悪魔だけど平和に生きたい   作:ブレイカー

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エイプリルフールで「お前の事が好きな女の子がいたから告白すれば付き合えるんじゃね?」って偽情報流したら、本当に好きだったようで付き合い始めました。

俺の事をまるで恋のキューピッドの様に感謝の言葉を言ってくる二人に本当の事が言えなくて胸がいたいです。


第8話

いよいよ特訓合宿の当日となった。

輝姫は準備があると言って昨日セクハラを犯そうとした馬鹿一名を引き摺って先に合宿場へと向かった。

……嫌な予感しかしません!

 

リアスちゃん達は俺達の姿がぼろぼろになっているのを見て疑問を抱いているみたいだ。表情を見れば分かる。

 

……すぐに分かるさ。君達も劣化バージョンとはいえあの特訓を受けるのだから……フフフ。

 

山の上の別荘に行く階段を昇る。

俺達の荷物はリアスちゃん達が少しでも特訓として使いたいってことで全部預けている。

子猫ちゃんはともかく、兵藤の荷物は山盛りになっている。

 

さて、山の中腹まで登った所で少しピリッとした感覚が俺を襲ったため横に跳ぶように叫んで忠告する。

皆、俺の言葉に反応し横に跳んだ。アーシアちゃんはジャンヌが抱えてくれている。流石です。

しかし、兵藤はただでさえ重い荷物のせいで反応も行動も遅れてしまったためその場に立ち尽くしてしまった。

 

その兵藤の腹に極太の木が突き刺さったのはその一秒後の話。

 

ごろごろと階段から転がり落ちる兵藤。

それを皆は呆然とした顔で見ている。

 

!ぼうっとすんな!第二波が来るぞ!

 

はっとしたリアスちゃん達が前を見るとそこには先程と同じ位の大きさの木が飛んできた。

それを皆慌てて回避する!

 

くそっ!あいつやりやがった!

 

輝姫式トレーニングその一。

 

『特訓場まで生きて行けるかな?弾幕ゲーム』

 

特訓場までの道程で輝姫が罠や攻撃を仕掛けてきて生きるか死ぬかのギリギリを見極めた弾幕を張ってくる修業だ。

 

今はリアスちゃん達がいるから極太の木で済んでいるが俺達だけだとこれが斬撃の嵐に変わる。

ちなみにかすっただけで致命傷になりかねない威力のね?

それに、比べたら遥かにレベルは低い。

 

おおっ!木場くんが仕掛けた!それに合わせて木もとんでもないスピードで迫る!

木場くんすれすれでかわしたー!

 

このまま一気に駆け登れー!!

 

 

 

 

 

 

 

しかし、木の影から重なるようにして飛んできていた二つ目の木に木場くんは腹を撃ち抜かれ兵藤と同じ様にごろごろと落ちていった。

木場くーーん!?

 

 

結局俺の眷属+アーシア(非戦闘要員として俺が抱いて上がる事を許された)以外が山頂の別荘に辿り着けたのは特訓その一開始から五時間後の事だった。

 

と言ってもクリアしたのではなくこのままではいつまでたっても特訓が始められないと判断した輝姫が途中でその一を中止にしたのである。その一からこの調子では先が思いやられるな。

 

アーシアちゃんがぼろぼろになって上がってきた全員を神器で治療している。俺とレイヴェルちゃんも回復魔法を使い怪我人の治療をしていく。

レイヴェルちゃんがフェニックスの涙を使おうとしていたが流石にそれは止めた。

何故ならばフェニックスの涙自体高価ってこともあるが、この程度の(・・・・・)傷で使っていては後々もたなくなる。

 

ちなみに輝姫におどさ…命令されて木を伐採していたのは戦車の眷属悪魔のラーク。

 

彼はグレモリー領内にいた下級悪魔で兵藤のように性欲に正直な奴だ。

一応中級悪魔には昇格しているが輝姫に修業の旅に付き合わされているため、その実力は最上級に匹敵する。

 

…まぁそれでも、戦闘要員の中では最弱の扱いなのだが。

他のやつらがチート過ぎる(ブーメラン)

 

 

 

 

ある程度休んだ所で戦闘スタイルに合わせて特訓開始。

ちなみにグループは以下のようになっている。

 

総監督:輝姫

魔法戦:朱乃ちゃん、リアスちゃん、補助で俺

近接戦:ジャンヌ、木場君、子猫ちゃん、補助で俺

補助役:レイヴェルちゃん、アーシアちゃん、俺

総合:兵藤、ミッテルトちゃん、ラーク

 

…俺過労死すんじゃないの?

実質、俺総合と変わんないと思う。

 

…えっ?「私の主ならそれぐらいはできます?」

いや、買ってくれているのは嬉しいんだけど俺、そこまで大物じゃないんだけど?

