【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO   作:MYON妖夢

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ついに彼女たちが出てきます! お楽しみに!


第五話 神秘的な出会い

俺たちはキリトに腕を引っ張られて、場所の近くの見えずらい位置に入ってキリトが話し始めた。

 

「……ジン、ほむら、クライン」

 

 キリトは声を最大限まで低くし、真剣な雰囲気を醸し出しながら話した。

 

「いいか、よく聞け。俺はすぐにこの街を出て、次の村に向かう。一緒に来てくれ」

 

 明らかに驚くクラインと動じない俺たち。冷静な時のキリトが見たら明らかにおかしいと思われるだろう。

 

「あいつの話が全部本当なら、これからこの世界で生き残っていくためには、ひたすら自分を強化しないといけない。三人も重々承知だろうけど、MMORPGってのはプレイヤー間のリソースの奪い合いなんだ。システムが配給する限られた金とアイテムと経験値を、より多く獲得した奴だけが強くなれる。……この《始まりの街》周辺のフィールドは、同じことを考える連中に狩りつくされて、すぐにっ枯渇するだろう。モンスターのリポップをひたすら探し回るはめになる。今のうちに次の村を拠点にしたほうがいい。俺は、道も危険なポイントも全部知ってるから、レベル1の今でも安全にたどり着ける」

 

 ずいぶん長ったらしいセリフだな。って言ってもほぼ聞き流してたけどな。

 

「でも……でもよ。前に言ったろ。おりゃ、他のゲームでダチだった奴らと一緒に徹夜で並んでソフト買ったんだ。そいつらももうログインして、さっきの広場にいるはずだ。おいていけねえ」

 

 やっぱりこいつは優しいな。クラインは全ての友達を連れて、この世界で生き残ろうとしている。その思いを踏みにじるわけにはいかない。

 キリトの頭の中では生き残る確率を算出しまくっているのだろう。しかしどれだけ考えても首を縦に振らない。それはキリト一人だけでクラインたち全員を守り抜ける自信がないから……いや、自分も死ぬ可能性が高いからだ。

 

「いや……、おめぇにこれ以上世話んなるわけにゃいかねぇよな。俺だって、前のゲームじゃギルドの頭張ってたんだしよ。大丈夫だ。今まで教わったテクで何とかしてみせら。だからおめぇはきにしないで、次の村に行ってくれ」

 

 やっぱり優しすぎるんだよ。お前は。自分の命も危ないってのにキリトの命を優先できるなんてさ。

 

「あのさぁ。キリトにクライン。俺たちもβ経験者だっての忘れてんだろ。それに俺たちはキリトにテクを教えたんだぜ? 戦闘能力だけならキリトよりは上だ。クライン、連れてこいよ。お前の友達をさ。お前の命の重さも友達の重さもキリトの命の重さも俺が背負ってやる。せめて次の村までは一緒に行こうぜ?」

 

「そうよ。私と仁をなめないでほしいわね」

 

 俺は思っていることをとにかく口に出す。クラインの人情を踏みにじるわけにはいかない。原作のままだったらクラインは死なないが俺というイレギュラーが介入している。だったら原作がぶち壊れてもおかしくない。

 

「そうか……。ジン。ありがとう。ほむら、ありがとう。……クライン、連れてこい。一緒に行こうぜ」

 

「ァ……ああ! サンキュ! ちょっと待っててくれや!」

 

 そういってクラインは広場のほうに駆け出した。そして俺たちはその場に残る。

 

「……すまない。ジン、ほむら」

 

「なんてこたぁねぇ。少しでも生き残りは増やしたいしな。お前ひとりでだめでも三人ならやれるさ」

 

「ええ。こんな平和な世界を壊させなんかしないわ」

 

 ほむらはまどか☆マギカの世界とこちらの世界を比較している。こちらの世界に魔女などどというものはいない。だからこそこのまま平和で行けたらよかったと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ~い! ジン! キリト! ほむら!」

 

 こうしてクラインの仲間たちとフレ登録をしてから俺たちは走り出した。次の村《ホルンカ》に向かって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このゲームが始まって一か月ほどが過ぎた。あの後クラインとはホルンカでレベル上げをして、アニールブレードのクエストを協力してやった後に分かれた。そして俺とほむらとキリトで迷宮区に上っている。俺のレベルは15。ほむらのレベルも14だ。そしてこの時期、この場所であのキリトの運命を変える細剣使いが出てくるはずだ。そして――

