晴れて4月より社会人になったわけなのですが、平日は仕事、不定休である休みは手続きやら勉強やらに追われてPCをいじれませんでした。話自体はできていたのですが・・・
遅れた割に内容0ですが読んでいただければ幸いです。
唐突に意識が回復した。
さっきまでのやりとりが夢だったかのように。
「ぐわああああああああああああ!!!!!」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずか死ぬ!!
いや、死んだんだっけ?
そんなことはどうでもいい!
ばーか!ばーか!ぶわぁーか!ヴァーカ!!
なに恰好つけてんの!?なにナチュラルに頭撫でてんの!?
うわぁ・・・
もし生きてたら確実に黒歴史入りしてただろう。いや、生きていなくとも『意識』というものがある時点で黒歴史確定だ。死んでるなら意識もなくなれや。本当切実に。
・・・でここはどこだ?
廃墟なんだけど。それも教室の。
なんなの?死後の世界まで教室でぼっちなの?まぁ周りがいる中ぼっちになってるよりいいけどさ。
死後が教室とかどんだけ未練がましいのだろう。我ながら自分の女々しさに呆れるばかりである。
それにしてもあまりにも現実的である。閻魔様は写実主義なのだろうか。普通死後の世界は天国地獄問わず幻想的なのではないだろうか。
まさかさっきまでのやりとりは全部夢で、眠らされて拉致られたか何かだろうか?
「う~ん・・・うるさいのう・・・」
「・・・・・・」
幼女が眠っていた。
俺の腕を枕にして幼女が眠っていた。
それも金髪の超かわいい幼女が。
「・・・・・・」
もしかして俺は勘違いしていたのではないのだろうか。
あれは今まですべて夢で、俺が誘拐されたのではなく、俺が誘拐したのだろうか。
俺って幼女を誘拐して腕枕するくらい欲求不満だったのか・・・
そうじゃない。
俺ロリコンじゃないよ?
本当だって。ハチマンウソツカナイ。
確かにこの幼女めちゃくちゃかわいいが、誘拐なんてリスクの高い真似をするわけがない。(リスク云々以前にまず俺はロリコンではない。)
ともかく、この幼女を起こさないことには何もわからない。
もし、万が一、億が一、兆が一俺が犯人だったら責任取ろう。
この子が16歳になったら結婚して養ってもらおう。この容姿ならトップモデルも夢ではないだろう。あれ?俺勝ち組?考えが負け組ですね。すみませんでした。
「おい。起きろ」
「あと五分・・・」
「いいから今起きなさい」
「・・・あと気分」
「うるせえ!今起きろ!」
結局、寝返りを打つばかりで、幼女を起こすことはできなかった。
本当にあと気分寝るつもりらしい。
随分と能天気だな・・・
まぁ子供だし仕方ないといえば仕方ないのだろう。
ともかく、俺とこの子しかいないこの状況では、俺がしっかりしなくてはなるまい。
誘拐されたにせよ、誘拐したにせよ、この現場を把握しないことには何にもできない。
場所と他に人がいるかくらいは確認しておこう。
それにしても。
なんでこんな
暗いっていうのは分かる。
けれど、これは暗さに慣れたというには
まぁでも、見えないよりはいい。きっと、本当に死んでるからに違いない。死後の世界のせいなのか、俺が幽霊になっているのかは知らないが。
まずは場所を確認せねばなるまい。
いつもの癖でポケットからスマホを取り出し、地図アプリで現在位置を確認すべく電源をつける。
その瞬間に指が止まった。
[3/28 PM04:32]
俺が買い物に行ったのは3月26日の夕方。つまりは約2日間眠りっぱなしだったというわけだ。書店のレシートを見てみても、購入した日付は3月26日。少なくとも金髪の吸血鬼に出会うまでは無事だったというわけだ。
これはどういうことなのだろう。迷った時の癖でスマホを使ってしまったが、死後の世界は現世の電波を受信できるのだろうか。仮にそうだとするとあまりにハイテクすぎやしないか。
だが、これが現実で死後の世界でも何でもないとすると2日間も眠り続けたということになる。それにしては不自然なのだ。空腹感はないし、2日もアスファルトの上で眠り続けたにも関わらず体が痛くない。むしろ今までで一番調子がいいくらいなのだ。
金髪幼女と拉致された可能性を考えてみよう。金髪幼女はまだ可能性はあるが、俺みたいな一介の平平凡凡な高校生を拉致するメリットはない。財布に金はあるし、拉致という線は低い。そもそも俺を誘拐する目的が分からない。両親は確かに警察官だが、ドラマみたいに敏腕刑事で犯人から逆恨みされるなんてこともない。
ぼっちだからどこかで恨みを買ったなんてことは・・・あるかもしれないけど、2日も眠らされるような恨みは買った覚えはない。
そこで俺はある真実に辿り着いた。
そうか・・・俺が拉致ったのか・・・・・・。