 

…ごめんなさい。分かりましたから、刀下ろしてください。

 

 

 

 

 

 

というわけで、早速特訓開始です。

 

被害が出てもいいように特別な結界……『封絶』を張って開始する。

この封絶、損害した分だけ魔力を籠める事で結界を張る前の状態まで戻せるという優れものだ。

輝姫の特訓の際にはお世話になってます。

 

先ずは近接戦闘組から。

 

特訓名その二『自分(少し強化版)×百人抜き大会』

 

ルールは簡単。

先ずは手加減付きのジャンヌとそれぞれ一体一で戦ってもらう。

 

その戦闘の最中に三人がやる癖や特徴を記憶し、それを片手間で作っていた本人そっくりなゴーレム(参加人数×百)にインプットする。

ちなみにそれぞれ体重や身長、スリーサイズまで完璧な出来となってます。

いやぁ、久々にいい仕事しました。

大満足。

 

出来映えを見て、詳細を聞いた子猫ちゃんが顔を赤くしてぶん殴られた。

何故だ?

 

後、兵藤とラーク。てめえら俺に女性のスリーサイズを聞きにくるんじゃねぇよ。

特にラークお前はロリコンなんだから余計駄目だ。

 

こほん…で後は出力。

本人達の実力より少し強くした出力に設定。

ただし木場君や兵藤の神器組の方は少し特色を変えているけど。

 

流石に神器まではどんなにやってもコピーはできないから木場君のゴーレムには無限の剣製もどきの術式を、兵藤のゴーレムには時間が経つにつれ出力をあげる術式を入れておいた。

 

こうしないと対等にはならないからな。仕方がない。

 

後は一日の間にこいつらを百人抜きしてもらうだけです。

あっ、ちなみにここ竜脈のほぼ真上位にあるからお前らが百人抜き失敗した時に自動で魔力を吸い上げ再生するように設定してるから。

 

……やっぱり顔ひきつるよね?分かります。

 

俺もこの修業やるって聞いたとき耳を疑ったわ。

 

あっちなみにラークとミッテルトちゃんはジャンヌとのガチ戦闘ね。

最近ジャンヌの作った聖剣、とんでもない聖なるオーラ出すから二人とも気を付けなよ?

 

とりあえず、今日は総合組は近接戦闘組に混じっててね。

俺は次の組の方へ行くから。

 

後ろから悲鳴が聞こえた気がするけど気のせいだろう。

 

 

 

 

 

はい。魔法戦闘組の方へやって来ました…が、どうやらこちらは既に始まっているようだ。

 

斬撃の嵐が盛大に吹いている。

 

それに合わせて木々もぶっ飛んでいる。

 

時折、滅びの魔力や雷が飛ぶのが見えるがそれすらも飲み込んで斬撃は術者を襲う。

 

……俺、魔法を教えることになってたけど見なかった事にしよう。

 

俺は静かにその場を立ち去った。

無責任と言われてもいい。俺は自分の命が大切なんだ!

 

特訓名その三『理不尽に撃ち勝て』から俺は静かに逃げ去った。

 

 

 

 

 

さて、ところ変わって補助組。

 

こちらはほのぼのとしていた。

 

レイヴェルちゃんがアーシアちゃんに神器が使えなくなった時の為に回復魔法や戦闘をサポートする魔法をアーシアちゃんに教え、それを修得していく度に一喜一憂するアーシアちゃん。

 

……いいわぁ。こういうのいいわぁ。

 

殺伐とした雰囲気俺苦手なんだよ。

これに明後日ミッテルトちゃんが合流する(明日は魔法組)と考えると凄く良いね。

 

俺が来たことが分かるとレイヴェルちゃんは俺に飛びかかってきた。子犬か何かかな?この子。(フェニックス)だけど。

 

俺もアーシアちゃんに色々と教えてあげる。

その間レイヴェルちゃんはずっと俺の膝の上だ。

 

俺だけこんないい思いしちゃっていいんだろうか?

 

ついつい浮かれちゃって禁術クラスの魔法まで教えちゃったけど……大丈夫だよね?

 

 

 

 

 

 

さて今日最後の修業となった。

 

特訓名その四『一日のまとめ、VS(笑)輝姫&俺』

 

この修業は名前通り、俺と輝姫がコンビを組み、グレモリー眷属(アーシア除く)+ミッテルトちゃんと手加減込みで戦うのである。

 

手加減はするけど遠慮はしない。

というわけでディバインバスターやスターライトブレイカー等ぶちこんでやりました。慈悲はない。

輝姫も切り捨て御免と言わんばかりに次々とグレモリー眷属の前衛を斬りまくる。

 

試合時間たったの三十秒。

 

そこから、アーシアちゃん、レイヴェルちゃん、ジャンヌ、俺で、治療し全快まで回復させるので三十秒。

一回の試合で合計一分。

 

そして、この特訓は一時間やる予定だ。

 

つまるところ一時間で六十試合はできる計算だ。

やったね!リアスちゃん!

