シルク編は掛け合い部分を意識して書いていくつもりです。
その次は本音と建て前と描写部分を意識して書いていけたらと思います。
プロローグ
「ねぇねぇ。聞いた~?」
「なんかさ~、最近ジュンヤがさ~―――」
賑やかな大阪。
すれ違う女子高生達の恋話だろうか。
違うのはここが東京ではなく大阪だということ。
やる気もなく疲れた身体を引きずりながら会社へ出勤する。
なぜやる気が無いのかというと、2週間程前に東京の上司から異動を命じられたのだ。
「山田君、君来週から大阪に出張ね。いつ帰ってこれるかわからないから。」
「何か大阪で問題ですか?」
「行けばわかるさ。」
目の前にいたハゲた恰幅のいいおっさん、もとい上司はそれだけ言うと不気味なものを見るような視線を一瞬だけ投げかけ、二度と私と目を合わせようとはしなかった。
(なんだこのハゲ!感じ悪いな~。)
頭の中で文句を吐き捨てる。
この文句を考えている人物は某ゲーム開発会社に勤めている。山田守。一平社員だ。
この会社、全国に支社は一応ある。が、本来異動というのは少ない。
なぜならゲームである以上、インフラの普及もありデータのやりとりなだけであって異動は必要ないのだ。
30代半ばになって東京から大阪へと異動を命じられた事により、
月島のもんじゃ焼きが食べれなくなる不満を抱えつつも、会社の意向に沿って大阪へと出張となった。
大阪への異動はとてもスムーズだった。
主にゲームのプログラマー(PG)や運営、ゲームマスター(GM)としてのプレイヤーの対応がメインだ。
稀にSE的なネットワーク構築も行ったりしている。
自身でもわかっているがPGやGMなど代わりの効く人間は山ほどいる。
しかし今回の異動は異例ずくめだ。
聞くところ会社側が大阪での住居の手配、必要な家具の手配、手当て等全てを行ってくれた。
そんな代わりの効くポジションの人間である一平社員にここまで手厚くしてくれるのかと少し感動を覚えたのは確かだ。
それと共に何が大阪であるのかと少し不安が大きくなっていく。
できれば変な重圧などかけないでもらいたい。
(一体なにが大阪であったんだろうか?あれか?巨人ファンの社長の前で阪神がんばれって言ったのがまずかったのか?)
阪神だろうと巨人だろうと野球を知らないからこその軽い冗談だったのに……
まっ、いっか。
「おはようございます。」
会社に出社すると、既に出勤している人達へと挨拶をしてから自分のデスクへと向かった。
みんな真面目に仕事をしている。というわけではなく、自分のパソコンにツールソフトなどを使いなんとか動画という物を観ながら作業している人物だったり、
ただのネットサーフィンだろとツッコミたくなるようなサイトを見ている人物なども勿論居たりする。
そんな同僚達を横目にしながら自席に着席して、持っていた鞄をデスクの足元に置く。
意識の切り替えも終わり、作業を開始しようとすると右隣のデスクから声がかかった。
「なぁなぁ、だーやま君さ~。大阪には慣れた?」
自分の愛称なのだろう。
そんなあだ名をつけられたことに最初は嫌悪感を抱いたが、今では普通に感じている。
慣れとは怖い物だと自分でも思う。
そんなあだ名で呼ぶ方へ顔だけを向ける。
声を掛けてきたのは10歳程年が離れているであろう花輪という女性だった。
特に可愛いわけでもなく、綺麗でもない。勿論不細工でもない。服も普通。ボディラインも至って普通。
ただ、醤油。一言で表すならそれが的確だ。
いたって普通すぎて記憶には一生残らないだろうなという事だけはわかっていた。
(花輪じゃなくてお前はハニワだな。)
そんな言葉が頭によぎる。
ハニワの中に土偶が混ざっていたらすぐにわかるし、ハニワの中にお人形さんが混ざっていてもすぐにわかる。
しかし、ハニワフェチには見分けがつくんだろうが……ハニワの中にちょっとだけ変わったハニワが居ても一般人には見分ける事などできないだろう。
そんなハニワである花輪に対し、特段興味も無いので適当に流そうかとも考えるが、仕事で一緒にやってく以上は邪険にはできないため仕方なしに相手をする事にした。
