揺れるよ揺れるよゆらゆらと~……誰かどうにかしてください(泣)
今のところ無事です(泣)
バイト(結局落ちて今は近くの飲食店で働いてます)で疲れて頭が回らないのぜ☆
早く慣れないとですね。
では、どうぞ!!
何時からだっただろうか。彼が私の生活の一部、私の日常と化したのは。
『ただいま』と言えば『おかえり』と返ってくる。
何時も一人の家、冷たい家に温もりを感じた。
私が人形に望んだ『ナニカ』を、既に彼はもっていた。
だから聞いてみたのだ。
いや、ただ私は彼との話の種が欲しかっただけだったのかもしれない……。
□■□■
「ねえ、松。少し……少しだけ良いかしら?」
「?何か分からないけど俺なんかが力になれるのなら力になるよ」
彼は優しく微笑んだ。
だから、私は安心して話を切り出した。
「実は……」
それは、私が作った物語のこと。
私が決めあぐねているあの物語のこと。
「そうですね……突っ込んじゃいますけど、それってどっちがハッピーエンドなんですかね?」
「え?どういうこと?」
「だって男は何か目的あって旅をしていたのでしょう?それを諦めてって言ったらあれですけど、兎に角手放して男はその場に残る。旅を続けるなら女をおいていくことになる……。夢か愛か、どっちかを犠牲にしてどっちかを手に入れる。っと、すいません。ド素人がこんな知った顔して話しちゃって」
「ううん。ありがとう。まさかこんなに意見してくれるなんて思ってなかったから。うん。本当にありがとう」
「そう言ってくれると言ったかいがありましたよ。頑張ってくださいね」
彼は頭を下げてお礼を言う私に、少し困った笑顔を浮かべながら激励の言葉を投げ掛けてくれた。
その顔が、その表情が、何故だか、異様に、愛しく感じて、悪戯をしたくなった。
「……少し前ね」
「?」
「松との関係を話したの。その相手がね?こんな風に言ってきたのよ『いまやっている人形劇とそっくりだな』って」
「……言われてみればそうだな」
「ねえ、もし、もしよ?私と夢を選ぶ事になったら……どっちを選ぶ?」
「……へ?」
まの抜けた声が静かに部屋の中を木霊する。
彼の顔には、どうしてそんな事を聞くのか?と言うのが浮かんで見えた。
しかし、そんなこと私にも分からない。ただ、何故か愛しく感じてしまっているのだから。
「ねえ、どうなの?」
「いや、えっと……その……俺は外に行きたい、です」
「……そう」
「で、でも、俺がちゃんとお金を稼げるようになったら、その時はキチンとお礼をしに戻ってきますよ」
彼は困った笑顔で微笑んだ。
□■□■
私は嬉しかった。
私は嬉しかった。
私はうれしかった。
私はうれしかった。
私はウレシカッタ。
私はウレシカッタ。
私はウレシかった。
私はウレシかった。
だから手放したくなかった。
でも、彼は外の話ばかりを話していた。
このままじゃ彼が外にいってしまう……。
また、一人になってしまう……。
どうにかしないと……。
どうにかしないと……。
ドウニカシナイト……。
ドウニカシナイト……。
ドウニカしないト……。
ドウニカしないト……。
取り敢えず今はまだ心配だからでどうにかなっている。
だが、それではダメだ……それだけでは足りない……。
だから毒を盛った。料理はバレる可能性がある。だから、花瓶の花を毒の花粉を飛ばすものに移し代えた。
だめだ。
だめだ。
ダメダ。
ダメダ。
ダメだ。
ダメだ。
彼は気付いていなかった。
少し体調が悪いと言っていた。そして、換気を始めた。
体調が良くなってきたから運動した方がいいかな。と、運動をするようになった。
彼は外に出るつもりだ。
いけない。
いけない。
イケナイ。
イケナイ。
イけなイ。
イけなイ。
遂に彼が聞いてきた。
焦ったかのように、鬼気迫った様子で……。
だから私は言った。ずっと私を頼ってくれればいいと。
まずい。
まずい。
マズイ。
マズイ。
まズイ。
まズイ。
まだ準備が整っていないのに……どうしようドウシヨウどうシヨウ……。
取り敢えず道具を揃えないと……。
□■□■
アリスさんが人里に向かった。
