皆幼女が好きなんですね!
今回は色々とアレな方向へととあるキャラが落ちていきかけます。
現在作者が言いたいのはただ一言だけ。
──どうしてこうなった!?
サーゼクスの頬が腫れ上がってから数時間後。
漸く会場の準備が終了した。
後は数日かけて作った結界を張るだけなのだが今から張っていたら流石に魔力が持たなくなるのでこの部屋に空間を置換する魔法陣を刻んでおく。
こうすることで、この会談用の部屋には誰も入る事はできなくるなる。
元の部屋の扉がどこと置換されたか知るのは俺だけなので例えこの中に裏切り者がいたとしても問題はない。
……は?俺が裏切り者ではないかって?
ほぉう。サーゼクス。数日間ほぼ徹夜で会談用の結界を完成させたり、急に呼び出され会談の準備をしている俺にそんなこと言うとはいい度胸だな。
……三回転捻りジャンプからのスライディング土下座だと!?な、何て無駄に高度で綺麗な土下座なんだ。
思わず見惚れてしまった。
頼むからグレイフィアだけには言わないでくれって?
お、おう。さっきのがよっぽど効いたんだな。もしくは前々から調教されていたか。
やはり聞いた通り、結婚とは人生の墓場なのだな。
俺も結婚する相手が出来たら気を付けるとしよう。
……まず相手がいないけどな。
泣ける。
はぁ、と二人して溜め息をつく。
お互い悩みは少し違うが、考えている事は奥さんの話なので不思議と溜め息はシンクロした。
こんなシンクロは嫌だが。
取り敢えずこのままここで溜め息をついていても仕方がないので家へと帰ろうとしたらサーゼクスに呼び止められた。
何事か聞くと俺の家にこの会談の準備で何かと話してくれ仲良くなったまだ若いメイドのメルさんを俺の家でメイドの実習がてら預かって欲しいらしい。
報酬も出るらしいし、可愛い女の子が俺の世話をしてくれるなんて男としても断る理由がない。快く引き受けた。
しかし、この時俺はこれが最大の地雷元となることに気が付いていなかったのだ。
「……ん?もうこんな時間?」
私は読んでいた本を傍らに置き大きく背伸びをする。
昨晩、グレイは『今晩は遅くなるから』とだけしかメールで連絡をくれなかったのでそんなに遅くはならないだろう、と思って、私は今はもう冷めてしまっている料理……『麻婆豆腐』を作って待っていたのだが朝の四時を過ぎても帰ってこない。
グレイに限って何かあったとは思えないが、ここまで遅くなると少し心配になってくる。
「ふぁ~~~。ん。そろそろ限界ね。一度寝ましょう。明日は休みだし、すぐに会えるでしょう」
そう思って自分の部屋に帰ろうとリビングの扉を開けると玄関の方からガチャという音が聞こえた。
「ん?帰ってきたみたいね。折角だから、お帰りなさいぐらいは言ってあげましょうか」
そして、私は玄関まで小走りで向かいグレイの姿を見て……硬直した。
「あ、ジャンヌ?ただいま。珍しいね?ジャンヌがこんな時間まで起きているなんて」
と、何時もの笑顔で言ってくれるグレイ。
それはいい。それは良いのだが……
「あの、その……お、お邪魔します……」
ソノトナリニイルオンナハイッタイダレ?
「メルさん。今日から君はここに住むんだよ?そんな他人行儀じゃ駄目だよ」
「は、はい……その……ただいま?でいいんでしょうか……?」
「疑問系なのはあれだけど、うん。よろしい」
そう言ってグレイより身長の低い彼女の頭をよしよしと頭を撫でるグレイ。そして、顔を赤め恥ずかしがる彼女。
……なんだろう。ただあの娘が頭を撫でられているだけなのに、胸のうちから黒いのが溢れだしそうだ。
「あ、ジャンヌ。昨晩(会談会場造りの)作業を手伝ってもらったグレモリー家のメイドの『メル』さん。今日から家に住み込みで働くことになったから」
「メ、メイドのメルです。二十才です!昨晩はグレイ様に大変お世話になりました。ふ、不束者ですがよろしくお願いします!!」
……昨晩の作業(意味深)?大変お世話になった(意味深)?
へ、へぇ、昨夜は随分お楽しみだったようですね?
……い、いや、待て。私。
相手はあの
「にしても昨夜は疲れたね。お陰で(重い荷物を持ち上げたりして)腰がいたいよ」
「はい。私も足腰がガタガタで、今にも腰が抜けそうです。……グレイフィア様から色々学んでいるのであの程度で腰が抜けてたら再教育させられるのでしょうけど」
「あぁ。グレイフィアさんそう言う事に厳しそうだからね。そう言う意味では大変だね。メイドというのも」
「大切なお客様を働かすわけにはいきませんから」
足腰がガタガタになり、女性の方…
あ、あはははは。さ、最近のメイドって言うのはそんなこともやらすのね。
知らなかったわ。
……ミッテルトもメイド服を着てるけどもしかして手を出してないわよね?手を出していたら私は貴方を物理的にも社会的にも殺さなくちゃいけなくなるわ。
私の考えはどんどん深く深くアレな方向へと沈んでいく。
「あの……グレイ様。その…私は今日はどこで寝ればよろしいでしょうか?」
「ん?ああ。そうか。すっかり部屋の事を忘れてた。う~ん。仕方がないから今日は俺の部屋で寝てくれ。部屋の鍵は開けとくから」
「ぐ、グレイ様の部屋ですか!?」
ブチッと私の中で何か切れた音がした。
何かは分からない。しかし、今はそんなことを解明するよりも、もっと大事なやらなければいけないことがある。
「うん。それで大事な事なんだけど『ガシッ!ギリリリリ』めぎゃ!?痛い!?痛いよ!?ジャンヌ!?」
私はグレイの肩を魔力を
何やら悲鳴をあげているが知らない。私は何も聞いていない。
「えっと……めるさんだっけ?」
「ひゃっ!?ひゃい!?」
あら?可愛い返事。何だか震えている姿は怯えた子兎みたいね。……何だか少しいけない気分になりそう。
なんかこう……嗜虐心を煽られるような。ベキッ!
