異世界でポーション屋を開こう!   作:緒兎

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 昨日投稿しようかと思ってたけど、ゲームしてたら忘れてしまっていた... なんて死んでも言えない。

 え... 声に... 出てた?マジ?やっべ、このままじゃ誰も読んでくれなくなる!?いや、あれだよ!そう!皆だってあるだろう?ゲームをしてたら何をするかとか忘れることくらい!?


嘘か真か

 「お母さん... ?」

 

 俺の発した言葉に怪訝な表情を浮かべるマダム。それもそうだろう、今日初めてあってそこまで親しくもないやつにいきなりお母さんと呼ばれれば誰だってそうなる。

 それにマダムは俺の事をなんにも知らない。ただ、泣き付かれただけの関係。それだけの関係なのに、そこまで関わりたいとも思えないと思う。

 

 「なんであたしがお母さんなんだい?」

 

 やはり気になるらしい。子供をあやすような優しい口調、表情で問いかけてくる。もうマダムはお母さんの立場で定着しそうだ。

 それにしても、理由... か。

 

 「俺... お母さん居ないんです」

 

 「え?」

 

 「居ない... といっても亡くなった方ですけど」

 

 かつて優しかったお母さんを思い出すようにしみじみと語る。マダムは一瞬理解できなかった見たいだけども、流石はマダム、瞬時に理解して辛かったねと今にも言い出しそうな目で俺を見た。

 

 まぁ、随分昔のことだからお母さんの顔なんてうっすらとしか覚えていないんだけどね... 。... こんな息子でごめんなさい。

 しかし我ながら俺のお母さんは最高のお母さんだったと思う。だって綺麗だし頭がいいしそして何よりも優しいし。才色兼備を備えた最強の母親だったと思う。怒ると恐かったが... 。

 

 でもやっぱり母親が恋しい。

 

 「だから、マダム・ウーマン。俺のお母さんになってください!」

 

 俺は頭を下げて頼み込む。この世界に来てから何もいいことがなかったのだ。これくらいは許してほしい。

 

 「いいよ」

 

 「え?」

 

 「だからいいよっ「ほんと!?やったーっ!」... て」

 

 果たして返事は即答だった。まさかオーケーしてくれるなんて思ってもいなかったので、呆けた顔をしてしまったが再びいいと再確認させられると、余りの嬉しさに飛び上がってしまった。

 

 「じゃ、じゃ、お母さんって呼んでもいいよね!?」

 

 さっきまで呼んでたくせに、認められた途端にこれである。なんで後から許可をとるのか俺にすらわからん。

 まぁ、バカなんだからしょうがないんだろうけど、その一言で片付けてもいいものなのか?礼儀も何もないと思うんだが。

 

 しかし母親の存在は俺に多大な影響を与えることになるだろう。まぁ多くをあげるとあれなのであえて一つ例えるとしたらこう、俺に住むところが出来た... だな。

 

 「にしても母親いないのにどっからどうやって此処まで来たんだい?」

 

 「うぐっ... 」

 

 俺の核心をつく質問... なんて鋭いことだろうか!しかしそんなことは言ってられない。何と答えればよいだろうか?

 

 ここは正直に言った方がよいのではないか?俺の心の何処かがそう囁いてくる。

 いや、ここは嘘をいってリスクを減らすべきだ。多分こっちが悪魔だろう。いや絶対だ。

 

 しかしどちらも理にかなっていて、正直に言えば、これからバレることはなく、バレるかもとか不安などが無くなり楽に生活できる。しかし言った際に気持ち悪がられるというリスクがある。

 逆に嘘を言えば、気持ち悪がられるリスクは無く、バレさえしなければ幸せな生活を送れるであろう。だが、それにはバレることへの不安と、バレた際の反応がいかなものかと言う不安が一生涯付きまとうことになるだろう。

 

 この事を考慮すればどちらも理にかない、正しいと言える。

 だけど嘘をつくのはいけない... とは言わないが、いい嘘、悪い嘘がある。今回の場合では自分のことしか考えていない内容なので、間違いなく悪い嘘だろう。

 

 だから俺が選ぶべきは正直に話すことだろう。しかし... 俺には不安しかなかった。

 

 「え... あ、えっと... 」

 

 言葉に詰まってしまう。出来れば俺だって正直に言いたい。だけどもし、嫌われたら?と思うと思いの外その不安が大きく、俺の判断を歪めていた。

 

 脳裏に悪魔が囁く──なぜ、嘘を言うことを渋るのか?人間など皆そう言うものだろう?

 

 脳裏に天使が囁く──人間として、生きとし生けるものとして正直に言うのは当たり前のこと。

 

 ───なぜ、そんなにも迷うのか... と。

 

 どうやら俺は... 俺の心は酷く汚れているらしい。汚い、汚いのだ俺の心は。

 

 なんでかなぁ... 何時もそうだ。肝心なところでこうなる。だから失敗ばかりが起きるんだ。今回の転生だってそうだろ?俺が居なくなった世界で、妻たちが、家族たちがどうして生きていくか、考えすらしなかった。

 最悪、自殺... だろうか?そうなれば俺の転生した意味とは何だったのだろうか?俺が死んだ意味とは、人生とは──何だったのだろうか?

 

 やはり俺にこんな人生は、幸せな生活を送ることは無理なんだろう。だから死んだ。だから転生した先でもこうなる。

 

 ははっ... 乾いた笑いしか出ない。一筋の雫が俺の頬を伝うのがわかる。

 

 

 ──俺の、今まで生きていた人生って... 何だったの?




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

 ..............ふぅ。

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