【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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みなさんお久しぶりです
パソコンの調子がいいので久しぶりに書いていこうと思います。
そして今回短いです。申し訳ない


第四十六話 アルン

「よ…っと」

 

 足が地面につき、踏みしめられる。

 ようやくついたのは、妖精卿の中央アルン。

 そしてここには居るはずだ――

 

「……ほむら」

 

 ギリッと歯がくいしばられ、拳に力が入る。

 隣を見ると、キリトの表情も引き締まり、ひたすら正面の一方を見つめ続けている。

 その視界の先は、世界樹。エギルからの写真の通りならば、あそこに二人はいる。が。

 

「さて、今日ももう遅い。それにもうすぐメンテだ。いったんお開きだな」

 

 そういった仁が宿の方向へ歩き出す。

 

「あっと、宿なら安いところにしてくれ」

 

「あのなぁ……」

 

 仁がキリトを心底呆れた顔で見る。

 

「あんなかっこつけて全財産サクヤに渡すからそうなんだろーが。計画ってもんを立てられねぇのか? お前って奴は」

 

「返す言葉もない……」

 

 キリトがうなだれる。それを見ていたリーファがぷっと吹き出し、シノンの表情も少し緩まる。

 

「しゃーねぇから俺が払うよ。ったく」

 

 そういって改めて宿に入る。至ってスタンダードな作りになっている宿の二階の二部屋を借り、別れる。

 

「久しぶりに疲れた気がする……」

 

「あら、珍しく弱気なの?」

 

 ベッドにダイビングし、仁が首を回してゴキゴキ音を立てると、シノンが微笑しながら言う。

 

「前までならこんなことで疲れやしなかったろーけどな」

 

 仁も軽く笑い返す。

 

「ま、弱音も言ってらんねーわな。すぐそこにいるんだ。もうひと頑張り……だ」

 

 仁がそういうと、シノンも向かい側のベッドに座り込み、言う。

 

「そうね。もうすぐ……ね」

 

 仁は気が付かなかった。シノンの表情が若干曇りつつあることに。

 

「ああ、今日はもう解散だ。疲れとって、明日に備えようぜ」

 

「……うん。じゃあ、また明日」

 

「おう。また明日」

 

 左手を振り、メニューを出してログアウトする。

 ログアウト時特有の水色のような光に包まれ、目を開けると家の天井。

 

「さて……と」

 

 仁はそのまま眠らずにベッドに胡坐を書いて座る。

 

「原作じゃぁキリト単体じゃ無理だったんだよな……俺、シノン加えてもクリアできる確率は低い……か」

 

 ふむ。と一息吐き、思考に入る。

 

「やはりサクヤとアリシャの援軍を待ったほうがいいか……? だがキリトは止めても一人で行くだろうし、なにより……」

 

 俺がたえきれねぇ。とつぶやく。

 

「駄目だな。やっぱり俺たちで突っ込んでみるしかねぇか」

 

 そういい、ベッドに転がる。少し経つとすぐに小さい寝息がその場にある唯一の音となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ、和人……と?」

 

「妹の直葉です」

 

「どうしても来たいっていうから……」

 

 そういえばそうだった。と仁は記憶から原作四巻の知識を引っ張り出す。一波乱あるなと心中では思いつつ、手を差し出す。

 

「欄間仁だ。よろしくな……めんどうだから呼び捨てでいいか?」

 

「仁君だね。呼び捨てでもいいよ。よろしくね」

 

 そう言い合い、握手して少し離れると、直葉の表情が一瞬変わる。仁にはなぜかわかるが、和人は?を浮かべているような顔をしている。

 というか、それもそうだ。あの世界の仁とこちらの仁の違いは、ほとんど髪の色の違いしかないのだから。

 

「さて、行くぞ?」

 

 そういって病院内に入っていく。

 病院に入ってすぐに違う病室へ向かうわけではあるのだが、待ち合わせているのは、帰りに話したり、何より気持ちの問題だ。

 いつも通りほむらのほうに行ってから木綿季のところに行く。

 

「ほむら。お前も向こうで戦ってるのか? ……いや、お前のことだ。ただじっとなんてしてないよな」

 

 そう言いながら隣の空きのベットに腰掛ける。

 

「待ってろよ。もう少しだ。もう少しで届くから……」

 

 そう言った仁の表情は、穏やかでいて、激しい感情がうちに渦巻いているように見えた。

 

 ほむらの病室を出て、木綿季の病室へ向かった。

 木綿季は昔から体が強くはなかったということもあってか、目を覚ました当時の仁より遥かに細く見える。

 

