【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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 はい、まず謝罪をさせていただきます。前回書きました後、感想で
『本人(仁)に断りなく勝手に他人(キリト)がその処遇を決めている点はまず有り得ないと思います。
仁はたしかギルマスだったからその立場上余計に有り得ない話だと思います。
何故、キリトがそんなことまで決められるのか、それとそれを提案した茅場も社会人としては可笑しいのでは?』といただきました。これに対する筆者の意見を書かせていただきます。

キリトと仁との戦いも書くつもりでここまで書いていた訳なんですが、キリトはヒースに仁くんと戦いたくはないか、とそそのかされました。そしてキリトはかなわないにしても、自分の限界を知りたいと言う意味もあり、仁なら結局許してくれるだろう。と、承諾してしまったわけです。
 それと、茅場さんは何故かユニークスキルを二つ所有し、実力も高い仁の能力を詳しく知りたく、強引にでも戦おうとしたわけです。
 以上、語られざる裏話でした。まだおかしな場所あると思いますが、なにぶん作者はそこまで頭がよくなく、単純なことしか組み込めないと言う言い訳をさせていただきます。

 はい、感想からのコピペですが、これが僕の意見です。まだおかしいところあるようでしたら意見よろしくです。それでは投下します。



今回結構惨場です。苦手な方はブラウザバック推奨。


第三十三話 黒の剣士vs黒の旋風

「そういや、お前と本気で戦うのは初めてだったりしねぇか? キリト」

 

「ああ、そういえばそうだな」

 

 ヒースクリフとの戦いを終え、仁はすぐに連戦となった。

 キリトvs仁。二刀流使いが本気でぶつかる。それは間違いなくヒースクリフとの戦いとは異なり、激しい攻防の繰り返しになるだろう。

 

「おそらく俺じゃジンには勝てない。だけど、俺の力がどこまで通用するのか……それを確かめたい」

 

「へっ! それじゃあよ……本気で、全力でかかってこいよ、キリト。久しぶりに楽しめそうだ」

 

 仁がキリトにデュエル申請のメッセージを送った。キリトはそれをすぐにYesを押す。

 両者が二本の愛剣をそれそれ違う構えで構える。すぐに攻撃に移れるようなキリトの構えとは違い、仁の構えは自然体。力まず、かといって隙もない。その会場の上級プレイヤーは自分だったらどう攻めるか決めかねるだろうと想像する。

 カウントダウンは思ったよりも早く過ぎる。残り一桁に入る。

 

「……行くぜ」

 

 カウントが0になった――と同時に仁が縮地で飛び出した。キリトも一瞬おくれて走り出す。しかしキリトの内心は表面上の冷静な顔とは違うことを考えていた。

 

(早い! それにすごい威圧感だ……。これが縮地……これがジンか!)

 

 お互いが中央よりキリトの居た側に到着すると同時に、お互いが仕掛ける。

 キリトが《ヴォ―パルストライク》。仁はそれに対して体術スキル《月下》を使う。そのサマーソルトキックのような軌道で勢いのままバク中をする仁の足はキリトの《ヴォ―パルストライク》をいとも簡単に上にはじいた。

 そして仁はそのまま着地と同時に左の剣に紫の光をともす。《奪命撃》。

 キリトもそれにすぐに反応する。右の剣で突進系スキル《レイジスパイク》。それにより真正面から両者がぶつかる。しかしキリトのレベルは97。仁のレベルはそれに対して105だ。筋力値も敏捷値も仁の方が上だ。そうでなくても心意を使っている。

 結果。キリトは大きく後ろに押し込まれる。

 

「ぐ……ぅ」

 

「らぁあああ!」

 

 仁の左の剣の光が一層強くはじける。それと同時にキリトが弾き飛ばされた。

 

「く……そ。おおおぉぉぉぉおおおおおお!!」

 

「はっはぁ!」

 

 キリトの《ダブルサーキュラー》。仁は両の剣を交差させ、右に受け流す。

 隙ができたキリトの体にすぐさま左の剣を打ち込もうとしたが、ディ例の方が微妙に短かったようだ。仁の剣は空を切り、ぎりぎりでキリトはかわしていた。

 

「あ、っぶね」

 

「チッ、惜しい」

 