「いえ、全然慣れないですよハニワさん。それに仕事が終われば家に居るだけなので街も知らないですしね。」
「ハニワ?」
「え、いや~すいません。噛んじゃいました。あははは。」
「へ~。そうなんや~。あかんよ~。もっと楽しまな。てかさ、だーやま君さ、大阪に呼ばれた理由わかる?」
「アホか!お前何言うとんねん!黙って仕事やれ!」
いきなり横やりで入ってきた男の声は酷く焦った口調で花輪に注意を促した。
何をそんなに焦っているのだろうかと違和感を覚える。
別に花輪を取ろうとは思わないし、欲しいというなら熨斗を付けてプレゼントしようではないか。
しかし言葉の内容から考慮して、自身として大阪へと異動を命じられる理由は特段思い浮かばなかった。
思い浮かぶと言えば社長の前でライバルチームの応援の真似事をしただけしかない。
「はいはい。ごめ~んね。そんなんやから彼女もできひんねん。」
注意された通り、花輪は憎まれ口を叩いてから仕事へと向き直った。
お前は彼氏がいるんかい!っと関西人風にツッコもうとしたが、今の時代セクハラに分類されるリスクの方が高いので黙っておくことにしたのは賢い選択だろう。
多少気になる話題を振られて放置されてしまった感もあるが、仕事の時間に喋って勤怠評価をつまらない事で下げるわけにもいかない。
本来が適当な性格な為、雑になる事も多いが流石に異動したばかり。
人間もわかってもらえてない状況で自分を出しすぎるのは只のバカだ。
今はまだ異動したばかりで真面目にやる方が得策だろう。
そう思って予定リストを参照した後、一呼吸置いて自身の仕事にとりかかった。
(今日は確か定時までは俺が作ったVRMMORPGのバージョンアップ用のアイテム作成か、んで、定時以降はGM担当か。)
チーン―――
デスクに定時となった事を伝えるベルが鳴らされ室内に反響した。
「おつかれさま~。」
響き渡ったベルの音と共に続々と室内がざわめき立つ。
周囲では帰る準備を始める同僚達。
羨ましいと思いながらも、隣のデスクで仕事をしていた女性も例に漏れず、区切りがついたのか帰る支度を始めているようだった。
「ん?どうしたん?ウチが帰るん寂しいん?」
いいえ。そんな事は一切ございません。
むしろ帰るならさっさと帰ってください。お願いします。
こちらはまだまだ仕事があるんです。
こんな事を口頭で伝えたなら間違いなく今後の仕事に影響が出る為に言葉を飲み込む。
しかしいつの間に、羨ましくて視線でも飛ばしていたのか声を掛けられ彼女を見ていた事にやっと気付いた。
別に可愛いからみていたとかではない。いや、本当に醤油を見るならぱっちりネコ目のソースが好みですと自己弁護する。
「いえ、すいません。疲れてボーっとしてました。」
「つまらん男やね~だーやま君。そこは可愛いんで見とれてましたって言うんが正解ちゃう?」
「すみません。」
「あはは。冗談やって。今からこのまま明日までGMやるんやろ?」
「そうですけど、それが何か?」
疲れが溜まっていたのは事実だ。
慣れない土地で常に微妙なストレスが降りかかり、かと言って解消するような趣味も持ち合わせていない。
そんな中、朝から定時、定時から夜通しの仕事などを考えると、肉体的にはどうもなくとも精神的には正直くるのが人間だろう。
それに疲れている為か、彼女の質問の意図が読み取れなかった。
「何かってほどやないけど、最近出るらしいからアレが………朝言ってたの覚えてる?」
「朝って僕が大阪に呼ばれた理由ですか?」
「そうそう。気をつけたほうがいいで~。それが関係してるかも―――ってまぁ冗談やけどね。それじゃ帰んね。また明日。」
「お疲れ様です。」
(ふん。幽霊とか非科学的で全然興味がない。
というかわざわざそんな事で異動させてたら会社が組織として成り立たないしな。)
質問の意図を読み取ろうとしていた事自体がバカだったと多少後悔する。
幽霊などというものは信じていない。
