艦隊これくしょん〜放縦者たちのカルメン〜   作:プレリュード

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こんにちは、プレリュードです!
最近はジメジメして過ごしづらい気候が続きますね。梅雨だから仕方ないとはいえ嫌になります。

そういえば夏に新しい睦月型の追加が発表されましたね。いったいどの娘が来るんでしょうか?楽しみですね。

それでは本編に参りましょう。


問題児たちの二重奏

 

〈イタリア州ティレニア海演習海域-現地時刻7月26日11:38〉

 

峻とオルターのため息を作った原因2名は海上で対峙していた。

 

駆逐艦叢雲vs戦艦ビスマルクの演習だ。

 

 

 

 

 

僅か15分ほど前。

 

「大したことなかったわね」

 

「そうだね。提督さんの指示通りに動いてたらホントに狙った場所に来てくれるんだもん」

 

「いやー、今回は鈴谷の瑞雲が大活躍だね。今度はもっと活躍できるように提督に改造してもらおうかな」

 

やんややんやと話しながら格納庫に入ると3人が艤装を置いた。すぐに日本の技術者たちが駆け寄るとメンテナンスを始める。特に叢雲の艤装は魚雷以外の武装を全て外している。それらの取り付けをしなくてはいけない。自分の艤装に主砲が取り付けられていくところを見ながら、叢雲が先ほどの演習で口に咥えていた水中呼吸器をポケットから取り出し、峻の使っているパソコンの隣に置いておく。

 

「さっきの演習、見事だったわね」

 

パチパチと手を叩きながら格納庫の扉付近から金髪の女性が姿を表す。

 

「えっと、ビスマルクさんだったかしら」

 

「ビスマルクでいいわよ、ムラクモ。それにしてもあなた、強いわね」

 

「お褒めに預かり光栄よ。それでなにか用事?できれば休みたいんだけど?」

 

「そう言いながらもそんなに疲れてなさそうね」

 

図星だ。正直にいうとかなり余力は残っている。さっきの演習はウォーミングアップ程度にしかなっていない。

 

「ねえ、私と一対一で演習しない?」

 

「戦艦とタイマン張れってこと?冗談キツいわよ」

 

「でも負けるつもりは無いんでしょう?」

 

「最初っから勝負を投げるわけないじゃない。でもパスよ」

 

「そう。あなたはそんな腰抜けではないと思っていたのだけど。これならあのホナミ大佐もかなりなチキンなのかしら?」

 

「…………ならそっちのオルター少将はかなりの喧嘩バカね」

 

ピクッと叢雲の顔が引き攣る。あいつのことをチキンだなんて言ってくれるじゃない。挑発だとわかっててもスルーはできないわね。

 

一方でビスマルクも額に青筋が立っていた。アドミラルのことを喧嘩バカとはね。貶めた代償はキッチリと払ってもらわなくちゃならないわ。

 

「ふぅん、駆逐艦風情が言うじゃない」

 

「あら、超駄級戦艦サマの言うことだけは立派ね」

 

バチバチとビスマルクと叢雲の間に火花が散る。異変に気づいたのか、瑞鶴と金髪ツインテールの少女が駆け寄った。

 

「(ちょっと、叢雲。言い過ぎだって。ここで問題起こしたら提督さんに迷惑かけることになっちゃうから抑えて)」

 

「瑞鶴、悪いけど止まる気はないわ。あいつをバカにされて引き下がれるほど私は大人じゃないのよ」

 

ぐい、と瑞鶴を押し退けて叢雲が一歩前に進み出た。

 

「(ビスマルク姉さま、冷静になってください。相手は同盟国ですよ。しかも無理を言って来てもらっているんです。そんな相手に喧嘩を吹っ掛けないでください)」

 

「少し黙ってなさい、プリンツ。こっちも駄級戦艦なんて言われておいて、はいそうですかとは言えないのよ」

 

ビスマルクもプリンツを押し退けて叢雲に向けて一歩前に進み出る。

 

「海の上で決着をつけましょう」

 

「上等よ。吠え面かきなさい」

 

相手は戦艦。だから何?

