【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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はじまったのだ!ボス戦が! 超急展開だけど許して下さい!


第六話 ボス戦Ⅰ

「ちょおまってんか! ナイトはん!」

 

 うげ……サボテン頭だ……

 もはや聞くのもだるいわ。延々としてβテスターの文句が続くんだしな。だから俺はそれを阻止っするために動く。

 

「おーい。そこの……キバオウだったな。その発想にゃ語弊があるぞー」

 

 俺が反論したのはβテスターが情報を独占し、金や経験値も独占したから二千人のビギナーが死んだということだ。

 

「なんや! ガキンチョが! 黙っとれ!」

 

 プッチン

 

 俺の堪忍袋? のような自制心が切れた。精神年齢は125超えてるんだけどな。

 俺は満面の笑みを顔に浮かべ、入りだす。

 

「俺はジン。まず、あんたは死んだ二千人の中にβテスターがいないとは考えなかったのか?」

 

「はぁ? βテスターが死ぬわけないやろ。全員が情報を独占して狩場をビギナーに使わせへんでレベルをあげまくっとるんやからな」

 

 だからそれが間違い。俺は尚も満面の笑みで続ける。

 

「バーカ。まずその考えが間違いなんだよ。βテスター全員が情報を独占した? バカ言うな。子のデスゲームが始まって一週間しないうちに赤髪のハチマキ野武士から皆に情報はわたってるんだよねー。そんでその情報を渡したのは俺たちβテスターなんだぜ?」

 

 それは事実である。あの後クラインたちにβの情報を片っ端から紙アイテムに書いたものを渡し、はじまりの街のあらゆる掲示板に掲示してもらった。さらにクラインは始まりの街のプレイヤーを集め、情報を喉が裂けんばかりの声で伝え続けた……と聞いている。一部違うと思うんだよな。第一にこの世界ではどれだけ声を出しても喉は裂けないし。

 

「な…なんやって……?」

 

「さーらーにー。死んだプレイヤーのうち三百人がβテスター。お前らもひいきにしてる情報屋からの有力情報だ。それを確率にしてみろよ。新規プレイヤー死亡率約18% βテスター死亡率約40%だ。自分の間違いに気づいたかボケ」

 

 これだけのことを満面の笑みで言う俺って周りからどう見られてるんだろう。体は小学六年生だから無邪気に見えるのか。はたまた恐怖を感じるのか。

 

「う・・・嘘や! そんなん嘘や!」

 

「黙れ! 聞き苦しい」

 

 これもまだ満面の(ry

 そしてキバオウが数歩後退する。そこに追い打ちをかけるように――

 

「それじゃあ。俺も意見いいか」

 

 キター!この豊かなバリトンの利いた声! 巨漢の黒人系! その名は!

 

「俺の名前はエギルだ。キバオウさん。俺もこのジンという子に同意だ」

 

 そういってエギルは腰のポーチに手を突っ込み、分厚い本を取り出す。

 

「その子の言う通り、金や経験値はなくても情報はあったと思うぞ」

 

 そういってその本をキバオウに向けて突き出す。

 

「このガイドブック、あんただってもらっただろう。いろいろな道具屋で無料配布されているんだからな」

 

 そこからは完全に原作通り。エギルの気迫に押されたキバオウが大人しく帰っていった。

 

「サンキュー。エギル。だな」

 

「なんてこたぁねぇさ。お前もなかなか言うじゃねーか」

 

「そっちこそ」

 

 と言って互いに笑って席に着く。俺はユウキとシノン。ほむらのところへ。

 

「お疲れさま」

 

「いや。疲れてねぇし」

 

 ほむらに早々ねぎらいの言葉を言ってくる。しかしなんか的を外している。

 

「仁。変わらないね」

 

「それが俺だからな」

 

 ユウキはユウキで言ってくる。これもこれでなんかなぁ……。

 

「あなたはいつもそうなの?」

 

「ええ。仁はこういう奴よ」

 

 おい! なんかほむら最近冷たいじゃねーか!

