歪んだ愛をアナタに(完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

レミリア様との会話です

では、どうぞ!!


第47話 詰み

 扉を開き、中へと入る。

 暗い部屋の中で一人の女性がティーカップを弄びながら黄昏ていた。

 

「久しい……という程でもないか。お帰りと優しく包容した方がいいのか……それとも、馬鹿野郎と罵りながら殴り飛ばすのが良いのか……」

「知っていたんですね」

「当たり前だ……と、言ってやりたいところではあるが、この間ふと見えただけでな。お前の辿るべき運命に一つの大きな道が増えたのが……正直、知らなかったよ。いや、気づけなかった。気付こうと努力もしていなかった」

「いえ、レミリアさんは何も悪くなんてないですよ」

 

 そう、これは俺が勝手に感じているだけのもの。レミリアさんが負い目を感じる必要なんてないのだ。

 

「お前がそう言ってくれるのは分かっていたさ。けれど、私は当主なんだ。部下達を支え、導く立場なんだ。そして、私たちは家族だ。家族は支え合いながら進んでいくものなんだ。少なくとも私はそう思ってる。だかどうだ?私はそれを全うできているか?出来ていない。私は、私自身をそう断言できるよ」

 

 そんな事はない!!

 そう、否定したかった。けれど、出来なかった。

 

「本当ならここで無理矢理にでもつなぎ止めておきたい。けれど、それはショウのためにはならない。重荷を増やしていく一方だ。ショウ、お前がたどる運命は星の数ほどにある。その中でいちばん大きいのは、お前が思っているものとは少し違う。けれど、その中で、お前は笑っていた。泣きながら、笑っていた。けれど、その大きな流れの中に、脇道がある。そこに流れていくことを、私は願っているよ」

「俺は流されるだけです。だから……」

「なに、私は奇跡を信じているだけと言う話だ。さて、これが最後になるかもしれないんだ。少しぐらい付き合ってもらうぞ」

 

 レミリアさんは将棋盤を取り出し、意地悪そうな笑を浮かべた。

 

「そうですね。最期になるかも知れませんから」

「そうこなくてはな」

「ああ、それと……これを」

「これは……お金?」

「はい。俺が紅魔館を出ていく時に貰った分です」

「まったく……返さなくてもいいというのに……まあ、有難く受け取らせてもらおうか。お前が帰ってきた時は、これで酒でも買って宴会でもおこなうか」

 

 レミリアさんにお金を返し、駒を並べ始める。

 この時は、何故だか重荷や、不安などの感情が一切無かった。ただ、純粋に、楽しかった。

 

 やはり、貴女は当主にふさわしい。

 貴女が家族だと言ってくれたからこそ、俺は沢山のものを知ることが出来たのだから。そして、今

 

 

 

ここに戻りたい。

 

そう思えるのだから。

 

 

 

 

 

 

だから、さようなら。

 

 

 

 

 

「……詰み。俺の、勝ちですね」

 

 




お読みいただき有難うございました!!

レミリアさんに一矢報いましたね。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

では、また次回。

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