哿の暗殺教室   作:翠色の風

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旅行も終わったんでさっそく投稿。
今回はオリジナル回、緋弾のアリアのあの子の登場です。





いつもより時間がかかった割には質が悪いかもしれません……
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誤字修正と設定の都合上の為、文章の変更をおこないました。


13弾 ダブラの時間

~~♪

ある休日の日、特に何もなく部屋でレンタルした映画を見ていると電話がかかってきた。

 

「誰だ……」

 

かかってきた相手は矢田だった。

武偵高のヤツらだったらめんどくさい事を言われそうなので遠慮なく無視するが、矢田は出ないと不味いな……

 

「もしもし……」

「もしもし遠山君?今大丈夫だった?」

「ああ、別に問題ないぞ」

「ちょっと遠山君に頼みたいことあるんだ……」

 

内容を聞いてみると、どうやらクラスの何人かで千葉が贔屓にしている店で新しいエアガンを見に行くとのことで、その際に俺にもアドバイスなどが欲しいらしく一緒に来て欲しいとの事だった。

女子からの誘いの為、極力避けたいが戦力の強化、俺以外にも男が来ると聞き了承する。

 

「行くのはいいが、俺はエアガンの知識なんて全くないぞ」

「遠山君にはどんなタイプの銃が私達に合ってるかとかのアドバイスがして欲しいんだ。ほら、遠山君ってなんだかんだでみんなの事良く見ているし」

 

まあ、味方の強さを把握出来ないといざ作戦を立てるときなどで支障が出るからな。

 

「そういう事なら分かった。何時にどこへ行けばいいんだ?」

「ありがとう遠山君、14時に秋葉原の駅前に集合だよ。」

「分かった。じゃあ、またあとで」

「うん、じゃあね」

 

それにしても秋葉原か……

あそこは、人が多く集まり、路地裏などに秘密の道が多く犯人を捕まえにくいため武偵が避けたい場所だ。

そんな土地ゆえ武偵高の知り合いに会うことがないだろうと思い、最近私服化しつつあった武偵高の制服に着替え秋葉原に向かった。

 

 

集合場所に向かうと矢田の他には凛香、神崎、中村、渚、千葉がいた。

 

「これで全員か、矢田?」

「うん、そうだよ。じゃあ千葉君お願いね」

 

千葉の案内で店に向かおうとしたその時

 

「あっれ〜、キーくんだ。珍しいねこんな所で」

 

声のする方向に顔を向けると、武偵高の知り合いである峰 理子が声をかけてきたのだった。

 

 

峰理子、俺と同じ東京武偵高に所属し同じクラスで探偵科(インケスタ)Aランクだがトップクラスのバカなやつだ。

 

「り、理子なんでここに?」

「理子はメイド喫茶に来たんだ〜。キーくんこそ、こんな所でどうしたの?」

 

メイド喫茶がどんな所か分からないが、なんで武偵がこんな所に来てんだよ!

武偵高のヤツらには、凛香達から機密事項がバレる可能性があった為会いたくなかったのだが……

メイド喫茶に行くと言っているし、適当にコイツを追っ払うか……

 

「キンジ?誰その人」

「ほうほう、『キンジ』とな。キー君もこんなに可愛い子達はべらせて、いつの間にハーレムルートに入ってたのかなー?」

「変な勘違いしているようだが、ただの幼馴染みとその友達で俺は買い物の同伴を頼まれてここに来ただけだ。」

 

渚達はそれぞれ自己紹介している。

 

「それで、コイツは俺と同じ武偵の峰理子だ。主に調査とかをする探偵科に所属している。」

「どーも、りこりんでーす」

 

理子は両手で敬礼をしながら自己紹介をする。

凛香達の方が年下なのにコイツの方がよっぽど年下に見えるな……

渚や神崎など理子のバカっぽい行動に少し引いていた。

 

「じゃあ理子、俺達は買い物があるからお前もメイド喫茶楽しんで「面白そうだし理子も一緒に行こうかな〜何を買いに行くの?」……って、おい!」

「エアガンとか服とか見に行く予定ですよ。」

「おーエアガンか〜、理子も結構詳しいんだよね。一緒に行ってもいい?」

「いいですよ。それにしてもそのロリータすごいですね」

「くふ、理子の改造制服に目をつけるとはなかなか見どころがありますなぁ」

 

俺の言葉を遮った理子は、矢田と話して気づけば俺達の買い物について行くことになっていた……

 

 

 

千葉の案内で店に向かう途中、理子は

 

「へぇ、りんりんってキーくんの幼馴染だったんだ。」

「りんりんって私のことですか?」

「そうだよー、凛香ちゃんだからりんりん」

 

凛香に珍妙なあだ名をつけたり

 

「へぇ、あのゲームやってるんだ~」

「はい、理子さんもやっていたなんて今度一緒にやりませんか?」

 