 

 

全員死んだ目になった。

……気持ちは痛いほど分かるけど、俺達の場合はもっとえげつないことになるし、特訓を乗り越えたら殆どの事が大したことに感じなくなるから頑張ってほしい。

 

ちなみにこの時ラークはこの場にいるとセクハラをしかねないので先に合宿場に戻らせて料理をさせている。

 

勿論、彼にもこの特訓はやらす気だ。

 

ただし、俺と輝姫の本気バージョン。

勿論一分もかからずラークは倒れる。

 

この特訓合宿で誰よりもひどい目にあっているのは彼かもしれない。

 

……まぁ、ジャンヌと子猫ちゃんとアーシアちゃんとレイヴェルちゃんの着替えを覗こうとしたんだからこれも一種の罰だと思って欲しい。

 

ちなみに兵藤もラークと意気投合して覗こうとしていたのでとりあえずジャンヌに制裁は任せておいた。

いい加減にこりろよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなこんなで最終日。

 

いよいよ特訓の大詰めである。

そんな訳でどれだけ出来る様になったか実践形式で今日は締めることになっている。

 

そんな訳で初日から輝姫に言われ寝る間も惜しみ作り上げたレーティングゲームの会場の空間へ跳ぶ。

 

ステージを一人で作り上げた事を言うとリアスちゃん達に驚かれた。

 

まぁ空間に大規模なステージを作るのは相当な手間がかかるからね。

すぐに破棄する予定だから所々雑だけど。

 

今回作ったステージは恐らく決戦に使うであろう駒王学園。

細部は雑だが構造や配置等は完璧である。

 

俺らの拠点は生徒会室で、リアスちゃんの拠点は旧校舎のオカルト研究部にした。

これも実際にあり得そうだ。

 

ちなみに俺達の戦力は、俺、レイヴェルちゃん、ミッテルトちゃん、ラークとなっている。

勿論、王は俺ね。

 

輝姫とジャンヌは審判役に回っている。

輝姫だけでもオーバーキルだし、ジャンヌを入れるとそれこそ試合にならなくなってしまう。

 

そういう訳で試合開始だ。

満足させてくれよ?

 

じゃないと後が怖いぞ。主に輝姫がだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言おう。

 

グレモリー眷属全滅、俺らは一人リタイアという結果になった。

 

ちなみにこのリタイアしたやつはミッテルトちゃん……ではなくラークである。

 

奴は何かを狙っていた目(厭らしい感じもしたが)の兵藤を沈めた後、子猫ちゃんに同じ戦車として稽古をつけてやろうとか言って一対一の戦闘を挑んだ。

 

まぁ当たり前だが、輝姫の修業の度に付き合わされていたやつが弱いわけはない。子猫ちゃんの攻撃を易々と避け切る。そこまではまだよかった。

 

しかし、奴はあろうことか子猫ちゃんにセクハラを始めたのだ。

 

蹴りが放たれてはすれすれでかわし、脚や尻を撫で、拳が迫れば、柔術を仕掛けるふりを胸を撫でた。

 

試合だからと我慢していた俺だがラークの野郎が「小学生(ボディ)は最高だぜ!」とか言い出し、子猫ちゃんが本気泣きし始めた所で我慢の限界が来てラークにバインド付きスターライトブレイカーをぶっぱしておいた。

 

それでぼろぼろになってリタイアしたラークを合宿場に戻さずABEさんの元へと送っておいた。

 

死ね。氏ねじゃなくて死ね。

 

後、最後の台詞はお前より兵藤の方があっている気がする。声的に。

 

 

まぁその後もうなん試合かした後、特訓は終了を迎えた。

 

もう、特訓組全員号泣。

やっぱり辛かったんだね。

 

輝姫からの励ましの言葉も入り、全員が戦意に燃えている。

 

これならフェニックスといえども負けることはないだろう。

見てろ、ライザー・フェニックス。お前が馬鹿にしたやつらが明日お前の首を取りに行くぞ。

 

俺はそう感じ、明日の試合が楽しみになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なお余談だが「負けたら罰ゲームですね」とにっこり笑顔で言う輝姫を見てより一層気合いが入ったそうだ。

受ける側でもないのに俺の背筋もゾクッとした。




名前:ラーク
種族:悪魔
駒:戦車
性別:男
筋力:A
耐久:B
敏捷:B
魔力:E
幸運:D
武器:己の肉体
容姿:茶髪の筋肉質のそこそこのイケメン

下級悪魔からの転生悪魔。
S級はぐれ悪魔が自分の暮らしている町に現れた際に家族や友達を守るために生まれつき持っていた「身体強化魔法」を使い死闘を繰り広げ、相討つ。
その戦闘に遅れて駆けつけた主人公が死にそうになっていたラークを惜しく思い眷属にした。

転生当初は一誠と同じく才能が無く、他の最上級悪魔からは主人公の眷属の唯一の汚点とまで言われており、悔しく思っていたが、輝姫の荒療治を受け評価が一変。近接戦闘だけなら他の最上級悪魔達とギリギリ戦えるようになった。(ただし、輝姫やジャンヌには瞬殺される)

下級悪魔でも有名な悪魔の眷属になり強くなれるという生き証人なので下級・中級からは人気が高い。
しかし、性格も一誠と同じくオープンスケベなのでモテない。因みに好きな女のタイプはロリッ娘。生粋のロリコンであるが紳士ではないので触りまくる。

将来の夢を主人公に聞かれた時に言った答えが「小さい女の子(意味深)のハーレム眷属を作りたい」。色々と残念である。

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