【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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前回PoHを見事撃退した仁君とほむら。次はボス攻略。


第十四話 四十二層ボス攻略

 PoHを取り逃がしたあとおれたちはすぐにボス部屋に戻った。そこで繰り広げられている闘いはボスのHPが四段のうちいまだ三段目までしか削れていないという状況。そして相手のブレスで麻痺して動けないものを運び出す攻略組だった。

 

「チィっ! ディアベル! 相手の情報は!」

 

「炎のブレスと麻痺のブレスを使ってくる! それと全身の刃を飛ばしてくる範囲攻撃と噛みつきだ!」

 

 厄介だな……特に麻痺のブレスはきついな。

 俺は両手の剣を握りしめ敵に向かって走る。同時に片手直剣スキル《レイジスパイク》を発動してすぐに近づく。

 

「りゃぁあああ!」

 

 そしてそのまま《インフェルノレイド》を発動。9連撃のすべてが敵に叩き込まれる。しかしHPはロクに減らない。やはり全身の刃でふせいでるんだな……。

 

「ブレス来るぞ! 盾持ちタンク止めろ!」

 

 その言葉とともに俺たち前衛は下がり、盾を持った前衛が前に出る。次の瞬間に相手の炎ブレスが来る。そして盾を持ったタンクたちに直撃。HPは2割ほど削れた。なるほどな。皮剣士が当たれば死ぬな。

 

「タンク下がれ! 行け攻撃隊!」

 

 再び俺たちは前に出る。俺は《ジ・イクリプス》を発動し、27発打ち込む。ほかのみんなもそれぞれエフェクトがカラフルなソードスキルを放つ。それらが当たってもHPがいまだに三段目の三分の一も行かない。防御バランスおかしいだろ!

 

「皆! 俺がはじく! だからディレイ中に叩き込みまくれ!」

 

 俺はそう叫び、相手の噛みつき攻撃を両手の剣を強振して弾く。それと同時に俺とボスには硬直時間が生まれる。そこにほかのプレイヤーはソードスキルを打ち込む。それらが当たるがやはりダメージは入りにくい。

 そしてボスが全身を振るわせる。すると――

 

「範囲攻撃だ! 前衛下がれ! タンク前へ!」

 

 これが範囲攻撃のプレモーションか! チィッ!

 俺は舌打ちとともに後ろにバックステップをして下がる。次の瞬間――

 相手の前身の刃が全範囲に向けて発射される。タンク隊が防ぎきれなかった刃が数発こちらに飛んでくる。躱し――いやだめだ。後ろにはほむらたちもいる。俺が躱したら反応しきれずに当たっちまう。俺は《エンドリボルバー》で弾く、しかし二本ほど弾き損ねた。それを俺は体で受け止める。HPは約3割ほど持って行かれた。けどほむらたちは守れた。俺はすぐにポーションを出して飲み下す。

 

「……!?」

 

 刃がボスの体に戻っていくのが遅い……。そしてあいつの防御力はあの刃によるもの。それを弾き飛ばしていたら体に戻るまでは……。

 

「ッ、ディアベル! チャンスだ! 奴が刃を飛ばした後は完全に無防備になる! そこを狙え!」

 

 ディアベルに指示を飛ばしたあとおれも走る。まだあいつの刃は壁に突き刺さったまま。間に合うか?

 

「《縮地》!」

 

 俺は心意を使って速度を上げる。そしてそのままの速度で《ヴォ―パルストライク》を打ち込む。するとさっきまでと同じボスかと思えるくらいにHPが削り取れる。その時だった。

 後ろからすさまじいほどの風切り音がこちらに迫ってきている。後ろを振り返る時間はない。俺はディレイが解けると同時に右にローリングをして回避する。そして飛んできていたものを確認する。

 

「ッ! ボスの体の刃か……」

 

 どうやら飛ばしたあとボスに接近させてそして戻ってきた刃で貫こうってか。これも罠とかいうんじゃねえだろうな。

 周りを見ると数人刃にとらえられHPを赤く染めている。威力もかなりあるみたいだな。

 

「チィ……ディアベル! HPが減った奴を下がらせろ! こいつのタゲは任せろ!」

 

「またかい!? いつも君は……」

 

 何かブツブツ言ってるけど反応してる暇はない。俺はボスの体に斬撃をたたきこむ。この時点でボスのHPは残り二段に入った。攻撃パターンは変わりなし、防御力にも変わりなし。ということは……。

 

「……攻撃力か」

 

 厄介だな。さらに火力アップなんてな。

 相手は体を一瞬反らせ、そしてこちらに口を向けてきた。ブレスのプレモーション!

