役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
(;´д`)
……実はもうそろそろ打ち切ろうと考えていたんですが。
継続を望んでくれている方々がいらっしゃる様なので、完結まで頑張る事にしました。
(´∀`)
モチベーションが上がる感想もかなり頂いていますし。
という訳で今後とも宜しくお願いします。
m(__)m
ヤバいです。ヤバすぎます。
断りきれずにOKしてしまいましたが、蝶野1尉と2人で食事とかどうすればいいんでしょうか。
……うん。蝶野1尉には申し訳ないですけど、適当な理由をつけて丁重にお断りさせて頂きますかね。
そうすると……お詫びの品として上物の日本酒辺りを準備しておかねば。
「局長、お茶です」
「ありがとうございます」
はぁ……お茶おいし。
さて、後もうお一方に根回しの電話をしておかないといけませんね。
「……局長、つかぬことをお聞きしますが。先程の電話のお相手は女性ですか?」
「えぇ、ちょっとした知り合いの――って、え?高島君?」
何でそんなに不機嫌なオーラを漂わせているんですか?
私が何かしました?
お茶のお礼は言いましたよね?
……あ。もしや、あれですか。
「お知り合い……具体的にはどういったご関係で?」
「ご関係と言われても……仕事と戦車道の関係で知り合った人ですが」
「そうですか、失礼しました。ずいぶんと親しいご様子でしたので、つい気になってしまいました」
「いえ、別に構いませんけど」
そうでした、そうでした。
すっかり忘れていましたが高島君は私が女性の方と電話をしていると何故か不機嫌になるんでした。
まぁ、電話の相手(女性)の色々なお誘いを断るためにお詫びの品を手配する前準備をしてもらっていますからね。
それが面倒なんでしょう。
でも、前準備(お詫びの品の選定)を高島君にしてもらわないと何を送ればいいのか分からないんですよね。
私には物選びのセンスがないので。
その点、蝶野1尉はお酒好きなのでお詫びの品を迷う事が無くて助かります。
「局長、もう1つだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、構いませんよ。何ですか?」
「既に廃校となる事が決定している大洗女子学園の生徒に期待を持たせるような事を言ったり、役に立つ書類を渡したり、あまつさえ戦車道の教官を裏で手配したりしているようですが、それは何故なのですか?確約した訳では無いとは言え、もし彼女達が戦車道の大会で優勝してしまい世論を味方に付けて廃校撤回の履行を求めて来た場合、局長のお立場が危うくなってしまうと思うのですが」
「その点でしたら大丈夫でしょう。戦車道は素人が頑張って何とかなるような軽々しい武芸ではありませんから」
ま、それでも優勝しちゃうんですけどね。
大洗、引いてはみほちゃん達は。
「だから大丈夫だと?」
「大丈夫とは言い切れませんよ。彼女達の想いが本物であれば万に1つの可能性はあります」
「でしたらなおさら何故、彼女達を裏から助けるような真似を?助ければ助けただけ局長のお立場が危うくなってしまうだけでは?」
「まぁ、私も教育者の端くれですからね。子供達が頑張ろうとしている姿を見たらついつい応援してあげたくなるんですよ」
「しかし……それでは最悪の場合、局長が……」
「えぇ、私の首が飛ぶでしょうね。でもそれでいいじゃないですか。そうなったとしたらつまり彼女達の努力と熱意の勝利。彼女達が成長したという事。教育者としては喜ぶべき事に相違無いのですから」
とは言ったものの。
なんにせよ1回は約束を反故にしないといけないんですよね。
劇場版のために。
はぁ……何が悲しくて大洗の子達を悲しみのどん底に突き落とさねばいけないんでしょうか。
あ〜気が重い。
……いっそのこと大洗が戦車道大会に優勝した時点で私の首を賭けて廃校を撤回してやりましょうかね。
あ、ダメです。
そんな事したら世界の修正力が来ます。
それにみほちゃんの更なる成長の機会やら、その他諸々の出来事を潰してしまいます。
はぁ……つまり結局の所、私はどうしたって悪役を果たさねばならないんですよね。
あ〜どうしましょう。
この先話が進んで行った時に、もしもみほちゃんにおじさんなんか大っ嫌いなんて言われでもしたら。
立ち直れません。軽く死ねます。
「――いけません!!」
ぬおっ!?た、高島君!?
いきなり大声を上げたりしてどうしたんですか!?
「あんな目立った実績もない学園のために局長を失う訳には!!」
高島君、高島君。
1回落ち着きましょう。
お願いだから1回落ち着きましょう。
「この先の教育界を背負っていかれる局長をこんな所で失う訳にはいかないんです!!」
え?……ちょっと待って。
とんでもない過大評価されとるぅー!!
「数少ない休日も各学園艦の視察に当てて学園艦における教育の充実を図ったり!!」
……高島君、それ休日です。
完全に趣味で学園艦を見て回っているんです。
ちょっとぐらいは仕事もやってますけど基本的には休日です。
「マイナーになりつつある戦車道を盛り上げようと、文科省の倉庫に眠っていた戦車達を有志に貸し出して有志に指導までつけた上に、ボロボロになって返って来た戦車を業務時間外に1人で修理、整備したり!!」
それも趣味です……半分。
いやぁ……当然の事ながら私には自動車部の皆さんみたいな卓越した技術が無いので1両直すのに軽く1〜2ヶ月ぐらい掛かるんですよね。
それがまた大変で大変で。
よく両手が血豆だらけになったり、全身が筋肉痛になったりしてます。
「そんな風に全力で教育に向き合っている局長を失う訳にはいかないんです!!」
なんか高島君の中でだとヤバい位にいい人になってますね、私。
「それに……それにこのままじゃ局長が報われません!!生徒のために手を尽くしているのに生徒から恨まれるなんて!!」
「高島君……」
やめてー!!
そんな実はいい人なのに無理矢理悪役を演じている人みたいな持ち上げ方はやめてー!!
自分で言うのもなんですけど、中身は結構ゲスいんですから!!
「……私、決めました!!局長には申し訳ないですけど大洗女子学園は私が廃校にしてみせます!!」
……ストーップ!!ナニ言ってんの高島君!?
「絶対に局長をこんな事で失ったりはしませんから!!」
「た、高島君!?ちょ、どこへ!?」
え、は?高島君がどっか行っちゃいました。
……何これ、部下が敵になったんですけど。
どうしましょう、これ?