死んだ肉体から出る青い炎を見て昔の人間は怖がったようだが、青い炎の正体は人体の腐敗ガスが燃えているだけという事を科学が証明した。
心霊写真でもそうだ。
同じフィルムを使い、同じ場所で多重に撮影すれば可能となる。
今ではパソコンの合成ソフトであるフォトショップなどで簡単に合成も可能だ。
例えどのような説明がつかない現象であっても、いつかは科学が証明するだろうとさえ考えている。
それに知らなくても、居ても居なくても人生に影響はないだろう。
一応彼女にはまだ仕事とプライベートは分けているため、表情は変えずに適当に挨拶をした。
そんな社交辞令を済ませると、鼻歌を歌いながらウキウキになって帰って行く花輪の後ろ姿を見送る。
定時となりかなり人が減った社内で午後から予定されている仕事へと気持ちを再度切り替える。
VRヘッドギアコントローラーを装着しGM作業を開始だ。
ヘッドギアという名前があるように頭に装着するコントローラーで、自身を中心に360度の風景を確認できるようになっている。
勿論外界の音とは切り離され、ゲームをすれば、奥行きのある深いクリアな音響を楽しめるコントローラーだ。
『クリエイトワールド』
自身である自分が根幹のゲームプログラムを作成し、それを持って会社へと面接を受けた思い出のある商品だ。
面接を受けた際に『ユーザーが全ての世界を作るか。おもしろそうだ』という理由で面接官が上に直接掛け合ってくれて、それが理由で採用され、GMという形で対応している。
ゲーム内容としては一応シナリオが存在してレベルを上げて最終ボスであるエニグマを倒すというMMOと呼ばれるジャンルの普通のゲームだ。
一般人はプレイヤーという形で自分の分身となるキャラクターを作成し、ゲーム世界で仲間と協力して楽しむ内容である。
そのゲームの根底として、ソロでも遊べるようになっていたりする部分もあれば、パーティプレイで協力しないと進めない難易度設定も施されていた。
ただ、ゲーム自体はシナリオクリアを強制しているものではない。
その特色として冒険者としてやギルドに所属、クランに所属などという事をしなくても、課金して魔法のエフェクトデータとパラメータ設定さえ作成すれば魔法を自作できたりもする。
勿論外部データとして課金した上で拡張子を合わせ、サーバーに承認させればそのエフェクトは自作でも全員に反映されるのだ。
それ以外にも冒険しなくとも商人になって街を作ったり、城を作ったり、家具を作成できたりもする。
勿論職人という形で他のプレイヤーに武器やアイテム等を作成して提供して遊ぶという事もできる。
完全にサーバーだけ金に糸目を付けずに確保すれば、プレイヤー達自身がゲームを発展させていくという内容である。
一応メインシナリオがある理由は、用意していないとプレイヤーが何をするのかよくわからないゲームとなり、一般人に受け入れられない。
そうなると結果として顧客となりえる人達を放してしまうのだ。
なので運営側が用意した基本の魔法や基本の武具、アイテム等は無課金でも利用できるようになっていた。
勿論無課金でも頭を使って頑張れば適度に課金したプレイヤー程度ならなぎ倒せる仕様にもしてある。
課金=最強
最強=時間をかける
こうなる構図は基本的に自身が嫌いな為だ。
だからこそ
最強=頭を使う
この構図を持ってきた。
勿論会社の上はマネタイズである売上が必須なため、ある程度の課金は並以上の強さを手に入れるようにはできている。
(さて、GM対応はと………なし。んじゃトラブル対応はと―――)
ヘッドギアコントローラである管理端末を操作してリストを開くと、解決済みのものから未解決のものまで一覧が表示された。
解決済みに対しては問題がないだろう。
【トラブル一覧リスト】【対応中】【未解決】【解決済み】
しかし、東京に居た頃には存在しなかったはずの、見た事もないタブが目の前に追加表示されていた。
それを確認するために一旦手を止め考える。
【原因不明】
(これは一体なんだ?なんで原因不明の物が未解決にリスト入りしていないんだ?)
