打ち止めとミサカ11号の後を追って、一方通行はボロボロの立体駐車場のような廃ビルにやって来た。
(なンとなく危なそうだから交代。)
(好き勝手しやがって。)
「あ、お姉さまだ!ってミサカはミサカは手を振っ」
「待て。」
打ち止めが御坂のもとへ駆け寄ろうとするのを一方通行が止め、3人は歩道に寝っころがり、植樹帯に隠れる。
「どうかしたのですか?と、ミサカは一方通行が嫉妬していると推測しつつも一応尋ねます。」
(おい、気持ちは分かるが束縛しすぎると打ち止めに嫌われるという本末転倒な結果に)
「あァ!?オマエらの能天気はどォにもならねェな。第三位が何見てンのか探せ。下手に動くな。」
御坂の視点の先、廃ビルの二階、には髪を2本にまとめた少女が足を投げ出して座っていた。御坂はその少女を睨み付けている。
「ほほう、つまりあの少女をもう少し見ていたいのですね。と、ミサカは一方通行も天井博士と同じ男であることを思い出します。」
少女の服装はなかなか個性的だ。スカート、は普通だろう。問題は上半身。ブラジャーの代わりか知らないが、さらしを巻き、その上にブレザーをはおっている。
(俺もあの女の子には期待してンだ。なンかの弾みでさらしが取れねェかなァ。)
「話を聞け!第三位の体から漏電してやがる。これから戦闘になるかもしれねェ。」
(そういえばバチバチすげェな。そンで?)
「なら、お姉さまを助けないとってミサカはミサカは木の枝を拾って突撃の準備をしてみたり!」
「ハッ、オマエみてェなガキに何ができンだァ?」
走り出そうとする打ち止めの頭を押さえた一方通行がバカにするように言った。
「お姉さまはミサカたちのことを守ろうとしてくれたもん!ってミサカはミサカは義を掲げてみる!」
御坂が実験に乱入してきた時の話だろう。実際にはそれによって妹達は何か得をしたわけでも、助けられたわけでもない。
「ミサカはミサカたちのことを妹って言ってくれたお姉さまを助けたいって一方通行を説得してみる。」
「一方通行、ミサカもここでお姉さまを放って置くことはできません。と、ミサカは拳銃を取り出します。」
ミサカ11号は服の中から拳銃を取りだし、構える。
(おい、ここはオマエの出番だろォ。)
「チッ、オマエらは実験に使われるために存在してンだ。オマエらに死なれると困るのは俺だろォが。ここで待ってろ。」
一方通行が打ち止めとミサカ11号を置いて、御坂に近づいていると別の人影が現れた。
「あ!アナタは佐藤太郎!」
「あ?」
(え?)
第二人格が佐藤太郎という偽名を使ったのは一回だけだ。
この前のツインテール風紀委員が現れた。
「風紀委員の白井黒子ですの。お忘れではありませんわよね。」
風紀委員の腕章を引っ張りながら名乗る。
「チッ、なンのようだ?」
「うっ、いつもならば支部に同行していただくところですが今はできませんの。今日はもう家にお帰りになって、明日風紀委員177支部に来てくださいですの。あ、結標が!では、失礼しますの。」
白井は空間移動でどこかへ去った。一方通行が御坂を見ると少女、結標の姿は消え、代わりに数人の男達が倒れている。
それにしても、白井は御坂美琴を知っているどころかルームメイトだ。二人がを見つけられたとき、打ち止めは誤魔化せなくもないが、常盤台中学の制服を着ているミサカ11号は不審に思われてしまうだろう。今後はこういうことに気を付けなくてはならない。
(あっぶねェー。)
「常盤台中学の学生がどォしてこの時間に出歩いていやがる。」
天井に聞いた話では常盤台中学の寮はかなり厳しく、暗くなる前に帰らなくてはならないはずだ。
「事件の臭いがする。と、ミサカは真剣な眼差しで一方通行を見つめます。」
「あんまり変わってないよってミサカはミサカは苦笑いしてみる。」