「ぎゃっ!?今ベキッてなった!?ベキッてなったから!?」
「こんな、男の汚くて穢らわしくて厭らしい部屋なんかで寝ることはないわ。私の部屋を貸してあげるからそっちで寝なさい」
「そんな汚くな『メキョ』ギャャャャア!?」
「は、はいぃぃぃぃぃぃ!!お、お借りしますぅぅぅぅぅ!!」
うんうん。素直で聞き分けのいい子は好きよ。ベキベキボキボキ。
「§#♯■■§※#&■‡!?」ガクッ
「あ、私の部屋は二階に上がってすぐ右側の部屋だから。行っていいわよ。私はこの
「ひゃい!失礼しますぅぅぅぅぅ!!」
彼女は走ってこの場から離脱した。
……これで、気にすることは何もない。遠慮しなくてもいい。
「取り敢えず、起きなさい」
「へぶしっ!?」
スパーンとグレイにビンタ一閃。痛さで気絶しているグレイを無理矢理起こす。
「……はっ!?じゃ、ジャンヌ!?一体何w「黙れ」は、はい!!」
「正座」
「はい?」
「二度も言わせる気?せ・い・ざ!!」ゴゴゴ
「イエスマム!!」
ふむ。従順なのは良いことね。これから与える苦痛がきっとほんの少しだけ減ることを期待してもいいわ。
さて、じゃあ早速私達の
私は神器で聖剣(鞭っぽい形をした刃を潰した蛇腹剣ver)を造り出し、薄く笑いながらそれを振るった。
っていう夢を見たんだ。
……ってオチに成ればよかったんだけどなぁ。
残念ながら全てが現実だ。
くそぅジャンヌのやつ、容赦なく聖なる力の籠った鞭で叩きやがって。
俺にそれでぶたれて悦ぶような性癖はねぇよ!!
最終的にジャンヌがノリノリになるまでに誤解が解けたからよかったけど、もう少しで未来永劫開いてはいけない扉を開いていたかもしれない。
……あ、でも少しだけ気持ち良かっゲフンゲフン。
やっぱり何でもない。俺はあの雌豚とは違うんだ。忘れてくれ。
で、俺はどうやら二日間、気絶していたみたいだ。
どうやらここ数日の間で溜まっていた疲労が一気に吹き出してしまったみたいだ。
まるで死んだかのように気絶していたようだ。
グレモリー家から借りているメルさんや、普段暇にしているミッテルトちゃんだけではなく、流石にこれには焦ったのかジャンヌまでが看病してくれた。
ただし、何故か全員がミニスカナース服。
……いや、何でさ?
看病してくれたのは嬉しいけどその格好で看病する理由はないよね?
……形から入ることが重要?
……あぁ。そういえばジャンヌは少し前に『魔法少女ミルキー』のコスプレをして部屋で玩具の杖をふりまわガフッ!?
ね、寝ている相手に鳩尾に踵落としだと!?それが弱っている人間にやる……はい。ごめんなさい。話すからその木刀仕舞ってください。はい。
夜中になんか音が聞こえたなぁと思ってもしかしたら泥棒かと思ってコッソリと見たら防音の結界を張りながらノリノリで、コスプレしてオープニング熱唱しているジャンヌがいたんだよ。
しかも、超本格的なコスプレ。ただ衣装を着ただけでなくカラフルなカツラまで被ってフリフリな衣装で。
しかも熱中し過ぎて防音の結界の効果も薄れていることに気づいてなかったし。
そんな人を見たら、そっと見なかった振りをして立ち去るのが優しさだろ?
……え?じゃあ何で今言ったか?
……………………ごめんなさい。口が滑りました。
勿論その後、俺はぶん殴られた。
……これでビデオ録画してパソコンに保存してあるとか言ったらパソコンごと壊されそうだなぁ。
絶対にバレないようにしよう(フラグ)。
因みにその頃……
「ううぅぅぅぅぅ!!何で俺までこんな格好を……!」
「似合ってるじゃないか、フリード。何をそんな照れているんだい?」
「ふざけんな!!こんな恥ずかしい格好何で俺がやんなきゃいけないんだ!!って言うか何でお前までそんな格好をしているんだグレモリーの騎士 !?恥はないのか!?」
「……ふっ。僕は先生達には今までお世話になってきているからね。それが例えジャンヌさんに女装でナース服のコスプレをして先生を看病しに来てくれって言われたら断れるわけ……断るわけないじゃないか」
「おい!?お前今絶対に駄目なこと口走らなかったか!?」
「まぁまぁ。ほら行くよ」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
グレイの寝込んでいる隣の部屋にはナース服を着た金髪の騎士と同じくナース服を着た銀髪で絶壁な兵士が大きな声で話していたようだが、それは防音の結界によりグレイには聞こえなかった。
グレイが絶句して銀髪の兵士にぶん殴られるまで残り十数秒。