普通ならば対応した後、原因が特定できなければ未解決リストの中に入れられるはずだった。
原因が特定できない理由などを補足した上で記載するのが常識だ。それがなぜこの端末には表示され分類されているんだという疑問が浮かぶ。
対応できるシステムエンジニアなりプログラマーなりグラフィッカーに対して要因別に仕事を振り分けて対応していくはずだった。
ヘッドギアコントローラーを操作して【原因不明】タブを開く。
・ライアットというNPCプレイヤーが暴言を吐きながら粘着PKしています。対応をお願いします。
・グレゴリオ聖歌隊の効果が一部にて仕様外の効果をもたらしています。
・最近ゲームのSEや音声以外に女性の声が紛れ込んでいる気がします。
・スキル、覇王の威圧にて特定条件下で本来単体効果のスキルがPT全体効果になっています。
・現在夜中の2時ですが、ザブルの平原にて女性の泣き声だけが聞こえます。対象が居ないのでバグでしょうか?
・始まりの街トライアルにて本来その場所に居ないNPCが居ます。
・墳墓の主クエストにて主を倒すとたまに黒い影が横切ります。
・曜日イベントクエスト、ミッドガルドの街、魔王軍の襲来にて一部NPCが本来の動きとは別の意思を持ったような動きをしている
・聖母の涙クエストにて慈愛の結晶を届けるとVRコントローラーの画面が赤く染まり進めません。
ここまで見て先程彼女が幽霊と話していた事が納得できた。本来存在しないタブを追加して、中身が設定していない挙動を取っている為、女性特有のオカルト話でもしようとしていたのだろう。
(一時期確かにネットの世界に意思や遺志が残り彷徨っているという都市伝説があったっけか。)
子供の頃に聞いたであろう、うろ覚えな幽霊という都市伝説の中の一つを思い返しながらも、頭を横に振りすぐに否定した。
考える余地も無い。なぜならばこれはプログラム。
こんなつまらない内容ならば未解決リストに突っ込めば済む話だ。
プログラムは命令しない限り絶対に動かない。
これは電気のONとOFFのスイッチの流し方によって、そうあれと命令しているだけだからだ。
この根底が崩れたらネット社会の現代は崩壊してしまう。
(ここはプログラムの消去や上書き、ロールバックで対応すればすぐに直るだろう。他に支障が出ないという前提ならば。)
そのままどのような対応をしたのか気になる為、タブを切り替えて確認してみる。
【原因不明バグへの試みた対応】
・全ての共通事項プログラム→消去や上書き、ロールバックできず、またサーバーをダウンさせようとするも受け付けず
・サブルの平原にて声の確認は取れたが録音すると録音媒体には音声記録が残らず
・魔王軍の襲来にてNPCを確認、対応しようとするも逃走、追跡するもログは見つからず
・聖母の涙にての赤い画面でフリーズ→フリーズはしておらずログを確認すると以下を抽出
「う~ん。どうやって対応するか悩むな。一通りやりたい事は試してるっぽいし。
そもそも物理的なサーバーダウンができないってのはどういう事だ?」
考えている事が自然と無意識の言葉によって発せられた。
言い終えると共に自分の発言に気付き、独り言が年を取ると多くなるなと思いながらも、そのまま一呼吸置いて不満の言葉を繋いだ。
「あのハゲ!俺を嫌がらせで飛ばしたのか?」
こんなもの、既に対応して無理でしたという内容と同義な内容だろう。
苛立ちが先行したが、声に出した事によっていくらか精神的に落ち着いた。
