【完】転生者と時間遡行者~Everlasting Bonds~IN SAO 作:MYON妖夢
今現在俺たちは、さやか暴走の相手になったかわいそうに切り刻まれ、死んでも切り続けられた影の魔女結界の前にいる。なぜこうなったかの経緯を説明しよう。
数時間前
「次の魔女はこのあたりに出るわ」
ほむらが統計による結果をみんなに伝える
「そこかー、順番的にいうと影の魔女ってとこか」
「そうよ。各ループ世界で美樹さやかが無残に突きさしまくって殺した相手ね」
そして残酷な話に入る。
「あー、あれはもはや魔女ながらも可哀そうになったなぁ。さやかがソウルジェムが魂だと知って『その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁ』みたいなこと言いだして、痛みを消して無双した相手だよなぁ」
これは事実である。そしてこの時のさやかは通称『安定のさやか』と言われ、いろいろと面白いことになっている。魔女化した後の葬式のシーンもなんか笑えたし。
「ちょっ!?ええ!あたしそんなことしたの!?」
「美樹さん……そんな戦闘マニアのグロイ物好きだったの?」
マミが話を大きく、そしてめんどい方向に持っていく。
「え!?マミさんまで!あたしそんなキャラじゃないですよ!?まどかぁ!」
まどかに助けを求めるさやか。だが
「さやかちゃん……」
まどかにまで拒絶じみたことを言われてしまう哀れなさやか。
「まどかまでかよぉ……」
そしてなんか部屋の端っこに行って縮こまり、指で“の”を地面に書き始める。そんなさやかはほっといて話の続きに行く。
「と、言うわけで今回の獲物は影の魔女だ。グリーフシードを使わせてもらおうぜ。ワルプルギスの夜に備えて」
「「「「おー!」」」」
「……おー」
さやかだけ若干元気がない。元気だけが取り柄のやつなんだがな。
現在
と、いってもさやかとまどかには帰ってもらうんだけどな。危ないし。
杏子とは現地集合で合流した。
「ここだなー」
「そうね、あまり魔力は使わないようにして、仁に基本任せましょう」
「ちょっ、ほむら!なんだよそれは!俺にだって限界はあるぞ!」
「誰よりもソウルジェムの魔力の容量が多いんだから一人でも浄化なしでできるんじゃないの?」
「できねえよ!」
無駄に等しい突っ込みあいを続ける俺たち。その間にマミは結界を開き、まどかとさやかを連れて入っていこうとしている。
「待てって!」
「遅いわよー」
「遅いぞ仁」
「おれだけかよ!ほむらは!?」
「「いっても無駄そうだから言わない」」
「……はぁ」
結界内部
「……無駄に使い魔多くねえか」
「多いわね。この時間軸には召喚に適した魔女が多いのかしらね」
どこまでも冷静に言い放つほむら。けどあった当時とは違うな、あの時は{冷たく}というのが入ってくるし。
「どう考えてもおかしいだろ!この量は!」
今視界に入ってるだけでもざっと50はいる。
「魔力の無駄な気がしてきたよ。あたしは」
杏子らしい発言が飛んでくる。まったく同感なんだが。
「同感。無視して魔女倒してからこいつら逃げる前に倒さねえ?」
「うーん、それだと必ず狩りのこしが出るのよねぇ」
マミもマミでマミらしい意見。
「んじゃもうあれだ!一気にかたずけて駆け抜けよう。《エンドリパルサー》!」
エンドリパルサー 二刀流範囲攻撃 こいつを使って一気にかたずける。
「よっしゃいくぞ!」
俺たちは力の限りダッシュ!新しいのが湧く前に行かないとめんどくさすぎる。
結界深部
「やっとついたー」
「あれね」
「さぁ、ヘルタイムのスタートだ!」
影の魔女ことエルザマリアが一番奥で祈りをささげるポーズでこちらに背を向けている。
「あれだな。攻撃はやいし、範囲も広いから気をつけろよ!っと!《レイジスパイク》!」
俺はいつも通りの突進系スキルで一気に行く。途中で使い魔が召喚されるが、瞬時にマミが撃ち落としていく。俺の前に出てくる使い魔は突進技の勢いでそのまま切り裂いていく。
「もうちょい……」
あと数メートルで着くというところで魔女が攻撃のモーションに入った。
「ちぃ!」
俺は進路を変えて横に飛ぶ。
「来るぞ!」
後ろのほうで声は聞こえなかったが、視界の端に横っ飛びする三つの影が見えた。そして全員が飛んだ直後にとげのように突き出しながらすごいスピードで飛んでいく影が俺のすぐ横を通り抜けた。
「あっぶな!」
俺が叫ぶと同時にほむらが突進技で前に出てきて、杏子はダッシュで追いついてきた。
「厄介だなぁ。この魔女はさ!」
「やっぱりめんどくせぇ」
「けど倒さないと」
「わーってら!いくぞ!」
後ろからマミの弾丸が飛んできて使い魔と魔女を打ち抜く。そして俺たちは一気に踏み込み魔女の懐にはい――ったつもりだったが。
