あっ、そのせいか文章がおかしいところがあるかも知らないので言ってくださいな。修正いたしますので。
あと、今日は俺の誕生日です。17歳です。なんだかこの年になると、誕生日ってあんまり嬉しくないんですね。... はぁ。
衝撃の事実、ポーションが無いことがわかってから一時間。俺は漸く放心状態から解除され、しかしまだ呆けている顔でいた。
「だ、大丈夫かい?」
「うん」
そんな俺に心配したのかマダムが声をかけてくれるが、今の俺に話しかけても意味ない、返事などうんかいいえかしか言えない状態だ。
しかしそんな俺に尚も声をかけてくれるのがマダムで、優しく落ち着いた声で話しかけてくれた。
そこで漸く俺はもとに戻ることが出来た。
「ごめん...ちょっと落ち込んでた」
俺はマダムに事情を説明し、俺がポーションを作ることが出来るということを理解してもらう。
これから共に過ごす家族だ。能力を知っていてもらわないと困るというもの。
しかし以前にも俺の能力のことを言った気がするけど、確か信じてもらえなかったような、寧ろなんだか痛い子を見る目だったような気がするんですがそれは。
まぁ、そんなことは無視して、どうやら今回は信じてくれたようだ。
「はぁ...」
俺は深い溜め息を吐く。
この世界での俺の立ち位置は、マダムの家族というものだけで、ポーションを売って稼ぐにはそれ相応の努力をする必要があるようだ。
しかしその努力がどのくらいなのかわからない。お店なんて開いたこともないからだ。
幸い、ここにはマダムのお店がある。置かしてもらうだけは出来るだろう。まぁ、買ってくれないと思うが...。
と、取り敢えずお願いしてみると、快くオーケーを貰った。
「でも作るって言っても材料とかあるのかい?」
「あ...」
すっかり忘れてた...という顔をしているであろう俺。やっぱり何処か抜けている俺は材料など眼中に無かったようで、マダムに言われて初めて気づいた。
ああ、材料、材料ね...ハハッ!どうしたらいいの?教えて!神様!!
仕方がない、神に頼んで教えてもらうとするかと、俺は神頼みをする。いつも神に頼るのは如何なものかと思われるが、人間、一度甘えたら一生甘え続けるものだ。
「...なんでだよ!?」
しかし答えは沈黙、俺はあまりにもの混乱に、思わず声に出して叫んでしまっていた。
肝心なときに出てこないのが神である。
しかし材料をどうすればいいのか、そもそも何を作るか決めないと何がいるのかわからないし、例えわかったとしてどのモンスターや植物の素材なのかわからないし、それがわかったとしてどのくらい強いのか、どこに居るのかわからない。そして極め付きにはギルドがない。
ギルドなんて必要?なんて思ったらいけない。あそこはお金の採掘場みたいなもんで、作るのに必要な道具を揃えるためには必須だ。まぁ、俺にモンスターを狩れるかは別としてだが。
やっぱり先にどんなポーションがいいか決めるべきか?うーん、ここは序盤だし元気が出るポーションとか?やる気が出るポーション?あっ、力のポーションⅠとか?
やっぱり力仕事には欠かせないよね!ということで思い浮かべてみる。
ぅお?なんだこれ、超簡単じゃん。
思い浮かぶは動物の肉一切れと、何処かの薬草一つ。なんだ、これなら量産は出来るだろう。しかしやはり材料をどこから仕入れてくるか問題だな。
別にマダムに頼んで買ってもらっても良いかもしれないが、そんなに迷惑を掛けたくないというのが俺の内心、やはりマダムの仕事を手伝ってお小遣いを貰うべきかな?
「ねぇ、お母さんの仕事手伝ったらお小遣いとかくれる?」
おお、我ながらなんと言いにくいお願いか。まだ会って二日目、家族になって二日目の相手にいきなり小遣いを貰いたいとは、もはや金目当てだと思われても仕方がないくらいだ。
しかしここで引くわけにはいかない。俺は必殺技を使うことにした。
その名も...上目遣い!!ははっ、どうだろうか俺のパーフェクトな可愛さを意識した世界で一番可愛いポーズは!!?誰もが俺のお願いを聞き、誰もが甘えさせてくれるこのポーズは、恐らく世界最強だろう!
...しかしこの技、致命的な部分がひとつある。それは外面的な問題ではなく内面的な問題。そう、男のプライドだーッ!!!
「あー、うん。いいよ?」
マダムは別にいいよと優しく俺に言う。だが、その優しさは俺の上目遣いなど関係ないと言わんばかりの、暖かい優しさだった。
あぁ、本当にこの世界は俺に優しくないらしいな。...なんであんなことしたんだろ俺。
今日も今日とて異世界は平和なのである。まだ二日目なのだが。
この先、ポーションというアイデンティティーを発揮できない主人公、夢美はどうやってこの世界を生きていくのだろうか。世界は決して優しくない。夢美への、災厄はまだまだ続くのだろう。
誤字、脱字等があればよろしくお願いします。