悪魔だけど平和に生きたい   作:ブレイカー

4 / 25
お気に入り人数が200を超え、昨日は一時的とはいえ、ルーキー日間のランキングの10位以内に入っていました。

このような駄文を読んで頂ける皆様に感無量です。


第4話

堕天使襲来の翌日。

 

リアスちゃんが兵藤と一緒に登校してきた。

 

たったそれだけの事なのに正門前は阿鼻叫喚の嵐。

兵藤には盛大なブーイング、リアスちゃんにはファンの皆さんからの本気の心配。

 

これだけで二人がどれだけ他の生徒に良くも悪くも有名なのかはっきりと分かる。

まぁ、片方は変態もう片方は美少女だからな。気持ちは分かる。

 

だからと言って俺に二人を引き離すようにお願いをすんな。

殺るんなら、リアスちゃんに見つからないように二人が離れた瞬間を狙って殺ればいいだろう。

安心しろ。俺は何も見ないから。

 

俺の意見を聞いてギラギラと怪しい光を目に灯しだすファンの皆さん。

その殺気は周りに伝達していき、やがて周辺の人物全てが冷たい殺気を放ち出した。

 

……兵藤、冥福を祈るぞ。

俺が焚き付けたとはいえ、今回ばかりはお前も死ぬかもしれない。

 

と、少し兵藤に冥福を祈ってしまったが、兵藤が松田と元浜に「生乳を見たことがあるか?」と尋ねた時点で俺は冥福を祈る側から冥府に送る側へとシフトチェンジ。

 

リアスちゃんの生乳を見たんだな?あの豊満な胸を。

俺なんて、巨乳を見つめるだけで配下であるはずの眷属に殺しにかかられるのに。

さぁ?どうやって料理してやろうかな?

フフフ、ラクニシネルトオモウナヨ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

∥wc∥ ヤラナイカ(。+・`ω・´)bキリッ。

・゜゜(ノД`)イヤアァァァァァァ!?

 

 

 

さて、知り合いのABEさんに兵藤の料理を任せたので兵藤への罰はこれでいいだろう。

男連中は皆恐怖で尻を抑えて震えてるし。これ以上兵藤に手を出そうとするやつはいないだろう。

 

ただし女子連中、正確には"腐"女子連中は嬉々としてこの光景を映像として録画し、ペンを残像にしか見えない速さで動かして次々と原稿を仕上げていっている。

 

……もう駄目だ。腐りきっちまってる。

 

あっ。兵藤が捕まった。

こらこら、腐女子連中、立ち上がらないの。もうチャイム鳴るからね。

 

キーンコーンカーンコーン

 

よし、チャイムがなった。

兵藤は遅刻と。

 

出席簿の兵藤の欄に遅刻と書き込む。慈悲はない。

 

この時クラスの男達は絶対に俺を怒らせないようにしようと固く誓い、腐女子達は逆にどのようにしてクラスの男達が俺を怒らせるように仕向けようかと画策していたようだが俺は何も知らないし、何も聞こえなかったのだ。

 

兵藤の純()が守られたのかどうかは神のみぞ知ることだ。

 

 

 

放課後、リアスちゃんに彼女が部長を務めるオカルト研究部へと呼び出された。昨日の兵藤の事で話があるらしい。

まぁ呼びに来たのはリアスちゃんの『戦車(ルーク)』の塔城小猫ちゃんなのだが。

電話や使い魔をつかって呼べばいいのに直接呼びに来てくれるなんていい子だよね。

彼女達の上司達(魔王連中)は俺を拉致して強制的に手伝わせるんだから。

…い、胃が……胃が痛む!?思い出すなとの警告か!?