 すでにキリトはこの時点で実感した。どうやっても今の自分では目の前の自分より年下の少年には勝てない。と。そもそも仁はソードスキルは最初の《月下》しか使っていない。

 しかしキリトはそれでも立ち向かう。思いきり地面をけり、両の剣を大きく振りかぶる。仁のもとへ到達するとともに連続攻撃が始まった。

 それを仁は二本の剣を巧みに使い弾く、または受け流す。キリトの剣は仁に掠ることすらない。

 全く当たる気配がない自分の攻撃に業を煮やしたキリトが一瞬距離を取る。そして両の剣を横に広げる。その瞬間剣にライトエフェクトが宿る。そして仁はその光を知っている。二刀流最高剣術《ジ・イクリプス》

 キリトが先ほどよりもはやい速度で迫ってくる。しかし仁はそれでも余裕綽々と言った様子で、顔をゆがめる。それは楽しそうな、そして凶悪な笑み。

 キリトのラッシュが始まる。合計二十七連撃。普通のプレイヤーだったらすぐにその太陽コロナのような全方向からの攻撃には耐えられず、すぐに巻き込まれるだろう。が、仁はその軌道も、威力も、そして何よりキリトのスピードの限界を知っている。

 

「ソードスキルに頼るな!」

 

「ッ!」

 

 仁はそう叫び、ジ・イクリプスの連撃を二本の相棒で防ぎ続ける。

 

「システムに頼るな! 自分自身の力に頼れ! でないとこの先が持たないぞ! 生き残りたいなら、守りたいもんがあんなら、自分自身の力を磨け! システムに屈するな!!」

 

 仁は自分に言い聞かせるように叫ぶ。

 

「自分の剣の力を、自分自身を、信じて戦え!!」

 

 語尾とともにキリトの剣が両方上に跳ね上げられる。次の瞬間、仁がキリトの肩口を切り裂き、デュエルが終了した。

 

 

 

 

 

 

 

「……やっぱ勝てない、か」

 

「いや、キリト。おまえも並みのプレイヤーじゃないことは確かだ。もっと、強くなるんだ。おまえにも、俺にも守りてぇもんがあんだから」

 

「……ああ」

 

 そう言い残し、仁は控室に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――翌日――

 

「はぁ!? 俺たち四人が血盟騎士団の前衛隊のテストの護衛だぁ!?」

 

「……うん。これは、血盟騎士団としての団長のたのみよ」

 

 現在、仁は己の家にやってきたアスナの話を聞いている。

 

「……だったらメッセでいいじゃねェか。なんでお前直々に」

 

「そして、これはアスナという一プレイヤーとしてのお願い……キリトの隊にクラディールがいるの」

 

「……なーる」

 

 できれば聞きたくなかったその言葉を聞き、その場に集まっているリアル友達たちに視線を向ける仁。

 

「ボクは構わないよ! 全然大丈夫!」

 

「私も、大丈夫」

 

「構わないわ」

 

 上からユウキ、シノン、ほむらである。

 

「と、いうことだ。了解了解」

 

「……ありがとう。それでは、私についてきてください」

 

 その場の全員が、血盟騎士団のホームへと向かった。

 

 

 

 

 

「……なんでこうなった」

 

「どうしてって、2隊あるんだからしょうがないでしょう」

 

 仁はシノンとともに、キリトたちとは違う隊の護衛を申請されていた。

 

「ったくあのおっさん何考えてやがんだぁ……?」

 

 そんなことぶつぶつ言っていても仕方がない。向こうのユウキとほむらが気になるが、取りあえず任せることにした。ほむらにはクラディールが何を仕掛けてくるかはいってあることだし。

 一応結婚共通ウィンドウでほむらの様子を確認し続ける仁。そしてゴドフリーとは違い、比較的まともそうな隊の一番後ろについていく。

 しばらくは何も変わりはなかった。しかし変化は唐突に訪れる。

 

「……あ?」

 

 ほむらのカーソルがその場で動かなくなった。その瞬間仁の体は自身が認識するよりも早く動いていた。

 

「わりぃ! すぐ戻る!」

 

 シノンは長年の付き合いからか、仁の様子から何があったかを理解したようで後ろからついて来ている。

 

「シノンはあっちで待ってろ! 何があるか分かったもんじゃ……」

 