今まで戦艦を相手にしたことは何度もあるし、何隻も屠ってきた。今更そんな名前だけに怖気づくことなんてない。敵を恐れて駆逐艦なんてやってられないし、刀を振り回して近接戦闘なんて仕掛けられない。

 

「ルールはさっきと同じ。模擬弾を使用し大破判定が出たら負け。いいわよね?」

 

「それでいいわ」

 

「なら5分後に海上で会いましょう」

 

身を翻したビスマルクが自分の艤装がしまってある場所に向かう。

ちらりと叢雲が自分の艤装を見ると既に主砲から機銃、爆雷まで全て取り付けてある。素早く模擬弾に換えると艤装をひと撫でする。艤装の中に隠されている断雨はあいつからの使用許可が出ていない。ならばまた徒手空拳で挑むしかない。

 

艤装を装着すると止めようとする声を振り切って海へ滑り出した。

 

「ああ……。叢雲行っちゃったよ…………」

 

「ビスマルク姉さま…………」

 

ビスマルクを止められなかったのだろう、とぼとぼと歩くプリンツと瑞鶴の目があう。

 

「うちの旗艦がごめんね……」

 

「いえ、こっちこそ。ビスマルク姉さまの暴走に巻き込んでしまってすみません……」

 

二人してため息を吐いてから通信を飛ばす。瑞鶴は峻に、プリンツはオルターへ。手のかかる旗艦に振り回される司令官たちだがそれは僚艦たちも同じだった。

 

 

 

 

 

そして海に出た叢雲は慎重に電探を睨みつつ周りを見渡していた。

啖呵切って出て行っておいて見つける前に射程外から蜂の巣にされましたでは洒落にならない。

しかしそんな心配は無さそうだ。なぜならビスマルクは海のど真ん中でご丁寧に仁王立ちして待っていたからだ。

 

「随分と余裕ね。さすがは欧州の獅子の右腕ってところかしら?」

 

「そんなつもりはないわ。私はあなたと正々堂々と戦いたいのよ。それに姫薙ぎを侮ったらどうなるかはさっきの演習でよくわかってるわ」

 

「へぇ。じゃあ遠慮なくやらせてもらうわよッ!」

 

機関を全力で回す。ビスマルクが砲撃を始めるがそれらを躱して近づいていく。狙うのはギリギリの距離。魚雷を確実に当てて先手を取る!あいつの魔改造のおかげか瞬間速度なら最速の駆逐艦島風にだって負けない。

 

「いいわ!いいわね!すごいわムラクモ!」

 

「そっちこそ!」

 

外れてばかりいた砲撃がだんだんと至近弾を出し始めている。想像以上だ。もう少し至近弾はかかるものかと思っていたけどこんなに早く狙いをつけてくるなんてね。さすがは北海油田防衛戦を潜り抜けた猛者といったところかしら。撹乱させる機動を心がけているのにこうも容易く狙いをつけてくる。

 

久しぶりの強敵との戦闘で知ってか知らずか叢雲が戦意を漲らせて獰猛に笑う。そしてそれと同種の笑みをビスマルクも浮かべていた。

 

叢雲は飛来する砲弾をステップと複雑な動きをもってして避け続けて着実に間を詰めていく。だがその表情に余裕はない。タラリと額に汗が幾筋も流れているのがその証拠だ。それでも笑う。笑い続ける。

遂に魚雷の射程に入ったからだ。装甲を噛み砕き大穴をぶちあける武器の射程に。

 

「喰らいなさい!」

 

放った酸素魚雷が海中に潜り、グングンとビスマルク向けて進んでいく。航跡が泡となって海面に浮かんだ。

 

「…!」

 

叢雲が慌てて身を捩ると足元に迫っていた魚雷に被雷。いきなり中破判定が下る。対するビスマルクは魚雷は擦りはしたのかダメージは入っているが僅かなもので小破すらいっていない。

 

「よく躱したわね、ムラクモ」

 

