歪んだ愛をアナタに(完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

今回は(も)短いです。
スランプ、またぶり返してきたなぁ……

では、どうぞ!!


第36話 しこう

「……んっ」

 

 まばゆい光、太陽の光が顔を照らし目が覚める。窓から見える外の景色には竹林の姿は一切ない。それもその筈。ここは迷いの竹林でも、永遠亭でもない。足が折れる前に住んでいた少しボロい長屋なのだから。

 太陽の光を鬱陶しく思いながら布団から起き上がる。部屋の中に置いてある水瓶の蓋を開き顔を洗う。その冷たさに一瞬体が動かなくなるが、そんな事に文句は言っていられない。頭にも少し水を掛け、寝癖を直す。今日からこの長屋から永遠亭に通って行かなければならないのだ。明確な時間は設定されてはいないが早めに出ることに越したことはない。

 干してある沢庵と昨日の余りの玄米を皿に盛付け、手を合わせる。

 

「いただきます」

 

 小さく呟き、箸を持つ。紅魔館を出てと言うもの洋食を口にしていない。殆どが和食、それも野菜ばかりだ。大根、白菜、山菜、キノコ類、豆類。が主だろう。肉も食べないことはないが鶏肉位なものだ。まあ、そもそもの話殆ど売っていないのだが。

 幻想郷に食べる目的での家畜は鶏しか存在していない。牛も居ないことはないのだが、どちらかと言うと労働力としての存在だ。豚はいない。代わりに猟師が捕ってきた猪や鹿の肉がちょこちょこと出回っている。

 この世界の物価と言うものはとても安い。いや、極端と言えばいいか。単位が違うから説明しづらいが、大根が此方では一本五、六十円程度で売られている、のに対し、牛肉グラムが数千円で売られているようなものだ。そりゃあ手が出るはずがない。とまあ、そんなこんなで、最近は肉と言う物を口にしていないのだ。

 

 なんて、どうでも良いことを考えながら朝飯を完食。

 

「ごちそうさまでした」

 

 最後にまたちいさく呟き食器を片付ける。これから仕事へと向かうのだが、これといった準備はしていない。持っていくものは、永遠亭で頂いた鉛筆とメモ帳ぐらいだ。

 玄関でボロボロになった靴を履き、引き戸を開ける。

 

「おはようございます松さん。お早いんですね」

「…………おはようございます鈴仙さん。どうしてここに?」

 

 ここで冷静に対応できた自分を褒めたい。

 

「どうしてって、向かえに来たんですよ?まだ竹林の道程を覚えていないでしょう?」

「ええ、まあ、覚えてはいませんが……因みに何時から此処で待っていたのですか?」

「そうですねぇ……日が出る前だったから……四時間程度でしょうか」

 

 四時間!?何を考えているんだこの人は……流石に此処まで来たら親切って一言だけで済ませれる範囲じゃないぞ。ストーカー……一度八意先生にそうだん―――

 

「不自然なトコろなんてないデショう?」

「―――そうですね。すいません、寝起きのせいか頭が働いていなかったみたいです」

「いえいえ、イインですよ。ただ、やっぱり朝は寒いですね。最初は入ろうかとも思ったのですが、やっぱり許可を貰っていないですからね。出来れば今度から入りたいのですが……」

 

 流石にそれは断りたいところだ。これは特に理由を考えなくて普通に断れば―――

 

「だめデスか?」

「そうですね。やはり、寒いなか態々来てもらっているのですから……ただ、寝ているのでおもてなしが出来ませんがそれでも良いですか?」

「はい。全然構いませんよ。アリガとうございます」

 

 よかったおもてなしもできないのにもうしわけないがこれはいたしかたないことだろう。

 

「それじゃあ準備してきますので、もう少し待ってもらえますか?」

「急いでくださいね?」

「分かっています」

 

 鈴仙さんの冗談混じりの言葉に此方も笑顔で返す。

 流石に女性とであるくのにぼろぼろのくつではかっこうがつかないたしかあたらしくかっておいたげたがあったはずあれをはこうか。

 

 

 

 

 

 

『フふッ』

 

 

 

 

 

 

「すいません。お待たせしました。それでは行きましょうか」

「ハい!!」

 




お読みいただき有難うございます!!

うどんちゃんが真っ黒に……もうだめみたいですね(白目)
松くんがんばって……

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

最近は昼と夜の温度差が激しいです。皆さん、体調にはお気をつけて。

では、また次回~

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