異世界でポーション屋を開こう!   作:緒兎

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 やけに時間がかかってしまった... だいたい2時間くらいかな?ずっと書き続けていたよ。

 やっぱ大変だなぁ... 。


フライパン

 「で、君は何者だ?」

 

 今、俺は留置所のような所へと連れてこられている。実際に見たことは無いが恐らくこういう雰囲気なのだろうとそう言っているだけだが... 。

 しかしこの兵士、さっきまでは兜を被っていてわからなかったのだが、物凄く厳つい顔をしていて正直怖い。それに、こうやって問いただされている今、怖さは倍増しとなって俺は震えることしか出来なかった。

 

 「答えない... か」

 

 「ひぃっ!?」

 

 俺が怖くて答えなかったのが悪かったのか、兵士はそう言って表情を厳しいものへと変えたため、思わず小さく悲鳴をあげてしまう。

 

 でも怖いものは怖い。考えてもみてくれ、目の前に極悪犯罪者顔負けの厳つい顔をした背の高い男がいて、お前は何者なのか、と厳しい表情をしながら問いただされている状況を。な?怖いだろ?

 

 「...もしかして、怖いのか?」

 

 「はひぃっ!お、おお、お願いだから... 殺さないで... !!」

 

 「・・・・・・」

 

 漸くこの男に俺の現状を理解してもらえたようで、恐る恐る問いかけてきた。俺は少しでも助かるようにと、命乞いをするが、反って怒らせてしまったのか無言の返事と更にシワを濃くした表情が俺に向けられた。

 

 暫し無言の応酬が続く。方や頭以外の全身フルアーマーの厳つい兵士。方や禍々しい翼を生やした銀髪幼女。

 

 謂わばカオスである。

 

 コンコン

 

 そんなザ・カオスの中、突然部屋の扉をノックする音が聞こえた。こんな尋問の中、ここへ来るものが居るのだろうか?と疑問に思う間もなくソイツは入ってきた。

 

 「おいお前、街の連中が「兵士が女の子を無理矢理何処かへ連れていってた!?」って噂になってたぞ。何したんだ?」

 

 ソイツの身長は兵士よりも高く、2メートルはあるだろうと思う。筋肉ムッキムキで兵士よりも厳ついか顔をしており、右目辺りに立てに引き裂かれたような傷痕があった。

 

 こんなカオスな状況に、またカオスな存在が舞い込んできて正直に言うと頭がぶっ飛びそうだ。ついでに体の方もそろそろ限界だ。泣きそう... 。

 

 「い、いえ。この娘が... ゴホン、何やら見たこともない服装をしているし、翼が生えているんです。身元も確認しようとしたんですが、なにも答えなくて... 」

 

 恐らく今入ってきたやつの方が偉いのだろうか、兵士は敬語で対応していた。その内容が俺の事だったので、思わずビクッと反応してしまう。

 

 「へぇ~この子が... 。嬢ちゃん、何処からきたんだい?」

 

 「ひぃっ!!!?」

 

 「あ、あらら~... 。随分と怖がられてるようだが、なんかしたのか?」

 

 「い、いえ!そんなことはしませんよ!!」

 

 「どんな事とは言ってないだろ?」

 

 デカイ奴が話しかけてきたことに対し、悲鳴を上げ、座っていた椅子から落ち数歩後ずさると、デカイ奴が兵士に話しかけて俺を放置して楽しんでいた。

 

 「しかし困ったもんだ、怖がられていちゃあ話も聞けんもんだ」

 

 「そうですねぇ... やはり女性でないと駄目ではないかと」

 

 「おっ、それもだな」

 

 二人は結論が出たのか俺の方を厳つい顔をしながら向く。端から見れば完全に誘拐犯である。

 そんな二人に俺は涙目でこっちを向くなと訴えかけるも、デカイ方が俺の方へと近づいてきた。

 

 「おい嬢ちゃ「あんたらなにやってんだい!!?」ん... !?」

 

 そしていざ話しかけようと口を開いたのだが、その言葉の途中で、何者かが割り込んできて遮られてしまった。

 

 「ま、マダム・ウーマン!?なんでここに!!?」

 

 「なんでって、可愛らしい女の子がここに"無理矢理"連れてこられたって言うじゃない。だからあたしが成敗してやろうとおもったんだよ」

 

 「せ、成敗!?」

 

 今度入ってきたやつは少しふっくらとした包容力のある女性で、茶髪を後ろで団子にしているフライパンとお玉を常備していそうなおばちゃんだった。

 その女性の名はマダム・ウーマンとかなり女ということを主張している名だが、この世界では英語が存在するのかもよくわかっていないので、また別の意味なのかもしれない。

 

 「さぁ、覚悟は出来てんだねあんたら!」

 

 マダムはお約束の通りフライパンを持っていたようで、それを二人へと見せつけた。

 

 何故だろうか、とっても頼もしく思えるんだけど... 。

 

 「ち、違うんだよマダム!我々はその子の身元を確認しようとして」

 

 「それでこの子の家まで行って親の前で何をしようとしてたんだい?」

 

 「だ、だからちがっ「問答無用!!」うぎゃっ!?」

 

 弁解をするデカイ男に向かってマダムはそんなこと知るかとばかりにその鋼鉄のフライパンを頭目掛けて降り下ろした。

 ゴギンッとなかなかにいい音を出したデカイ男は、断末魔を残して倒れた。その頭からは目に見えるほどのたんこぶと湯気が上がっていてとっても痛そうだ。

 

 「さて、お前もだ!」

 

 そう言ってマダムは兵士へと向き直る。兵士は覚悟を決めたのか、言い訳はせずに棒立ちしてその降り下ろされるフライパンをただ待っている。

 その姿にマダムは見直したのか「ほぉ」と呟きそのフライパンを天高くへと振り上げた。

 

 「覚悟!」

 

 ガギンッ

 

 そうして二人の誘拐犯は、マダム・ウーマンの手によって成敗されたのだった。




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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