役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
でもまぁ、書いてしまったので投稿。
早く劇場版に突入せねば(汗)
「ではどうぞ。男の独り暮らしなので少し散らかっていますけど」
「失礼します」
……ん?まほちゃんを家に招き入れる時に向こうで何かが光ったような?
私の気のせいですかね?
それにしても……やれやれです。結局こうなりましたか。
というか、まほちゃんがうちに泊まるなんていつ以来の事でしょう。
確か……常夫としほさんが結婚記念日に2人で夢の国へデートに行きたいというので、まほちゃんとみほちゃんを預かったんですから……小学校以来?
「って、まほちゃん。そこは私の私室だから入ってはダメですよ?」
「いえ、チェックを」
何のですか!?何のチェックをするんですか!?
「リビングはこっちです」
「……チッ」
うーん。目を離すと色んな意味で危ないかもしれませんね。
……後で部屋の鍵を掛けときましょう。
「所でまほちゃん。もう夕飯は食べましたか?」
「いえ、まだです」
「じゃあ、何か作りますからテレビでも見ながらちょっと待っていて下さい」
「あ、手伝います」
「そうですか?では、キッチンに入ってすぐの所にエプロンが――」
「エプロンなら持ってきました」
「……」
何故にエプロン持参?あれ?なし崩し的にここで暮らすつもりですか?
……よくよく見たらでかいスーツケースがパンパンですし。不味くないですかね?
「っと、電話が。ちょっと待っていて下さいね」
「分かりました」
家の固定電話が鳴るなんて珍しいで――常夫からですか。
あっ、携帯を確認したら常夫からの着信だらけになってます。
出たら面倒な事になりそうですし…………無視しときますか。
うん?電話が鳴り止ん――FAXが来ましたね。何々?
乱筆過ぎてほとんど読めないですけど……貴様を殺す?
うーん。このまま常夫を放置しておくと危ない気がするので、まほちゃんに電話を入れてもらっておきますか。
まほちゃんから電話があれば常夫も少しは落ち着くでしょうし。
上手くいけばまほちゃんからの電話が嬉しくて、この事を忘れてくれるかもしれません。
「まほちゃん、常夫に――あれ?居ない」
何処に行ったんでしょうか?って、まさか!!
「まほちゃん!?」
「……すいません。トイレを借りようと」
「……そこは私の寝室ですけど?」
「間違えました」
「……」
油断も隙もないですね。
「さて、食事もお風呂も終わりましたし。そろそろ寝ましょうか」
……どちらも無事に終わったとは言えませんけど。
「そうですね」
「では、まほちゃんは2階の寝室を使って下さい」
「分かりました。――どこへ行くんですか?廉太さん」
「え?あぁ、私はガレージの方で寝るんですよ」
流石にね。同じ屋根の下で寝るのはアウトです。
というか、同じ屋根の下だと私が安心して眠れないんですよ。
「……」
まほちゃん。そんな不満気な顔をしてもダメです。
上目遣いも効きません。
「ご自分の寝室は使わないのですか?」
「えぇ、間違いがあってからでは遅いので」
「……」
うん?何故にそこで嬉しそうに微笑むんですか?
別に変な事を言ったつもりは――不味い。
間違いがあってからではなんて言ったら、その可能性があると言っているも同然に!!
「そ、それじゃあ、お休みなさい」
戦術的撤退!!
「ぁ……お休みなさい」
はぁ……やれやれ。食事中にアーンを強要されたり私がお風呂に入っている時に乱入しようとしてきたり。
疲れましたよ、全く。
「ガレージで寝るのも久し振りですね」
「Strv.103にⅢ号突撃砲、T-34-76、ヘッツァー、ティーガーII、パンター……以前よりかなり増えましたね」
「えぇ、前はStrv.103だけでしたからね。Ⅲ号突撃砲やT-34-76、ヘッツァーはクラーラ君のお父さんの協力の元、埋まっていた所を掘り出してレストアしました。ティーガーIIはベルギーでお酒好きのお爺さんからコニャック1本で譲り受け、パンターはドイツのお爺さんが地下室に隠していたモノを――って!?」
まほちゃんなんで付いてきてるの!?
「ま、まほちゃん?」
「なんですか?」
なんですか?じゃないですよ。
「君の寝る場所はあっちです」
「……昔のように一緒に寝てはダメですか?」
「ダメです」
「……チッ」
はぁ……渋々戻ってくれましたが……。
このまま素直に引き下がるまほちゃんじゃないですからね。警戒しておかねば。
……果たして私は明日の朝日を無事に拝めるのでしょうか?
オマケ。
「フフッ、フフフッ……やりましたわ。これでダージリン様も目を覚まして下さるはず。早く聖グロに戻って報告しないと」