 

取り敢えずお駄賃として有名店のお菓子を一つプレゼント。

小猫ちゃんは嬉々としてお菓子を食べ始めた。彼女に尻尾があれば全力で振っているだろうな。

 

良いわぁ。癒されるわ。この娘。

最近、変態としかスキンシップ(物理)をしてこなかったから凄く癒される。

ああ、世の中が癒しで溢れていればいいのに。

 

小猫ちゃんが食べ終わるのをニコニコと見守り、食べ終わったのを見届けてからオカルト研究部のある旧校舎へと向かう。

その際、小猫ちゃんの頬は紅かった事だけは言っておこう。

 

オカルト研究部の部室に入ると中は到るところに魔方陣が描き込まれていた。

女性が多いこの部室にこれはどうなんだと思いつつも部室にあるソファーへと向かい座る。

小猫ちゃんも俺の隣に座り、羊羮をお菓子袋の中から取りだし一つ分けてくれた。さっきのお返しらしい。

ありがとう。と頭を撫でてあげるとやはり猫の尻尾の幻覚が見える。気のせいか撫でている頭の上にも猫耳が見えるような?

 

そんな不思議光景に眼を奪われていると後ろから物音が聞こえたので振り返ると、そこにはバスタオル姿のリアスちゃんがいた。

 

……なんでさ?

 

どうやら昨晩は兵藤の治療に付きっきりであったためシャワーをこれから浴びるらしい。

シャワーを浴びれなかった原因の一端を作ってしまった俺は何も言えなかった。じっくりと堪能はしたが。

 

だけど小猫ちゃんは忌々しそうにリアスちゃんのある一点を見続けている。具体的にはバスタオル越しでも分かる形が良く大きい胸に。

 

……気持ちは分かるけど、そこまで露骨に睨まなくてといいじゃない。大丈夫。胸の小さな女の子も世の中には好きだって言う人も沢山いるよ。

えっ?俺?

……う、うん。好きだよ胸の小さな女の子。だからそんな泣きそうな顔になるのやめなさい。罪悪感しか出てこないから。

 

俺がそう言うと小猫ちゃんはニッコリと最高の笑顔で俺の膝の上へと頭を乗せてソファーに寝転がった。

所詮、膝枕というやつだ。まぁ小猫ちゃんは小柄だから足も痺れたりしないだろうからいいか。

 

で?何でリアスちゃんはそんなに不満そうに頬を膨らませてんの?早くシャワーを浴びに行きなさい。風邪引くよ。

 

ほらほら朱乃ちゃんもそんな人が寒気を覚えるようなドSな笑顔を晒しだしてないで、リアスちゃんをさっさとシャワーを浴びに行くように進言して。

早くしないと兵藤が来るよ。

 

それから、暫くして兵藤が木場君と一緒に部室に入ってきた。

最初に兵藤の目には俺の顔が目にはいったらしく今朝の事を思い出したのか顔を青くして震えていたが、その膝上に学園のマスコットである小猫ちゃんがいたことで顔を怒りで赤くし血涙を流し、奥の方から聞こえてきたシャワーの音を聞きカーテン越しでも分かる抜群の女性のシルエットを見て鼻の下を伸ばし、別の意味で顔を赤くしている。

 

一人百面相か楽しそうだな、兵藤。

 

そんな兵藤を見て、小猫ちゃんがボソリと気持ち悪いと言ったのが胸に突き刺さったのか兵藤が胸を抑えて項垂れた。同情はしないけどな。

 

シャワーを浴び終わったリアスちゃんが、朱乃ちゃんと一緒にカーテンの裏から出てきた仄かにシャンプーのいい匂いがするが心頭滅却し、頭の中から雑念を振り払う。

俺は兵藤とは違うのだ。

 

しかし、心頭滅却するためにひたすら膝枕してあげている小猫ちゃんの頭を撫でていたらいつの間にか小猫ちゃんの顔が蕩けきっていた。

 

思わず撫でる手を止めてしまった俺にその蕩けきった顔で一言。

 

───もっと…もっと撫でてください。

 

こうか は ばつぐん だ ▼

 

俺と兵藤は仲良く鼻血を吹いた。

兵藤の事を馬鹿にできないかも。

 

この後、滅茶苦茶撫でまくった。

 

 

 

 

暫くして、鼻血を出しすぎて気絶していた兵藤が目覚めたところで本題に入る。

 

リアスちゃんが俺達の種族が悪魔で兵藤も悪魔になっている事を兵藤に説明した。

 