 俺は剣を前に突き出し右手の五指を中心として剣を高速回転させる。片手直剣ガード技《スピニングシールド》。

 しかし当然すべてのダメージをシャットアウトできるわけではない。少しずつだがHPが減っていく。幸いだったのは麻痺ブレスではなく炎ブレスだったことか。麻痺系だったら《スピニングシールド》でも麻痺は防ぎきれるかわからないからな。

 

「くっ……次はこっちの番だぜ! ッドラゴン!」

 

 俺は《スピニングシールド》の硬直が解けると同時に攻撃を開始する。《ジ・イクリプス》。攻撃力は今使えるソードスキルの中で最強レベル。どこまで削れる……?

 

「せぇららぁあああああ!」

 

 削れたHPは三段目の10分の1以下。ってすくねぇ!

 チィッ! 次の範囲攻撃を待つって言ってもあれが来ると被害がやばい。どうする……。弱点はねぇのか? 顔や頭部は刃がねぇが位置がたけぇ。あそこまで飛んで攻撃したとしても落ちてるところで狙われたらジ・エンドだ。こっから《奪命撃》を撃てば届くかもしんねぇけどそれも危険だ。心意を使いすぎりゃ茅場に見つかる。いや。まぁ。茅場自身がセットしたって場合もあるから断言はできねぇけど。それに心意にしても硬直時間があるしな。けど……

 

「やってみなきゃわかんねぇ……か」

 

 そうつぶやいた俺は敏捷値の許す限り最大のジャンプをする。そして空中で無理やり《ジ・イクリプス》を発動。全弾を奴の顔面にぶち当てる。一発一発のダメージが刃を飛ばした後の時と同じくらいのダメージになっていく。さらに俺の行動を理解した投擲もちの奴らが投擲をしてくる。って! アブネっ! 当たる当たるって!

 そしてディレイが解けて一度自由落下。その間タンクが威嚇でタゲを取り安全に落ちることができた。そしてもう一度ジャンプ。次は《スターバースト・ストリーム》を発動する。十六連撃を再び顔面に打ちまくる。ダメージが蓄積していく。そして俺の最後の突きと同時に奴のHPが最後の一段に入る。

 

「さぁ……ってどんな変化するんだ」

 

 そうつぶやいて自由落下する。その途中でボスが体を丸め、刃で体全体を覆う。そのまま沈黙。

 

「……は?」

 

 そう、何も起こらないのだ。攻撃も来ないし、相手も微動だにしない。だったら

 

「らぁあああああ!」

 

 攻撃を打ち込む。しかしさっきまでとは違い、今度は一ミリも減ったように見えない。いや実質少し入っているのだろうがHPバーに反映されるほどのダメージにはなっていないということか。

 そして俺はそれを目撃する。

 

「……んな!?」

 

 ボスのHPがすごい勢いで回復していく。そのまま勢いは弱らずに3段目がグリーンで満たされる。

 

「おいおい……そりゃないぜ」

 

 もう一回あそこまで減らせってことかよ。うんざりしていたその時だ。

 

「HAHAHAHAHAHA!さぁ!showtimeだ!」

 

 はぁ!? またきやがったあのいかれポンチ野郎! 

 

「あんのやろぉ!」

 

「HAHAHA!boy! 次はさっきみたいにはいかないぜ!」

 

「ヘッドの顔をよくも汚してくれたな!」

 

「覚悟、しろ」

 

 ちぃ! ジョニーとザザもかよ! 

 

「私も力を貸すわ」

 

「ボクもだよ!」

 

「それじゃあ私も」

 

「無茶言うなお前ら! あいつらは……」

 

「殺しをためらわない、でしょう? 何度も聞いて聞き飽きたわよ」

 

「ボクたちがいかないから仁が死ぬなんて嫌だよ!」

 

「左右に同じよ」

 

 ……何を言っても動かなそうだな。だったら。

 

「……PoHは俺がやる。みんな任せたぞ」

 

 そういって俺はPoHに向かって突っ込む。次こそぶっ殺す!




はい。次の投稿は早くて木曜日になります。修学旅行行かないで書きたいよぉ。

仁「いってら~w」

笑うなぁ!

仁「ま、楽しんで来いよ」

そうさせてもらうよ!

 感想指摘、☆評価お願いします。

仁「次もよろしくな!」

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