 そんなことを言っている間にキリトに対してはだが。爆弾発言をディアベルの口から吐き出された。

 

「それじゃっ、早速だけど、これから実際の攻略会議を始めようと思う! 何はともあれ、レイドの形を作らないと役割分担もできないしね。みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティーを組んでみてくれ!」

 

 俺はキリトのほうに顔を向ける。明らかに なぬっ! という顔をして焦っている。さすがコミュ障。

 

「キリト。まずは俺たち四人と組もうぜ」

 

「あ、ああ」

 

 そういってキリトはパーティー申請を俺たち四人に飛ばしてくる。それを俺たちは全員承諾。そして細剣使いのほうに行く。

 

「お前も組もうぜ。どうせ遠慮して自分からあぶれたんだろ」

 

「……みんなお仲間みたいだったから」

 

「しってら。ほらさっさと申請承認してくれ」

 

 そういいながら途中から俺はパーティー申請を飛ばす。結果。承諾。俺の視界の左端に俺を含めた六つのHPバーと名前が映し出される。

 予想通りの『Asuna』アスナだ。次からは地の文も細剣使いからアスナに変えよう。

 

「よろしくな。アスナ」

 

「ッ!? ……私。あなたに名前教えたかしら」

 

 やっぱし? やっぱしそうなるのかい?

 

「視界の左端にHPバーがあるだろ。その下に他のも見えないか? あっと、目だけを動かしてな。顔ごと動かすとHPバーも動いちまう」

 

 そういうとアスナは視界だけをぎこちない動きで左に持っていく。

 

「じ…ん……ジンっていうのがあなたの名前?」

 

「おう。よろしくな」

 

「……宜しく」

 

 そっけない挨拶だが今はいい。今はまだそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

「君たちは、E隊のサポートで取り巻きの相手をしてもらえるかな?」

 

 まぁ翻訳するとダメージディーラーしかいないわけだからボスに近寄らせるわけにはいかないと。それとも。キリトや俺、ほむらはβのときに攻略の鬼と化していたがために、必然的にLAを大量にとっていた。その警戒か?

 

「了解。重要な役目だな。任せておいてくれ」

 

「ああ、頼んだよ」

 

 そういってディアベルは戻っていった。

 

「何が重要な役目よ。ボスに一回も触らずに終わっちゃうじゃない」

 

「そうだよ! ボクもボスと戦いたーい!」

 

 ユウキまで乗っかるか!?

 

「無茶言うなって! 俺たちダメージディーラーしかいないパーティーはボスの攻撃一発で下手すれば死ぬかもしれないんだぞ!」

 

「そこは大丈夫! 僕のレベルは14だよ!」

 

 ……え? いつの間に俺に迫ってきてるの?

 

「私は15よ」

 

 はぁ!?

 

「おれと同じじゃねえか! 俺も結構無茶してるんだけどな」

 

 どんだけだっての。無茶するなぁ。

 

「だから戦いたーい!」

 

「だから無茶言うな!」

 

 そうな感じで口論しているうちに普通に会議が終わり、飲み会のような感じになってしまった。この世界の酒では酔わないが、味が嫌いだ。だから俺は速攻で宿に戻って武器と防具の調整をした。

 

「……できる限り攻撃系に偏らせていくか。防御は考えていたら埒が明かない」

 

 そうブツブツとつぶやきながら俺は装備ウィンドウをいじる。基本的にSTR系に偏っているようにした。なぜなら防御の面は一発くらったところで、すぐにスイッチして引っこめばいい話だからだ。

 

「熱心ね。仁」

 

 横からいつもの利きなれた声が聞こえてくる。

 

「よぉ。ほむら。ほむらは調整すんだのか?」

 

「ええ。私は敏捷メインだからそんなに重いものも装備できないしね。前にドロップした装備でもつけてるわよ」

 