 

「……流れ星? けど今いるのは迷宮区……見えるわけ……」

 

 現れたみたいだ。いち早く気付いたのはキリト以上に索敵を鍛えているほむらのようだ。

 

「細剣の《リニアー》だな。あっちか」

 

 そういって俺たちは光のもとに歩いていく。そして。

 

「……さっきのは、オーバーキルすぎるよ」

 

 キリトが口を開く。そして細剣使いはかすかに首をかしげる。MMO初心者なためネット用語を知らないようだ。

 

「オーバーキルっていうのは……モンスターの残りHP量に対して、与えるダメージが過剰だって意味だ。さっきのコボルトは二発目の《リニアー》でもうほとんどニアデス……じゃない、瀕死だった。HPもあと数ドットだったよ。とどめは通常攻撃で十分だったはずだ」

 

「……過剰で、何か問題があるの?」

 

 そしてキリトの長い長い会話が始まった。原作にはなかったが当然周りにも敵はリポップするため、二人に近づかないように片っ端からおれとほむらで倒していた。

 そしてトサッという軽い音とともに細剣使いが崩れ落ちた。

 

「あーらら。キリトに運ぶのは任せるとして俺たちは道の掃除でもしますか」

 

「えっ! ちょっまて! なんで俺が! 相手は女性プレイヤーなんだけど!」

 

 知ったこっちゃないといった様子で俺とほむらは道の掃除を始めた。後ろから深い、とても深いため息が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ――トールバーナ――

 

 あの後細剣使いと別れてから数時間。俺たちは鼠のアルゴと交渉をしていた。

 

「二万九千八百コルまで引き上げるみたいそーダ」

 

「ニーキュッパねぇ。まぁほむらが決めることだけど」

 

 ほむらが曲刀に変えたため使わなくなったほむらの《アニールブレード+6》をキリトにわたし、キリトの《アニールブレード+6》を交渉で売るというものだ。

 

「私はいいわよ。最後の決断はキリトがするものでしょう?」

 

「ああ。俺もそれでいい。コルは三人で山分けだな」

 

 という感じで原作では成立しなかった交渉が成立してしまったわけだ。もっと待てばサンキュッパになるのは知っているがあえて先に売った。なぜか。ほむらのストレージが圧迫されるからだ。ほむらは敏捷に7~8割くらい振っているからストレージがそんなに大きくない。

 

「解っタ。それじゃア交渉人に伝えとくヨ。それじゃあナ、キー坊。ジン坊。ほむほむ」

 

 そういってアルゴはキリトの《アニールブレード+6》を持って交渉人のほうに走っていった。俺たちはいずれ来るアルゴからのフレンドメールと一緒にくるだろう二万九千八百コルを待つことにした。っていうかほむらのあだ名がほむほむってなんだよ。笑いが出てくるからやめてほしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会議の少し前。細剣使いの座っているベンチにて。

 

「隣、座ってもいいか」

 

 そして細剣使いは反応しないの肯定ととった俺たちはベンチに座り、黒パンをだす。――実はすでに俺とほむらは結婚していることになっているので黒パンの在庫がストレージに結構ある――そしてかじりつく。うん。不味い。っていうかすげぇ固い。ふざけてるよ

 

「結構美味いよな、それ。この町に来てから一日一回は食ってるよ」

 

「キリト。正直に言おう。工夫しないと悲しいくらいにまずいんだが」

 

「まぁ、否定はしないけどな」

 

 そうすると細剣使いがこちらに聞いてくる。

 

「工夫?」

 

 俺はストレージから坪型のアイテムをだしほむらに使わせてから俺も使い、細剣使いに差し出す。

 

「使ってみなよ。結構うまくなるぜ?」

 

 恐る恐るという感じで細剣使いがパンにそれを使用する。するとクリームのようなものがパンの上にどっちゃりと塗られる――ほむら曰く。リアルだったらカロリー的に絶対食べたくない。だそうだ――。

 

「クリーム? こんなもの、どこで……」

 

「一個前の村で受けられる。『逆襲の雌牛』というクエストの報酬よ。クリアに時間かかるからやる人はあまりいないけれど」

 

