悪魔だけど平和に生きたい   作:ブレイカー

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風邪引いてうなされながら今回の話を書いたので理論的におかしいところがあるかもしれない。
なのでおかしいところがあれば言ってください。訂正します。

感想お待ちしておりまーす


第9話

ヤバイ。

俺は今、命の危機に立たされている。

 

その理由は俺の両隣にいる二人の殺気がヤバイことになっているからだ。

少しでも気を抜けば殺られる!みたいな。

 

先ずは右側、サーゼクス・ルシファー。

 

笑顔の癖に顔が笑ってない。

その目は「てめぇ、これはどういう事なんだよ!あぁん!!」と盛大に語っている。

 

そして、俺の左隣、上杉輝姫。

 

今にもフィールドに飛び出して、斬りかかりそうな雰囲気を出している。

そして、その目も笑っておらず「お・し・お・き・か・く・て・い・ね!」とこちらも盛大に語っている。

 

その回りの最上級悪魔達は完全に二人の雰囲気に萎縮してしまい、ぶるぶると震えているだけだ。

ちなみにジャンヌ達は既にこの部屋からは逃げ出している。恐らく自分達にも被害がいくと察したのだろう。

薄情者め!

 

ちなみにこの二人が怒っている理由を予測できる人……もしくは、人でなくてもいいので挙手、あるいは何らかの行動で示してください。

 

正解はですね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今目の前で、グレモリー眷属がライザー眷属に敗北しました☆

 

 

……いや、俺も負けが確定したときは呆然としたよ。

だって絶対に負けないように特訓したんだもん。

今でも負けたことが信じられない。

 

今回の敗因をゲーム中に起こった台詞や行動を見て考えるとすると、それはずばり「俺とその眷属達の知名度」。

 

実は俺とその眷属達は何故か冥界中で強力な力をもつ事で有名である。

 

その俺達がリアスちゃん達に修業をつけていることをライザー眷属が一人、僧侶の「謀殺の鬼畜」とまで呼ばれているミストって言う娘にバレてしまったのが原因だ。

 

その娘は最初にグレモリー眷属の陣地へ背後から襲わせるように指示して兵士を含む四人組で強襲をかけたが俺達の特訓を受けていたグレモリー眷属にとって大して実力ではなく撃退に成功した。

 

それにはつい最近、悪魔になったばかりの兵藤も感動していた。木場君達も自分達の成長を感じとれたのか嬉々として逃げていく敵を追いながら敵の本陣を狙った。

 

……ただし、兵藤。てめぇは後で説教だ。

何だ?「洋服破壊(ドレス・ブレイク)」って。そんな技を特訓期間中考えていやがったのか?ああ?

 

後、後ろで騒ぐ悪魔(変態)共。

少し黙ってろ。不愉快だから。

別に輝姫とジャンヌに切られたいって言うなら構わないけどよ。

 

一気に部屋が静寂で包み込まれる。

それほどこの二人は恐れられているのだ。

 

しかし、俺と輝姫、後サーゼクスは逃げていくライザーの眷属達を見て少し違和感を持ったがそれがなんなのかを確認することはできぬ間に次々と場の展開は進む。

 

次々とリタイアしていくライザー眷属。

ますます勢いを増し攻め込むグレモリー眷属。

 

そして、いよいよライザー陣営の本拠地の目の前へとたどり着いた。

流石にここまで攻められれば切り札を切るしか無かったのか「爆弾女王」と呼ばれる……ええっと……そうユベルとその他の眷属が現れた。

 

流石に女王なだけあり、兵藤達には荷が重かったので本陣の防衛を担当していた朱乃ちゃんが出た。

ライザー眷属が全員出たことでもうこれ以上の強襲は無いと判断したのだろう。

 

部屋にいるほぼ全ての人がグレモリー眷属の勝ちを予想した。

ジャンヌやレイヴェルちゃん達すら勝ちを予想していた。

 

しかし、俺、輝姫、サーゼクスは先程からくる違和感に悩まされ続けている。

何だ?何が気になっているんだ?

