何を言っているのか(ry
本編が執筆が進まない中この話を放置しているのは勿体無い気がしたから、取り敢えず投稿。
それでは、ジャンヌさんの過去編どうぞ。
「……ふん。何よ。格好つけちゃって」
私はコッソリと教会の二人組とグレイとの話を盗み聞いていた。
普段のグレイならばれるが、今のグレイは睡眠不足により、注意力は散漫である。
だから、気配を本気で消せばばれることはなかった。
私は自身が教会からどんな蔑称で呼ばれているのか知っていた。
『龍の魔女』や『裏切りの聖女』やら様々な名称が広まっていることも知っているまぁここら辺はまだ格好いいと思えるだけましなのだろう。
だけど『淫乱魔女』ってのはどこから出てきたのよ?おかしいわよね?聖女から魔女になったら清楚な一面も反転すると思ってんの?ねぇ!?
コホン。
取り乱してしまったけど、話を戻すと私は私のために本気で怒ってくれたグレイに嬉しく思っていた。
昔は聖女だなんだと言われ祭り上げられていた私だけど、父母も早々に死に、私のために本気で何かをしてくれる人がいなくなってしまった。
だからこそ、私は人々の役にたち誰かに誉めて欲しかった。その為にありとあらゆる悪事を未然に防ぎ父母も愛していた神のために戦った。
しかし、それは教会にいる腐れ神父にとっては不都合な事であった。
今までに行った悪事を悪魔や堕天使のせいにして民から討伐代として金銭などをむしりとっていた教会にいる腐れ神父は無償で行動していた私を鬱陶しく思い、私を罠に嵌めて処刑しようとした。
処刑される寸前にバランスブレイクに目覚めて逃げ出していなかったら私は今ここにはいないだろう。
しかし、こうして生まれたバランスブレイク『
神器で産み出した聖剣のドラゴンとはいえ、ドラゴンと言えば、どの神話も悪の化身や人間の敵として描かれている。
そんな物を造り上げたとしたら信じてなかった人々も当然私が魔女と認めざるを得ない。
この町の教会……否、全世界の信者がこの時、私の敵へとなったのだ。
その後、私は逃げ続けた。
どこまでもどこまでも遠く遠くに逃げた。
誰にも見つからないように。
しかし、逃げ続けていたとしてもいずれは限界が来る。私は隠れていた洞窟の中で遂に体は限界を迎え倒れた。
あぁ、ここまでかな。と思いながら私は意識を失いかけ……不意に感じたいい臭いで無理矢理、目を覚まさせられた。
私は臭いに釣られるがまま鉛のように思い体に鞭をいれて動く。正直、体はもう限界を告げていた。
けど、何故かこの臭いには体が勝手に反応して動いてしまう。
臭いの発生源、そこには二人の男女がいた。
「まだシチューはできないのですか、グレイ?もう私お腹空きました」
「もうちょっと待てってば。もうすぐ煮込み終わるから」
「もう少しですね。分かりました。……まだできないのですか?」
「はえぇよ!?」
「早く食べないとグレイと夜の修行が出来ないじゃないですか」
「妙に艶めかしい声で、誤解の生みそうな事を言うのを止めて貰えません!?」
「私はいつでも(戦闘訓練を)本気で待ってますよ?」
「畜生!?修行の事だと分かっていても反応しちまうこの体が憎いぜ!」
……最初の印象は随分賑やかな二人だなぁということだった。
この感じは私の父母に似ている。父が母にからかわれ、母の玩具にされる感じだ。
どこの世界も男は女に弱い生き物なのかもしれない。
次に感じたのは二人の気配だった。
この二人の気配はエクソシストを七歳から三年間続けてきた私には分かる。
この二人は悪魔……それも最上級いや、それ以上、魔王に匹敵する強さを持つ悪魔だ。
何故もっと早く気付かなかったのかと自分を叱咤した。
勿論、体が極度の疲労に達していたとか、この二人の実力が予想より遥かに上だったとか様々な理由はあるがこの時の私は逃げないとという気持ちで一杯だった。
しかし、体は時として自分の意思とは反する行動を起こすときがある。そして、今がその時であった。
グ~~~~~~
こっそりと逃げようとした私のお腹から盛大に音が鳴った。それはもう、誰かがわざと大きな声で言っているのではないかと疑ってしまうぐらい盛大に。
きっと、その時の私の顔は真っ赤であっただろう。恥ずかしすぎた。生まれて十年。聖女として生きてきた私にとって初めての恥辱であった。
「……あ~うん。そこに隠れている娘。お腹空いているならシチュー食べる?」
「遠慮はしなくてもいいんですよ?」
