このような駄作を読んでいただきありがとうございます!
今回から原作三巻に入ります。
アーシアちゃんとミッテルトちゃんが使い魔を捕まえた数日後。
久し振りに生徒会の仕事を手伝ってから家に帰っていると、銀髪の神父に木場君が襲われていた。
その手にはそれなりに強力であろう聖剣が握られており、木場君をジワジワと追い込んでいく。
まぁそれを黙って見ている俺では無いのだが。
勿論生徒を守るため開幕ぶっぱしてやりましたが何か?
う~ん。それにしても頑丈だねー。
ディバインバスター直撃したのに、まだ動けるの?
じゃあもう一発撃っちゃおう。(無慈悲)
えっ?鬼?悪魔?
知ってた。俺(種族的に)悪魔です。
ドンッ!
またしても直撃した筈なのに意識を保っている神父。
おいおい、頑丈すぎだろ。
仕方がないので捕縛するために魔法で糸を造り亀甲縛りで神父を縛り上げた。若干縛る時に変な感じがしたが気のせいだろう。
何故亀甲縛りかって?
何となく似合いそうな気がしたんだよ。
この縛られている姿を見る限りMの素質ありそうだよ、こいつ。
っていうか薄い本とかでよくある「くっ殺」いただきましたー!ありがとうございます!
男の「くっ殺」なんて誰得だよ!とは突っ込まないでくれ。これはそういうノリなんだ。
そんなわけで俺と銀髪の神父はテンションMaxになり、ハイタッチをする。
いやぁ、こいつ最高なノリしてるわ。
思わず眷属に加えたくなるぐらい。アッハッハッ。
……あれ?何でこいつ亀甲縛りから脱け出してんの?
おかしくね?
縄脱けなんて神父の基本だって?
ねぇよ。神父ってなんだよ。神を崇めんじゃねぇの?縄脱けスキルが基本の神父なんて嫌だよ。どこぞの暗殺者じゃないんだから。
前に激辛麻婆を教えてくれた神父といい、昔会った借用書を押し付けてくる神父といい神父にまともな奴はいないのか。
そう言っている間に木場君が銀髪の神父に切りかかった。
あれ?これってもしかしてだけど銀髪の神父が木場君に襲いかかっていたんじゃなくて、木場君が銀髪の神父に切りかかっていたってこと?
うわ、ヤバ!最悪な勘違いしてたわ。
早く木場君を止めないと。
俺が木場君を何とか止めていると木場君がこの神父はかつてアーシアちゃんを痛め付けていた堕天使の部下だった『フリード・セルゼン』という奴だった事を教えてくれた。
あれ?『フルート』じゃなかったの?っていうかこんなノリがいいやつがアーシアちゃんを痛め付けていたの?
それに対して全力で銀髪の神父……フリード君に怒られた。
やりたくてやってたわけではないらしい。はぐれエクソシストとなったのも仲間に裏切られた結果らしい。
あの堕天使の下にいたのも、住所やら戸籍がなく、その上、教会に指名手配を受けていたため働けなかった事により渋々生きるために付いていっただけらしい。
そうじゃなかったら、大好ぶt……大好きな聖女をいたぶるなんてやりたくない、寧ろいたぶられたいとのこと。
やっぱりMなのか?そうなのか?後大好物って言いかけてなかった?気のせい?……まぁそういうことにしておこう。
にしても可哀想な奴だな。仲間に裏切られてこんな薄汚れた仕事まで受け持つなんて。
いっそのこと俺の眷属にならない?ノリの良い君なら大歓迎だけど?
俺がそう言うと木場君が驚いて止めてくる。しかし、これは結構真剣な話なのである。何となくこいつをこのまま薄汚れた仕事に染め尽くすのは惜しい気がしたんだよ。だからその殺気を抑えてくれ。
それで返事は?
一応仕事だから最後までやり遂げたい?
むむむ、そういうことなら仕方がない。
なら、その仕事が終わったら改めて答えを聞こうかな。
フリード君は嬉しそうに頷いた。
うむうむ。他人の喜ぶ顔は良いものだ。
ところでその仕事って何?
フリード は けむりだま を つかった ▼
フリード は にげだした ▼
……あれ?何で逃げたんだろうか?
