【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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はい、皆さんお久しぶりです。大変長らくお待たせいたしました! これからも執筆ペースは以前よりは遅くなるでしょうが書いていきますので、見てやってください。


第三十一話 死の鎌

「遅くなったって……十分はええよ。ディアベル」

 

「そうかい? コーバッツさんがコリドーでセットしておいてくれたんだ。できるだけ人数は集めたんだけど、軍を数十人と声をかけた数人しかいないんだ」

 

「さっきよかましだろ」

 

 そういって仁が迫りくる鎌を右のフルスイングではじき返す。そこに間髪入れずに左の攻撃を入れ、バックステップ。

 

「こいつのスキルは一撃必殺系スキルだ。絶対に防御するか避けるかしろよ!」

 

 そういうとその場に集まった全プレイヤーが首を縦に振る。仁はそれを確認し、もう一度ボスに向かって走った。

 

「行くぜ、ほむら!」

 

「ええ!」

 

 仁が思いきり右の剣を振りかぶる。それに合わせてほむらはボスに向かって距離を詰める。

 そして仁がその剣を思いきり振り下ろす。それにより剣から発せられた斬撃が宙を飛び、ボスの鎌を一瞬ディレイさせる。刀スキル《刃昇》のコピー。

 

「はぁぁぁああああ!」

 

 その間にほむらがボスの懐に潜りこみ、レイゲンノタチを右肩に乗せるように構える。次の瞬間には淡いライトエフェクトが刀にまとわれる。刀スキル《斬抄》二連撃。

 その二回の同じ軌道を行き来する斬撃はボスにわずかながらも、確実にダメージを与える。さらに《絶対零度》による追加効果でボスの動きが完全に止まる。そこに新たな黒い影が追撃を与える。

 

「せぇらぁあああ!」

 

 黒の剣士、キリト。二人目の二刀流使いが繰り出す《ダブルサーキュラー》。それがボスの体を二つに分断する勢いでたたきこまれる。

 

「アインクラッド解放軍攻略隊! 総員攻撃準備! スイッチを繰り返しつつダメージを与えろ!」

 

 ディアベルが叫ぶと、待ってましたと言わんばかりの時の声をあげる軍の精鋭たち。そしてまず一列目の軍のメンバーが後ろに回り込み、攻撃を加えていく。

 

「やぁあああああ!」

 

「はああぁああああ!」

 

 ユウキとアスナが正面から切り込む。アスナの剣はすでに武装完全支配術により、光り輝いている。その状態で繰り出されるソードスキルの威力は計り知れない。

 ユウキが絶剣最重攻撃スキル《エクスカリバー》。アスナが細剣上位突進スキル《フラッシング・ペネトレイター》を発動し、ボスのHPを一気に削っていった。

 

「ふっ!」

 

 二人が後ろに退くと同時にそのさらに後ろから赤よりも深い、血の色の矢がシノンの手者と弓から放たれる。弓上位スキル《ブラッドレイン》十連撃。そのスキルの特徴は一撃一撃が毒の効果を持っており、そして敵をホーミングすると言う使い勝手の良さだ。

 その矢がボスの体に吸い込まれていく。同時にボスのHPバーには毒を示すマークが出現する。

 

「喰らえぇ!」

 

 続いて、その場のだれよりも甲高く、幼い声が鳴り響く。ディアベルが声をかけた中の一人、仁とアスナに命を救われた攻略組最年少プレイヤー、リリカ。その手に持った青い片手直剣こと【スカイブルー・ジ・エア】がさらに深い青の光で光り輝く。片手直剣スキル《バーチカル・スクエア》四連撃。

 シノンによる毒の威力も相まって、それはボスのHPをごっそりともっていった。この時点でボスのHP残り二段。

 

「ここまで多重攻撃しかけてもこの減少量……か」

 

 仁が呟くと同時、多重攻撃によって連続ディレイしていたボスの体がついに自由を取り戻した。そしてその手にもつ鎌に宿る光は――。

 

「不味い! みんな気をつけろ!」

 

 叫ぶ。それに合わせたかのようにボスの両腕が振られる。対象はディアベル。しかし彼は仁から教えてもらっていたことによってすばやく立ち回った。

 

「おおおおおおおおお!」

 

 片手直剣上位スキル《ヴォ―パルストライク》。それを鎌に向かって全力で放った。しかしそれはボスの攻撃を相殺しきれずに、ディアベルの体を大きく後ろに吹き飛ばす形で彼の命を救った。