あまりにも大きな音だったせいか悪魔二人に気遣われてしまった。
はっ、恥ずかしすぎる。
結局シチューは鍋一杯頂いてしまった。だって空腹だったんだし、とっても美味しかったんだもの。
その後、男の方の悪魔から生暖かい視線を感じ、顔をまた赤く染めたのは別の話だ。
その後、私は二人に恩を感じ、二人のために何か出来ないかと二人に連いていき──決して、決して食べ物に釣られたわけではない──世界中を旅して回った。
ギリシャに行ったり、北欧に行ったり。
そのほとんどが戦闘目的ではあったが父と母が死んでから初めて色々な事が楽しく思えた。
そして、初めて出会ってから二年が経過した頃だった。
「……ねぇ、ジャンヌ。俺の眷属とならない?」
「えっ!?」
私はグレイに眷属へと誘われた。
「……嫌だった?」
「い、嫌じゃないけど……その……」
特に意味もないのにもじもじとしてしまう。
おかしい。私はこんなキャラではない筈。
「嫌なら嫌でいいよ。断ってくれて」
「えっ!?そんなことは……」
「元々俺の勝手な勧誘だしね。聖女であった君には耐えられないだろう」
そんなことはない。腐れ神父に嵌められたあの日から私は神を信じるのは止めた。
だから、この誘いは嬉しかった。
しかし、彼は私の事を考えてこの誘いを断ってもいいと言ってくれた。
いつもなら、私の為を思っての発言なら嬉しく思っている。
だけど……
「だから返事は、また今度でもいいよ。けど、俺達はこれから一回冥界に帰るから人間である君を連れていくわけにはいかない。だから一旦ここでお別れ。次出会う頃にはいい返事を聞かせてくれると嬉しいな」
「……」
何でこんなに……
「……うん。なんか暗くなっちゃったな。大丈夫!今生の別れって訳ではないんだから!またいつか会えるからね!」
悲しくなるのだろう?
私に背を向け去っていく姿は似てない筈なのに……死ぬ間際の父と被って見えた。
「!待って!!」
「わっ!?」
私は彼に後ろから飛び付いてしまった。
何故かは今となってもよく分からない。
しかし、ここで止めなければ一生会えないような気がした。
「あっ!?……う……」
「えっと……どうした?」
「…………よ」
「へっ?」
「あげ……わよ」
「?」
この……!何で察せないのよ!今までの話の流れで分かるでしょう!?わざとか!?わざとなのか!?
難聴系主人公ってヒロインを蔑ろにしているみたいで私は嫌いなのよ!
「だから!貴方の眷属になってあげるって言ってんの!!察しなさいよ!!」
「痛い!?痛いってば!?」
私は恥ずかしさのあまりポカポカとグレイを叩く。
実際にはポカポカなんて生易しいものでは無かったのだがこの時の私は恥ずかし過ぎてそんなことを気にする余裕は無かった。
そして、私はグレイの眷属となった。
駒は『騎士』。本当は彼の『女王』になりたかったけどその座は既に輝姫が取ってしまっているので私はなれなかった。
でも、別に駒の事は取っても取れなくてもどっちでもよかった。
だって、隣には私の
その事実だけで私の心は満たされたような気がした。
ライバルも
と、思っていた時もありました。
冥界に着いたら、早速出迎えたのはツインテールの巨乳の美少女であった。
彼女がグレイに飛び付いた瞬間にライバルだと分かったのだが、相手は魔王、レヴィアタンであった。
その時点で結構絶望していたというのに、次から次へと出てくる彼に想いを寄せる女の子達。
町を歩けば老若問わず女性悪魔に囲まれ、上級悪魔のお宅へ訪問すれば娘の許嫁にならないかと誘われ、宿に泊まれば従業員達(ほぼ全員が巨乳)が寄ってくる。
口の端がピクピクとひきつるのが分かった。
どうやら私の想い人にはライバルが多いそうです。
とりあえず巨乳を当てられデレデレしていたグレイの頭に木刀(聖剣版)を叩きつけておいた。
これが聖剣『洞爺湖』が生まれた瞬間である。
グレイは犠牲となったのだ。
……過去の事、思い出したら腹が立ってきた。
何よ!グレイったら巨乳に囲まれてデレデレしちゃってさ!そんなに貧乳は気に入らないの!?ささやかな胸は嫌いなわけ!?
……いいわ。その
私はそう心に誓い、計画の第一段としてグレイが眠っている布団に下着姿で潜った。
その日の夜は隣に感じる人肌のおかげでいい夢が見れる気がした。
じ、次回こそは絶対本編を上げます。……た、多分。
また次回も見てください。
……批判や評価等の感想があってもいいんだよ?