シスター、堕天使が我が家でお泊まりした翌日、平日だったので俺は学校に行かなければいけなかったので道案内の方はジャンヌに任せた。
アーシアちゃんにジャンヌは学校に行かなくていいのかと聞かれた。
ジャンヌは見た目は未成年だが実はそろそろ二十
女性に年齢の話は禁止?
何で?生きてる限り歳は取るじゃん。
俺がそう言うとジャンヌは真剣な顔でとある仮定を話した。
───セラフォルー様に貴女の年齢何歳ですか?って言ってみてよ。それで全てが分かるわ。
───ごめんなさい。私が悪かったです。
冷静に考えてみると悪魔だからこそ見た目は若々しいが人間換算で言えば俺やセラの年齢は数百歳を越えているんだよな。
悪魔としてはまだ若々しい俺達だけど人間の文化……特に魔法『少女』としてこだわっているセラからしたら数百年を生きる仙人と同じ年齢っていうのは耐えきれないだろう。
そりゃ言ったら不味いわ。
その後、二人をこの町の教会に連れていったジャンヌは自分が悪魔になっているので教会に近寄れない事を思いだし、帰ってから落ち込んでいた。
まあ悪魔だから仕方がないよね。
その日も普通に授業を頑張るかと思い伸びをしたところで目の下に隈を作り、辺りを警戒しまくっている不審者…もとい兵藤が現れた。
何事か?と思い尋ねてみるとどうやら昨晩俺が連絡しておいたABEさんは一晩中兵藤を追いかけ回していたらしい。
俺は兵藤がABEさんから逃げ切れた事に驚いた。
あの超人のようなやつから良く逃げれたな、と。
因みにこちらのABEさんは俺と契約しており契約内容は「俺は男を引き渡す、もしくは紹介する。その対価としてこちらの要求に従いABEさんを好きなタイミングで召喚する」事だ。
俺にあまり得がないと思えるかもしれないがABEさんは男のスパイ等を拷問する際に便利なのである。
駒王町に来て最初にやったのが犯罪組織の撲滅。そのために情報を集める必要があったのだが、ABEさんに引き渡した幹部クラスの男が全部白状してくれたお陰で早々に片付いた。
どうやって聞き出したのかは聞いていない。聞いたら「試してみるか?」と言われる可能性も皆無ではない。
俺はそんな危ない橋は渡りたくない。(真顔)
因みにABEさんの兵藤への評価は「久しぶりに生きのいい少年だった。次こそは捕らえてみせるさ」。
兵藤は気に入られたみたいだ。
夜道には気を付けろよ。後ろから刺されるぞ(何処を何でとはいわない)。
因みに今窓の外からとある男の気配と視線を感じるのだが……気のせい…だよな?
恐くて見ることができないぜぇ(ガクガクブルブル)
その晩、俺とリアスちゃんとその眷属達は廃工場に部活動兼悪魔の仕事として訪れていた。
いや、最初は来る気無かったんだけどね。
リアスちゃんに悲しそうな目で「最近私達と付き合い悪いですね」と悲しそうな顔で言われたら行かざるを得ないでしょ?
シスコンに殺されたくないし。
ただ、俺にも都合があるから現地集合にしてもらった。
まぁ都合と言っても今日の食事当番が俺だから料理を作っていただけだけど。
因みに今回のメニューは昔、変な神父に教わった「愉悦麻婆豆腐」だ。
神父の癖に悪魔である俺とジャンヌが麻婆豆腐を食べに来たと言うとそれを信じたのかその麻婆を作ってくれた。
味の方はと言うと辛い。とにかく辛い。ひたすらに辛い。しかし、それが癖になる。止まらない、止められない、そんな味だ。
ジャンヌも最初は辛い辛い言ってたが結局最後まで完食しきってた。
それを見て満足したのか神父は俺達に麻婆豆腐のレシピを託しどこかに行ってしまった。
しかし、最後に俺の耳元で「その麻婆は私の中では最底辺の辛さ、真の麻婆はその十倍はする。味を想像して悶えていたまえ」って言われた。
あの時、俺は誓った。あの神父の真の麻婆を完食して見せる!と。
悶話休題。
そんな訳で、料理をしてきた俺はジャンヌに後片付けを任せここにやって来たわけである。
本当はジャンヌを連れてきたかったのだが(俺の安全のため)ジャンヌが今日は新しく予約してまで買った特撮ドラマのビデオを見るから無理と断られてしまった。
しかし、ジャンヌさんや?その特撮ドラマのタイトル『魔法少女マジカル☆レヴィアたん』って書いてる気がするけど気のせい?しかもそれ何故か主役であるセラの恋人役として出ることになった俺のシャワーシーン(誰得だよ)付きの予約限定版だよな?何故お前が持っている?
セラに貰った?あいつ、今度あったらお仕置きしなければ…駄目だ、返り討ちに合う未来しか思い浮かばねぇ。
俺は、自らの無力を呪いながらリアスちゃんに合流したのだ。
因みにその予約限定版の売り上げ数は歴代最高の売り上げ数を誇るのだがこの時俺は全く知らなかった。何が原因なんだろうね?