 

「ひやっとさせんなよな、安全に回避という選択肢はねぇのかよ」

 

「無茶言わないでくれよ。俺は君ほど反射速度がよくないんだから」

 

 体勢を立て直しながらディアベルが言い返す。仁はそれに苦笑しながら量のエネルギーブレードが発生している剣を構えなおす。

 次にボスがその矛を向けたのは仁だった。その鎌にともる色は当然のごとく血の色。しかし仁はそれを何度も見ている。その軌道は頭に焼き付いている。

 その鎌が振られると同時に仁は地面をなめるような低さまで屈んだ。なぜならその鎌が狙いを定めてくるのは決まって“首”。命を狩るという意味では最も効率的な部分。それをかわすのに簡単な方法は屈むこと。しかし並みのプレイヤーではそれを光を見てから実行するのはほぼ不可能に近い。今現在これをできるのは彼と、キリト、そしてほむら位のものだろう。

 特に彼とほむらの場合は前世からの戦闘センスが引き継がれているため、これくらいのことは軽々とできるようになっている。

 ともあれ、ボスはその空振りにより一瞬体制を崩す。両腕をフルスイングして発動するスキルだ。この結果は必然といえるだろう。そしてその隙を逃すほど、仁は甘くはない。

 

「心意システム……解放。……奪命撃!」

 

 そう叫ぶと同時に仁のHPが少しずつ減っていく。全ての心意の力を数倍まで上げる代償は、この世界において重い。

 しかしその状態で放たれる奪命撃は、並みのそれではない。

 仁の剣から延びた紫の閃光はボスの体を貫き、えぐった。先ほどまでとは比べ物にならない量のHPがガクンッ!と削り取られた。ボスはそれに反応して悲鳴を上げる。しかし仁は二刀流だ、そこで止まるはずがない。ただでさえモーションが少ない奪命撃だ。すぐに左の剣は次のモーションをその金銀の光で描く。

 左の肩に担ぐように持ってこられた剣は、すぐにジェットエンジンのような音とともに突き出される。《ヴォ―パルストライク》。

 

「でぇりゃああああああ!」

 

「グゥゥゥオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 仁の声とボスの悲鳴が重なる。そしてボスのHPがさらに削れる。当然心意により威力を強化してあるため、他のものが放つヴォーパルストライクとはわけが違う。

 しかしその代償に仁にはディレイが科せられる。ボスは無防備となった仁に鎌を振り下ろす。しかしそれは届かない。彼の愛する者の手によって、大きく上に弾かれる。

 ほむらがねらったのボスの鎌ではなく、手首。そこは凍りつく。同時にボスが鎌を取り落した。武器を使うものであればだれにでも付きまとうリスク――『ファンブル』。当然それはボスにも適用する。

 これでしばらくは武器を拾っても凍った手首のせいでロクに振れない。事実上、使えるのはブレスと体術のみとなった。

 

「ここ・・・・・・だ! ボスを取り囲め! ブレスに注意して総攻撃だ!」

 

 仁が叫ぶと、攻略組プレイヤーの約半分がボスを取り囲む。そして各々が使えるソードスキルの中でも最高のものを武器にやどし、ボスにたたきつけていく。その中に仁はいない。なぜなら――

 

「あー、くそ。なんでこういうタイミングで終わるかねぇ」

 

 心意解放が解け、HPがほとんどない状態で突っ立っていた。彼の頭上にはエイミーがいて、ヒールによる回復を仁に行っている。そして彼自身も回復用のハイポーションを口に含み、回復を待っている。

 

「サンキュ、エイミー。俺はもう大丈夫だ。ほかの奴らの回復をしてやってくれ」

 

 仁がそういうと、エイミーは「キューッ」と小さく鳴き、他のプレイヤーのもとへとふよふよと飛んで行った。

 

「さて……どうすっかなぁ」

 

 仁はそうつぶやき、情報の整理をはじめる。

 (ボスの残りHPはラスト一段に差し込むところ。今のところ大きな変化はなし。変化を差し込むのはここだろうが……さすがにこれ以上のゲームバランスの捻じ曲げはないだろう。後はみんなの集中力が保てれば、奴の一撃必殺スキルも怖くねぇ。行けるか……?)