 

そして、その答えは朱乃ちゃんがライザー陣営の本拠地へたどり着き───例のミストちゃんがニヤリと笑みを深めた事で確信した。

 

そこで俺達は一斉に叫んだ。

 

 

 

 

───本陣へ戻れ!!

 

 

 

 

と。

 

 

それに驚いていたのは同じ部屋にいる人達。

悪魔の中でも滅多に声を荒げることのない俺達が一斉に叫んだのが相当驚いたのだろう。

 

しかし、俺達には今そんなことはどうでもいい問題なのはこの戦況が一気にひっくり返される事だった。

 

そして、俺達の叫びは届かず間に合わなかった。

 

本陣を丸ごと包み込む巨大な結界が張られグレモリー眷属は囚われてしまったのだ。

 

しかし、囚われたところで力が弱るわけでもない。

それにグレモリー眷属の総戦力が揃っているのでライザーを倒せばいいだけの話なのだから。特に気にすることは無いだろう。

 

 

 

"ライザーが結界の中にいれば(・・・・・・・・・・・・・)"の話だが。

 

結界が張られると同時にグレモリー眷属の本陣が炎に包まれた。

 

驚き振り替えると遠目で結界越しとはいえ、決して忘れる事ができない今回の敵の本命()がそこにいた。

 

リアスちゃんと一対一で向かい合っている。

炎に包まれた瞬間に僧侶のリタイアの宣言がされていたのでアーシアちゃんは先にやられてしまったのだろう。

 

グレモリー眷属は皆、どうしてライザーが自分達の本陣にいるのか分からず、呆然としていた。

何故?どうして?って感情が大きいように見える。

 

そこで今まで押し込まれていた、ライザー眷属が総反撃に出た。グレモリー眷属達は先程と明らかに力が違う事に戸惑いながら必死に対応している。

 

そう、これが俺達の考えていた違和感。

ライザー眷属があまりにもやられ過ぎていた(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」事だった。

 

いくら俺達が鍛えたからと言ってライザー眷属があまりにも容易く撤退していた。

本来なら俺と輝姫はそれで一対一の力量差は良くて七:三ぐらいだろう。と予想していた。相手も既に公式戦を何度も経験している筈だから。

それなのに少し矛を交え軽傷の身で撤退していく事に違和感を抱いていたのだ。

 

そして、その答えが目の前の光景。

 

眷属全て……いや、本陣すらも捨て駒(サクリファイス)とした王による敵陣への単騎特攻。

それが答え、だ。

 

一概に王と言ってもその性能に差は当然ある。

それが素人(リアスちゃん)玄人(ライザー)であれば尚更だ。

 

それに今回は相性も悪い。

いくら滅びの魔力によって滅ぼそうとしてもライザーは不死鳥の力で蘇る。

何よりライザーはこの状況で遊ぼうとは考えずに本気でリアスちゃんを倒しにいっていた。

 

戦況がひっくり返った。

 

兵藤が朱乃ちゃん達の協力を得て倍加させた力で結界をぶち壊し、本陣に戻ろうとしているがそこは敵本陣にいたと言うことで、端から端まで戻らなければならない。

 

明らかに間に合わない事は誰の目からしても分かっていた。

 

それでも諦めなかった。兵藤はリアスちゃんの為……仲間のためにも走った。

 

しかし、現実は残酷だった。

本陣に戻った兵藤が見て聞いたのはぼろぼろになったリアスちゃんのか細い声と姿。そして、グレイフィアさんの無情なグレモリー眷属の敗北の宣告だった……。

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで冒頭に戻るわけだが……これどうしよう。

 

とりあえず、他の最上級悪魔の皆様方には一度この部屋から出ていって貰おう。

そうでないといつまで経っても話が進まない。

 

その場に俺達以外誰もいなくなると同時に俺の両肩をがっしりとサーゼクスが掴んだ。ミシミシと骨が悲鳴をあげている。痛い!痛いってば!?

