第40話からの分岐となります。
もしも、永琳に話さず、直接うどんげに話した場合です。
では、どうぞ!!
「だから、ごめんなさい。俺は不老不死になるつもりはありません。
それに、今更俺が不老不死になって紅魔館に戻ったとしても……俺が原因だとしても、俺自身があれを元通りには出来ない。だったら、大人しく死ぬのが良いんだよ」
鈴仙さんは悲しげな笑顔を浮かべた。その目の端には光を反射する涙。
「そうですか……分かりました。これ以上は失礼になりますよね……ごめんなさい……」
「……優しいですよね、鈴仙さんは。俺にはそんな事真似できませんよ」
「そんなこと、ありません。私より、松さんの方がずっと優しいですよ。それでは、失礼しますね」
鈴仙は顔を俯かせたまま、部屋を出ていった。
「俺は、優しくなんてないさ……」
俺の行動を素晴らしいと言う人はいないだろう。人の気持ちを考えろと言うだろう。それとも、可哀想だと言うだろうか。まあ、どう思われようと俺は考えを改めることは無い。
こうして、考えを貫こうとするだけ俺は成長出来たのだろうか?
恐らく、成長しているのだろう。誰かが泣いているのを見て、心配出来るようになるほどには。
「……少し、歩くか」
どうせ今日は休みだ。
色んなところに行ってみよう。
■□■□
空には雲が。そして、その雲の隙間からは度々太陽が顔を覗かせる。そんな曇り空。
大通りには甘味屋、雑貨屋、大道芸、瓦版……多くの人で賑わっていた。
そんな中、特に目的もなく、一つの店に入る。それは、小さな雑貨屋だった。
『いらっしゃい』
声を掛けてきたお婆さんに会釈を返し、商品を見ていく。
扇子、湯呑み、和傘、脇差し、作務衣……そして……
「あっ……」
『ああ、お客さん。その簪が気に入ったのかい?それはねぇ、はるか昔に龍神様が訪れた時の鱗を使って作られたものらしくてねぇ。前までは香霖堂にあったんじゃが、男の自分には必要ないと、ここに置いて行ったんじゃ。そんなに貴重な物を頂いたのは良いのじゃがのぅ……一度つけてみたが、どうにもわしには似合わんくてのぅ……それならばと思うて、こうして売りに出しておるんじゃ。どうせなら、これが似合う女子に付けてもらいたかったんじゃが……』
「似合いますよ。彼女なら。これ、幾らですか?」
それを指差しながら値段を聞く。
『ほう……それは良かった。それなら、持っていっても構わんよ。どうせ香霖堂の店主が勝手に置いていったんモノだからねぇ。代わりにと言っちゃあ何じゃが、その女子が付けたところを見せてくれないかい?』
緑、青、赤の三色を映し出す簪をお婆さんにわたし、包んでもらう。
その三色は、どことなく彼女の持つ七色の力に似ていた。
「それじゃあ、代金はこれで」
手持ちの有り金を全て出し、店を出た。
これぐらいの贅沢は、許されるよな?
そんな事を考えながら、俺は家へと帰る。
これで、良いのだろうか……
と、一抹の不安を抱えながら……
お読みいただき有難うございます!!
中途半端ですみません。
何かしらの形で松くんにフラグを付け足したかったんです。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
次回はこの場合、永遠亭がどう動いたのかの内容です。
では、また次回〜