哿の暗殺教室   作:翠色の風

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今回も短めです。
あと書き方を試験的にですが変えてみました。


05弾 出発の時間

修学旅行当日になり、今は東京駅にて新幹線に乗ろうとしている。

 

「それにしてもA~Dまでグリーン車でE組は普通車か…相変わらずの差別だな……」

「……いつものことだから気にしない方がいいわよ。」

 

凛香、グリーン車を睨みながら言っても説得力ないぞ…言ったら殴られそうだから言わないけど。

 

「うちはそういう校則だからな」

「学費の用途は成績優秀者に優先されるから当然さ」

「おやおや、君たちからは貧乏人の香りがするねぇ」

 

俺たちの会話が聞こえたみたいで、わざわざグリーン車から顔を出す暇そうな教師と生徒に俺たちは少し引いてしまう。

そこにビッチ先生がやって来たが、

 

「ごめんあそばせ」

 

なんなんだ、ビッチ先生のあの恰好……

一人だけ京都じゃなくて、海外に行くセレブみたいな恰好をしている。

 

「ビッチ先生なんだよその恰好」

 

みんなが思っていることを代表して木村が言ってくれた。

 

「フッフッフッ。女を駆使する暗殺者として、暗殺対象に幻滅されないように常に旅ファッションに気を使うのよ」

 

あんた、一応教師だろ……それに毎回だがヒス的に危険だから普通の恰好で来てくれ……

烏間先生に見つかって怒られてるし……

 

「なあ、凛香……本当にビッチ先生凄腕の殺し屋なのか……」

「……たぶん」

 

 

「修学旅行とかだりーな」

「着いたら、適当にどっかにフケよーぜ」

 

ふと隣の車両を見ると、あきらかに不良と見える高校生が乗り込むのが見える。

 

(凛香達がからまれないようにしとくか……)

 

念のため、隣の車両の奴らに警戒しつつ俺は新幹線に乗り込んだ。

 

 

 

新幹線が出発し、時間つぶしのため班のメンバーと生涯ゲームをする。

なぜか俺は、他のメンバーより金を払うマスに多く止まってしまう……ゲームでも貧乏人かよ俺……

結果は唯一借金を作った俺が最下位だった。

 

「最下位の遠山は、罰ゲームとして何してもらおうかな……」

「中村、最下位が罰ゲームなんて聞いてないぞ」

「こういうのって最下位が罰ゲームなのが基本でしょ」

 

周りを見渡すと、うんうんと全員うなずいている。

味方はいないのかよ……

どう罰ゲームを逃れようか考えていると、次の駅に止まり何故か疲れた殺せんせーが車内に入ってくる。

 

「あ、殺せんせーだ。なんか疲れた顔しているけど何かあったのか?」

 

俺の発言でみんなの意識が殺せんせーに向く。

このままごまかすため、殺せんせーに近づきながら

 

「何疲れた顔してんだ、殺せんせー?」

「いやぁ、新幹線に乗り遅れましてさっきまで張り付いて移動してたんですよ」

なにやってんだ、この先生は……

「それにしても、目立たないように移動するのも大変ですね」

「そんなクソデカい荷物なんか持って、国家機密が目立つのはやばくねーか」

「その変装も近くで見るとバレバレだし」

 

俺についてきた班のメンバーも次々に殺せんせーにダメ出ししている。

そんな中、菅谷が何かを投げた。

 

「殺せんせー、まずはそのすぐ落ちる付け鼻から変えよーぜ」

「おお、すごいフィット感です。ありがとう菅谷君」

「顔に合わせて削ってみたんだ。そういうのは俺得意だからさ」

 

菅谷は意外にも手先が器用なんだな。

 

「焼け石に水くらいには自然になったわね」

 

凛香、それはマシになってないんじゃないか……

まあ、殺せんせーで話題も逸れたし、このまま罰ゲームはうやむやに……

 

「じゃあ、殺せんせーの問題は解決したしキンジの罰ゲームだな」

 

クソ、岡島め。覚えていたか!

 

「そうね……はやみんから聞いたんけど遠山って、はやみん以外にもう一人幼馴染いるんでしょ?その子のこと教えてよ」

 

凛香以外の幼馴染となると白雪のことか?

中村の罰ゲームの内容に班の女子と岡島+殺せんせーが興味をしめす。

 

「分かった、分かった。凛香から聞いたかもしれないが白雪って名前で星伽神社で巫女やってたやつだよ。性格は、周りに言わせれば大和撫子らしい。」

「その子の写真とかねーのか?」

 

こういう話題に真っ先にかぶりつく岡島が鼻息を荒くしながら写真を催促する。

たしか入学式の時に、はんば無理やり撮られたのがあったはず……

 

「たしかあったぞ……あったコレだ。」

 

俺が見せると

 

『めちゃくちゃ美人じゃん!』

 

と全員驚いた表情で見ている。

特に岡島と殺せんせーと凛香(オッパイ星人と幼馴染み)は凝視だ。

 

「デカいな、殺せんせー…」

「ええ、岡島君。DいやEはありますね…」

 

岡島と殺せんせー(バカ2人)は放置しておくとして、女子組を見ると

 

「……」ペタペタ

「はやみん、私達はまだ中学生だ。希望はある。」

「そーそー、成長するって」

 

胸を触って落ち込んだ凛香を慰めている中村と不破がいた。

俺はこの場の対処ができそうにないため、放置し千葉達と話して目的地に向かうのだった。

 

 

 

目的地である旅館に着いた。A~D組はここにはいない。

どうやら別のホテルで個別に部屋をとってあるらしい。

そしてE組がとまる旅館が、目の前にある見た目からしてボロイこの旅館である

 

「さびれや旅館って……名前からして経営する気あるのか?」

「作者が他のクラスとの差別を分かりやすくするためにそんな名前つけたのよ。たぶん」

 

不破メタいぞ、そのセリフ。

とりあえず旅館に入り、明日の予定を確認したあとベレッタの通常分解(クリーニング)を行う。

俺の作業が珍しいのか、渚達が横でそれを見ている。

 

「キンジ君は何しているの?」

「ベレッタの通常分解だ。一応旅先で何かあったら大変だしな。念のためだがやっているんだ、渚」

「殺せんせーほどじゃないけど、キンジも大概心配性だな」

「杉野、俺達武偵にはこんな憲章がある。『悲観論で準備し楽観論で行動せよ』

つまり最悪なケースを想定して準備し、現場では最善だと思うケースで行動するんだ。

たぶん暗殺でもこれは当てはまることだと思うぞ」

「へー、他にはどんな憲章があるんだ?」

「そうだな、全部で武偵憲章は10個あって、まず……」

 

そんな何気ない会話で修学旅行1日目の夜がふけていった。

 

 

~♪~♪

 

差出人『白雪』

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件名『明日から星伽の仕事で京都に行きます。』

 




次回修学旅行2日目‼

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