 ほむらは普段フードを使っていない。なぜか? 俺という男が常に近くにいるからだ。ほむらはリアルで相当美人の分類に入る――ちなみにほむらはこっちの世界では戦いの邪魔だからと言ってダンジョンに出るときはポニーテールにしている――。だから声をかけてくる身の程知らずはありえないほどにいる。――まぁ俺が一睨みしてからデュエルでグシャグシャにすると泣いて帰っていくけど――だから女同士でほむらと細剣使いで友好関係を築いてほしいもんだ。

 

「あなたも女性プレイヤー? フードは?」

 

「いらないわ。そんなもの」

 

 そういって決めポーズである長い髪を払う動作。ファサッといういい音とともに髪が風に舞う。

 

「え……?」

 

「私には仁がいるもの」

 

 おぉぉい! 俺たち一応こっちの世界軸では小学六年生だぞ! 考えてみれば小学六年生だぞ!

 

 そして俺はそのあとの女二人の女性会話を耳から遮断してキリトとのんびりアルゴからの金の使い道を話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ――――ボス会議直前――――

 

 

 

 

 

 

 四十八人。それが今回のボス攻略会議に集まった人数だ。って…あれ? 四十八……? 原作では四十四で俺たちが加わったから四十六が正しいはずなのになぁ。数え間違えか? 1…2………間違いない。四十八人だ。俺というイレギュラーがいるせいでこの世界にも早くも間違いが発生してるのか。

 

「へぇ。1レイド分か。もう1レイドほしいところだな」

 

「……レイド?」

 

 そのことをキリトが話している間に俺は集まっている人数をもう一度見まわす。んー。なんかあそこにいる二人、見覚えがあるんだよなぁ。真っ黒で長くてつやのある髪の毛の女の子と、茶色っぽくて肩くらいまでのショートの女の子……。うーん。知ってるんだろうけど俺自身が拒んでるのか?

ここにいてほしくない人物ってことなのか?

 

「ねぇ……仁。あそこにいる二人って……」

 

「あぁ……ほむらも気になるか?」

 

「え!? 覚えてない?」

 

 ほむらはすでに誰かを特定したらしい。

 

「うーん。俺自身が思い出すのを拒んでるっていうか。ここにいてほしくない人物ってことだけは確かなんだが……」

 

 そしてほむらが爆弾を落とす。

 

「何言ってるの? ユウキと朝田さんじゃない」

 

「あ!」

 

 俺の頭の中の絡まっていたピースが一つ一つはまっていく。

 

「ああ! マジかよ……なんで来ちまったんだよ。来てほしくないから一切話してなかったのによ……」

 

「無駄みたいね。あの二人は勘は強いから」

 

「はぁ……。おーい!」

 

 俺はもうあきらめて声を張り上げて二人を呼ぶ。

 

「あ! 仁! ほむら!」

 

「久しぶりね」

 

 のんきな……

 

「よく……生きてたな」

 

「うん! すぐにシノンと合流して一緒に戦えたから!」

 

「そうね。ユウキと一緒だったから安心してこれたのかも」

 

 俺は心底安心する。

 

「よかった……生きてて」

 

「ええ。本当によかったわ」

 

 ほむらもいつも表情を崩さないが今回ばかりは顔の筋肉を緩めている。

 

「とりあえずフレ登録しとこうぜ」

 

 そういって俺は二人にフレンド申請のメッセージを送った。それは両方承認された。

 その頃だった。

 

 

「はーい! それじゃ、少し遅れたけどはじめさせてもらいます! みんな、もうちょっと前に来てくれ!」

 

 始まった。第一層ボス攻略会議が。

 

「今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう! 知ってる人もいると思うけど改めて自己紹介しておくな! 俺はディアベル! 職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

 ナイト、ねぇ。ディアベルは生き残ればいいギルドのリーダーになれる。だからここで死なせるわけにはいかない。絶対に…生き残らせてみせる!




 またもや中途半端wwまぁ勘弁してください。宿題が迫ってるんです。

仁「ざまぁみろwww」

うぜぇ! こいつうぜえぇよ!

仁「んだと? 散るか? ここで人生終わりにするか?」

ごめんなさい。もう言いませんホントすんません。とりあえずしめましょう

それでは!感想、指摘、☆評価よろしくお願いします!

仁「次もよろしく!」

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