【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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はい、原作にはないものが出てきます。というか二十五層の時点で原作では書かれてませんけどねw


第十一話 第二十五層と新たな出会い

 俺たちは第十層を攻略してから間もなく二十五層まで到達した。なぜか第十層以降の十五層までがボスとは思えないほどの弱さを誇っていたためだ。カーディナルがデータ修正のために弱体化してくれたのかは知らないが有り難いということで二日ずつくらいのペースで攻略していった。結果。速攻で二十五層――クォーターポイント――までこれたというわけだ。

 そして現在。

 

「なぁ。ほむら」

 

「なに?」

 

「鍛冶に使うのに最適な鉱石がこの二十五層にあるらしいんだけど付き合ってくんねぇか?」

 

 俺は自分の武器を作るために鍛冶スキルを入れている。

 

「ええ。大丈夫よ」

 

 ということで第二十五層の洞窟にて鉱石集めを終えて帰り道の森を歩いていた。

 

「いやー、案外簡単に集まってよかったぜ」

 

「ええ。ドロップ率がよかったわね」

 

 出る確率が10%程度らしいがポンポンとドロップするので運がよかったのだろう。

 その時

 

「ん」

 

「どした?」

 

 ほむらの索敵スキルに何かが引っ掛かったらしい。

 

「……へぇ。ヒールピクシーじゃん。めずらしいな」

 

 普段ヒールピクシーと呼ばれるモンスターたちは索敵スキルが高く、索敵に入ったプレイヤーがいたら発見次第に速攻で逃げるといわれている。が。なぜか近づいてきている。

 よくよく見ると――

 

「ん。カーソルがグリーンだ」

 

「あ。ほんとね」

 

 普段近寄ってこないモンスター。カーソルがグリーン。目の前にとまって攻撃もしてこない。これすなわち――

 

「テイムイベントか。どうやらほむらみたいだぜ」

 

 ほむらの目の前に止まって動かないことから察してほむらにテイムイベントが発生したのだろう。

 

「すぐに何か与えるんだ。えさ」

 

「今これしかないわよ?」

 

 そういって出したのは星形のナッツ。原作でキリトが第二層でつまんでいたものと同じものだ。

 

「それでよくね?」

 

 俺が言うとほむらはかがみ、全長10センチほどの妖精に指に乗せたナッツを差し出した。すると妖精は少し迷ったような感じを見せた後ナッツを手に取りカリカリとかじり始めた。同時にほむらの目の前に『ヒールピクシーのテイムに成功しました。名前を付けてください』というメッセージウィンドウとともに下にホロウキーボードが出てくる。そこにほむらが少し考えた後に打ち込んだのは――

 

『《エイミー》でよろしいですか? yes/No』

 

 ほむらは迷わずイエスに触れる。確か原作でまどかが契約して助けた黒猫の名前だったか。

 

「エイミー、か。あの黒猫だな?」

 

「ええ。猫じゃないのが少し残念だけれど」

 

「そういってやるなって」

 

 行っている間にエイミーはほむらの肩に座った。飛ぶんじゃないのか。シリカのピナは頭に乗っかってたっけか。

 

「けどなぁ……テイムに成功したのがまさかA級食材モンスターと同じくらいの遭遇率のレアモンスターヒールピクシーとはな……街はいったところで野次馬が来そうで怖い……」

 

「……そうね」

 

 まぁなんだかんだでほむらは隠さず行くことにしたみたいだ。窮屈なところに飛び込めてやりたくはないようだ。

 ……当然街に入って少ししたらうざいほどに大量のプレイヤーが押し寄せてきたが。     

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在俺たちは第二十二層に買ったログハウスで休憩している。ちなみにユウキとシノンも隣の家で同居している。

 

「エイミーのスキルは……《ヒール》HPの5割を回復。《ポイズンレジスト》毒を5割の確率で解除。《パラライズレジスト》麻痺を同じく5割の確率で解除ね」

 

「ヒールの性能が良すぎるだろ……」

 

 そう。HPを五割回復するというのはポーションよりも圧倒的に使い勝手がいい。そして何度か試した結果エイミーはほむらの命令を無視しなかった。つまり回復系アイテムの使用数が減るということだ。けどヒールの発動までに少しかかるのが唯一の痛いところか。

 

「とりあえずねよねよ。明日は武器つくんねーと」

 

「そうね。寝ましょ」

 

 そうしておれの意識は消えていった――。

 

 

 

 

 

  ――翌日――

 

「んー! よく寝た」

 

 隣にほむらの姿はすでにない。とりあえず二階に作った鍛冶スペースに行く。

 そこには――。

 

「遅かったね! 仁!」

 

「遅かったわね」

 

 なぜかユウキとシノンがいる。

 

「なぜに……?」

 

「鉱石いっぱい手に入ったんだから作ってあげたら? って意味で呼んだのよ」

 

 いつの間にか後ろに来ていたほむらがいう。

 

「そりゃ作るけどな……。無理に緊張させるなって……」

 

「あなたに緊張なんて一番似合わない言葉よ。あなたはいつでも楽しんでいればいいのよ」

 

 励ましなのかどうなのかわからんわ!

