規格外れの英雄に育てられた、常識外れの魔法剣士 作:kt60
ふと目が覚めると、マリナの閉じられた瞳に、細長いまつ毛があった。
そして唇には、やわらかな触感。
裸のマリナが、オレにキスをしていた。
「……おはよ」
「うん………。」
マリナはほんのり頬を染め、体をするする下におろした。
朝の効果で元気になってるオレの息子を、巨乳でむにゅりと挟んでくれる。
ついでにペロペロ舐めてもくれた。
本当に、マリナは朝からエロい子だ。
いつもお世話になっています。
マリナにしてもらったあとは、カレンにも咥えてもらった。
「ぜなあぁ……」
カレンは嫌そうにしていたが、最後は、はむっと咥えてくれた。
マリナと違って不慣れだが、ねっとりとした熱い触感が心地いい。
終わったあとは、三人並んで服を着た。
ドアをあけて、廊下へとでる。
「っ…………」
ミーユがいた。
オレを待っていた感じではない。
オレがドアを開くタイミングで、ミーユもドアをあけていた。
実技試験でバカみたいな成績をだしたオレと、総合で首席のミーユの部屋は、隣同士なのである。
「っ~~~~~~~~」
昨日のことを思いだしたのだろう。
オレを見つめるミーユの顔が、みるみるうちに赤くなる。
クソ生意気なクセに、やられた時には喘ぎまくって、次の日には初心な反応を見せてくるとか……。
かわいい。
オレは部屋に連れ込んだ。
ベッドの上に押し倒す。
「ややややっ、やめろよっ! ばかっ! サラシ巻いたばっかりなんだぞっ!」
「終わったら、巻き直してやるから」
「くっ……」
ミーユは、歯を食い縛って瞳を閉じた。
オレはサラシを解いてから、たっぷりとエロいことした。
「あっ、あっ、ああんっ!」
ミーユはまったく抵抗しない。
むしろたっぷりと喘いで悦ぶ。
◆
行為が終わった。
ミーユが、オレに背を向ける格好でベッドに座る。
「早くつけろよ…………」
オレはサラシを手に取った。
ミーユの後ろから、背中や胸元を見つめる。
どの角度から見ても、立派なお胸さまである。
サイズで言えばDはある。
「このおっぱいを、隠すのかぁ……」
オレはため息をついて、ミーユの体を背中から抱いた。
生のおっぱいを、直接に揉む。
「ひゃんっ! あっ、あんっ! さわるなぁ! ばかっ、ばかあぁ!!」
ミーユは暴れるが、オレは構わずにいじり倒した。
「もう……。この……。くそっ……」
最後のほうには大人しくなって、オレに黙ってさわられ続ける。
態度はクソ生意気だが、押しに弱くて体は素直だ。
「でも実際、なんで男のフリしていないといけないんだ?」
「オトコじゃないと、家長になれないんだよ」
「家長に、男が生まれなかったら?」
「家長になってから二〇年以内に、男の世継ぎを作れなかった場合、家長自体がすげ替えになる」
「つまりオマエがやってるのって、家の基準で言ってもアウトなわけか」
「だから……。ほんと……。黙ってて…………」
ミーユは、壊れそうなほどに儚げにうつむいた。
「それで誤魔化しを続けて、どうする予定なんだ?」
「ボクが適当な年齢になったら、適当な相手を見つけて、男の子を産ませる……って予定」
「アリなのか? それ」
「家長の直系に、後継ぎが産まれなかった場合の制度だからな。
不満や批判はあるだろうけど、ゴリ押しでなんとかなる」
「オマエは……それでよかったりするのか?」
「仕方ないよ…………」
オレは胸をむぎゅっと握り、乳首をコリコリ摘まんで尋ねた。
「オレとやりまくって平気か?」
「避妊の魔法もクスリも、んっ……。あるっ……からっ……」
「そうか」
オレがうなずくと、ミーユは自分からキスをしてきた。
舌をくちゅくちゅ絡ませあって、たっぷりとイチャつく。
そんなミーユではあったが、廊下にでるとジト目で言った。
「外では、あんまり話しかけるなよ……」
「ああ、わかった」
「だからって、まったく無視とか、そういうのも、やめろよ……?」
ぼそぼそと言ったミーユは、最後にぽつりと補足する。
「さびしいから…………」
オレは無言で、ミーユの頭をぽふぽふ撫でた。
◆
そんなことがあったりしつつ、オレは教室に入った。
いわゆる大学のような、すりばち状の教室である。
机は横に長くって、教壇を囲むような格好だ。
「生徒の数が少ないな」
オレとマリナとミーユを入れて、一〇人ぐらいしかいない。
「ここは最上級クラス…………要するに、Sランク以上限定の生徒が入るクラスだからな」
「なるほど」
オレは一番前の席に座った。
マリナはオレの隣に座り、カレンは机の下で伏せる。
そしてミーユもまた、オレの隣の席に座った。
「…………」
「なっ、なんだよ」
「ああ、いや、あんまり話しちゃいけないわりに、隣に座るんだなぁーって思って」
「もももっ、文句があるならオマエがどっかに行けよ!」
言葉だけだと乱暴だ。
けれども、その表情は言っていた。
(離れたくないんだよ! ばかっ!!)
かわいい。
特に八重歯が、すごくかわいい。
ほがらかな気分で言ってしまう。
「ああ、オレが悪かった」
「フンッ……」
そっぽを向いたミーユは、耳まで真っ赤になっていた。
しかしながら机の下では、足をピト……と当ててくる。
かわいい。
しかしこんなイチャイチャも、はたから見ると険悪の証拠に見えるらしい。
試験の時にオレを田舎者あつかいした雑魚貴族のマゴットを始め、一部貴族は敵意の眼差しをオレに向けてた。
まぁ、関係が深くなったのは昨日だしな。
最前列の席の取り合いでいがみあってると見るのが、普通の反応ではある。
◆
先生たちが入ってきた。
見るからに年寄りなヒゲのじーさんが三人と、リリーナがひとりだ。
リリーナがオレを見て頬を染め、じーさんたちは、そわそわとした。
ドキドキと胸を高鳴らされているじーさんたちにそわそわとされるのは、ちょっとキツいものがある。
リリーナが、こほんとセキをして言った。
「それではこれより、授業を始めたいと思う」
そこそこ威厳のある声は、教室の空気を引き締めた。
「まず魔法とは、詠唱から始まるのが基本だ」
リリーナは、黒板にそれを書いていく。
「
オレには実感が湧かないが、そういうものであるらしい。
オレとマリナ以外の全員は、うんうんとうなずいていた。
「強力な魔法使いがいるにも関わらず、騎士が存在しているのも、詠唱の途中が無防備になるからである」
これまた一般常識らしい。
みんなそろってうなずいていた。
「しかるに――――」
リリーナが、オレのほうをチラと見た。
「無詠唱で、すさまじい威力をだしてしまう魔術士も存在している」
さらに近寄ってきた。
「そのすばらしき魔術士は、この学園にやってきている」
オレの机の前に手をついて、大きな声で言ってくる。
「これは即ち、運命を司る女神・ホルンさまによる天命ではないであろうかっ?!」
リリーナの背後にいたじーさんたちが、息を詰めてオレを見た。
そういうことか。
じーさんたちもリリーナも、授業にかっこつけて自分たちが学びたいわけだ。
まぁじーさんになっても向上心があるのは、よいことだろう。
オレは教壇にあがった。
次回更新は9月7日の水曜日、午後の十時ごろを予定してます。