役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
そのため役人転生系列の作品が3作品同時更新となっています。
ちなみにこの話は2017年に完成し、その存在を忘れられていたものとなっています。作者が忘れていただけでもしかしたらどこかの後書きなどに投稿してあったりするかも知れませんが、その時はお許しを。
話の時系列的には劇場版の終了直後です。
ふぅ。あれから……大洗女子学園の廃校撤回(私のクビ)から2週間が経ちましたが……業務の引き継ぎやらお世話になった方々へのお礼参りやら凄まじい数の来客の対応やらでもうクタクタです。
この2週間が役人人生の中で一番忙しかったのは間違いないでしょう。
まぁ、高島君が必死になって頑張ってくれたり、家に帰る暇も無いぐらい馬車馬の如く働いていたお陰で明日と明後日は家でゆっくり休めるんですけど。
「……あれ?鍵が空いてます」
久しぶりに我が家に帰って来たんですけども……ちょっと待って下さい。家の鍵を閉め忘れていたんでしょうか私は?
いやいやいや、そんなはずは無いです。戸締まりはちゃんと確認してから家を出ましたし。
まさか泥棒(ミカ君)?いや、でも……何となくですがそれも違うような気がしますね。
……まぁ、とにかく中に入ってみましょうか。
っと、その前に……よし。万が一泥棒だったらこのレンチを投げ付けてやりましょう。
――ガチャリ。
中から人の気配がします。誰かが居るようです。
「――あ、おじさん。お帰りなさい」
――バタン。
……私は疲れ過ぎているようですね。みほちゃんが制服+白エプロン姿で私を出迎えてくれるなんて幻覚を見てしまうぐらいに。
レンチを捨てて……とりあえず深呼吸、深呼吸。
さぁ、これで大丈夫です。行きましょう。
――ガチャリ。
「どうしたんだ、西住さん?」
「あ、麻子さん。おじさんが中に入って来ないの。あっ、おじ――」
――バタン。
……増えてるぅぅうッ!?
何でですか!?何で制服+花柄エプロン姿の麻子ちゃんの幻覚まで見えてくるんですか!!
歳ですか!?歳のせいですか!?
っ、よし!!頬が赤くなるぐらい顔をひっぱたいたので、これでもう大丈夫でしょう。
――ガチャリ。
「西住殿、冷泉殿。どうしたのでありますか?廉太殿が帰って来たのではないのですか?」
「うん。そうなんだけど……」
「廉太さんがドアを開けるだけ開けて中に入って来ない。あ――」
――バタン。
……また増えてるぅぅうッ!!
今度は制服+迷彩柄エプロン姿の優花里ちゃんまで出てきましたよ!?
一体どうなっているんですか!?
――ガチャリ。
あ。
――ガシッ!!
……あ。
「お帰りなさい。おじさん」
「お帰り、廉太さん」
「お帰りなさいであります。廉太殿」
ハハッ……ここに至って認めるしかないのでしょうね。
満面の笑みを浮かべながら私の腕をガッチリと掴んでいるみほちゃん達が幻覚などでは無いという事を……。
ハハッ、どうしてこうなったんでしょうか。
では、最終章4話で(可能なら)またお会いしましょうノシ