 そう、前にドロップした軽金属鎧。こいつがまた鎧のくせに敏捷を少しプラスするっていう序盤ではチートじみてる装備なんだよな。

 

「そうか。じゃあ俺は先に寝るぜ。明日頑張ろうな」

 

「ええ。仁もね」

 

 そう言って俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁってと。今日だな」

 

「ええ。ここで被害者が出るかどうかで変わってくるわ」

 

 そういいながら俺たちは迷宮区タワーを駆け上っている。途中で出てくる敵は前方のタンク隊が蹴散らしてくれるため楽だ。

 もうこの時点で現在迷宮区タワー17階。もうすぐでボス部屋というところだ。

 

 しかし。

 

「なっ! なんでこんな時に限ってこんなにモンスターがポップを! H隊! 系激だ!」

 

 ディアベルからこちらに指示が飛んでくる。なぜこちらかというと今一番消耗していないのがおれたちだからだ。

 

「了解! ディアベル! 先に行っててくれ! 俺たちもすぐ片づけていく!」

 

 そう俺は声を張り上げながらアニールブレードではなく予備のほうの剣を抜き放つ。

 

「行くぜ! キリト、ほむら、ユウキ、シノン、アスナ!」

 

「「「「「おう(ええ)(うん)!」」」」」

 

 俺たちは集まってきた《ルインコボルト・トルーパー》の殲滅に入る。敵一体一体は単純な攻撃だが多くなると話が違う。ソードスキルを使わずに確実に一体ずつ落としていく。

 

「ソードスキルは使うな! 硬直時間を狙われる!」

 

 俺は言うと同時に周りを見渡す。それぞれ約五体ずつ相手にしている。しかしシノンは短剣使いなためか少し押されている。

 俺は投擲スキルを発動し、シノンのほうの敵とあたりの敵を自分にタゲらせる。

 

「仁!」

 

「これくらいなら十分持つ! 各自自分の前の敵を倒してから加勢してくれ!」

 

 そう叫んでから俺は剣を横なぎに薙ぎ払い、コボルトをノックバックさせる。その間に《ホリゾンタル》を発動。全方位を薙ぎ払う。

 その攻撃で落とせたのは二匹程度。さらに数瞬ずつタイミングをずらして振り下ろされる斧をステップとパリィで凌ぐ。が、ステップの際にかすめた攻撃が少しずつ俺のHPを奪っていく。

 

「ちぃ!」

 

 俺は舌打ちをし、後ろに迫っている索敵の範囲に入っている敵に回し蹴りをする。体術スキルはないがノックバック程度ならさせることができる。

 

「ジン! 悪い。遅くなった」

 

 まずはキリトが来て後ろから《ホリゾンタル》で数匹を屠る

 

「ナイスキリト!」

 

 俺はさらにキリトにタゲが移った奴らに《ホリゾンタル》。それで敵はほぼ沈んだ。同時に俺を金色の光が包み込み、ファンファーレを鳴らす。

 

「レベルアップ。おめでとう」

 

「サンキュー」

 

 どうやら全員自分の敵を終わらせたようだ。回復してからおれたちは走った。

 

 

 

 

 

 

「ディアベル! 悪い遅れた!」

 

「まだ大丈夫さ!」

 

 ディアベルに叫び、俺たちは狩りのこし取り巻きを切りつける。

 

 

 すでにボスのHPは3段目。そんなに時間かかったか。

 

「キリトスイッチ!」

 

「おう!」

 

 《スラント》で斧をはじき、スイッチを繰り返す。一回出てきたコボルトはほとんどが消え去った。そしてボスのHPが4段目に入った。

 

 そしてボスは斧とバックラーを投げ捨てる。原作通りならここで野太刀が出てくる。

 

「みんな下がれ! 俺が出る!」

 

 そういってディアベルが飛び出したとほぼ同時だった。ボスが野太刀を抜いて、旋車のモーションに入ってしまった。

 

「刀だ! ディアベル!」

 