「……いっつも元気にはしゃいでたお前が静かだと、調子でねぇな。迎えに行くからそれまで待ってろよ」

 

 再びベットに腰掛け、少しの時間黄昏た後、最後にほむらの病室にもう一度軽く目をやってから和人達と合流した。

 

 

 

 

 

 

 

「リンク・スタート」

 

 その一言で妖精卿へと意識が送られる。現の世で使えるただ一つの魔法の言葉。

 全身の感覚が一気に消え、ゆっくりと戻ってくる間隔は、何度体感しても変な感覚がする。

 

「……来たか」

 

 両手を開閉して感覚を馴染ませる。周りを見ても、宿屋の一室には誰もいない。つまりシノンはまだ来ていないようだ。

 

「ショップでも見るか」

 

 仁は宿屋を出て、武器屋へ向かった。

 武器屋は割と近くにあった。片手直剣の欄を見る。

 

「……いつまでも”コイツ”に頼るわけにもいかねぇからな」

 

 右の腰にぶら下がっている霊刀を見ながら呟いた。

 ショップ売りの剣はいい性能のものをあまり見かけない。が、掘り出し物が稀にある。

 

「……おっ」

 

 性能としてはSAO時代の物やレーヴァテインより僅か劣るが、それでも悪くない性能の一品を見つける。

 

「銘は……ない!? んだこりゃ。バグか?」

 

 売り物ウィンドウからオブジェクト化させて持ってみると、程よい重みが腕にかかり、軽く振ると使い心地も悪くない。

 どうやらバグというわけではないらしい。

 この時の仁は知らないが、『無名シリーズ』という、何か月ごとかに一回店に並ぶ系統の剣らしい。入手困難なことから相当にレア物で、ALO内にコレクターがいるという話がある。

 

「……いい剣だ。値段は……うげ、ぼったくりかよ」

 

 さすがに領主達に渡した金額とまではいかないものの、相当な金額だ。

 

「まぁ、払えねぇこともないけどよ」

 

 購入ボタンをタップすると、武器屋のNPCが現れる。

 金額を仁が払うとNPCが消え、代わりにその場所にはウィンドウに乗っているように『無名』が皮の鞘とともに現れた。

 それをつかみ、己のウィンドウの装備欄で右の腰に装備する。霊刀は左、炎剣は背中に背負う。SAOの時と同じ装備の仕方だ。

 

「久し振りだな。この感覚も」

 

 満足したという表情で宿屋に戻ると、すでにシノンが実体化している。

 

「あら、もう来てたんだ」

 

「まぁな。早く来すぎちまったから歩いてたんだ」

 

 シノンが仁の両腰と背中を見て、少し眼を丸くする。

 

「その装備……懐かしいわね」

 

「ああ……なかなかどうして、悪くねぇな」

 

 シノンの目が遠くなり、その眼が細められる。

 それを見た仁の眼も思い出しているかのようにすっと細くなる。

 

「あの頃に、戻れるのかな……?」

 

「……勿論だ。皆助けて、またバカ騒ぎやってたあの頃みてぇに戻れる。いや、戻すさ。そのためにこうしてここに来たんだからな」

 

 そう仁が言うと、シノンの表情が柔らかい微笑みに代わる。

 

「そうだね。もう少し、がんばりましょう」

 

「おう」

 

 二人で立ち上がり、宿屋の外で待ってるであろう二人のもとに歩いた。




はい。ここまでです。
例大祭の生放送見ながら書いてましたw

仁「おせーよ」

その件については本当に申し訳ない。危険物の資格やらで忙しかったのと、パソコンの調子が滅茶苦茶悪かったという言い訳をさせてくれ。

仁「結局どこまで行っても言い訳なんだな」

そしてもう一つ謝罪をば

仁「今度はなんだ?」

次に予定していたとあるシリーズとBRSのシリーズを延期させていただきます。

仁「はぁ?」

まず一つ。とあるのシリーズが長すぎること。そして二つ。東方projectのSSを無性に書きたいこと。三つ。B★RSのGAME世界の世界観がややこしくなってしまってうまくまとめられないこと。

仁「おいコラ二つ目」

また俺の気分次第で少しずつになるとは思うけど、とあるとかも書いていくかもしれないけどね。

仁「確約しろよ」

流石に無理(′・ω・`)

というわけで、皆さんここまで読んでいただきありがとうございました。

仁「次回もよろしくな!」

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