悪魔だけど平和に生きたい   作:ブレイカー

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第3話

兵藤に彼女ができたと噂になった日の翌週。

 

何が有ったのか分からないが兵藤が悪魔になっていた。

 

あんな変態を眷属にするなんて物好きがいるんだなぁって変なところで感心していた俺だがそれがサーゼクスの妹のリアスちゃんと知ってあのシスコンが暴走しないかと心配になり胃が痛くなった。

 

しかも、『兵士(ポーン)』の駒八個消費だってよ。

あの変態に『兵士』の駒を全部使うなんてリアスちゃんの頭がおかしくなったのか本気で心配してしまった。

 

それを言ったらリアスちゃんが「嫉妬ですか?」なんて聞いてきた。

いいえ。純粋な心配です。って言ったらリアスちゃんが拗ねてしまい、リアスちゃんの『女王』である姫島朱乃ちゃんにウフフと若干背筋に寒気を覚える笑いをされた。

恐かった。いろんな意味で。

 

ま、まぁそれは置いといて。

 

兵藤を殺したのは堕天使らしい。

噂の兵藤の彼女とやらがその堕天使で兵藤が持っている神器を危険視して兵藤は殺されたらしい。

 

哀れ、変態兵藤。

女に飢えているのに漬け込まれて彼女の振りをした堕天使に殺される。

トラウマになっても仕方がないね。

 

それにしても『兵士』の駒八個とは。兵藤が凄いのかそれとも宿っている神器が凄いのか。まぁどちらにしても兵藤にそれだけの価値があるのには変わらないが。

少し納得できないけど。

 

取り敢えず、兵藤のことはリアスちゃんに丸投げした。

 

俺は俺で今日は生徒会の手伝いをしなければならないので忙しいのである。

決してソーナちゃんの上目遣い+涙目+お兄ちゃん呼びに負けたわけではないのだ。

 

……本当だよ。何でそんな疑いの目で見るのかな二人とも。

 

 

 

 

 

φ(..)カリカリ。

オチャドウゾ( ^-^)o旦o(^o^;アリガトウ

(/◎\)ゴクゴクッ……(#´ー´)旦フウゥゥゥ……

(о´∀`о)アリガトウ。ソーナチャンハイイオヨメサンニナレルネ

(///∇///)イイオヨメサンナンテソンナ……

(`Д´*)キーカイチョウトナカヨクシヤガッテ!

 

以上生徒会室でのやり取りである。

 

因みに今生徒会室にいるのは俺、ソーナちゃん、ソーナちゃんの『兵士』である匙元士郎君だけである。

 

この匙君実はソーナちゃんの『兵士』の駒四個消費の結構な期待株である。

兵藤の価値が『兵士』の駒八個だから少なく感じてしまうかもしれないが駒四個消費も中々の期待株なのだ。

断じて、匙君が評価が低いわけではない。兵藤が無駄に高いだけだ。

 

それに匙君は俺に対抗心があるのか度々敵意と殺意のこもった視線を向けてくる。

例え相手が悪魔の貴族だと知っていても恐れずに睨む心構えは素晴らしい。

しかし、俺が匙君の方を見るとサッと目を逸らすのだ。

何だよ。男らしいかも思って期待した俺が馬鹿みたいじゃないか。

 

その後は黙々と生徒会の書類の手伝いをする。

う~ん。無駄に書類が貯まっているな。どうしたんだか。

 

最近は新人が入ったから悪魔業の方が忙しかった?それのせいで人が足りなかった?

 

ふむ。まぁそれなら仕方がない。

遊んでいて仕事をサボってたなんて事だったら俺は今すぐにでも手伝いを辞めていたよ。

まぁ、あのソーナちゃんに限ってそれはないとは思うけどね。

(///∇///)ヽ(´Д` )ナデナデ

 

おっとついソーナちゃんの頭を撫でちまったぜ☆

昔からの癖で時々人が少なかったらついやっちゃうんだよな。

ソーナちゃんも照れて顔を赤くしながらも嫌がっておらず、寧ろ自分から撫でてくれと言わんばかりに頭を差し出すのが悪い。

 

後、ついでにソーナちゃんの後ろにいる匙君の顔が凄いことになっている。

それはもう、視線だけで人が殺せるんではないのかというレベルで。

 

しかし、まだ甘い。

俺はシスコン魔王二人組から文字通り殺気がこもった死線(誤字にあらず)を毎回受けていたのだ。

この程度なら軽い軽い。

いやぁ、あの二人の死線は部屋のなかを飛んでいた虫がが地に落ち、下級悪魔のメイドさん達がバタバタと倒れていくレベルだったからな。しかも、ご丁寧なことに妹達には器用に殺気をぶつけないようにしている。

 

……よくあの時、俺死ななかったな。

自分のことながら感心するわ。

あそこで調子のって抱きついていたりしてたら俺死んでたんだろうなぁ。自重しててよかった。

 

話を戻すが俺にとっては匙君の殺気のこもった視線は俺にとっては可愛いものである。

 

思わずにこやかに匙君に笑い返すぐらいには。

 

 

……なんか凄く匙君の顔色が悪くなりガクガクと怯えられた。ショックだ。

ソーナちゃんに慰められた。グスン

 

もう今日の分終わったから帰る。

帰ってジャンヌに癒してもらうんだあぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

俺は後ろで慌てて何かを言う二人を無視してダッシュで家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走って帰っている途中いきなり結界を貼られ、何事かと周りを警戒していると、堕天使のおっさんに追われている兵藤がいた。

年齢だけで考えれば俺もおっさんどころか爺に入るんだろうけど考えないことにする。悪魔は人間と違い寿命が長いのだ。だから俺ぐらいの年齢ならばきっとお兄さんと呼ばれても違和感はないはずだ!

