歪んだ愛をアナタに(完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

軽いスランプ気味
まあ、イメージが出来るだけマシですね。

では、どうぞ!!


第29話 立派な成長

 入院四日目。

 

「足の具合はどうですか?」

「動かさなければ痛くないです」

「そうですか」

 

 鈴仙さんの質問に答える。だが、一つだけ気になっている事があるのだが……

 

「…………あの、お仕事の方はよろしいのですか?」

 

 彼女が、かれこれ三時間此処に居座り続けると言うのは何故なのだろうか?

 

「大丈夫ですよ。全て終わらせてきました。今日は配達もありませんし……ようは暇だから居座っているだけです」

「そうですか……」

「それと……あれですね、こう、この部屋はなんと言いますか……妙に気持ちがふわふわするんですよね~」

 

 鈴仙さんはどこかうっとりした様子で言った。だが、言うほど気持ちが良いだろうか?確かに畳のいぐさの匂いと言うものは、想像以上に落ち着くものではあるが……そう言えば、永琳先生がリラックス出来るお香とやらを置いていっていた。言うほど良い香りがするわけでもなかったが……やはり女性の方がそう言う物には敏感なのだろうか?

 等と

 

「とは言っても流石に退屈ですね。何かお話ししましょうか」

「お話しとは言っても、自分はそんな人に話せるほどの話題はありませんよ?」

「大丈夫です!!こう言うときは言い出しっぺの法則。つまりは私の昔の話をしてあげましょう」

 

 何故かノリノリで話を始めようとする鈴仙さん。何処か酔っ払いのような雰囲気が出ているが気のせいだろうか?まあ、何にせよ話を聞こう。

 

「私は月に住んでいました」

 

 早速ぶっ飛んだ内容だ。これに対して俺はどんな反応を返せば良いのだろうか。そして、分かったことが一つ。鈴仙さんは何故か酔っている。何故かは分からないが。

 

「あ、信じていませんね?まったく……本当なんですよ?兎に角、私は月に住んでいたのです。そこで私は軍に所属していました。その軍の中でもトップの成績を残していたのはこの私なのですよ」

「そうですか。凄いですね」

「でしょうでしょう。そんなとき、私は月のトップの二人に気に入られ、その二人の下で訓練に励む日々。そもそも月に攻め込める筈がない。そんな考えから軍では緩い訓練。そんな緩い訓練の中でトップになった私には、戦争と言うものが何なのか、死とは何なのか、敵とは何なのか……そして、それらを殺す方法を徹底的に叩き込まれる日々。とても辛くて怖かったです……ですが、一番怖かったのは……死ぬのが怖かった……」

 

 さっきまでの自信の有り様はどこへやら。段々と小さくなっていく声。そして、遂には膝を抱えてしまった。

 

「もし、戦争が起きたとしたら……私は最前線で戦うことになる……そう言われました……怖かった……逃げることも、立ち止まることも、二人はただ一度とさえ許してはくれなかった……お二人が私を生き残らせるためにしてくださったのは分かってる……分かっているんです……けど…………だけど、言われる度に怖くなって……このままだと死ぬぞって言われてるような気がして……そして…………戦争が起こりました……。

 真っ先に戦場に投げ出され、周りの味方が、友人が血を流し倒れていく様が、化け物共に食い散らかされていく…………私は気付いたら脱出用の羽衣を着て月から出ようとしているところでした。そこに、私の後輩が来ました。彼女は左腕が潰されていました……そして、私を見て口を開こうとして……何も言うことなく化け物に喰われました……私は逃げた……月から地球に来て……必死に逃げた……そして、姫様たちに拾われたんです。

 姫様達は何もいってくれませんでした。ただ、怖かったのねと、優しく私を抱き締めてくれました……けれど、どうしても……思い出してしまうんです……あの子が驚いて、絶望や憎しみを込めた目で私を見ているのを……。

 ……すいません、私どうかしてましたね。まだ会って数日の相手にこんな話なんかしてしまって……それじゃあ、失礼しますね」

 

 月に軍なんて必要なのだろうか?そもそも月に住むことなんて出来るのだろうか?

 とまあ、疑問に思うことは数多くあるが……

 

「愚痴を聞く程度でしたら何時でも要らしてください」

「……え?」

 

 ……こんなことを言えるようになったのは、立派な成長なんじゃないかと思う。

 

「えっと、その……ありがとうございます!!」

 




お読みいただき有難うございます!!

うどんちゃんにフラグが立ったよ!!ヤったね!!
まあ、へし折るか確率させるかはちゃるもん次第ですがね。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

もう少し文字数を増やしていかないとですね。

では、また次回~

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