドライグ......。

 

ヤムーに叱り飛ばされたスポポビッチはビーデルをそのまま場外へと投げ飛ばした。

 

地面に投げ飛ばされるビーデル。それを見ていた悟飯が超化を解き一目散にビーデルのもとへと駆けていった。

 

その時、リングを降りようとしているスポポビッチに何やら言っていたが、俺にはよく聞こえなかった。

 

そのままビーデルを抱えて医務室へ向かう悟飯、何かを見越して父さんは仙豆を貰いにカリン塔へと瞬間移動していった。

 

そしてすぐに戻ってきた父さんは一粒を悟飯に渡し、悟飯は急いで医務室へと走っていった。

 

少しして戻ってきた悟飯は急いで会場へと向かっていった。

 

遂に第三試合が始まろうとしていた......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..................」

 

さっきから私の夫、悟誠がずっと黙ったまま口を開かない。

 

それに、先ほどの試合を見てからは醸す空気が変わった。

 

表情などには出てないが、アレは怒ってるな。

 

さっきの試合は私から見ても醜いものだった......。

 

うちの旦那は仲間や親しくなった奴、少しでも知り合った奴を大切にする優しすぎる性格だ。

 

そんな旦那が少しの期間だけとはいえ、鍛えた奴をいたぶられた。それは稽古をつけたものとしては複雑な思いだろう。

 

きっと今頃悟飯の腹の中は煮えくり返ってるに違いない......。

 

そんな悟誠が視線を向ける先には次の対戦相手である孫悟飯とキビトとか言うやつの試合が始まろうとしている。

 

私もそちらに視線を向けた。

 

 

「ーーーーっ」

 

「〜〜っ〜ー...」

 

そこに見えたのは戦いではなく何かをリング上で話す二人の姿だった。

 

どうやらあのキビトとか言うやつに孫悟飯が反発しているようだ。

 

 

「なんだよ、なんか話してんな...」

 

 

「...(スーパー)サイヤ人になれ...ってさ......あいつ...」

 

ハゲのチビ...クリリンとか言うやつの言葉に孫悟空が答える。

 

旦那は何も言わずにその試合を見つめている。すると......

 

 

悟飯!

 

今まで黙っていた緑の男、ピッコロが急に大声を上げた。

 

うるさいね...急に叫ぶなんてさ...

 

しかし大声に反応して孫悟飯がピッコロの方を見る。

 

ピッコロは黙ったまま頷いてた。

 

へぇ、(スーパー)サイヤ人になれって言うことか。

 

 

「な、なんだピッコロ!何かあるのか!?」

 

孫悟空から戸惑いが入った問いが飛ぶ。

 

 

「な......なにかはわからない......だ...だが......」

 

いつになく歯切れの悪いピッコロ。

 

なんなんだいさっきから、焦れったいね...!

 

そう思っていると、二試合前に戦ってたシンとかいう選手が孫悟空たちに近づいて口を開いた。

 

 

「悟飯さんを利用させていただきます...申し訳ありません。そして皆さんは、これから何か起こってもしばらく動かないでいただきたいのです。...どうか、よろしく...」

 

その直後、うちの旦那が動きだしたのだった。

 

 

 

シンに掴み掛かり胸ぐらを持ち上げるという形で......

 




オッス!オラ悟空!

ど、どうしたんだ悟誠...!?落ち着けって!!
えっ...もう限界...?まだだ、まだ待ってろ、その怒りを爆発させんのは今じゃねえ...もう少し、もう少し堪えるんだ!!

次回!竜に選ばれし赤龍帝!

爆発寸前!?持ち堪えろ孫悟誠!!

ぜってえ見てくれよな!

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