今日は遅くなると言っていた。
これを逃したら次いつ逃げられるか分からない。
アリスさんを疑いたくはなかった。しかし、疑わざるを得なくなった。最初に違和感を覚えたのはアリスさんに助けられて一週間過ぎた頃。彼女が聞いてきた物語への質問の後ぐらいだった。
その先日は俺がアリスさんの家を出るための準備を進めていたのだ。俺は手伝わなくても良いと言ったのだがアリスさんは率先して手伝ってくれた。が、質問に答えた翌日になればどうだ?荷物を纏めるどころか荷を解いて俺を押し止めた。まだ、その時は何でだろう?程度にしか思っていなかった。むしろそこまで他人の俺を気遣ってくれているのかと嬉しくさえ思った。
その違和感がハッキリしてきたのそれから……三日か四日ぐらい経ったころ。アリスさんが花を取り替えた。それ自体は特に何の違和感もない。しかし、その花が妙に毒々しい。そして、その日から妙に体が気だるく感じるようになった。そして、換気を小まめにするようにしたら一週間もすれば気だるさを感じなくなった。十中八九あの気だるさの原因はアリスさんが取り替えた花が原因だろう。
そして、更に一週間。今までも疑ってはいた。が、心の大部分で命の恩人であるアリスさんを疑いたくはなかったし、何処か信頼していた。だが、夜中に聞こえてくる声が俺のアリスさんへの疑いを強くしていく。微かにしか聞こえはしないが『準備をしないと』や『はやくはやくはやく』そして、決定的になった『新しい手足を……』。
手足はまだ日常で使うかもしれない。しかし、その言葉の前に『新しい』が付いたら……想像したくない。けれど、脳が連想してしまう……。嬉々として俺の手足を切り落とすアリスさんのすがt『しょう……』
ビクッ!!
「な、ななんだ?こんな夜中に」
「いえ、少し要が出来たから……寝てなかったみたいだから一応言いに来たの。出来るだけ早く戻るわ……イッテキます」
「あ、ああ、そうか。気を付けてな。いってらしゃい」
キィィ……バタンッ……
木製の扉が軋む音が静かに鳴り、そして妙に重々しく閉まった。
窓の外には里へと続くであろう街道をゆっくりと歩いていくアリスさんの姿。
どうする……逃げるか?いや、しかし命を救ってもらった身としてそれはどうなんだ?もしこれが俺の勝手な勘違いだったら……。
いや、でも、どうしてこんな夜中に出ていったのだろうか?『新しい手足』とやらと何か関係しているのだろうか?そもそも『新しい手足』とは一体何なのだろうか?そう言えばアリスさんは人形を作るのが趣味、仕事?のようだし、人形用の手足の事かもしれない。いや、そうに違いない……ちがい、ない……んだ!!
「……………………クソッ!!」
どうしても嫌な方向に考えを進めてしまう自分に嫌気がさす。
「……はぁ。駄目だな俺。命の恩人を信じられない屑だったなんて……。出ていくか」
メモ帳に『今までお世話になりまし。ありがとう。何時かキチンとお礼をしに来ます』とだけ書いてテーブルの上に置く。
命の恩人にキチンとお礼を言わないのはどうか思うが、恩人を疑うような屑と一緒に居るのは少なくとも良い気持ちではないだろう。そう心に言い聞かせるようにしながら外へと続く扉に手を掛ける。
そして、約一ヶ月ぶりに外へと出る。
外は満月。十六夜だろうか?生憎と月には詳しくはない。
振り返り、一度アリス亭にお辞儀。
思い越すことは数多くある。今ならまだ戻ることもできる。戻ってキチンとお礼を言うことも、出来る。
しかし、今の俺では心からお礼を言うことは出来ないだろう。
「また戻ってくるから」
そう、小さく呟いて、俺は外へと足を踏み出した―――
『……………………………』
お読みいただき有難うございます!!
ふうむ、文が出てこないなりよ。御免なりな。
さて、アリスさんに(ヤンデレの)決定打が出てきましたね。いやーわからなかったなー(棒)
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
そろそろ松くんもヤバそうですね……(白目)
では、また次回~