それによって出来た精神的余裕が怒っても仕方ないかという形で気持ちを動かし、他の解決策を模索する。
「まぁSE的にとると考えられるのはサーバーが不正アクセス、またはウィルスにて乗っ取られている。以外考えつかないんだよな~。
最悪は電源じゃなく電力を停止すれば冗長化してるだろうから対応できるだろうに。とりあえずは休憩という名のサボりでもするか。」
左腕に着けている時計を確認すると時間は夜21時。対応策を考えていたら結構な時間になっていた。
誰も居なくなったオフィスで独り言に近い事を呟きながらコーヒーを買いにヘッドギアコントローラーを外して自席を離れる。
―――時間が無い。早く―――
山田がオフィスを離れた後、ヘッドギアコントローラーに文字は浮かび、そして操作端末は静かにシャットダウンした。
コーヒーを購入して(サボりを終えた)自席に戻ると端末がシャットダウンしている事に気付いた。
(ん?俺シャットダウンしたっけか?スリープモードならわかるけど、こんな凡ミスしないはずなんだが。コンセントの接触でも悪かったのか?)
いつもならこんな事態は起こさないが、ぶっ通しで仕事となると注意散漫となって基本的なミスを起こす可能性もあった為、一通り電源周りの確認を取る。
これでもかと言うくらい充分な確認を取った後、ヘッドギアコントローラーを装着してから念のためデータの確認を取る事にした。
一覧を確認するもデータ欠損は無し。
もし欠損でも出しているようならバックアップサーバーから元データ取り出しで始末書物のため、そちらの方が余計に恐しかった。
個人で管理している分には問題はないが、事業としてプレイヤーであるお客様からお金をいただいている以上、賠償などというシャレにならない事態だけは避けたいからだ。
再度タブから問題点を表示させて、どうしようか悩んでいるとGM宛に連絡が来た。
それも一通や二通じゃなく同時に、しかも大量に。
【バグイベント発生、対応お願いします】FOX
【ゲーム内で敵の攻撃を受けた人が倒れたまま動きません。】 ちびまる
【敵キャラから攻撃を受けた痛い】 魂のSOUL
【ログアウトできません。なぜですか?】 ぴのまる
【コントローラーが見つからない、自分の身体を触れません。】 俺の名を言って見ろ@
【緊急事態発生、始まりの街トライアルにて魔王軍急襲、至急援軍求む】 クリエイト王に俺はなる
【助けて!ゲームなのにゲームじゃない!】 くまくま
【高レベルプレイヤーを呼んで!】 出戻りマン
【人が死ぬ!助けて!】 らぶマシーン
次々と届くGM宛への連絡に目が追い付かない。
【いつログアウトできるんだ!】 無骨な髭
【あれから何年経過してるんですか……】 将来はニート
【これは届いているのだろうか】 天空の騎士ロザリオ
【運営は俺達を見捨てたのか。】 ゲームでも引きこもり
【頼むから連絡をくれ】 裸の暴様
【もう、諦めた……】 まどか@ガチ勢
スクロールしているわけでもないのに途切れる事なく文字群は下へ下へと流れていく。
あまりにも大量連絡の為、どれから手をつけていいのかわからない。
(何が起こっている?イタズラにしては変だ。しかし……)
冷静に考える。
この支社にこれだけの連絡が入っているという事は各支社のGM達にも同様に連絡が入っているのだろう。
そう考えて上司に連絡を取ろうとし、装着しているヘッドギアを外そうとした瞬間、目の前の景色が真っ暗となった。