もう一人の一方通行   作:yamada1600

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結標撃破

 

白井と別れた一行は未だに残骸を探していた。

 

「もう、眠くなってきちゃったってミサカはミサカはもう帰りたいことをアピールしてみる。」

 

もう夜遅い。打ち止めが目を擦る。

 

「なら最初から着いて来るンじゃねェ。」

 

一方通行は構わず歩き続ける。すると遠くで物がぶつかったような音がした。一同は音がした方を向く。

 

「どうしたのでしょうか?と、ミサカは眠いのをこらえつつ質問します。」

 

「オマエもか。」

 

(残骸と関係あるかも知れねェし、行ってみたらどォだァ?)

 

「行くか。」

 

「こちら打ち止め。不審な音を確認。今から確かめに行くぜってミサカはミサカはミサカネットワークで共有した映画の登場人物の真似をしてみる!」

 

「了解。同行します。と、ミサカは電柱に隠れながら辺りを窺います。」

 

(なンか二人ともテンション戻ったか?良かったな。)

 

(ハッ、うっとおしいだけだ。)

 

ノリノリなミサカ11号と打ち止めが先行し、その後ろを一方通行が着いて行く。

 

「!」

 

もう一度大きな音がした。先程のよりも大きい。音のする方を見ると光の筋が見えた。

 

「......。」

 

(あれって、御坂の超電磁砲に似てねェ?)

 

「早く行こうってミサカはミサカは慌ててみる!」

 

「お姉さまに何かあったのかもしれません。と、ミサカは不安が生じます。」

 

「チッ。」

 

(舌打ちしてンじゃねェ!行くぞ!あンなイイ娘に手ェ出したやつはぶっ飛ばしてしまえ!嫌だってンなら後で打ち止めに告る!)

 

「クソッ!」

 

「うわってミサカはミサカは驚いてみる!」

 

一方通行は打ち止めとミサカ11号を両手で持って空を飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行は道路をキャリーバッグを引きながら歩く少女を見つけた。御坂となにかしていた少女のようだ。

 

(たぶん、あいつもさっきの光に関わってンだろ。)

 

(だろォな。)

 

一方通行は静かに着地する。ミサカ11号と打ち止めを建物に隠れさせる。

 

「いってらっしゃいってミサカはミサカは元気に送り出してみる!」

 

「静かに「行ってきまァす!」してろ。あァ!?」

 

(あれ、今人格交代しねェで声出せた?)

 

(どォなってンだ!?)

 

「まさか、返事をするとは。と、ミサカは一方通行の口リ魂を確信します。」

 

(ばれちゃったな。)

 

「違ェ!黙れ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人を隠れさせ終わった一方通行は後ろから歩いて結標に近づく。

 

「何してやがンだ。」

 

少女、結標は咄嗟に振り向く。

 

「第一位!そんな......。超電磁砲ですらかなわない学園都市最強が、どうしてこんなところに。」

 

一方通行は凶悪な笑みを浮かべる。

 

「なァに、大したことじゃねェよ。

『上下ともさらしだけになってください!』

そのキャリーバッグを渡せェェェ!」

 

結標は恐怖で身を震わせる。

 

「どォいう理由で震えてンのかだけ確認させろ!」

 

「ち、近づかないで!」

 

結標は後ずさりしながら叫ぶ。

 

「......。」

 

(確認できたな。)

 

恐怖で固まってしまったが、なにか思い出して叫ぶ。

 

「そうよ!聞いているわ!貴方は無能力者に負けている。ただの無能力者に!なら、私だって勝てるわ!貴方の反射は私の座標移動にも通用するのかしら?」

 

落ち着きを取り戻した結標は一方通行のいる場所に自動車を移動させることで一方通行の体を破壊しようとする。しかし自動車は移動しない。

 

「っ!」

 

「悪ィが、こっから先は一方通行だ。 侵入は禁止ってなァ!大人しく尻尾ォ巻きつつ泣いて、無様にもとの居場所へ引き返しやがれェェェ!今の記憶も消し飛びやがれェェェ!」

 

結標はキャリーバッグを盾にしたが、一方通行の能力の前では無意味。側頭部を殴られ、数メートル飛び、気を失った。

 

「はっはっは。お嬢さん、今日は冷える。ワタシがホテルまで運んで差し上げましょォ。」

 

第二人格が結標をお姫様抱っこで持ち上げる。

 

(おい!こいつがもし起きてやがったらオマエじゃ瞬殺されんだろォが!)

 

(声は出せても、感覚は人格交代しないとねェんだよ!大丈夫だ。女の子をお姫様抱っこする夢がかなったから死んでもイイ。)

 

(そォか、今すぐ消えろ。俺に体を返せ。)

 

「ン?」

 

(......誰か来た。隠れンぞ。)

 

暗くてよく見えないがツンツン頭のシルエットからして、おそらくは。

 

(上条、か?)

 

(そうだな、それにしても慌てたら結標置いてきちゃったけど大丈夫かなァ?)

 

(残骸があれば問題ねェ。帰る。)

 

第二人格は二人が隠れている場所に向かって歩き出した。右手にはしっかりと残骸を握り締めている。

 

(握り?)

 

()

 

残骸は残骸というより破片になっていた。

 

(オマエが殴るから!)

 

(チッ。)

 

 

 

 


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