兵藤はいきなり言われたので戸惑っているようだが彼女(仮)であった堕天使の少女の写真を見せられ神器の話をしたことによって結構強引に納得させられていた。

 

兵藤の神器は『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』と呼ばれる、ありふれた神器だった。

何故これが危険な神器として処理されたのかが良くわからないんだが。

まぁ少し形が違うような気もするけど亜種の神器もあるから些細な違いでしかないのだろう。

 

それにしても空孫悟(そらまごさとる)のドラゴン波の物真似とは…

以外と兵藤もこっち(オタク) 側な人物なのかもしれない。

俺の場合はドラゴン波(それっぽいポーズ+ディバインバスター)真似できるし、その内兵藤にも教えてあげよう。

 

そんなこんなで話が進んでいき、兵藤も頑張り次第では最上級悪魔になり、『王』として、眷属を持てる事を聞くと途端にやる気に満ち溢れていた。

その理由が何かと言うと、「ハーレム王に俺はなる!!」だそうだ。

 

もう朧気にしか覚えていないがなんとなく某海賊漫画を汚されている気がして不愉快だったのでABEさんに連絡しておいた。

 

その晩、昼と同じようにトイレの回りから男の悲鳴が聞こえたようだったが、運悪くその場に誰もいなかったため真偽は本人達しか知らない。

 

 

 

 

 

家に帰ると兄弟や両親の知り合いがいて気まずくなることはないか?

俺はある。前世からの話だが教師と教え子と割りきっていれば何ともないが見ず知らずの人に話しかけるのは躊躇う。

 

だから、俺は部室から家に帰った時にジャンヌと一緒にいたシスターの女の子と堕天使のゴスロリ少女の前で盛大に人見知りを発動させていた。

 

何故だ?何故こんなことになっている?

おい、ジャンヌ。いったい何があったら悪魔にとって宿敵ともいえるシスターと堕天使を本拠地の家の中に入れることになるんだ?

俺の中では過去の三竦みの戦いが頭の中で盛大に勃発して、今度こそ『全種族終了のお知らせ』って書いてあるテロップが流れてるんだけど?

 

えっ「私の先祖も聖女なんだけど」?

何を言っているんだお前は。悪魔になった時点で聖女からは程遠い存在になっているし、お前は元々教会に殺されそうになっていた存在だし、今は俺の大切な眷属にして家族だろ。

 

…最後のところで普通に照れんなよ。言ってる俺も恥ずかしくなるだろ。

 

 

ジャンヌの話を聞く限り、町で迷っていたシスター服の少女…「アーシア・アルジェント」ちゃんを買い物途中で発見。

その道案内役にジャンヌが立候補し、案内している途中に、アイスクリーム屋の前でショーケースにへばりついているゴスロリ堕天使…「ミッテルト」ちゃんを発見。

二人が微笑ましい物をみている気分になり、じっとミッテルトちゃんを見ていると本人も視線に気付き慌てて弁解。その姿が可愛らしかったのでついつい構いたくなってしまい、アイスを買ってあげた。

最初は「悪魔の施しなんて受けるか!」と突っぱねていたミッテルトちゃんだったが、「早く食べないと溶けるから」と言う理由で無理矢理アイスを、押し付け、同じ方法でアーシアちゃんにも渡し、自分も買って三人で椅子に座って食べた。

そこから「とある話題」で意気投合し、話している間に日が暮れてしまったのと、お互いに波長があった事もあり二人を家に招待したらしい。

 

…ジャンヌのコミュ力すげー。俺なら最初の案内役の時点で無理だわ。見て見ぬ振りをするな。

ところで「とある話題」ってのも気になるんだけど…?

うん?どうした?胸抑えて項垂れて。

 

そこである可能性を思いつき、失礼だとは思うけどアーシアちゃん、ミッテルトちゃん、ジャンヌの順である一点を見比べ納得。

察したわ。

 

 

……ごめんなさい。何も察して無いから聖剣下ろしてください。

 

 

結局その後、ガールズトークに俺の介入する暇はなく肩身の狭い思いをしたのだが完璧な蛇足である。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。