神崎とは意外にもゲームの話題で盛り上がったり

 

「今度理子の持っている服貸してあげようか?なっぎー絶対に似合うよ」

「良かったね、渚ちゃん。着せたら写メ送りますね」

「お願いね~」

「着ないよ!」

 

渚をからかいながら、中村に服を貸す約束をしていたりと矢田以外の女子とも仲良くなっていた。

そんな様子を後ろから見ていると理子がこちらにやってくる。

 

「ねぇ、キーくんの本命って誰?やっぱり幼馴染のりんりん?」

「はぁ?」

 

こいつはいきなり何言ってんだ。

 

「そんなのいねーよ。俺が女嫌いなの知っているだろ」

「じゃあ、なっぎー?」

「なんでそうなる!」

「……キーくんには……を……してもらわない困るんだけどなー」

 

理子が小声で言ったため、要所要所聞こえなかった。

 

「何が困るんだ?」

「なんでもなーい、こっちの話。それよりもみんな店に入っていったよ、理子たちも行こう」

 

どうやら理子と話しているうちに店についたみたいだった。

店に入ると、多種多様なエアガンが置いてある。

各自別れてエアガンを見ていたが、どうやら大半の奴らはただどんな銃があるか見たかっただけらしい。

千葉に狙撃銃を勧めたあと、店内を適当に見てみると凛香が何やら迷っていた。

 

「何を迷ってるんだ凛香?」

「キンジ……どんな銃がいいかなって……」

 

凛香は銃だけでなく近接戦闘の能力も高いから……

 

「近接と銃どっちが得意だ?」

「自分自身では近接の方が得意かな」

「それだったら、ハンドガンでいいんじゃないか?」

「相手が先生だからもう少し弾倉数とかが欲しいところなんだけど……」

「じゃあ、2()()()()にしちゃえばいいんじゃない?」

 

俺たちの会話が聞こえたのか理子がいつのまにか横にいて提案する。

 

「理子簡単に言うが、中学生が片手で拳銃を制御できると思うのか?」

「キーくん使うのはエアガンだよ、そんなに反動もないし大丈夫でしょ。りんりんはどう?」

「両手に銃だと近接が難しくない?」

「その辺は大丈夫。理子もかじった程度だけど、()()()()だったら通用するし2丁拳銃での戦闘味わってみる?」

 

凛香は素人程度と言われ、少しムカついたのかムッとしながらもすぐに了承していた。

 

「おい理子、何勝手に話進めているんだ。そもそもそんなのどこでやるんだよ」

「くふ、実はすでに店長と話して射撃場を借りているのいるのです。さー、りんりんやろう!」

 

理子に半場押し切られる形で他のところを見ていた奴らも呼び、俺達は射撃場に移動した。

 

 

 

「それで理子……」

「どうしたの、キーくん?」

「なんで凛香まで武偵高の制服を着てんだよ!」

「いくらエアガンって言っても素人には危ないし、防弾があった方が良いでしょ?」

 

そう凛香は、なぜか持ってきていた武偵高の制服(フリルなし)を着用している。

理子は「フォオオオオ」とか言いながら

 

「今日メイドちゃんに来てもらおうと持ってきたかいがあったよ。りんりんめちゃくちゃ似合ってる!」

 

理子興奮するな、俺も含め他のやつが引く。

ヒス的にもあまりよろしくない恰好をしている凛香に一睨みされた後、凛香はベレッタとナイフを構える。

 

「じゃあ、これが地面に落ちたらスタートね。1発でも理子に当てたら勝ちでいいよ、りんりん」

 

理子がコイントスをし、用意していたワルサーP99のエアガンを2丁取りだした。

コインが落ちると同時に凛香が撃つが理子は右に左にとジグザグに避けながら凛香に迫る。

 

「くっ」

 

凛香は銃で撃つのをやめ、ナイフで迎え撃とうとしたが

 

「くふ、全力でこないとあっという間に終わっちゃうよ」

 

そういうと理子はアル=カタをしかけ始めた。

アル=カタによってナイフの攻撃は防がれ、逆に凛香は足、腹、胸などに攻撃をくらう。

 

「何アレ……」

 

渚達は理子の動きが今まで烏間先生に習ったものと異なるため俺に何なのか聞いてくる。

 

「武偵同士の戦闘ってのは拳銃が1撃必殺じゃないんだ。ああやって、()()()()()()()()()()()()()がアル=カタだ」

 

説明しながら、戦闘をみるとやはり凛香は理子の動きについていけずBB弾を山ほどくらっている。

余りにも一方的だったため止めようと思ったところで、突然凛香の動きが変わった。

 

凛香はアル=カタ相手に使えなかったナイフを捨て、スカートの中にしまっていた()()()()()()()()()を取りだし見様見真似のアル=カタを仕掛ける。

2人は射撃戦を避け、躱し、腕をはじくなど徐々にだが接戦になっている。

 

パンッ!パパパッ!