 

勝てるように育てたのではないのかって?

最初からその気だったさ。そして、勝てるように育てた気だった。

まさか、あの変なプライドだけはありそうな男が全てを犠牲にして単騎特攻を仕掛けてくるなんて思ってなかったんだよ。

 

多分あのミストって娘の戦術だろうね。ライザーを動かしただけでも大したものだけど、俺達すらギリギリまでその作戦を見抜けなかった戦略に対する才能は本物だろう。

多分彼女がいなかったらグレモリー眷属の圧勝だったんだろうな。

 

……うちの牝豚(僧侶)とトレードしてくれないかな?無理だよなぁ?

 

そんなことはどうでもいいから、これからどうするか考えろだって?

 

う~ん。一応策は無いわけではないよ?

 

ただし、この作戦だとお前に色々と面倒な事案が発生するし、俺にも色々と代償はついて回る。

それでもいいならあるけど。

 

え?いいの?

なんなら魔王も辞めても良いって?

 

……ほんっとシスコンって恐いわー。

一時の気の迷いであろうけどそんなことを平然と言ってのけるなんて。グレイフィアさんが聞いたら荒ぶりそうだわ。いや、彼女もプライベートではシスコンだから、ノリノリでやりそうな気がする。

 

とりあえず、サーゼクスには俺の出したいくつかの条件を飲ませた。その中にはある程度無理がある事もあったが嬉々とした顔で次々とその条件を満たしていく。

本当に恐いわ。シスコン。

 

さてそんなわけでこの作戦一番の山場である「赤龍帝」の強化をしにいくとしますか。

時間は短いからな。

夢の中でも無理矢理戦闘の事しか考えられない様にしてやるぜ。

 

おや?輝姫もヤル気?

 

罰ゲームを執行する時が来ました?

 

じゃあ一緒に兵ど…ゲフン赤龍帝を鍛えに行こうか。

 

 

その後、兵藤はまさに生き地獄を味わったようだと後に語るがそれはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日いよいよ婚約パーティーの日である。

 

サーゼクスに婚約パーティーの日程を出来るだけ伸ばすようにお願いしていたので、修業の時間を一週間に伸ばすことができた。

 

兵藤には頑張ってもらわないといけない。俺やサーゼクスが手を下すと大人げないで終わらせられてしまうが、眷属悪魔である兵藤…いや、赤龍帝ならば話は別である。

 

後は兵藤をライザーと戦わせて兵藤に勝たすだけだ。

兵藤には不死鳥対策としてとある術式と道具を一通り持たせている上に神器の奥の手「禁手」にも代償込みで三十秒だけなれるようにもなった。

 

これで準備万端。

後は時間が来るのを待つだけだ。

 

よーし皆!

今日は兵藤の勝利を願って飲もうぜ!

いやっふー!レッツパーリィィィ!!

未成年組はジュースな!

今夜は寝かさないぜぇぇぇぇ!!

 

 

 

…おや?

何で貴女がここにいるの?グレイフィアさん。

 

…えっ?俺にもパーティーに出てもらう?

何で?

 

万が一の為の保険?

 

えっ?嫌だよ?この前のレーティングゲームの観戦時のように年老いたやつらばっかりのやつならまだいいけど、今度のパーティーでは若い悪魔も来るんだから中二臭い俺の二つ名が聞こえてきちゃうじゃん。

俺はアザゼルの様になりたくない(真顔)

 

というわけで拒否権を行使させてもらいます。

 

え?サーゼクスからの伝言?

「拒否権はないからな」?

 

流石幼馴染みの一人俺の言動を予測しきっているぜ!

 

こうして俺はグレモリー家の人妻メイドに礼服に着替えさせられ(昔から女には何故かよく服を着せ替えられるから慣れてしまった)パーティー会場まで腕を引っ張られた。

 

その時に、ドナドナが聞こえたのは気のせいだと思いたい。




ライザー眷属の僧侶枠にレイヴェルちゃんの代わりにオリキャラをいれてみました。

詳細はまた後々で。

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