 

……あれ?そう考えるとリアスちゃんとかソーナちゃんはどうなるんだ?まさか……まだ乳児だというのか!?

あの胸の大きいリアスちゃんが乳児……辞めよう犯罪臭が凄すぎる。

ソーナちゃんは……きっとすぐに君の姉のような立派なサイズになるさ。うんうん。

 

まぁ、今はそんなことはどうでも良いよね?取り敢えず、あのおっさんをどうにかしないと。

決して今、寒気に襲われたから無理矢理話を戻したわけではないぞ。

事実を述べているだけなのだ。

 

堕天使の力の波動を感じとる限り下級~中級くらいの力の持ち主だと思われる。

昔と比べて俺も少しは強くなり、俺でも相手の力量ぐらいは分かるようになっていたのだ。伊達に魔王と何年も過ごしてないからな。少なくとも魔王の一撃(セラの照れ隠し)を防げるぐらいの実力はある。

 

しかし、ここであの堕天使を殺してしまったら、今は休戦ということになっているが悪魔と堕天使との間で再び戦争が起こってしまうかもしれない。

 

どうしようかと考えている間に兵藤がおっさんに光の槍を突き付けられ絶体絶命な状況に追い込まれている。考えている時間もない。

 

ええぃ!仕方がないこうなったら喰らえ!

 

(非殺傷)ディバインバスター!!

 

ドンッッ!←発射音

ジュワッ←おっさんがディバインバスターに飲み込まれた音。

チュドーーーーーーーーーン←ディバインバスターがビルにぶつかり爆発する音。

ドンガラカッシャーンガラガラ←ビルが崩れ落ちる音。

シーン←静寂

 

 

 

 

……汚ねぇ花火だ。

 

 

じゃねぇよ!?やり過ぎちまった!

あれ?ちゃんと非殺傷にしたよね?ジュワッって音したけど気のせいだよね?蒸発なんてしてないよね?

 

おおお落ち着け、まままずは、しし深呼吸だ。

 

ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。

 

よし落ち着いた。落ち着いたから取り敢えず証拠隠滅しなきゃ(錯乱)

 

そんな感じで俺が慌てていると、瓦礫の中からボロボロのゾンビ……いや、おっさんが出てきた。

良かった生きてた。

 

ホッと一息入れたところでボロボロのおっさんが何者かと尋ねてきた。

 

それにたいして俺はおっさんに人の名前を聞くなら自分から答えろと常識を教えてあげた。

おっさんは口元をひくつかせながらも『ドーナシーク』と名乗った。

名乗ったからお前も名乗れと言われたところで魔方陣が輝きリアスちゃん 降 臨 !

 

 

リアスちゃんは来たときは辺りの状態に少し戸惑っていたが、堕天使を見て次に俺を見て状況を把握したのか溜め息をついていた。

ごめんね、リアスちゃん。こんなに壊しちゃって。

 

リアスちゃんは溜め息を一つ吐くとドーナシークに向かって「私の下僕(眷属)をよくもこんなにボロボロにしてくれたわね!」とのこと。

 

うん?確か兵藤は槍を刺される前に俺がドーナシークをディバインバスターでぶっ飛ばしたと思うから無事だと思うけど?

 

チラッと兵藤の方を向くと地面に黒こげになって痙攣している兵藤の姿が……。

 

 

 

……ドーナシーク!貴様なんてやつだ!俺の可愛い教え子にこんなひどい目に合わせやがって!お前だけは許せんぞ!

 

ビシッとドーナシークに向かって指差しそう宣言した俺。

ドーナシークはそんな俺を若干冷ややかな目で見ながらもリアスちゃんに捨て台詞だけ言って帰っていった。

 

た、助かった。

リアスちゃんにこの事がバレたかと思うと冷や汗物ですわ。

グレモリーは情愛の深い一族だからな。

滅ぼされてしまうかもしれん。

 

俺もなにか言われる前に帰ろうと忍び足で退散しようとしたがリアスちゃんに肩を叩かれ動きを止めてしまった。

ギギギとく首だけを回し後ろを向くとイイ笑顔のリアスちゃんがいた。"良い"じゃないよ"イイ"だよ。文字が違うだけで大分情景は変わるからね。

 

いや~リアスちゃん笑顔が怖いっすよ。

ほら、もっと柔らかく柔らかく。

 

えっ、これの修復の手伝いと今度お願いを聞いてくれたら許す?

あっ、うん。何でもは無理だけどそれぐらいなら良いよ。

 

俺とリアスちゃんはパッパッとその時の戦闘痕を魔法で治し、リアスちゃんは兵藤を治療するために兵藤の家へと転移していった。

 

って、俺も最初から家へと転移して帰っていればこんな戦闘に巻き込まれなかったんじゃないか?

……き、気付いてたし。歩いていった方が運動になるかなって、思って徒歩通していただけだし。

 

一人でやってても虚しいのでさっさと帰ることにした。

 

 

 

 

 

余談だが、家に帰るとジャンヌが新婚三択をテレビのドラマでやっていたのを観てしまい少し憧れができたらしくエプロンをつけ顔を赤くしたジャンヌが「ごはんにする? お風呂にする? それとも私?」をやってくれた。

 

俺が選んだのは四番「鼻血を出して今すぐ寝る(気絶)」だ。

 

あまりにも普段とのギャップがありすぎて盛大に鼻血を吹いてしまった。童貞丸出しだ。恥ずかしい。

 

俺は童貞を卒業する機会を一つ逃したことを後々盛大に後悔するのだ。

 


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