【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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 タイトル安直すぎるw


第三十四話 ユイ

 仁はほむらやキリトたちに申し訳ないという気持ちをもって、謝罪をし、即座に許してもらえてから数日後(この際、シノンには軽くどつかれたが)彼らは数日前に結婚したというキリトたちの家に向かっていた。といっても同じ層で、しかも結構近いところに立っているログハウスなので、すぐについた。

 

「おーう。来たぞ―キリトーアスナ―」

 

 仁が扉をたたきながらそういうと、仲がいきなりあわただしくなったような気配を感じた。よく耳を澄ませば『ジン!? まずいまずい!』『とりあえず寝室に!』

 しかし中の喧騒の正体を知っている仁は、ためらいなくこう言い放ち扉を開けた。

 

「おーい、入るぞー」

 

「……パパ。この人たち誰?」

 

「うわーーーー!」

 

「うるせぇよ……キリト」

 

 中にいたのは黒髪の見たところ8~10歳程度の少女だった。

 事情は知っているが仁はあえて。

 

「おー、結婚したら子供ができるようになるのか―。SAOってすげェリアリティ持ってんなぁ」

 

「違うぞ!? ああもう、とりあえずはいれ!」

 

「元からそのつもりだっつの」

 

 

 

 

 

 

 

「んで? 誘拐でもしてきたか?」

 

「なんでそうなるんだよ!? この層の森の中で見つけたんだよ! というか単に茶化したいだけだろおまえ!」

 

「ハハハハハハ。よくわかったな」

 

「収集つかなくなるからストーップ! ええとね?」

 

 と、アスナから説明が入った。まぁ知っている仁からすればあくびをこらえるのに必死だったわけだが。

 

「……誰?」

 

「ああ、俺はジンだ。んでこっちが……」

 

「ほむらよ」

 

「ぃ……ん。ほぅら?」

 

「たった二文字なんだけどな、俺」

 

 そういって仁は苦笑する。

 

「……じゃあ。ぃ…んは……にぃ。ほぅらは……ねぇ」

 

 仁は、その言葉にやわらかい笑みを浮かべ、ユイの頭をくしゃくしゃと撫でる。

 

「ああ、兄ちゃんだ。よろしくな、ユイ」

 

「よろしくね。ユイちゃん」

 

「さて、自己紹介が終わったし、これからのことを話していきたいんだけど……」

 

 その時、キリトの腹が鳴った。少しの間のあとに仁から抑えきれなかった笑いが起こる。

 

「はははははは! あははははははは!」

 

「わ、笑うことないだろ!」

 

「うふふ。お昼ご飯にしましょう? ほむらちゃん、手伝ってくれる?」

 

「問題ないわ」

 

 そういって、キッチンに二人が消えていった。

 

 

 

 

 

 

「やっぱりうまいな。さすがは料理スキルマスター二人が作っただけのことはある」

 

「驚いたよ。ほむらちゃんがこしょうみたいな調味料とソースみたいな液体持ってきてるんだもん」

 

「作り方は簡単よ。あとでレシピ教えてあげる」

 

「なるほど、なんか懐かしい味がすると思ったらこしょうだったのか。アスナの醤油もいいけどこっちもうまいなー」

 

「おい……しぃ」

 

 

 上から仁、アスナ、ほむら、キリト、ユイの順だ。余談だがほむらは原作を見ていた仁から醤油とマヨネーズのレシピを聞いていたため、両方作ってある。それに加えて、こしょうとソースを開発したらしい。

 

(にしても、ほむらもずいぶん家庭的になったよなぁ)

 

 仁がそう思うのも無理はない。一番最初にあった時など、まどかを救うということばかりでこういうことをしているようには思えなかったからだ。

 

(けど、今はしっかりやってるなぁ。やっぱ最初にあの世界選んでよかった)

 

 しみじみとそう考えながら茶をすすっていると、不意にユイが眠りについた。

 キリトがユイを寝室に連れて行ってから三人に向き直る。

 

「それじゃ……アスナとは話してたんだけど、始まりの町にユイの両親を探しに行こうと思うんだ。それで……」

 

「ついてきてくれないか。だろ? 言われなくてもついていくつもりだったっつうの」

 

「ええ。行かない理由が見当たらないわ」

 

「二人とも……ありがとう」

 

「さて、ンジャユイが起きたらいくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――第一層始まりの町――

 

「さて……まずどこに行く?」

 

 と、キリトがそう問いかける。

 

「俺の知り合いに、教会でたくさんの子供たちの面倒見てる人がいるんだけど……そこでいいんじゃねーか?」

 

「へぇ、そんなところあったんだね」

 

「ああ……サーシャさんのところね?」

 

「そうだ。ンジャ、案内するぜ」

 

 仁が前に立ち、教会への道をまっすぐ歩いた。

 

 

 

 

「あのーどなたかいらっしゃいませんかー?」

 

 そうアスナが教会の中に呼び掛ける。しかし返事はない。

 

「おーい! サーシャさん。ジンとほむらだ! 出てきても大丈夫だぜー!」

 

 そう仁が叫ぶと、一斉に子供たちがいろいろなところの扉から飛び出してくる。

 

「ジンにい! 久しぶり!」

 

「最前線のこと聞かせてよ!」

 

「剣見せてー!」

 

「はいはい。わかった、わかったから。後で話すから少しくれぇ落着けおまえら!」

 