まぁ良いか。
また仕事が終わったら会えるようだしその時に期待しよう。
木場君も、もう彼の事は良いから早く帰るんだよ。
近頃は物騒だからさ。
俺は木場君にそれだけ告げて家に帰った。
家に帰るとジャンヌは何かに怯えるように至るところに結界構築用の聖剣を突き刺している。
俺の結界の強度も上げるように言われたので最高レベルまで上げてやったのだが……何かあったのかねぇ?
この前も使い魔の森から家に帰ったら泣きつくように俺の胸元に飛び込んできたし。
その後、二時間ぐらい俺の胸元で泣きついてくるジャンヌの頭を撫でていると漸く元の調子に戻ったようで、木刀(聖剣版)でぶっ叩かれた。
流石に理不尽すぎねぇ?
まぁ後で謝られたから許したけど。
だけど、この結界のせいで自由に家に入りづらくなっている。
ミッテルトちゃんもアクアちゃんも家に入るときは苦労しているみたいだ。
あっ、ちなみにアクアちゃんって言うのはこの前のウンディーネの子供のことね。ウンディーネ内では名前を付けないようだからミッテルトちゃんが命名してた。
……ネーミングセンスが単純とか言ってやんなよ。本人達は気に入ってんだから。
それはさておき、この二人があまりにも家に入るのに苦労しているので俺は二人に結界をすり抜けられる二人専用のパスポートの様なものを渡そうとしたが、輝姫がそれを却下した。
結界をすり抜けられるように魔力の扱い方を覚えるのもいい修行になるからとのこと。
やっぱり、あいつは鬼畜だ。
一応俺達の修行をやったとはいえ、下級悪魔になったばかりの存在とその使い魔が、最上級悪魔さえも封じ込めてしまう結界を抜けられるわけねぇだろ。
その本人もラークを連れて北欧の方へ修行の旅に戻ってしまったし。
また
あいつら基本的に必殺の攻撃を受けても
本人達からしたら、迷惑以外の何者でもないけどな。
この前苦情の電話が掛かってきたし。
って、何で俺が怒られなくちゃいけないんだよ!苦情なら本人に言えよ!
……恐くて出来ない?お前らそれでも神と勇者か!?
しかも、苦情入れる時にも
電話越しに聞くワルキューレの申し訳なさそうな声に心が痛むんだよ!
何度、電話相手のワルキューレ達にお詫びの品を送ったことか。
……
一度、輝姫にもセクハラを仕掛けて叩き斬られそうになったこともあるとか。
……命知らずのセクハラ爺め。
う~ん。早いとこ、魔力の扱いに上手くならないとこの二人死んじゃうんじゃないかな?
……仕方ない今度、『俺式魔力操作術(応用編)』を開くとしよう。
ついでだから、グレモリー眷属とシトリー眷属も呼んでおこうか。彼女達の面倒も見ないと
俺がそう心に決めているとチャイムがなった。
玄関から聖なる気配を感じるので一般人の訪問者ということはあり得ないだろう。
もしかしたらフリードが依頼を完了して、返事をしに来たのかもしれない。
俺は少しワクワクしながら扉を開けて……後悔した。
そこにいたのはローブを纏っている二人組。
片方は怯えたような目をしており、もう片方は俺の事を睨み殺さんとばかりに鋭い目で睨んでいる。
……俺が思わず扉を無言で閉めたのも仕方がないと思う。
だって、不審者だもの。
直後、家のドアに破壊力抜群の聖剣が叩きつけられた音がした。
しかし、家の扉は結界によって無傷だったことは言うまでもないだろう。
結局、先程の不審者を家に上げてしまった。
別に結界が破られたわけではない。
扉を殴られている間、無駄にでかい音が鳴り響き続けていたため、睡眠妨害となりキレたジャンヌが二人を叩きのめしたのだ。
……勿論俺も二人を上げるつもりは無かったのだが、ローブ姿の女性二人──ジャンヌが叩きのめした際に顔が見えた──を放置するのは世間体的に悪い。
他の場所に運んでもよかったのだが魔法を使うと近所の人に見られると後処理が面倒だし、人力で運ぶと人目に付く可能性が高く、噂が立つ。
そう、仕方がなく、仕方がなーく。二人を横抱きで抱え上げたのだ。
け、決してやましい気持ちが会った訳じゃないんだよ?