その瞬間魔女が髪と思われる部分を伸ばし、枝のように広げ、突きさし攻撃を出してきた。二人はぎりぎりよけたようだが俺はよけきれずに両手の剣をクロスしてガードする。
「ぐっ!おも……」
硬い上に重い一撃だ。そして俺が硬直しているところを魔女が見逃すわけもなく、他の枝を伸ばし、俺に向かって突き出してきた。
「まっず!」
俺にはすでに躱すすべがない。時間停止でも俺がふれているから駄目だし。
と――俺が刺されるのを覚悟で痛覚を遮断したときにほむらと杏子が枝を切り裂いて俺のところにくる。
「まったく。無茶する師匠だ」
「無茶しすぎよ。私たちもいる」
まったく。いい仲間を持ったと改めて実感するよ。
「サンキューな。反撃開始と行こうか!」
「ええ!」 「ああ!」
俺は左の剣を本体に向けて投擲。同時に左手に光のやりを生み出し近づいていた太い枝に投げつけ止める。さらにもう一度左手に光のやりをだし近づいている使い魔を薙ぎ払う。
「数が多いな!枝だけじゃなく使い魔も!」
ほむらと杏子の進行方向にいる使い魔たちに薙ぎ払った勢いのまま槍を投げつけ、一気に消滅させる。道が開けたことによってほむらと杏子が魔女に突っ込む。
当然魔女がそれを黙って見過ごすわけもない。周りの枝を二人に向けて突き出す。しかしその枝はマミの射撃によって撃ち抜かれ。その場に力なく落ちる。
「ナイスマミ!」
叫んだあとおれも魔女のほうに走り出す。
「奪命撃!」
左手の指を五本そろえて肩越しに構える。そして前に突き出し使いまごと魔女に攻撃する。
しかし魔女にはギリギリのところで届かない。そして左手の紫っぽい光の剣は消え、消滅する。当然俺もそこであきらめるわけもなく左手に新しい実態を持った剣をだし攻撃を開始する。
「《シャインサーキュラー》!」
シャインサーキュラー 二刀流15連撃。ながれるように切り裂き。最後に両の剣を腰だめに構え同時に突き出す。
少しは聞いたようで魔女が体勢を崩す。そこにほむらと杏子が追撃を加える。すると魔女の枝の速度が落ち、弱ってきたことがわかった。勝負のつけどころはここだ!
「「《スターバースト・ストリーム》!」」
ほむらもここで決めようと考えたのか、二人同時に技名を叫びスキルを開始する。
一方杏子は巨大な槍をだし魔女に肉迫している。
俺とほむらの連撃が終わると同時に杏子がやりを持って魔女に突きさす。すると魔女の枝がすべて力が抜け、枯れたように地面にたれる。そしてその先のほうから消滅していく。
「よし!」
杏子が勝ちを祝うように叫ぶ。同時にマミが近づいてくる。
「やったわね!」
しかしほむらだけは何か納得のいかない顔をしている。まるでこんなものではないというような――
「ッ!気を抜くな!まだ消滅してない!」
魔女の枝に再び力が入る。そして巨大な杭とかし、俺を除く三人へ恐ろしいほどのスピードでのびていく。
俺は転生する前の死ぬ直前のように体が半ば勝手に動く、そして俺は三人の前に立ちはだかる。
「グァゥ!グゥゥウウ……」
俺の腹にその魔女の太い杭がめり込み、貫通する。俺はせめて三人には届かせないように杭をつかみ、勢いを殺し止める。痛覚遮断が間に合わなく、激痛が俺を襲う。今からでもしようと思ったが痛みで魔力コントロールがうまくいかない。
「う…グゥ・・・ゥ…ア」
「「「仁(君)!」」」
「グぅ……ヘッ!大丈夫だよ……カフッ!」
「全然大丈夫じゃないじゃない!巴マミ!早く治療を!」
「え…ええ!」
「おらぁ!」
杏子が杭を切り裂きほむらがおれの体を抜く。そして俺を寝かせマミが治療を始める。
「よくも……ハアッァアアアアアアァァァア!」
ほむらがぶっち切れている。気のせいかほむらの周りに赤いオーラが見える気がする。っていうかおれなんで意識たもってるんだ?意識があるせいで痛みが明確にきていてぇんだけど。
「おい!ほむら!一人でなんて危険だぞ!」
「ハァァァァァァァァアアアアア!!」
もはや杏子の声すらも耳に入ってない。一体どういう……。
「ほ……むら……」
「しゃべっちゃだめよ!」
「はっはは……だいジョーぶだいじょーぶ。これくらい自分で……ぐっ」
「だめじゃない!」
「へへ…違いねぇ……すまね、頼んだわ」
俺の視界の先ではほむらがアニメのさやかのごとく――影の魔女の攻撃を最低限の動きでかわしているところは違うが――無双している。俺の傷ももうちょいでふさがる。
「マミ……俺の傷はふさぐだけでいい。完全に治してると魔力がやばいだろ……。後は俺がやる」
「……ええ」
俺の傷が見た目上はふさがる。そして俺はほむらを止めに行く。あんな戦い方じゃソウルジェムが持たない。
「……ほむらぁ!」
「仁……」
「下がれぇ!俺が……殺る!」
俺は今までにない殺気をだし、無理やりほむらを下げる。これでいい。
そして俺は体のリミットを外していく。今のところは200%の力までなら出せる。
100%!