「だからこそよ」

 

「……あ?」

 

「ほむらも言ってたけど、いつもいつも無茶しすぎ。どうせ今回もそうなんだろうけど……見張り役としてでもついて行ってあげる」

 

「……はぁ」

 

 こうなった状態のシノンは梃子でも動かない。それを知っている仁はもう何も言うまいと背を向ける。

 

「……勝手にしてくれ」

 

「元からそのつもりよ」

 

 二人はもちうる敏捷パラメーターを最大にして森を疾走した。

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃははははははははは!! まさかこんなに簡単にはまってくれるとはなぁ!」

 

「ククククククッ。ディール……おまえの言うとおりだったな」

 

「ああ、これで……」

 

 ほむらは葛藤していた。クラディールが毒を飲ませてくるのは知っていた。が、まさか協力者がいて、草原に隠れて麻痺ナイフを投げつけてくるとは予想外だった。

 

(くっ、まさか二人目がいたなんて……仁はこんなこと言っていなかった。けど仁はこんな嘘をつくような人じゃない。まさかまた歴史が……)

 

「……お前。確かラフィンコフィンにいたな……」

 

「ああ、そうだよ黒の剣士。まさか本当にラフコフが壊滅したとか考えてなかったよなぁ!?」

 

(盲点だった。まさかあの時逃がした奴がいたなんて……)

 

「さぁて、毒が切れる前に、仕上げちまうか」

 

「ボ、ボクたちに何をするつもり!?」

 

「何って……この状況でまだわからねぇのかよ……クククククッ」

 

 ほむらは長い輪廻と転生の中でこの状況は何が起こるかを知っていた。たいていはこのまま殺されるか、いかがわしいことをされるかの二択。

 

(く、そ……仁……はやく……きて)

 

「まずはぁ……そっちの黒をやってからだなぁ……そのあとに楽しませてもらおうか」

 

 クラディールがキリトに向かって両手剣を振り下ろす。

 

「がっ!……ぐっ」

 

「ひゃははははは! そんなに簡単にはころさねェよぉ! 存分に苦しませて……そして殺してやるよぉ!」

 

「さて、それでは俺はさきに楽しませていただこうか。クククッ」

 

 その男はほむらにむかってゆっくりと歩んでくる。

 

(く、そ。動け、動いて。動いて!)

 

 ほむらの思いが通じたのかはわからないが、なぜか左腕の動きが戻った。

 ほむらはとっさにピックを投げつける。が、それはあさっての方向に飛んでいく。ぎりぎりで麻痺が戻ったようだ。

 頼みの綱のエイミーはこの男によってつかまってしまっている。万事休す……。

 

「へへ、まだまだ未熟だが……やっぱりいい女だ。ククククッ」

 

「はなし……なさい」

 

「オーこわいこわい。けどな、この状況でそんな目でにらまれても全然怖くないんだよな。ククククッ」

 

 その男はほむらの体を触り始めた。ほむらはその気持ち悪さに目をそらす。が、そんなほむらの様子に気をよくしたのか男はより丹念に触ってくる。

 

「クククククククククッッ」

 

 このまま、自分はどうなるのだろうか。ぼんやりとほむらが目じりに少し涙をためながらそんなことを考え始めていたころだった。

 

「てめぇは……ほむらに何しやがってんだくそ野郎がァァァァァアアアアアア!」

 

「ククククッ……ぐあぁっ!」

 

 救世主であり、自分の最も愛する人が現れた。

 

「遅れた。わりぃなほむら」

 

「……仁」

 

「どういう状況よ、これ」

 

「説明はあとだ。シノン。ほむらを頼む」

 

 そういう仁の背中はいつもよりたくましく見えて、そして凶悪な悪魔にも見えた。

 

 

 

 

 

 

「さて、てめぇら。死ぬ覚悟はできてんだろうなぁ。おい!」

 

 早々に現れたアスナがキリトを攻撃しているクラディールを吹き飛ばしたのを確認して、叫ぶ。

 そして隣でランベントライトを構えるアスナを手で制す。

 

「アスナ。にくいだろうけど、俺にやらせてくれ。おまえじゃたぶん、殺せない」

 

「ッ!」

 