 

 そろそろボスが武器を取り戻しそうだと判断した仁は、そこで情報の整理をやめ、自身の集中力を高めていく。両手の剣のエネルギーブレードもすでに消え、左のまとまっていた剣も二つに分かれ、今握られているのはゴールドトマホークとゴールドブレード。

 

「ッ! 来るか」

 

 仁はHPの全回復を確認し、一気に駆け出した。同時に突進系二刀流スキル《ダブルサーキュラー》を発動させ、すでに手に持った鎌を、逃げどころを間違えたプレイヤーに振ろうとしているボスに切りかかる。

 

「さっさと離れろ!」

 

「あ、ああ! 助かった!」

 

 それを見届けもせずに、仁はボスと正面から対峙する。

 

「次のお前の相手は俺だぜ? さぁ、殺りあおうじゃねぇか」

 

 そういい、仁が仕掛ける。ダッシュと同時に《ハウリング・オクターブ》八連撃。左の剣に意識を移し替え、《サベージ・フルクラム》三連撃。右に移しなおし《バーチカル・スクエア》四連撃。最後に左での《ヴォ―パルストライク》を打ち込む。スキルチェイン。しかしやはりボスのHPの減少量は微々たるものだ。

 

「チッ。どうやっかなぁ」

 

「また一人で無茶して」

 

 仁がボスの攻撃をさばきながら考えていると、ボスの背後からの斬撃とともにほむらの声。

 

「なんであなたはいつもいつも……」

 

「解ったからあとにして……」

 

「……そうね。一人で無茶しても倒せる相手じゃないでしょう? ならみんなで協力すればいいじゃない。本当に一人で先走って……」

 

 納得したんじゃないのかよ!?という言葉を仁は飲み込む。言ったら確実に説教timeが始まってしまうからだ。

 それは置いとき、ほむらがブツブツ言い始めた後に、ユウキとキリト、アスナとリリカが後ろから来た。ついでにクライン。

 

「さって、一気に決めるとしますか? なぁ」

 

「うん! さっさと終わらせて帰ろう!」

 

「ああ、腹減ってきたしな」

 

「キリト、てめぇは食うことばっかしかよ」

 

「うるせぇよ、クライン」

 

「ええ、終わらせましょう。キリト君。ジン君」

 

「そうですね。倒しちゃいましょう」

 

「もう無茶しないでね? 仁」

 

「解ってるって。じゃあ……いくぜ!」

 

 最初にキリトが先陣を切った。二刀流最上位スキル《ジ・イクリプス》。続いてユウキが突っ込む。絶剣最上位スキル《グランドロザリオ》二十一連撃。リリカが追撃をかける。片手直剣上位スキル《ファントムレイブ》。それらがボスに叩き込まれ、HPが削れていく。時折飛んでくるシノンの弓も効果的に効いているようだ。

 

「次々いくぜぇ!」

 

 クラインが切り込んだ。刀上位スキル《羅刹》。アスナがそれを追い越す速度で《スタースプラッシュ》八連撃をまさに閃光の速度でたたきこんだ。そしてそのあとに続くようにほむらの刀最上位スキル《乱れ桜》十五連撃。その時点でボスのHPが残り一段の三分の一をきった。

 

「「「「「「「ジン(君)(さん)!」」」」」」」

 

 シノンを含めた七人の声が響き渡る。

 

「ああ、終わりだ!!」

 

 OSS五十連撃Ω・ギャラクシー改め《アブソリュート・デス(絶対の死)》(名前変えた)をたたきこむ。名前こそ変わっているが中身は変わっていない。

 それらの斬撃がボスに一呼吸で打ち込まれる。そして最後の一撃。それが叩き込まれ、ボスのHPが0になった。ディレイが解けた仁が肩の力を抜いて、両の剣を鞘に収めると同時――。

 その場にはちきれんばかりの歓声が鳴り響いた。




はい、終わりました。

仁「最後! 技名厨二!」

いうな! Ω・ギャラクシーってなんかダサいからかえたんだよ! まだましだろう!?

仁「ましにはなってるけど俺にあんなはずい技名叫ばせるつもりか!? あぁ!?

問題ない。今後使うかわからないからな(キリッ

仁「キリッじゃねええええ!」

 はい、感想指摘、☆評価お願いします(本当に感想お願いします。マジで何も来なくなりましたww自分のSSを皆様がどう思っていらっしゃるかをどうかお聞かせください)

仁「次回もよろしくな!」

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