 俺はもうそんなことを考えないようにして昨日手に入った鉱石――ブラッディストーンを手に取り、炉に入れる。

 

「にしても黒いよなぁ……これ」

 

「ええ。仁黒好きだからいいじゃない」

 

「いやまて、俺だけじゃないんだろうが、ユウキは藍色だし、シノンは……知らんけど」

 

「白」

 

 あーそうですか。白ですか――。

 

「白ってどうやるんだよ……この鉱石で」

 

 とりあえずストレージから使わない白系の武器と藍色系の武器をだして炉に放る。最初のブラッディストーンがいい感じになっていたので取り出して台に乗せる。ここからは集中タイムだ。

 

 カァーン カァーン カァーン

 

 俺は原作に書いてあったように無の境地で打ち続ける。すでに周りの音は鉱石をたたいた音しか聞こえない。

 

 カァーン カァーン カァーン

 

 何回叩いたのかも何も考えずに叩く。そして――

 武器になっていく鉱石。少しずつ伸びる刀身。結構長い。片手剣の許容ギリギリくらいまで伸びた刀身。そして俺は柄を握る。

 

「武器銘。《ブラッディブレーダー》能力値は……今使ってるのよりもいいみたいだな……変えとくか」

 

「予想通りのいい鉱石ね」

 

「ああ。このままみんなのも作るか」

 

 そういって炉から鉱石を取り出し、ブラッディストーンの上に重ねる。最近見つけた剣の変色法。ベースの鉱石の上にその色にしたいという鉱石を載せてたたく。結構コスパが悪いからやる奴はあんまいないんだけど俺たちは別。最前線だといらないくらいに剣出るしな……。

 

 

 

 

 

 

 できた剣はそれぞれ今使っている者よりいいものができたようだ。皆満足したみたいでよかった。そして俺は朝から何も食っていないことに気が付く。確認してみると午後2時。やっぱ時間かかるなぁ……おい。

 

「・・・・・・はらへった」

 

「みんなそうよ。ずっと見てたんですもの」

 

「ですよねー」

 

 そして飯にする。俺は食い終わってからマッピングだ。二十五層迷宮区タワー第十九階の。たぶん明日にはボス攻略ができるんじゃないかと思う。

 

 食い終わる。そして――

 

「行くか」

 

 そういってみんなで家を出て攻略に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――さらに翌日――

 

「攻略会議ももう飽きた……」

 

「そういわないの」

 

「だってなぁ……」

 

 いつもディアベルの『はーい』から始まって終わったらみんな浮かれているっていう感じだもんなぁ。ボスの《ザ・ツインヘッド》にそれで勝つのは絶対きついと思うんだが。

 

「クォーターポイント・・・・・・ね(ボソッ」

 

「ああ。ここは危なすぎる。十分に気を引き締めてくれ……本当はほむらには来ないで家にいてほしいんだが……」

 

「ッ! ふざけないでよ! 私は仁と行く!」

 

「っていうだろうからとめなかったんだよ……ったく」

 

 そんなこんなでボス部屋前。ここの扉を開ければ双頭魔人こと《ザ・ツインヘッド》。クォーターポイントと呼ばれるこの層の次の層へと向かう扉を守護しているボスがいるはずだ。俺も気を引き締めてかからないとな……ほむらを残して逝くのだけは絶対に嫌だからな。

 

「行くぞ!」

 

 ディアベルがそう言い放って扉を開ける。果たしてそこにいたのは――

 

「ッ! 嘘……だろっ!」

 

「なんで……なんでここにあいつが……いるの……」

 

 そこにいたのは双頭系の魔人ではなく――。

 

「ワルプルギスの……夜!」

 

 そう。前世の最大の敵が浮いて笑っていた。

 

『スマンのぉ……仁。ほむら』

 

『ッ! おいこら神さん! どういうことだよ! なんでここにあいつがいる!』

 

『とりあえず落ち着け。時間は止まっておる』

 

 そういわれて周りを見話増すとみんなの顔が驚愕に染まったまま停止していた。

 

『時間停止……? どうやって?』

 

 ほむらが神さんに問う。

 

『わしにそれを聞くかね……本題に戻るぞ』

 

『……ああ頼む』

 

 そして神さんは語りだす。

 

『……なぜこうなったのか……それはお前の次の転生者を生み出してもう一度《魔法少女まどか☆マギカ》の世界に送ったことが原因じゃと思う……』

 

『その転生者ってのは……』

 

『そう。お前も知っているはずじゃ……≪黒魔翔≫じゃよ』

 

『だけどなぜ? あの世界のワルプルギスはあっちで倒したはずよ』

 

『そこじゃ。あのワルプルギスの夜はあの世界のものではない』

 

 どういうことだよ……?

 

『あれは、翔を送り出した際に生まれた一瞬の空間のゆがみに乗ってこちら側に来てしまった別の平行世界のワルプルギスの夜じゃ……』

 

『……なーる』

 

『そしてあ奴は別のボスの力を吸い取り、自分の力に変換する。そういう能力を身に着け、第十層のボスの力を奪い。第二十五層のボスを殺し、その力を奪い取ったのじゃ』

 

 謎が解けたぜ……。

 

『つまりだ。途中で十層のボスが弱体化したのはあいつが力を奪ったからってわけだな?』

 

『そうじゃ』

 

『……クォーターポイントのボスの力。そして強敵だった第十層のボスの力を取り込んだワルプルギス……』

 

『間違いなくまどかマギカの世界より強敵じゃ……』

 

『ま、やるしかないよな。後輩を送り出したミスだってんなら、先輩がけじめ取ってやるよ!』

 

『任せたぞ。仁。ここで切るぞ』

 

 同時に時間が動き出す。俺は。

 

「みんな! 惚けてんな! 死ぬぞ! うごけぇ!」

 

 大声で叫んだ。それに反応してみんなが動き出す。そしてワルプルギスの夜……いや《ザ・ワルプルギス・ナイト》との戦いが始まった。




 終わりました。修学旅行までにたくさん書かないと……
 とりあえず今日は終わりです。禁書目録見たいんで締めます。

 感想、指摘、☆評価よろしくお願いします。
 
仁「次もよろしくな!」

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