 アスナは仁の言っている言葉を完全に理解した。彼は、自分よりも年下の彼は、殺した罪を自分だけで背負うと、そういっているのだ。

 アスナは理解してしまったために、何もできなくなってしまった。

 

「お前には、大切な勤めがあんだろ。……キリトを頼む」

 

「……! うん!」

 

 アスナがキリトのもとへ駆け寄っていったのを確認し、仁は怒りをあらわにする。

 

「殺してやるよ。てめぇらだけはゆるさねぇ。PoHよりも残酷に、殺してやるよ」

 

「ひ、ひぃ……ひぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 クラディールがその恐怖に押し負け、その場から地面を這うようにして逃げていく。しかし仁は許さない。

 

「てめぇはおれの仲間であり、友達であるキリトを傷つけた。それ相応の恐怖を抱いて死んでもらわねェとなぁ……クカカッ」

 

 仁は即座にとりだしたレベル5の麻痺毒ナイフを二人に投げつける。

 

「うあ!」

 

「ぐぁ!」

 

「さぁて、ヘルタイムのスタートだ」

 

 そういった仁の顔は、笑っていた。それは見るものを安心させる笑みではなく、見るものを恐怖に、不安に陥れる凶悪な笑みだった。

 ザンッという音が瞬間鳴り響く。それをその場にいる全員が理解した瞬間。クラディールの両足がなくなっていた。

 

「ひ、ひぁぁ……俺の、俺の脚がぁぁあああああ!」

 

「うるせぇんだよ」

 

 再び切断音。それはクラディールの両腕を切り離した音。

 

「ぎゃああああああ!」

 

「痛みはねェだろ。黙ってろ」

 

 仁はいったんしゃがみ、回復結晶を取り出す。

 

「み……見逃してくれるのか!?」

 

「ヒール」

 

 回復しきったのを確認した仁は冷たく言い放つ。

 

「なわけ、ねぇだろ」

 

 部位破損は結晶では治らない。次に仁は両の剣を交差させ、左右に開く形でクラディールの胴を二つに分けた。それにより下半身がポリゴンとなって消え失せる。

 

「さて、次はどうする? 首? 心臓? 目? 脳? そうだな、目がいい」

 

 そう一人で結論を出した仁はクラディールの両目を水平に一閃した。

 

「ぎゃああああああああああああああああ!!」

 

「うるっせぇって……言ってんだろうがクズがぁ!」

 

 思い切りのこっている上半身を蹴り上げる。

 

「あ、ああ……し、死んじまうよぉ……い、やだ。死にたく……死にたくねぇよぉ」

 

「馬鹿言うな。クズが」

 

 仁はそう言い捨て、再び回復させる。そしてまた連続でダメージを与える。それの繰り返しを10回ほど繰り返した。

 

「もういいよ、もう飽きた。……死ね」

 

「いやだ! いやだぁ! 死にたくねェェェぇえええええ!」

 

 仁は両の剣で同時に首を落とした。

 

「ァ……アアアアアアアア」

 

「次は、てめぇだな。てめぇは、ゆるさねぇ。殺す。殺す。何度でも、殺す」

 

「や、やめ……アァァアアア!」

 

 先ほどクラディールにしたことを軽く二十は超える回数を繰り返す。

 

「う……」

 

 それを見ているユウキがいよいよ気持ち悪くなってきたようで口元を手で抑える。

 仁は全く忘れていたといった様子で、仲間たちにいつもの獰猛な笑みを返し、その男を林の奥へ引きずって行った。

 

 

 

 

 そして数十分後。何事もなかったかのように帰ってきた。その間に男に何があったか、あえて語らないでおこう。

 

「……気持ちわりぃとこ、見せちまったな。……先、帰っていてくれ」

 

 仁はそう言って、どこかに転移していった。

 その場に残されたのは、先ほどの惨場を瞼に焼き付けたプレイヤーたちのみだった。




 (≧∇≦)ノ ハーイ♪、終わりました。 まったく仁君は見境ないねぇ

仁「しったことか。いい様だ。反省も後悔もしてねェよ」

うん、知ってる。

 はい、感想指摘、☆評価お願いします。これからも時々こういう回はいるかもです! それでもいいという方だけ、お読みください。

仁「次回もよろしくな!」

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