少年はうんざりした様子で電話の相手の話を聞いていた。
「大覇星祭なんてガキのお遊びだろ?そんなものに俺が協力するわけねえだろ。」
「ふーん。まあ、それならそれでもいいんだけどねえ。なら、今のところ協力してくれるのは第五位と第七位、それと第一位だけかー。」
第一位という言葉に少年は表情を変える。
「第一位、一方通行のことか?」
「そうだけど?」
(どういうことだ......?)
少年は一方通行と知り合いですらないが、二人とも幼い頃から実験漬けの毎日だ。研究者たちから話を聞くことが何度もあった。さらにこの少年はある理由で一方通行を調査している。
その調査で積極性が皆無であることは間違いなさそうだった。
「第一位が参加する......?なら俺も協力してやるよ。」
第一位が参加するには相応の理由があるはずだ、と深読みして、少年は協力してみることにした。
「あ、そう?それじゃ頼むわ。」
電話が切られた。
「どうしたの?」
ワンピースを着ている少女が不思議そうに尋ねる。
「......さっぱりだ。」
さて、大覇星祭当日となった。一方通行は長点上機学園の半袖の体操服を着てリュックサックを背負っていた。
(どォいうことか説明しやがれ......。)
(オマエが寝てる間に今日の準備をしました。以上。文句があるなら早く起きろよォー。ま、交代してやるよ。)
「お弁当持った?」
「水筒は?」
芳川と天井が持ち物の確認をする。
「あァ、持った。」
「私も。」
布束も体操着だった。
「オマエもか!?」
「Because あなたが誘ったでしょう。Perhaps 忘れたのかしら?」
半袖半ズボン、ブルマではないのが残念だが、新鮮で良い。
一方通行(名前だけで登校していないが)も布束も長点上機学園の学生だ。大覇星祭では長点上機学園の一員として競技に参加する。
「ミサカも後で応援に行くってミサカはミサカは固い決意を宣言してみる!」
「ミサカは騒ぎになりかねないのでここのテレビで応援します。と、ミサカは少ししょんぼりします。」
「ハッ、開会の宣言だけ」
(いや、競技にも参加するぞ。)
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(昨日の夜、学園に電話したら即OKだった。)
昨日の夜。
「もしもし、あ、長点上機学園ですかァ?じゃねェや、長点上機学園か?一方通行だ。あァ、明日の大覇星祭だがなンか出られねェ?ン?あァ、そンじゃそれでイイ。おォ期待しとけ。それじゃァな。」
(こンな感じ。)
(想像以上に即だったな、クソッ!)
超能力者の第一位となれば学園の最高の宣伝になる。急な参加でも歓迎された。
しかし、第二人格はどの競技を選んだのだろうか。
「私と組んで二人三脚もでしょう。So 手を抜いたら怒るわよ。」
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