元レプリカがダンジョンにいるのは間違っているのだろうか   作:V1テイマー

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闘技場とか見るにルークて結構バトルジャンキーですよね。
短髪のルークが全くの引け目無しにイキイキとしている貴重なシーンな気がします。



刻まれた過去

数奇な縁から同じファミリアに組することとなったルークとベル。

互いに自己紹介を済ませた2人はヘスティアと共に本拠地となるホームへと向かっている。

 

「ダンジョンにモンスターか…なんかワクワクするな!」

 

道中でヘスティアからひと通りダンジョンやファミリアについての説明を受けたルークは目を輝かせていた。

出来るのならば今すぐにでも冒険に出てしまいそうな勢いの彼をヘスティアは笑いながら宥める。

 

「やる気があるのは良いことだよ。まぁ今日はもう日が暮れちゃってるしギルドの手続きとか、ステータスの事とか色々あるから早くても明日までは我慢して貰うけどね」

 

暫くそうした談笑を続けながら歩いた一行はうらぶれた教会へとたどり着いた。

その教会は何年も手入れがされていないのか、所々屋根や壁に穴が空いており隙間から草木が生い茂っている。

イメージしていたホームというものとの差に少し面食らうベルだったが少しだけ秘密基地みたいで格好良いとも思った。

一方のルークは容赦なく「ボロい」と口にしヘスティアへ僅かにダメージを与えていた。

 

「ま、まぁ多少見てくれは悪いが今日からここが君達の家だ!遠慮なく寛いでくれたまえよ」

 

「いや、多少つーか廃墟だろこれ」

 

又しても飛んできたルークの素直な言葉が刺さったのか、ぐさっという音が聞こえてきそうなほどよろめくヘスティア。

その場にうずくまりのの字を書き始めた彼女を見てられなくなったベルは、先ほど思った感想を照れながらも素直に述べた。

 

「た、確かにすこし歴史を感じますけど、何だか秘密基地って感じがして格好よくて僕は好きですよ?神様」

 

 

「うぅ…ベル君は優しいなぁ!ルーク君も少しは見習ったらどうだい」

 

慰めてくれたベルに飛びつき涙目で子犬のように唸る。

それに対しルークは手をひらひらとふり受け流した。

年の離れた兄妹のようなやり取り微笑ましい気持ちになったベルは思わずニヤやけてしまう。

と、そこでくっーと可愛らしい音が近くから聞こえてきた。

あたりを見回したが元々裏通りで人がいない事もあり自分達以外に人影は見当たらない。

するとベルはヘスティアが僅かに顔を赤くしてるのに気がついた。

 

「とりあえずお腹も空きましたし何か食べませんか?」

 

察してくれたベルの提案にヘスティアは無言で頷くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

教会の中も外観のとおり中々くたびれた感じではあったが、意外と使える物もありそれなりに家としての機能はありそうだった。

帰り道で購入したパンやお肉などを食べてお腹を満たした3人はそれぞれ輪を囲むようにして座っていた。

 

「さて、そろそろ君たちにボクの恩恵を刻もうじゃないか」

 

それを聞いたルークは待ってましたとばかりに勢いよく立ち上がる。

少しでも早く冒険者になってダンジョンに潜りたかった彼は早く早くとヘスティアを急かす。

そして、それはベルも同じようで期待を抑えられずソワソワしていた。

 

「ふふん!まぁ待ちたまえよ君達。恩恵を授けるならやっぱり相応しい場所じやないと」

 

そんな2人の反応に気を良くしたヘスティアは得意げな顔をしながらホームを出るよう指示する。

中々に口の悪いルークではあるがこの時は楽しみのあまり素直に従っていた。

そうして暫く歩くとみすぼらしい本屋へとたどり着く。

 

「着いたよ。ここでボク達のファミリアは始まりを迎えるんだ!」

 

