直ぐに修正します。
それと、よろしくお願いします。
こんにちは。えぇ、どうも。俺、
さあ見てください、前は崖、後ろはトラック、更に横にはそれはそれは可愛い俺の妻と妻に抱かれているまだ赤ん坊の娘。そして自分達はいま、車に乗っている。
わかる?これが絶対絶命と言うやつなんだよ。その言葉の意味通り、間違いなく死ぬね... これ。しかも俺だけではなく、妻や娘も。
え?なぜそんな状況でこんなに思考を働かせることが出来るか... だって?そんなの決まってるじゃないか、走馬灯だよ... そ・う・ま・と・う!!
そりゃあ今から死ぬんだぜ?走馬灯の一つや二つ見せてくれたって可笑しくはない。そしてやはり走馬灯は周囲がスローモーションになるようで、妻の驚き、絶望に染まった顔が見える。
ドガシャン!!
トラックが俺の乗っている車に衝突し、車は真っ逆さまに落ちていく。
昔の記憶が甦ってくる。小学生... 女の子みたいだとからかわれたこと...くそっ!中学生、やはり女の子みたいだとからかわれたこと... はぁ... 高校生、それまた女の子みたいだとからかわれたこと... あれ?ろくでもないことばかり起きてたんだな。
そして高校の卒業式... 妻、旧姓
あの頃は若かったよ。昔から男子に告白されることが多くて女子には告白されなかったから、その時は嬉しかった。涙が出た。
そして、付き合いはじめて4年。子供が出来たことにより、ついに結婚式を挙げた。
なぜこんなにも遅いのか、それは伶奈の親が原因だった。伶奈は産まれてからのお嬢様で、それはそれは大事に育てられてきたそうな。それが突然何処の馬の骨ともしらぬ者が伶奈を奪っていく、そりゃあまぁ大変さ。
最初は物凄い反対されたっけなぁ...。てか入って3秒くらいで追い出されたような...
まぁ、そんなことよりも産まれたのは娘。伶奈に似て、凄く可愛かった。一応目や鼻は僕に似ていたが、顔の輪郭などは伶奈似だった。
娘、
あぁ、そんなことを思い出していると、目の前に地面が... 。
せめて... せめて妻や娘だけは生きて欲しい。俺の命がどうなろうとも、悪魔に食われても、だから妻や娘を死なせないでくれ!
何度も何度も心の中で祈る。恐らくこの現場を見ているであろう神に向かって、悪魔に向かって。
しかし、返事は返ってこない。帰ってくるはずもない。そこで俺は自嘲する、何やってんだ俺... と。
地面まであと数メートル
あぁ、くそっ!こんなにも遅く感じるんだったら、走馬灯なんて見ずに妻や娘を助ける方法を考えればよかった!!
後悔の念が俺を包み込む。しかし、同時に理解している。どのみち、助からなかったと。
これが俺の人生、伶奈の人生、夢奈の人生。そんなの、納得出来ない!!
人生、運命への反抗心が生まれてくる。このままじゃ、死んでも死にきれない... と。誰が認める?こんな滅茶苦茶な運命を、誰が許す?
答えなど出ない。わかっている、受け入れるしかない事など。なんの力を持たないが故に死ぬ。それが運命、生き物の掟だ。
地面まであと10センチ
絶望が俺を取り巻く。
(おわったな... )
心の中でボソッと呟き、地面へと叩き付けられる衝撃を耐えるように目を瞑る。
後1センチ、5ミリ、4ミリ、3ミリ、2ミリ、1ミリ...
ジ・エンド
───あれ?
衝撃が来ない... もう地面にぶつかってもおかしくないのに、何時までたっても痛みが来ない。
気になり、目を開ける。
なんだよ... これは!!?
そこで見たものは... 時間の止まった灰色の世界だった。
誤字、脱字等があればよろしくお願いします。