どうか暖かい目で見ていただけたら幸いです。
気がついたら転生していた。
トラックに引かれて死んだ覚えがあるのに今、赤ん坊として多分俺の美人な母親に抱かれているので恐らく間違いないだろう。
さて、どんな世界に送られたかはわからないが神にあった覚えは無いので恐らくチートとかはついていないだろう。
できることなら平和な世界に転生しているといいなぁなんて希望を持っていました。
しかし、残念ながら俺は今世では種族=悪魔で悪魔、天使、堕天使の三竦みで戦争している時代に産まれてしまったみたいです。
やったね、俺。死亡フラグが増えるよ。
……嬉しくねぇ。恋愛フラグならまだ嬉しかったのに。
あっ、勿論ヤンデレフラグはノーセンキューで。
転生して数年が経ち、俺も青年と呼ばれてもいい歳になりました。
てなわけで戦争参戦です☆
……いやぁぁぁぁぁぁ!!
出たくない!行きたくない!
俺、魔法特化型だけど体が貧弱だからほぼ一般悪魔と変わらない紙装甲だよ!?
そんな俺が出てもなにもすることなく滅ぼされちゃうって!?
ほら、今も遠くから「ハルマゲドンじゃあぁぁぁぁぁ!!」とか叫び声が聞こえてるからね!?
俺なんかが行っても無駄だから!無理無理!まだ死にたくないですから!!
いや、グレモリー何でそんな目で俺を見るんだ!
アスタロトも止めてくれよ!!「お前はこの程度の戦争で死なないだろ?」馬鹿言え!体が貧弱で紙装甲の俺を巻き込むな。おい、そこで何でグレモリーみたいに「何言ってんだこいつ」みたいな目で見やがる。
うおっ!?シトリーいきなりくっつくなよ!
……えっ?戦争出てくれたら彼女になってあげてもいい?
う~ん。
その胸部装甲では俺は満足できないからまた数年後にガハッ。
く、くそ。あいつ思いっきり魔力を込めた拳で鳩尾殴りやがった。
あっ、ヤバ。意識飛ぶ。……ガク。
気づいたら知らない場所にいたらお約束な言葉があるよね。「知らない天井だ」だよ。
俺もそんな感じでいってみよう。
知らない戦場だ(真顔)
……ふざけんなぁぁぁぁ!!せめて天井がある場所に置いて行けぇぇぇぇ!!上に何もないから狙われ放題じゃねぇか!!いやぁぁぁぁぁぁ!!堕天使、天使の皆さん!止めて、そんなに光の槍をこっちになげないでぇ!?
あつっ!?今、擦った!?擦ったから!?
……あれ?痛くない?それに…何だか…気持ちよく……
(゜ロ゜;!?
危ねぇ。今俺は光によって浄化させられかけてたみたいだ。
シトリーが間一髪のところで回復させてくれなかったら死んでた。
何故か、膝枕での治療だったけど。こっちの方が治療しやすい?他のやつらの治療する度に膝枕してんのお前?もしかしてビッチ?俺の彼女になってもいいみたいなこと言ってたし。ビッチなんだろ!ゲフッ!?はい、すみませんでした。反省したのでその拳を下ろしてください。流石に二撃目はきついです。
ちなみに俺を襲っていた堕天使や天使達はシトリーの魔法で凍らされてました。
シトリー恐ぇ。俺は腹パンの分まだましなのかもしれない。あんな氷像にはなりたくないなぁ。
……えっ?俺も戦えって?
無理無理。俺に出きることは敵味方関係無く吹っ飛ばす広域殲滅魔法だけだよ。こんな場で使ったら敵も味方も崩壊しちゃうって。
それでもいいから撃てって?俺の魔法で死ぬような悪魔はいない?
……ほほう。
いいだろう。ならば俺の前世の記憶の中にある白い悪魔の魔法を放ってやらぁ!!
魔力を溜めて溜めて周辺にある魔力残骸も集めて、収束収束……
スターライトー……ブレイカーーー!!
大 爆 発 !
おおぅ。やっぱり魔王の魔砲は威力が桁違いだわ。
街三つ分ぐらい巻き込む爆発を作り出してやったぜ☆
おい、シトリー。何引いてやがる。
あそこまで強力な一撃だとは思わなかった?あれでは天使や堕天使どころか魔王や神も死んだかもしれない?
……俺、逃げるわ。誰も知らない、来れない場所に。
離せぇ!羽交い締めすんなシトリー!ボインなお姉さんにやられるのなら嬉しいけどお前みたいな絶壁がそんなことすんなオペラ!?
ス、スープレックス……だと……両手が塞がってたから油断してた。
あっ。また意識飛ぶ。おふ……。
次起きた時には戦争終わってた。俺が放った魔法以外の原因で魔王は死んでしまったらしい。少しホッとしたのは内緒だ。
結局戦争はどの種族も個体が極端に減ってしまったので終戦。この戦はそれぞれの種族の存続に多大な被害をもたらしただけだった。俺の両親も死んでしまったし。
ま、俺にはそこまで関係ないんだけどね。
両親が死んでしまったことは悲しいことだけど、その他は俺関係ないし。いざとなれば人間の女の子と結婚して子供作ればいいし。現悪魔上層部みたいに純血の悪魔を作らなければならない規則みたいに頭固くないし。
それをシトリー達の前で言ったら呆れられた。
何故だ?