 ディアベルは俺の言葉に返事をすることも間に合わず範囲攻撃に巻き込まれ吹き飛ばされる。皿にボスはディアベルをタゲっている。

 ボスの刀が下から垂直切り上げのモーションに入る。刀スキル基本技《浮舟》――。

 

 その攻撃はディアベルを直撃――する前に旋車の時に走り出していた俺が受け止める。

 

「ぐぅぅ! 重いな……おい」

 

 俺は少しずつ押される。当然だ。相手はスキルを使っていてこっちは使っていない。その結果は――

 

「ぐぁ!」

 

 俺の武器は跳ね上げられ、俺自身も吹っ飛んだ。

 

「仁!」

 

 ほむらがこっちに走ってくる。

 

「…っ! やべぇ! ほむらくるなぁ!」

 

 ほむらの真上に《幻月》が振り下ろされる。あれが頭を切り裂いたら即死――!!

 俺は体を無理やりおこし、《レイジスパイク》を発動。しかし間に合わない。一瞬奴のほうが早い。

 

「くそぉぉぉ! ほむらぁぁぁあ!」

 

 ほむらを奴の刀が襲う。ほむらは曲刀を構えるが間に合わない。そしてほむらに刀がふりおろ――

 

「ぬ…おおおおッ!」

 

 ――されなかった。この声を俺は知っている。

 

「あんたらが回復するまで俺らが支える。ぶちかましてやんな!」

 

「サンキュー! エギル!」

 

 俺はレイジスパイクの勢いのままほむら手を持ち走った。

 

「……無茶しないでよ」

 

「お前が言うかお前が」

 

 そういうとほむらは顔を赤らめて下を向く。俺はポーションを飲み、のんびりな回復を待つ。

 その間、キリトとユウキとシノンとアスナがエギルと一緒に戦っている。何とも歯がゆい状況だ。

 そしてキリトが吹き飛ばされる。みんなの中で唯一刀スキルを知っているキリトが吹き飛ばされるとエギルたちがきつくなる。俺は回復を待たずに飛び出した。

 

「エギル! スイッチ行くぜ!」

 

「大丈夫なのか!?」

 

「まってられっか!」

 

「……わかった。スイッチ!」

 

 エギルが刀をはじいたのと同時に俺とほむらが入る。

 

「後ろまで囲むな! 囲んだら範囲攻撃が来るぞ!」

 

 そう叫んでから俺は刀をはじく。

 

「ユウキ、ほむら、シノン! いけ!」

 

 三人が同時に突撃する。

 ほむらが《リーバー》 ユウキが《バーチカル》 シノンが《クロス・エッジ》 さらに後ろから入ってきたキリトが《スラント》。

 

 それらのソードスキルをまとめて食らったボスが少し下がる。さらに追撃を入れようとしたどこかの隊のプレイヤーが躓いてしまう。そしてそこは運悪くボスの真後ろ。

 

「チィ! 動け! 早く!」

 

 しかし間に合わない。ボスは旋車のモーションに入る。

 

「させるかぁぁ! やぁぁ!」

 

 飛び上がったボスに向かってユウキが《ソニックリーブ》で突っ込む。

 

「届けええええ!」

 

 そのユウキの願いがシステムにすら干渉したかのようにユウキの剣の切っ先がボスの腹をとらえ打ちおとす。

 

「ナイスだユウキ! みんなやれ! 囲んでいいぞ!」

 

 俺たちはエギルたちとともにボスを囲み、ソードスキルを乱射した。




うん、中途半端。

仁「だな」

だって手が限界なんだもん! ユウキ活躍したね。話は変わるけど。

仁「そーだなー。けど俺のHPもポーション使ってる途中で駆け出したんだよな」

うん。今約半分くらいしかないね。

仁「まずくね!?」

だからこそユウキががんばったんじゃないか。ツムジグルマは一発でいHP半分くらい持ってくんだから。

仁「助かったぜ」

さぁしめようか。

感想、指摘、☆評価よろしくお願いします!

仁「次もよろしく!」

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