「まさかこんなことがあるなんてね。ビスマルク、あなたは魚雷が撃てる戦艦なのね」

 

「ええ、そうよ。直撃コースだったのを避けられる思ってなかったけど」

 

「実力よ」

 

そうは言ってみるもののあれは偶然に近い。酸素魚雷は航跡を残さない魚雷なのだ。第二次世界大戦期に日本側のみが実戦に使用できる段階まで漕ぎ着け、酸素を使っていることがバレないように書類上では第二空気と表記してまで隠したほどの機密だ。そして先ほど叢雲が放った魚雷は酸素魚雷だった。なのに突如海面に航跡の泡が浮かんだのだ。自分の放ったものではない。なら目の前のビスマルクが撃ったものだと判断して急いで避けようとしたが完全には間に合わなかったのだ。

 

それにしても魚雷の撃てる戦艦とはね。厄介なこと極まりない。判定では幸いにも速力の大幅な低下は避けられているけど不利なのに変わりはない。参ったわね。こうなったらやることは一つしかないか。

 

一気に突っ込む!

 

主砲や機銃をばら撒きながら突き進む。だがビスマルクも手練れだ。そしてさっきのラバートンとの演習をもう見てしまっている。意表を突くことはできない。どっしりと構えたまま真っ直ぐに突っ込んでくる叢雲に魚雷の狙いをつけて発射する。

航跡を残しつつ叢雲に向けて魚雷が進む。しかし叢雲は避けることすらせずに、ヒットの瞬間に浮力力場を足がかりにして大きく飛び上がった。魚雷は当たる対象を見失ってそのまま後ろに虚しく航跡を刻んでいく。

 

「なんでもありね、このッ!」

 

ビスマルクが後退しながら副砲を撃ちまくり、弾幕を張るがそれすらも軽々と躱してしまう。まるで見切っているように。

峻は銃弾を躱すときには銃口で弾の軌道を予測し引き金を引くタイミングで弾の来る瞬間を読む。叢雲がやったのも同じこと。ビスマルクの艤装に付いている砲門全てを見て軌道を予測。引き金はないのでタイミングの予測は出来なくとも弾道さえ読めてしまえばその道から外れておくだけで掠めることはあっても直撃することはない。

 

叢雲が着実にビスマルクとの距離を縮めていく。多少速力が低下したとはいえ、峻の魔改造が施された次世代型の艤装だ。通常の駆逐艦並のスピードは出るし、ましてや相手は高速艦とはいえ戦艦なのだ。どちらが速いかなど一目瞭然である。

ビスマルクの砲撃は当たらない。叢雲も主砲を撃ちながら突撃しているのでビスマルクの視界を多少なりと塞いでいることも要因のひとつだろう。装甲が厚いためか有効打にはならないが集中力を削いで狙いをズラすぐらいの効果はある。

 

まだよ、まだ。中破してからが始まりなんだから!

 

 

 

 

 

ビスマルクは苛立っていた。

魚雷を撃ってもジャンプして躱された。それならばと繰り返している砲撃はスイスイと避けられてその癖に向こうの攻撃は効果は薄いとはいえチマチマと小さくダメージを与えてくる。これでは苛立つなと言う方が無理な注文だ。

いえ、落ち着きなさいビスマルク。同じことを繰り返していてもだめよ。いくら相手は中破しているとはいえ油断したらやられる。この駆逐艦の目は死んでない。

なら次で決める!

 

残った魚雷を全て放つ。海面を泡立たせながら叢雲に向かって魚雷が進んでいく。当然のごとくに叢雲は浮力力場で踏ん張って大きく飛び上がる。

 

そこをビスマルクの主砲が狙っていた。

 

「空中なら回避は無理でしょう?喰らいなさい!Feuer!」

 

ドン、と砲撃が撃ち出され叢雲に吸い込まれていく。着弾を示す煙が叢雲の姿を覆い隠した。

 

勝った!駆逐艦の装甲で戦艦の直撃を喰らっては大破判定確実。もともと中破している時点で揺るぎはしないだろう。

 

そう思っていたからこそ、煙の中から中破判定のままで襲いかかってくる叢雲を見て驚愕した。

なぜ?直撃はしたはずなのに?