 

BB弾が2人に当たらなくなり、どんどん地面や壁に撃ち込まれていく。

 

「りんりん、なかなか様になってるじゃん。どお、2学期からでも武偵にならない?」

「……私は今の学校が気にいっているので」

「残念フラれちゃったかー」

 

弾切れになったところでそんな会話をする2人。

それを見て俺達は凛香の成長速度に驚いていた。

このまま終わるかと思ったところで、凛香は捨てたナイフとしまっていたナイフの2つを、理子もナイフを構え始めた。

 

「おい、凛香、理子なんでまだ続けるんだ。もう弾はなくなったじゃねーか」

「まだ、終わってないキンジ」

「そーだよキーくん、これはりんりんが参ったって言うか理子に1発入れるかまで終わらないよ」

 

そんな事を言うなり今度はナイフで切りあい始めた。

 

「いーねーりんりん。すごい良いよ!」

「……」

 

一見理子がはしゃぎながら避け、凛香は黙々と攻撃しているように見える。

しかし2人とも口元が笑っており、まるで戦闘狂のようだった。

凛香の攻撃がどんどん素早くなり、手数も増える。

理子も避けれなくなってきたのか、ナイフで受け流そうと凛香のナイフに触れた。

 

ドンッ

 

理子がまるで何かにぶつかったかのように後ろに吹き飛んだ。

その際に思わずナイフを落としている。

凛香のやつ、ナイフで切り結ぶときに秋水を撃ったのか……

 

「はぁ……はぁ……私の勝ち」

 

さすがにあれだけの攻防をやったため、凛香は息を切らしつつ理子の首元にナイフを当て勝利を宣言する。

 

「まさか、負けるとは思わなかったなー」

 

理子はまだ余裕がありそうだったが、ルールで負けだ。

勝負がついたため、俺達は2人に近づいていき矢田たちは凛香に質問を浴びせていた。

 

「理子、お前あんなにできるなら強敵科(アサルト)でも良かったんじゃねーのか」

「分かってないなー、りんりんは強くてもあくまで中学生だよ。

理子が強襲科に行ったとしてもせいぜいDランクが精一杯ってとこかな。」

「そんなに低いか?」

「そうだよ。それにしてもさっきのは楽しかったなー

りんりんには今度何かお礼でもあげないとね」

 

結局凛香はさっきの戦闘方法が性に合ったのかそのままベレッタ2丁を購入した。

 

 

 

店を出ると理子はこれからメイド喫茶に向かうため、ここで別れると言ってきた。

 

「そーだ、りんりん気になってたんだけど勝負中もつけてたそのネックレスどうしたの?」

「これ?」

 

凛香の持っていたのは、緋色と翠色が混じらず交互に合わさったような色をしている石をはめたネックレスだった。

あの石、どこかで見たような……

 

「昔キンジが神奈川に行く前に貰った石をネックレスにしてもらったの。確かどこかの神社で見つけたって昔キンジが言ってたかな?」

「思い出した、昔白雪達とかくれんぼしてた時に見つけた石だ、それ」

「へー、キーくんもなかなかやるねぇ。りんりんそのネックレスの石は緋色が恋愛成就、翠色が厄災から守るって意味があったはずだから肌身離さず持ってた方がいいよ」

 

何がやるのかは分からんが理子もこの石を知っていたらしくこめられた意味を教えてくれた。

 

「そうなんだ。ありがとう」

 

凛香がお礼を言うと理子はすぐにメイド喫茶に向かっていった。

その後俺達は男子はゲーセンに、女子は服を見に行くとなりその場で解散になった。

ちなみに凛香は理子から武偵高の制服をもらっていた。

 

 

~理子side~

想像以上にキーくんの幼馴染の戦闘センスが良かったため、つい本気を出しそうになってしまった。

アレは将来育て方次第では化ける、持っていた石は初めて見たがきっとあの人が昔言ってた物のはずだ。

 

「くふっ、りんりんがこのまま強くなって高校生になったらあそこに招待してもいいかもね」

 

誘うのもアリだが、あえて予定通りなら来年に来るであろうオルメスの隣にキンジと一緒に置くのもありかもしれない。

そしたらとても楽しい戦いができそうだ。

そんな未来の事を考えて楽しんだ後、次の作戦を考える。

この先攫う4.5人は楽勝だが。それよりも12月にさらう予定の強敵であろうアイツの情報を集めなくては……

 

「そんなことより、まずはメイド喫茶を楽しもうかな~」

『おかえりなさいませ、お嬢様』

 

目的地に着いたため、仕事の事を考えるのをやめて私はいきつけのメイド喫茶に入った。




次回は本編に戻ります。

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