「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
俺は全力で踏込、固めたこぶしを遠心力を利用して魔女に叩き込む。そして殴られた方向に魔女は吹っ飛ぶ。あの場所からも動くんだな。
このリミット解除。普段は危険すぎて使わないが。今回は特別だ。今回ばかりは俺がやるしかない。
150%!
「でぇぇぇえやああああああああああああああ!」
さらにおれは両手に魔力で形成されたオーラをまとわせ、全力で突き出す。
そして俺は賭けに出る。
200%!
「ガァァァァァアアアアアアア!」
200%を解除したことによって俺の体中は悲鳴を上げ始める。もしこれで仕留めきれなかったら俺の体の動きは数分間止まり、嬲り殺されるであろう。
オーラをさらにでかくし、連続でたたきこむ。200%は今は続いて30秒。仕留めきれるか――
そして30秒が過ぎた。そこに魔女は――まだ残っていた。その体の形を大幅に変化させ、全身がベコベコになっているがたっている。そして枝状の髪を俺に向かって何本も伸ばす。
狙いが定まらないのか俺の体のいたるところを切り裂くが、致命傷には至らない。後ろでは俺の名前を叫ぶ声がかすかに聞こえる。
そしてその枝はついに俺の体を完全にとらえる。俺の心臓があるであろう位置を貫く。後ろではマミのものと思われる叫び声が俺の耳にわずかに届いた。
そして魔女の攻撃は俺をだんだんととらえる割合が増えている。腕を貫かれ、足を貫かれ。腹を貫かれる。俺の体はあと数分は動かない。
ああ……ここまでなのかぁ。
俺の頭は完全にあきらめを考えていた。次のほむらのループで記憶が受けづがれるといっても、この世界のおれはここで終わりだ。二度目の死に向かって身をゆだめ――ようとした瞬間。
俺の隣の辺りを黒い一陣の風が駆け抜けた。
それをすごいスピードで魔女に突っ込んでいくほむらだと認識できたのは数瞬後だった。
すでに俺の攻撃で満身創痍の状態にあった魔女はほむらの連撃で身を消した。
俺たちがいた場所は結界がとかれ、元の景色が戻っている。
それを認識した少し後に俺の体にぶつかる、柔らかいふわりとしたものがあった。
それは――
俺に抱き着いているほむらだった。
「……バカ……」
はい?なぜにメガネの時のこえですか?すごい不意突かれて硬直が解けたあとなのに体が全く動かないんですけど。
「心配したのよ……あなたが死んだらどうしようかと……」
「……死んでも次のループで記憶を持って復活するだろ」
「それじゃだめなの……私はあなたのことが―――」
好きだった
終わりました。考えは浮かんでたんですけどねぇ。いざ文章にすると。とんだ駄文ですね。
仁「まったくだ。最後とかなんだよ!」
いいじゃん。うれしいでしょ?好きだったほむらに告白されて。
仁「///言うな!」
というわけで次はほむらと陣が強く関係してくる――と思う!
仁「しっかりいえ」
だが断る!
仁「……」シュリーン
えっちょっ。また?
キュイーン。ドッ!
ぎぃやあああああああああああああああああああああああああああああ。
仁「……次もよろしく。感想、指摘、☆評価頼むぜ」