 

ドボンと海に落ちた物を見て理解した。落ちたのは叢雲の主砲だった。

まさかあの一瞬で主砲を盾にしてダメージを逃したっていうの?そんな無茶苦茶な!少しでもズレたら失敗していたであろう芸当を軽々とこの娘はやってのけたというの⁉︎

 

ビスマルクは知る由もないが、叢雲がやったことはウェーク島攻略戦において榛名が時間を稼ぐため泊地棲姫の砲撃を自らの砲門を盾にしたことの真似だった。肉を切らせて骨を守る。つまりはそういうことだ。

 

その行動はビスマルクの思考はほんの一時、停止させた。時間にして水滴が落ちる程度の本当に一瞬。だが手練れ同士の戦闘においてその一瞬は大きすぎる隙である。

 

「沈めぇぇぇ!」

 

叢雲の魚雷発射管が空中で次々と魚雷を吐き出し、海面に落ちるとビスマルクに向かって真っ直ぐに突っ込んで行く。2人の距離は先の叢雲の突撃で艦同士の戦闘ではありえないくらいに近い。そんなところから魚雷を撃たれて回避するのは不可能だ。

 

放たれた魚雷がビスマルクに全て余すことなく命中した。模擬弾のため、通常弾と比べればはるかに小さな水柱が立ち、それが治ると中破判定が下ったビスマルクが腕をクロスして顔を庇っている姿で立っていた。

 

「まったくッ……あなたとことん規格外ね」

 

「そのセリフ、そっくりそのままお返しするわ。まさかあんだけ魚雷撃ち込んだのに中破で抑えられるなんてね」

 

距離を取らせてはくれないらしい。下がっても追いかけられ、逆に前に出たら下がられる。全速力で移動しても駆逐艦では追いつかれるだろう。この一定間の距離を取り続けられる状況は実にやり辛い。

 

 

 

 

 

本当に厄介だ。これで大破までいってくれればよかったのに、まさか耐えてくるなんて。

 

「仕方ない、か」

 

ボソッと呟くように言って艤装の中に格納されてる断雨を抜こうとする。これ以上は使わずにやりあえる自信がない。すうっと背負っている艤装に手を伸ばして隠されている断雨を抜こうとする。峰打ちにすれば怪我させることはないはずだし、そもそもここまでの相手なら掠るかどうか。

 

その時、演習海域に声が響いた。

 

『おい叢雲てめぇ!いい加減にしやがれ!暴れすぎだっての!』

 

『ビスマルク!いくらなんでも勝手しすぎだ』

 

「うげぇ、アドミラルか……ムラクモ、勝負は次に預けましょう」

 

「……そうね。またいつか」

 

背中に伸ばした手をおろす。危なかった。完全にヒートアップしていて許可されていないことまでするところだった。こんなところで奥の手も機密も見せるわけにはいかない。

 

『ほれ、さっさと帰投だ。ったくよ。演習海域でやってたせいで今の戦闘全部モニターで筒抜けだったぞ』

 

本当に危なかったわね。モニターに映ってる状態であんなもの振るってたら言い訳も隠蔽もできなかったわ。

 

ざあっと格納庫に進路を向けて帰還する。絶対お小言を言われるわね。最近のあいつは無断出撃に敏感になってるから言われないわけがない。自分が悪いと諦めるしかないんだけどね、今回ばかりは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈イタリア州ナポリ市トレド通り-現地時刻同日15:21〉

 

軍服から私服に着替えて、鈴谷たちとの約束を守るために俺たちは街をあるいていた。約束とはあのジェラートの件だ。

さんざんオルター少将に謝り謝られを繰り返し、ようやく今日の予定が終わったから外出でもするかというわけだ。せっかくヨーロッパに来たわけだしな。俺もいろいろ買い物をするのは好きだ。

 

それにしてもこのアホは毎度毎度、人の言うこと聞かずに一人で勝手に出撃しやがって……

 