廃工場の中をリアスちゃんが兵藤に駒の特性を説明しながら進んでいくと小猫ちゃんが血の臭いを感じたらしい。鼻がいいんだね。
俺にも出きるかなぁ?と思い臭いを嗅いでみるとシャンプーのいい匂いを感じたので慌てて匂うのを止めた。
俺の鼻は女性の匂いしか匂えない欠陥品なのかな?兵藤みたいに変態扱いされたらどうしよう。
俺は過去にセラに散々セクハラ紛いな発言をしていたことを棚に上げてそう考えていた。
そんな時に上から上半身は女性の身体で、下半身は馬のような悪魔が降ってきた。
どうやら、こいつが今回の討伐対象のはぐれ悪魔バイサーらしい。
そして、始まる戦闘。
木場君が斬り、小猫ちゃんがぶっ飛ばし、朱乃ちゃんが雷を(嬉々とした顔で)落としまくり、兵藤がリアスちゃんへの不意討ちを防ぎ、リアスちゃんが滅びの魔力で消し飛ばした。
…あれ?俺必要だった?
結局最後まで突っ立ってただけだよ?
戦闘を見てどう思ったか聞きたかった?
特にはないよ。一応リアスちゃん達は若手の悪魔だから俺みたいにしょっちゅう危険すぎる悪魔とかの討伐任務を出される訳でもないから現状ではいい方なんじゃない?
あん?兵藤「何様のつもりだよ」だって?
(一応)最上級悪魔で、魔王の幼馴染みで、この町の管理者の補助を
土下座された。綺麗な土下座だ。流れるような動作でやってのけた。ある意味尊敬する動きだ。
お、おう。許してやらんこともないぞ。
だから取り敢えずそんな地面に溜まっているバイサーの血の中に顔を突っ込んでないで早く出てきなさい。汚いから。
リアスちゃん達も血にまみれた兵藤を見てドン引きしていた。まぁ仕方がないよね?
結局、今日はそのまま解散することになった。
気分が悪いとはこの事を言うのだろうか。俺は今最高に苛ついている。
事の発端は昨日兵藤が依頼人の元へ自転車で(兵藤は魔力が無さすぎて転移魔法が使えなかったらしい)依頼人の所を訪ねたらしい。
しかし、依頼人ははぐれ
その男は兵藤をいたぶり、教会で保護されているはずのアーシアちゃんをもその手にかけようとしたらしい。
楽器みたいな名前の癖に何てやつだフルート。
しかも、聞いた話では兵藤を殺した堕天使がフルートの上司らしい。その中にはミッテルトちゃんもいたらしい。
ミッテルトちゃんは少しとはいえ家に泊まり話した仲だ。あの子の性格的に自ら進んでそんなことをするわけがない。
ならば、他の堕天使に強いられていると考えるのが妥当だろう。アーシアちゃん達と話しているミッテルトちゃんは楽しそうだったからな。
だから、俺は現在その真偽を確かめるために堕天使の本拠地、『
堕天使の総督ならば何か知っているだろうと思ってきたのだ。
それに今回仕掛けてきたのは堕天使陣営だからな。
いきなり戦争再開なんてことにはならないはず。
……ならないはずだよね?
グリゴリの中に入ってみたら留守なのかなんの物音もしない。
仕方がないから元気良く挨拶することにした。
───『
───死ね!オラァ!
都合良く堕天使の総督「アザゼル」が釣れた。
勢い良く飛んできた光の槍を結界魔法で防ぎ、背後に展開した百を超える魔力弾で堕天使総督を打ち落とした。
いやぁいつやってもアザゼルを打ち落とすのは楽しいわ。(恍惚)
ところで今日は白い子いないよね?あの子いると問答無用で襲いかかってくるからなぁ。毎回返り討ちにしてあげてるけど。
取り敢えず、伸びている『|閃光と暗黒の龍絶剣《ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード》』総督を副総督の「シェムハザ」さんが引き摺っていき応接室に案内され用件を聞かれた。
俺は今回あった事件を報告するとアザゼルは疲れた顔で部下の暴走だと言い切った。
ちゃんと部下の管理ぐらいしろよ
怒られた。黒歴史をばらまかれるのがそんなに嫌だったのかな?取り敢えず慌てているアザゼルを写真に録りサーゼクスに送っておいた。
これで、さらにネタが増えるだろう。
ついでにリアスちゃんにも今回の事件は堕天使側が部下の暴走だと認めたから動いても大丈夫な事をメールで知らせた。
すると即座に返事が送られてきた。今すぐ行動するらしい。
リアスちゃん大丈夫かな?末端とはいえ堕天使だから悪魔にとって弱点である光の槍を使ってくることは確実だけど。
まぁジャンヌにも一応お願いしているから大丈夫だよね?
その後、俺は、リアスちゃん達の事を心配しながらも朱乃ちゃんの実父であるバラキエルさんに成長した朱乃ちゃんの写真(没収した盗撮写真+クラス写真等)を何枚か売り渡したのだ(一枚一万円)。
ざっと百枚は売れたな。