かなりの本好きである彼女は初めての場所はココだと決めていたらしい。

中に入ると高齢の男性が座っておりヘスティアと2、3回言葉を交わすと2階へ通してくれた。

そこは四方を本と本棚で囲まれており古い木の匂いが部屋いっぱいに広がっていた。

 

「さぁ2人とも上着を脱いで座ってくれ」

 

神様とはいえ自分とそう年の離れていないように見える女子の前で肌を晒すのは僅かに恥ずかしいものもあったが、いよいよ恩恵を受けれるという高揚感の方が勝っていた。

ベルはさっと上着を脱ぐとヘスティアの前に腰を下ろす。

一方のルークは何だか上着を脱ぐのに手間取っているようだった。

 

「よし!まずはベル君からいこうじゃないか!」

 

うきうきとしながらベルの背中に神の恩恵を刻む。

途中でベルが冒険者になりたいと思った理由や彼の祖父の話を聞いているうちに刻印が終わる。

幾つも並ぶ漆黒の文字そっとなぞりまるで母親のような優しい表情を浮かべるヘスティアは、これからベルがどんな物語を刻むのか楽しみに思い、またその物語が彼にとって満足のいくものであることを願った。

 

「さぁ次はルーク君の番だぜ!」

 

くるりと振り返った彼女は思わず息をのむ。

上着を脱ぎ終え肌晒した彼の上体には剣で刺されたような傷が幾つか刻まれていた。

 

「.そ、それどうしたんですか!?」

 

ヘスティアに次いで振り返ったベルも驚きと心配の混じった声で傷跡を指差しながら尋ねる。

 

「ああ、これか?よく分かんねーけど昔怪我したとかじゃねぇの?それより俺にも早く恩恵を刻んでくれよ!」

 

元々記憶のない彼にとっては大した事でもないのか早く刻印を刻んでくれとせがむ。

そんなルークの態度に呆気にとられながらもヘスティアは刻印を刻み始めた。

まだ年相応だったベルの体に対し、ルークの体は幾多もの戦闘を潜り抜けた戦士のように感じる。

そんな彼の体を見てヘスティアはある予感を立てた。

 

(ま、まさかルーク君は…)

 

そして刻み終えた神聖文字を読み自らの予想が正しかったと思う。

ヘスティアはぐぬぬと悔しそうに顔を歪める。

 

「どうかしたんですか神様?ルークさんのステイタスに何か問題が?」

 

「えっ!?ど、どういう事だよ!」

 

彼女は自分の反応を見て不安そうな声を上げた2人に対し慌てて首を横に降る。

 

「い、いや違うんだ。別に悪い事ではないというか、むしろルーク君的には記憶の手掛かりになるかもしれないし悪い事じゃないんだけど…マサカボクガミツケタトオモッタコドモニ、スデニオテツキガイタトハ…」

 

後半は早口過ぎてよく聞き取れなかったが少なくとも悪い事ではないと言われ安堵する2人。

ただ、やはりヘスティアのちょっとした嫉妬心はぬぐえ切れていなかった。

 

(体の傷を見た時にまさかとは思ったけど…ルーク君か以前どこかで冒険者をやっていたとは…ぐぬぬ!子供の初めてを奪われた親の気持ちってこういうものなのか!)

 

どこかずれた感想を抱きながら再びルークの背中をなぞる。

そこには真新しくステイタスが刻まれていた。

 

ルーク・フォン・ファブレ

Lv,3

基本アビリティ

力:A880

耐久:A850

器用:A800

敏捷:A830

魔力:A800

<<魔法>>

【アイシクルレイン】

<<スキル>>

【限界突破】

【忘却欠如】




というわけで今回はステイタス公開まで
そろそろダンジョンに潜りたいのに中々進まない…

さて、ルークはなぜエンディング後なのにレベル3程度であり、本来使えないはずの術であるアイシクルレインを覚えているのか。
まぁレベルに関してはスキルで分かる方もおられるかもしれませんね←

追記
ステイタスについて詳しく書くようにしました。
Aの最低ラインて800であってますよね、多分

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