さて、それから更に数百年後。
新しく就任制となった魔王の立場にグレモリー、アスタロト、シトリーがつくことになった。もう一人いたと思うけど名前は忘れた。だって影薄いんだもの。
アスタロト、改めベルゼブブとなった、アジュカに面白い物を渡された。
『
チェスの駒をイメージした人や魔物を王の眷属悪魔として転生させる道具である。
実力次第ではドラゴンすら眷属悪魔に転生させられると言うのだから驚きものである。
いや、真に驚くべきなのはこれを開発したアジュカである。よくこんなものを思い付いたものだ。
……俺のお陰?いや全く意味わからないんだけど?
いやそこで含みのある笑いをされても俺困るんだけど。
そんな風に談笑しているとシトリー改めレヴィアタンとなった、セラフォルー……もといセラが勢いよく俺に体当たりしてきた。ゴフッ!?
因みに先程から俺が名前呼びにしているのはこいつらが魔王就任日に名前で呼んで欲しい、と言われたからである。
因みに拒否した場合はこの三人による一方的な
セラフォルーだけはやけにモジモジして俺にセラってあだ名で呼んで欲しいと言ってきた。断る理由もなかったので呼んであげたら何かくねくねしてトリップし始めた。
流石ビッチだ。ってぼそりと言ってしまったらまたぶん殴られた。理不尽だ。
あっグレモリーはルシファーになって、呼ぶときはサーゼクスってよんでるからね。べ、別に説明を忘れてた訳じゃないんだからね!
悶話休題
腹の痛みが治まったのでセラの今回の要件を聞く。
私の『
SMプレイをやりたいのなら他の場所でやってください。
怒られた。ぼこぼこにされた。
どうやらここで言う『女王』とは『悪魔の駒』の役職の事を言うらしい。
それならそうと最初に言えばいいのに。
まぁ良いけどね。
俺なんかで良いなら別に良いよ。
ほら駒を出しなよ。
俺がそういうとめっちゃ喜んでくれた。
俺なんかで喜んでくれる女の子がいると思ったら少し嬉しくなったが、セラがビッチだったことを思いだし萎えた。
声には出してない。人間は学ぶ生物なのだよ。現悪魔だけど。
なのに腹パン繰り出すとかありえない。
「女の子の勘は最強なんだよ」? ええ、今それを身をもって教えられました。
まぁそれはさておいて、俺はセラから『女王』の駒を受け取り体に埋め込みセラの眷属となった。
否、なろうとしたけど駒が俺の中から弾き出された。
その場にいた全員が一瞬呆然となり沈黙が辺りを支配する。
それからが大変だった。
セラは辺り構わず(俺めがけて)膨大な魔力を込めた魔法を放ち、アジュカは俺から駒が弾き出された理由を(興味本意で)調べだし、サーゼクスはその光景を苦笑いで見ている。俺は魔法を使ってセラから逃げようと必死に抵抗している。
何だ、このカオス。
それから、俺に特大の魔力弾が命中したところでようやく理由が判明。
どうやら俺の実力か潜在能力かは分からないがそれらが高すぎるらしく今のセラでは俺を眷属にできないらしい。
上げて落とす。
『悪魔の駒』って結構鬼畜なんだね。
セラの落ち込みよう凄いよ。まるでセラの妹に大っ嫌い!って言われたときのように落ち込んでるよ。
あっ因みにセラの妹はソーナちゃんといい、セラと違いかなりしっかりした子だった。
前にサーゼクスの所の妹のリアスちゃんと一緒に遊んでたら二人は扉の外から血の涙を流しながら壁を砕くぐらい力を入れて此方を見ていた。
いつシスコンに襲われるかと常に緊迫した雰囲気の中で遊ばなければいけなくなり常に胃が痛む。
因みにそんときはままごとで俺が夫役。じゃんけんで勝ったソーナちゃんが妻でリアスちゃんが愛人役だった。
ままごとってそんなぎすぎすした家庭を再現する遊びだっけ?
後ろからのプレッシャーとごっこ遊びではありえないリアルな修羅場を再現されたことで俺の胃が先程よりキリキリと痛むのを感じた。
もう、あの家であのメンバーが揃っているときに遊ばないと心に誓ったのは言うまでもないだろう。
悶話休題
まぁそれはともかくセラは俺に宣戦布告をして帰っていった。
「貴方を絶対に眷属にするんだから!」とのこと。
泣きながら走り去っていく彼女に俺は頑張れとしか言えなかった。
流石にこの場面で彼女をからかうのはできなかった。
そこまで俺は外道ではない。
それはさておきせっかく俺も『悪魔の駒』を貰ったので眷属を集めに旅に出てみようか。
あん?魔王の仕事を手伝え?
俺は魔王じゃないからやらなくてもいいだろ。
俺とお前らの仲?ははっ!ご冗談を。
どこかの誰かさんの妹と遊んでいる時に不意に何度も命を狙われ、実験を手伝えって言われて強制的に引っ張られ新しい術式の的にされる俺にお前らとの仲なんてあるわけがないだろう。
おい、こら。
目ぇ逸らすなよ。こっち見ろよ。
まぁ取り敢えず、暫く帰ってこないから色々と頑張れよ~
俺の眷属集めの冒険はこうして始まった。
因みにこの時、俺がセラに黙って旅に出たので再会した時に全力のパンチを腹にもらい、暫くの間転がり回ることになるのだがこの時の俺は知るよしもなかった。