【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO 作:MYON妖夢
タイピング速度と正確さが少し落ちましたが、投稿していきましょう。
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誤字発見しましたので修正
仁達がアルンへと辿り着いたころ、ほむらはアスナと同じ鳥かごの中のソファに腰かけていた。
先ほどオベイロン――須郷が来た。その際にアスナが部屋のパスを鏡の使用により突き止めた。
『別々に行動して出る方法を見つけましょう』
アスナにそういわれ、それに乗ったほむらはアスナと時間差をつけて出発するつもりだった。
「そろそろかしらね」
そう呟くと、ソファから腰を上げる。
服装はアスナより露出の少ない黒のワンピース。動くのには少々邪魔だが、暗いところでのカモフラージュには使える。そう確認したほむらはアスナから事前に伝えられていたパスワードを扉に入力する。
「……案外ざるよね」
扉を出たすぐの通路には誰もいないことを確認する。
「あまりスニーキングクエストは得意ではないのだけれど」
仁が聞いたら笑って『嘘つくな』と言われそうな言葉を呟く。
仁がいたらどれほど心強いだろうか。そう思うと少しテンションが下がる。何せ百年余りはずっと一緒にいたのだ。
「……仁。すぐに戻るわ。待ってて」
少しずつ進む。焦りは禁物だ。
『どんな時でも状況確認を怠っちゃいけねぇ。死に直結することもあるからな』
仁はいつも何も考えずに突撃しているように見えるが、ああ見えてかなり冷静な判断をしてからの考えある行動だ。
ほむらも昔の、まどかのために全てを切り捨てていた時よりかなり冷静な行動をできるようになってきていた。
『お前はクールに見えて熱い所があるからな。ヒヤヒヤするぜ』
「どれだけ仁に助けられてきたのかしら」
そう呟いたほむらの顔は少しだけ緩んでいる。互いにお互いを想う気持ちは昔から変わらない。
少し歩くと、すぐに大きな扉が視界に入った。
「ロックは……かかってないのね」
扉の前に立つと、扉が左右に開く。
いきなり強烈な光が眼を刺す。目を細めてそれをやり過ごすと、部屋の内部が眼に入る。
「広い……ッ!」
呟きながら見回した時にそれが見えた。
「……外道め」
柱型オブジェクトの上面に浮いている、人間の脳髄。無論本物ではないようで、宝石で出来ているような見た目をしていると確認できる。
その表面には、光の筋がスキャンするように何本も通っている。下側のグラフがスキャンの度にめまぐるしく記録している。その横のログには、数字や記号以外に[Pain][Terror]といった英語が確認できる。
「苦しんでいるのね……」
ほむらには、無数に浮かんでいる人間の脳から悲鳴や叫びのようなものが聞こえると感じた。
「……ッ」
嫌な予感。背筋が一瞬ゾワッとするその感覚は、昔から的中する。
一度すべての意識を耳に集中する。
すると、少し遠くから何かを引きずるような音が近付いてくる。合わせて人間の話し声。
人間でないことは明瞭だ。音が近付いてくるということは足音。しかしそれは人間のものとはかけ離れている。
反射的に体が音源から隠れるように動く。今は自分の身一つしか武器がない。刀があればもう少し強気な行動が出来るのだが。
「……チッ」
聞こえてきた声の内容は、人間の記憶領域の改造および変更。つまりこいつ等は……。
「人間の感情・記憶操作と洗脳……インキュベーター並みにふざけた奴らね」
そして最後に――
『須郷チャンの姫。ホントに綺麗な娘だよねぇ。まったく。ずるいったらありゃしない』
つまり……
「アスナは捕まって戻されたか……。私だけ現実に帰還するのは忍びないけど……情報の開示さえ出来れば」
音源が遠ざかるのを確認してから、行動を再開する。
より慎重に行動する。靴がないのが幸いして足音のサウンドエフェクトはないが、最悪の場合を考えて行動するに越したことはない。
「これは……」
部屋の最深部。そこに浮かんでいるのは
「システムコンソール……? カードキーはなし、か」
もう一度舌打ちをしてから、耳を澄ませる。物音や話し声は一切しない。探索するなら今のうちか。
「……ん」
コンソールのスリットの下部。若干尖っている部分。小さい白い布のような物がある。
手に取ってみると、それがアスナのワンピースの破片であることがわかる。
「なるほどね……」
つまりアスナはここで捕まった可能性が高い。普段の彼女ならば武器がない現状で服が破けるほどの派手な行動はしないだろう。争いがあったと想像出来る。
こういう時に時間が止められれば自由に探索ができて便利なのに。とほむらは左腕にない小盾が妙に恋しくなる。
辺りを入念に見回す。カードキーらしきものは見えない。そうなると……。
「仁ならこういうの得意なんでしょうけど……」
コンソールにタッチし、キーボードを起動させる。
