哿の暗殺教室   作:翠色の風

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00弾 プロローグ

「秘匿任務ですか……」

 

俺、遠山金次は少し前に 金さえ積めば法がゆるす限りどんな仕事でもする武装を許可された国家資格である≪武偵≫を育成する東京武偵高に入学し、現在教務課(マスターズ)に呼び出されていた。

 

「そうや、しかも遠山を指名した長期任務。詳しい話は外の車にいる防衛省の烏間ってやつに聞け、拒否権はない」

強襲科(アサルト)の教諭である蘭豹がそれだけを言うと、それで話は終わったとばかりにさっさと教務課から追い出された。

依頼の拒否権がないため、任務内容を聞くため俺は烏間という人に会いに校門前に向かう。

いったい何を依頼されるんだろうか…。

校門前に着くとそこには場違いな黒塗りの高級車があり、その近くには20代後半と思われる人物がいる。

 

「あの人なのか?」

 

その人物を見ていると、向こうもこちらに気づいたようで近づいてくる。

 

「君が遠山君だな、依頼の話は車内でするから入ってくれ」

まあ、ここだと秘匿任務の話なんてできないよな。

納得した俺は車内に乗り込む。

 

「まずは来てくれてありがとう。俺は防衛省に所属する烏間だ」

「強襲科1年遠山金次です」

「ふむ。やはり、金叉先輩の面影があるな」

 

金叉先輩?この人、父さんの知り合いか?

 

「父を知っているのですか?」

「ああ、今はこの案件のため防衛省の所属となっているが、それまでは公安0課で働いていて新人の頃世話になったのが君の父親だったんだ」

 

やっぱり公安0課だったか、0課といえば殺しのライセンスを持っている国内最強の公務員集団だ。

そんな人が俺に何を依頼するんだ?

 

「そうだったんですか……ところで依頼内容はいったい何なのですか?」

「ああ、依頼内容だが……」

 

できることなら、危険があまりないような依頼だったら良いんだが……

 

「ある中学に潜入捜査をしてもらい、そこにいる地球を破壊する生物を暗殺してほしいんだ」

 

…地球を破壊する生物を暗殺?そんなことができる生物がいるのか?

 

「…冗談ですよね?」

「これが冗談だったらどれほど良かったか。月の7割が消失した事件を覚えているか?」

 

烏間さんがため息をつきながら聞いてくる。

あれはかなり衝撃的だったため今でも記憶に鮮明に残っている。

 

「はい、あれはすごかったですから」

「その犯人がこいつであり、来年3月に地球を破壊するといっている」

 

そういって写真を見せてもらった。そこには周りの物と比較すると2mほどの高さのある黄色いタコが映っている。

 

「軍や0課は動かないんですか?」

「動きたいのはやまやまなんだが、動けばヤツは地球を爆発させる日までマッハ20で逃げると脅されたんだ」

 

マッハ20って…もはや生物であることすら疑うぞ……

 

「…仮に殺すとなっても武偵法9条は大丈夫なんですか?」

「国は地球の危機のため、これに関しては不問だと言っている」

「なぜ中学校なんですか?」

「そいつが逃げ回らない条件として、ある中学にて教師をすることを提示したためだ。

そのため、そこの生徒達にも来年3月までに暗殺をしてもらう依頼を出している」

 

武器を使ったことがない素人が成功できるとは到底思えない。

 

「高校生である俺にこの話が来たのはなぜですか?それに武偵よりも暗殺者に頼むのが良かったのでは?」

「最初は暗殺者を雇っていたのだがことごとく暗殺に失敗しているため、国が暗殺者がダメなら日ごろから銃を使っている武偵に来てもらおうという話になったんだ。依頼の形が表向きには生徒にまぎれての要人護衛になったため、生徒と比較的年齢が近く、武偵ランクが高い強襲科を1名指名せよと上から命令が来て、そこでSランクの君に依頼をとなったんだ」

 

 

武偵は実績などの評価により通常E~Aでランク付けされる。さらにAの上には特別枠としてSランクがあり、Sランクは大人を含め日本に数十人しか存在せずAランクが束になってもかなわない実力差がSランクにはある。

思い出したくはないが俺は入学試験前に不慮の事故であのモードになってしまい、実戦形式の試験で受験生、教官を含めた全員を倒してしまったためSランクになってしまった。

過去の出来事を思い返して現実逃避をしても任務はなくならない。

諦めて続きを聞くか……

 

「俺に依頼が来た理由は分かりました。では達成報酬と詳しい任務場所などを教えてください」

「暗殺場所は椚ヶ丘中学校3年E組。報酬は暗殺できたら100億を用意している。生活場所や生活費についてもこちらで用意する」

 

100億…やはり国からのしかも地球の危機のため報酬の額はケタ違いだな……

それに椚ヶ丘中学校と言えば2人の幼馴染のうちの1人が通っている有名な進学校ではないか。そんなところに生徒として行くとなるとテストや勉強面はどうするか……

 

「あとは学業に関してだがターゲットがいる学校は一般の高校1年生レベルを中学3年生でおこなっているため心配しなくても大丈夫だ。単位も今回の任務で進級分を習得出来るように交渉している」

 

単位の習得は嬉しいが、一般の学校に比べ武偵高の生徒は学力がとても低い。はたしてついていけるのだろうか……

心の中でそんなことを考えていると、いつの間にか烏間さんが緑色のゴムのような物質を取りだしていた。

 

「やつには実弾などの兵器が効かないがこの物質を使えば奴に効く。生徒にはBB弾とゴム製のナイフにこれが使われている。今手元にはこれだけしかないが好きに使いたまえ、5日後に迎えに来るため準備などをすましといてくれ」

 

もし帯銃が許されるなら、ゴムみたいな素材なため非殺傷弾(ゴムスタン)でも作ってもらおうか。

 

「わかりました。帯銃などは大丈夫ですか?」

「表向きは要人警護の依頼になっているため帯銃の許可は出た。だが生徒は防弾装備ではないため、ここのようにむやみやたらと撃たないでくれ」

「ええ、わかっています」

「では5日後に迎えに来る」

 

そこで烏間さんとは一度別れた。

俺は以前に銃の改造などを頼んだことのある装備科(アムド)の平賀さんのところに行き、先ほど貰った物質を渡してこの物質でできた非殺傷弾とコーティングされた刃をつぶしてあるバタフライナイフの制作を依頼する。制作の依頼をした後は、改めて椚ヶ丘中学校について調べるために情報科《インフォルマ》に依頼するためそちらに向かう。

情報が集まるまで時間がかかるだろから、明日は強襲科にでも行って組手でもするか……

そんなことを考えながら俺は任務(暗殺)の準備にとりかかった。

 




初めてのため駄文だったとは思いますが、頑張って執筆していこうと思います。

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