「マジで大概にしてくれよ。変に勝ってもしこりが残るだろうが」

 

「いや、売り言葉に買い言葉だったのよ………」

 

「はあ……お前だけジェラートの味は俺が選ぶ。それが罰だ」

 

「提督さん、結構あまいよね……」

 

「そもそもお前らに厳しい罰とかさせたことないだろ」

 

「過去にあったのは……1日秘書艦の仕事手伝えとか食堂のテーブル拭いとけとかそういうのだよね?」

 

「そりゃ鈴谷、お前にやらせたやつだ」

 

「なんとも言えない感じがてーとくらしいね」

 

言うようになったな、ゴーヤめ。

地元で有名らしいジェラート屋を視界に納めると羽織っている上着のポケットの中にある財布を取り出す。既に空港に着いたときに日本円からユーロに替えてあるので問題なく使える。

 

「お前ら何味だ?叢雲以外は希望を言え」

 

わーっとガラスケースに駆け寄り叢雲以外がじっと品定めを始める。いろいろ味があるから悩んでいるんだろう。

 

「えーっと、鈴谷はオレンジ!」

 

「私はこのシチリアレモンってやつがいいな!」

 

「ゴーヤはシンプルなミルク味にするでち!」

 

「そうか。おばちゃん、オレンジとシチリアレモンとミルクと……えっと、これとこれで」

 

「あいよ」

 

コーンにジェラートが盛られて次々と渡されるのを処理していく。最終的に俺の手には自分のピスタチオ味と叢雲の真っ黒なジェラートが残った。

 

「ほらよ。叢雲、お前の分だ」

 

「………なにこれ。真っ黒なんだけど……」

 

「味は俺が選ぶって言ったろ?イカスミ味」

 

「ほとんど嫌がらせじゃない………」

 

イカスミジェラートを手渡す中でも近くでは鈴谷たちがうまいだのなんだの言っている。そんな中でイカスミなのだ。そう思われても仕方ない。ま、罰だからな。

 

恐る恐る叢雲がぱくりとジェラートの先端を口に含む。

 

「あれ、結構おいしい……」

 

「らしいな。見た目に反していけるって聞いたことある」

 

ただし歯が黒くなる。俺なりの二重トラップだ。それぐらいのやり返しは許されるだろう。恨むなら自分を恨んでくれたまえ。

 

「提督さん、その格好熱くないの?」

 

「いや。この上着は布地が薄いし下のズボンも夏用だからな」

 

俺は長袖の上から上着を羽織って長ズボンを履いているという姿だ。瑞鶴たちも思い思いの格好をしているが全員が半袖で共通しているからそう思ったのだろう。

だがこの格好には理由がある。上着を着ておかないとショルダーホルスターやマガジンポーチにコンバットナイフなどが見えてしまうのだ。こんなものを露出しながら歩いていたらかなりの危険人物だ。だから隠している。

 

昨日の毒ワインの件で俺はかなり警戒している。そのための装備だ。多少体感温度が熱いくらいは我慢しよう。

 

「いいか、明日からまた教官役の再開だ。気張っていくぞ」

 

「「「「了解!」」」」

 

しっかりとした返事が返ってきたのを聞きながらピスタチオジェラートに舌鼓をうった。

あそこまでやれば訓練生たちの態度は変わるだろう。そうすりゃ本格的に教えにかかれる。講義の内容でゆっくりと信じさせるなんてまどろっこしいのは嫌いでね。手っ取り早くさせてもらった。

 

また明日からやるとしますか。やると言ったからにゃ、やらにゃならんしな。

 

そう思いつつ適当な店に入る。ひとまずは今日の寝酒の確保をするとしよう。そういやこっちはリキュールも有名だったな。





演習編はこれで終了と言ったところでしょうか。特に何も起きてなくね?、とか突っ込んではいけない。

ちなみにイカスミジェラートはマジで存在します。作者は食べたことありませんが結構あっさりしてるとかなんとか。どんな味がするんでしょうかね?

感想、評価などお待ちしております。それでは。

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