しかし仁ですらユイが起動させているコンソールだからこそ干渉できたのであって、沈黙しているコンソール相手ではほむらは何も出来ない。
「……くそ」
これ以上ないチャンス。これを逃したらそれこそ待つしかなくなる。しかし――
「何も……出来ない」
鳥かごに戻ったらもう出てこれない。ならば――
「満足するまで探索するしか、ないわね」
部屋を出て再び歩く。
しばらく歩くと――
「ここは……」
下面に扉が貼り付けられ、扉の周りは部屋前面の床がガラス張りになっている。
そのガラスからは、大量のモブモンスターと、数人のプレイヤー達。見覚えもなければ知り合いに似てるプレイヤーもいない。
これがラストステージなのだろう。
「来ても何もいいことなんてないけれどね」
そう軽く笑いながら呟く。けれど――
「仁なら……これるかしら」
淡い期待。仁やキリトならばあるいは――
もうこれ以上の収穫は得られそうになかった。すでに壁の地図の部屋はほとんどすべて行ってしまった。
「戻るしか……ないのね」
落胆しつつそう呟くと、鳥かごに戻った。
戻った際には、扉は開かずに体が水面に落ちたかのようにすり抜ける。
「……ほむらも捕まったの?」
アスナにそう問われる。渋い顔をして答える。
「ごめんなさい……捕まりはしなかったけれど、なにも収穫が得られなかったわ」
そう言って、手に入れた情報をアスナに話した。
――――ほむら Side Out――――
――――仁 Side In――――
「おっ。来たか」
キリトが宿屋から出てきた二人に言う。
「おう。割と早かったな」
「……って、なんだその剣!」
キリトがいつの間にか装備している仁の新しい剣を見て驚愕の声を上げる。
「ああ、ちょっと早めに入ったらいい剣が売ってたんでな」
そう言いながら装備解除してキリトに剣を持たせる。すぐさまウィンドウを開いてステータスを確認する。
「……名前がない? バグってるのか?」
後ろで覗き込んでいたリーファが考え事をするように少し離れる。
「これ……ってまさか」
「どうした?」
「……もしかして、『無名』?」
『無名』。リーファが呟いたその剣に仁は聞き覚えはなかった。しかしキリトに見せた剣のことを言っているということは分かった。
「『無名』……ってまさかあのシークレットウェポン?」
シノンがそういう
「なぁジン、これどこで?」
「そこの武器屋。けど俺が買ったらもう無くなっちまったみてぇだぞ」
「まじかよ……」
肩を落として残念がるキリト。
「シークレット。ってこたぁ偶に店に現れるってことか。恐らくこの一本だけじゃねぇだろうし、運がよけりゃ買えるんじゃねぇか。まぁ領主に全額渡しちまったお前が買えるわけもねぇが」
「これから貯めて絶対買ってやるからな!」
などと会話を交わしていると、鳴き声のような音が四人の耳に入る。
「ピーッ」
「ヒールピクシー? なんで圏内に入って……ってお前ッ」
飛んできたヒールピクシー。フォーカスを合わせた時の矢印の色が敵対モンスターのものではないことを確認し、次に普通のモンスターにはないはずの、
モンスター名の下に現れるネームタブを見る。そこに記されていたネームは――。
「エイミー!? なんでここに……」
飛んできたエイミーは仁の肩に乗る。よく見るとテイム主の名前に[Jin]と[Homura]のIDが記されている。
翅の色がSAOの時より淡い青色になっていたりと少しの外見の違いはあるが、どうやらこのゲームにもヒールピクシーのデータがあり、引き継がれたようだ。
「なるほどね。ずっと気がかりだったんだ。よかった」
そう言ってから再び思考に入る。なぜ[Homura]のIDがここにある。つまりそれは――
「ほむらがここにいることが確約されたな」
このゲームにほむらがいるからに他ならない。干渉による変更がないようでなによりだ、と胸をなでおろす。
「あとは……」
助け出すだけだ。まずは領主達の援軍なしでどこまでいけるかと言うことと、ガーディアンとの戦闘によるデータを己の身で集めるだけだ。
はい。ここまでです。
仁「最近これをよく言う気がするが敢えて言う。おせぇよ」
うん。自覚してる。前回の自動保存が15日経過で消えてしまった後に萎えて書けてなかったんだ。
仁「結局自業自得なのな」
うんまぁそうなんだけどね
仁「んで? Twitter始めたんだって?」
ああうんまぁ、友人との連絡手段と、実況主さんの近況報告とか投稿報告とかを確認するためにね。
仁「ここに貼っとけよ。そうすりゃ投稿おせぇこのSSも投稿されたとわかりやすい」
それは考えてたけど、普段のリアルと同じ口調になってるからね。結構荒い口調なんだよ。それでもいいという方は[kou_myon]でTwitter検索かけてください。出てくると思います。ゆくゆくはSS専用垢も作りたいね。
仁「ま、長くなっちまったからそろそろ切るか」
では、ここまで読んでいただきありがとうございます。
仁「感想指摘待ってるぜ! また次回もよろしくな!」