家に上げるのに機嫌の悪いジャンヌに手伝わせるわけにもいかないし、見た目幼いミッテルトちゃんやアクアちゃんに手伝わせるわけにもいかない。
なので必然的に俺が抱え上げるしかないのだ。
……うん。色々と柔らかい感触で凄くドキドキしてしまった事は事実だがやましい気持ちは本当に無かったので、その聖剣下ろしてください。ジャンヌさんや。
この二人が持っている聖剣よりも聖なるオーラが出てる気がするんですけど?
結局二人が起きるまで俺の後ろで機嫌の悪いジャンヌに聖剣を向けられ続けられるのであった。
結局二人が起きたのは、翌日となってからだった。
よっぽど疲れていたのかぐっすりと寝ていた。
対して俺の体調は最悪である。
この二人が熟睡だったため、監視のため(?)ずっと後ろから殺気を感じて休むに休められない状態だったのだ。
そのジャンヌは二人が起きたのを確認すると、一人寝室へと戻っていった。
あの野郎……!
寝不足の状態なので若干目付きが悪いようで二人は軽くびびっている。
しかし、そこまで怯えられると俺も悲しくなるので止めて欲しい。
とりあえず、我が家を訪ねた理由の説明を促した。
すると二人は怯えながらも説明してくれた。
事の発端はグリゴリの幹部の堕天使『コカビエル』が教会が管理していた大戦で七つに折れた聖剣『エクスカリバー』を盗んだ事であった。
目的は不明だが、コカビエルは聖剣を盗んだ後、何人かのはぐれエクソシストを雇い日本にやって来たらしい。
それを教会は取り返そうと二人を派遣。教会側は悪魔陣営に邪魔されては困るので傍観していて欲しいと忠告するように言われていたので忠告に来た。
……まぁうん。教会からしたら俺たち悪魔も堕天使も敵であることには変わらないもんね。教会側の言い分も仕方がないか。
その忠告までは許せた。しかし、その後の事は許さない。
奴等は元聖女を……ジャンヌの事を『龍の魔女』と呼びやがった。
『龍の魔女』とはジャンヌにつけられた蔑称だ。
聖女が神を裏切り魔女となり、その魔女が操る
俺はそれにぶちギレた。
元はと言えばジャンヌが教会を追い出されたのは
それさえなければ、ジャンヌは未だに先祖と同じく、聖女と崇められている筈である。
それを
それなのに……お前らがジャンヌを『魔女』と呼ぶんじゃねぇ!!
……魔力と殺気を全力にして二人に向けてしまったせいで、目の前の二人は失禁しながら気絶してしまった。
最近、聖水(意味深)をよく目の前で漏らされる事が多いような気がする。
……やっちまったなぁ。大人げなかった。
この二人は人間だから見た目通り十数年しか生きてないだろう。
その二人に本気の怒りを向けてしまった。
反省しなくちゃな。
とりあえず、二人の面倒はミッテルトちゃんとアクアちゃんに任せておいた。流石に俺が二人の下の世話をするわけにはいかないだろう。
まぁ見た目幼い二人に世話をされたとなれば少しは恥ずかしがるかな?
あれだけ脅したのに俺の眷属であるミッテルトちゃん達に何かするようであれば俺は本気であの二人を消す。
前世なら無理なところだが、二人程度の力ならば消し飛ばす覚悟も力も今の俺にはある。
頼むから反省してくれよ。
その後、二人は気絶から目覚めた後、逃げるようにそそくさと家を出ていった。
ミッテルトちゃんから聞いた話だと、これからグレモリー眷属にも同じく忠告に行くらしい。
……まさかと思うがあの二人アーシアちゃんにも同じようなこと言わないよな?
俺はその事を心配しつつもとりあえず、未だに体が睡眠を求めていたため、布団に潜った。
朝起きたら、布団の中にジャンヌが下着姿で潜り込んでいた。
あ、なんか
とりあえず、俺は大きな悲鳴を上げておいた。
と、言うわけであらかじめ教会娘達にはアーシアの事を馬鹿に出来ないように釘を打っておきました。
後、この作品のフリード君は実はいい人です。後、眷属化のフラグも立てておきます。
次回もまた見てくださいね!