 子供たちにもみくちゃにされる仁。それを眺めているキリトとアスナ、そしてほむら。

 

「なんというか……すごいな」

 

「子供の元気ってすごい……」

 

「そうでしょう? 来るといつもこうなるのよね」

 

 ほむらはいつもの無表情ではなく、少し頬の力を緩め、微笑を浮かべている。

 

「いらっしゃい。ジン君、ほむらちゃん」

 

「お邪魔しています。サーシャさん」

 

「おう、サーシャさん。っとと。とりあえず、こいつら何とかしてくれよ!」

 

 仁がそう叫ぶと、サーシャという少女が子供たちをおとなしくさせた。

 

「えーと。ジン君そちらの方々は?」

 

「ああ、最前線で活躍してる血盟騎士団の黒の剣士と閃光だよ」

 

「せめて名前で紹介してくれよ!」

 

「あはは……アスナって言います。それでこっちの人が……」

 

「キリトです。よろしく」

 

「あっ、すみません。名前も言わずに……私はサーシャです」

 

 三人が頭を下げ合う。

 その後、アスナからユイの説明が行われた。結果。やはりサーシャはユイという少女は知らないそうだ。

 その後、軽く雑談に入った。

 

「ジン君とほむらちゃんは時々最前線のダンジョンで手に入れたコルやアイテムと届けてくれるんですよ」

 

「ジンらしいな」

 

「なんだよキリト」

 

 そんなときだった。

 

「先生! サーシャ先生! 大変だ!!」

 

「こら、お客さんに失礼じゃないの!」

 

「それどこじゃないよ! ギン兄ぃたちが、キバオウ派の奴らにつかまっちゃったんだよ!」

 

「はぁ!?」

 

 その言葉に反応したのは仁だった。

 

「キバオウ派だぁ!? シンカーさんとディアベルの奴は何してやがる……どこだ!」

 

「ジンにぃ! えっと……東五区の道具屋裏の空き地! キバオウ派の奴らが十人くらいで通路をブロックしてる」

 

「わかった。サーシャさん。先に行く」

 

 仁が敏捷値最大のスピードで駆け出す。その後ろにほむらがついてくる。そのさらに後ろに大きく引き離されていくサーシャとキリトとアスナ。そしてその後ろに子供たち。仁とほむらは彼女たちを置いていくのも構わない様子で全力で現場に向かった。

 

 

 

 

 

「ギン! ケイン! ミナ! そこにいるんだな!」

 

「その声は……ジンにぃ! 助けて!」

 

「てめぇら……」

 

「くひひっ! こいつらはずいぶん税金を滞納してるんだよなぁ。金だけじゃ足り……ぐあ!」

 

「税金だァ? 知るかよんなこたァ。誰の許可えてんなことやってんだかしらねェが、ディアベルはどうしたんだ!?」

 

 仁が目の前にいた男を蹴り飛ばす。もちろんはない防止コードに阻まれるが、お構いなしに問いかける。

 

「ディ……ディアベルさんはKoBのヒースクリフと対談中だ!」

 

「へェ。だからキバオウにしたがってりゃあい言ってかァ? あのサボテンがァ。……取りあえずてめェらどけ。邪魔だ」

 

「ちょっとつええからって調子に乗んなよ! 群に刃向ってどうなるかわかってるのか! 圏外行くか!?」

 

「別にいってもいいけど……てめぇらごときで105レベの最前線剣士倒せるってんならな。そんな使ったこともなさそうな剣ぶら下げてほざいてんじゃねェぞクズ。圏外でたらてめぇら一瞬で殺してやってもいいんだが?」

 

 そこでキリトたちが追いついた。

 

「キリト、アスナ、ほむら。おまえらは三人を連れてこい。俺はこいつらとO☆HA☆NA☆SHI☆(物理)するからよ」

 

「あ、ああ……わかった」

 

 三人が軍を飛び越えて向こう側に行く。そして仁は。

 二本の剣をオブジェクト化してすでに構えている。

 

「二刀流で……レベル105……? まさか、お前……旋風……?」

 

「ご名答。それじゃ……ぶっつぶれろ」

 

 仁の二つ名、旋風。その二つ名は伊達じゃないと軍はその身を以て、今知ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備運動にもなんねぇ……カス過ぎるだろ。キバオウ派の馬鹿ども」

 

「やっぱすげぇ! ジンにぃはやっぱり強いんだな!」

 

「こんくれぇ当たり前だろ。最前線で生き延びるんだから」

 

 そんな時。

 

「みんなの……みんなの、こころが……」

 

「え……?」

 

「みんなのこころ……が……」

 

「ユイ、どうしたんだユイ!」

 

 キリトがそう叫ぶ。するとユイは

 

「あたし、ここには……いなかった……ずっと、ひとりで、くらいところにいた……」

 

 ユイがそこまで言い終わると同時に、その体がぶれ始める。

 

「うあ……あ……あああ!」

 

「ちっ!」

 

 仁が舌打ちし、ユイに駆け寄る。

 

「に……ぃ?」

 

「ああ、俺だ。ユイ」

 

 そういって仁はユイの手を取り、強く握る。

 するとユイはそれで安心したのか、原作とは違いゆっくりと目を閉じた。




 はい、終わりました。いつもより500文字ほど少なめですね

仁「もっとかけよ駄作者」

 今日は二つの輝きも書いたんだぞ! 限界だ!

仁「あっそ」

 感想指摘、☆評価待ってます!

仁「次回もよろしくな!」

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