皆さんは江風を改二にできましたか?
新人提督のプレリュードは練度が全然足りませんでした…
あと高波の新グラかわいいですよね!
俺持ってねえけど!(血涙)
……はい、本編いきます。
5/22に改稿。
モルガナの名前を弄りましたが本編には手を加えておりません。
敵先行艦隊はあっけなく撃破された。
戦艦の砲撃で遠距離からボコボコにされ、近づいた瞬間魚雷により吹き飛ばされる、というなんとも鬼畜の所業で幕を閉じた。
「意外とあっけなかったねー」
「でもまだあくまで先行艦隊よ。気は抜かないで」
魚雷を素早く再装填させながらのんびりと言う北上を矢矧が窘めた。
相手はあの不落の泊地ウェーク島。
こんなのはまだ序の口ですらないかもしれないのだ。
現状においては被害は0で抑え込まれているけど相手がまだ本気ではないからね。次にやってくるであろう本隊が一番の難敵のはず。
今まで数々の部隊が挑み、そして敗れたのが本隊だから絶対に強い。
『そうそう、矢矧の言う通りだ。まだ気は抜くなよ』
提督が通信ごしに北上を戒めた。
まだ戦闘が開始されてから10分程度しか経っていない。相手もこの程度ではないはずだ。
『陸奥、瑞鶴、矢矧、鈴谷は一度さらしなに戻って補給だ。沖山、アレを10機全て出してくれ』
『こちら沖山、了解です』
「待って!なんで私が戻らなくちゃいけないのよ!」
「そうよ!提督さん、私はまだ戦える!」
瑞鶴とともに抗議した。被弾してないのに引っ込めさせる意味がわからない。敵の方が数が多くてこっちが不利なのにさらに減らすような真似をなんでするの?
『お前らが戦えるのは知ってるよ。さっきのザコ共に弾薬結構使ったから一度補給しとけって話だ。そしてこっから先は連戦だ。交代して戦闘を続ければ長い時間で戦闘が継続できる。すぐに交代になるから安心しろ」
「……わかったわよ」
不承不承といった感じだけど仕方なく名指しされた者がさらしなに一度帰投して行く。
仕方なくよ。まあ出番がなくなるわけではないからいいけど!
『帆波さん、アレを全機出しました』
『さんきゅ、沖山。ならやるか!全員行くぞ!』
愚かな人間が攻めてきたか。
また撃退されるだけとわからないのか?
その個体は深海棲艦の本隊における旗艦のような存在だった。人類側からの呼称は戦艦タ級だがそれはそんなことは知らない。
レーダーが艦娘どもが接近してきていることを示す。そろそろ視界に入るだろう。
「〜〜〜〜!」
人類の言語とは違う、深海棲艦の言葉を発し、旗下の者たちに指示を出す。目標は接近する艦娘群。後ろの巨大な巡洋艦はひとまずは無視せよ、と。
徐々に9つの点が大きくなり、やがてそれが人の形だと認識できるまでになる。
タ級は口の端を歪めて笑ったと取れるような表情を作った。
直線的に突っ込んでくるだけでなんの捻りもない。的にしてくださいとでも言っているのだろうか?
「〜〜!!」
撃て!と大声を出し、自らの主砲を一斉に撃った。周りの者たちもそれぞれに砲口から火を噴かせた。
無数の砲弾が放物線を描きながら艦娘たちの方へ向かって飛んでいく。
勝った。
どう見ても直撃コースだ。これであの艦隊も確実に大損害を出す。撤退するかどうかは知らないが勝利は我が手にある。
見たか。泊地の奥で座り込み、動かずに指揮だけとる愚か者が!姫に気に入られているからといって踏ん反り返ってばかりの貴様の指揮など受けなくとも勝てる!私だってやれる!
見ろ!砲弾が艦娘どもに当たるぞ!これで私の勝ちだ!
時間が長く感じる。全ての動きがその一瞬だけスローモーションのようだ。
撃ち出された砲弾が艦娘に近づき、その頭に。その胸に。その華奢な体に。
当たらずにすり抜けた。
そしてその直後、自分たちの後ろから爆発音が響いた。
なんだ?なぜすり抜けた?あれは一体なんだ?
「〜〜〜〜〜〜」
随伴艦の重巡が被害を報告してきた。
大破艦が数隻、中破艦も同数ほど。撃沈が2隻。
慌ててレーダーを見るも敵影を示す点は存在しない。
どこからやられた?いや、敵は30km以上離れた場所から正確に固定砲台を破壊して見せた。ならば気づかれずに攻撃することくらい可能じゃないのか?
それよりも目の前にあるあれは?
なぜ攻撃がすり抜ける?どうして当たらないんだ?
不可解な事象というのは人間の冷静な判断と思考を奪うが深海棲艦も例外ではないようだ。
どこから飛んでくるかわからない敵の攻撃となぜかすり抜けるこちらの攻撃。
理解ができない。何が起こっている?
深海棲艦たちは知らない。そのすり抜けた物の正体を。
あれはただのホログラムを空中に限りなくリアルに投写したニセモノだ。
元々の本体は海上を駆ける薄い円盤でそこから映像が映し出されているのだ。
Mirage Of Reactive Gadget ─of Alternative Natural Architecture──頭文字をとってMORGAN-A。空間反応式変調型活用迷彩装置が正式名だが呼びやすく”モルガナ”と呼んでいる。
蜃気楼の魔女の名を冠するこの兵装は峻だけが開発でき、そして運用できる。
峻の二つ名の”幻惑”はこの兵装を使い、実体のない幻で相手の目を欺くことからきている。金属製なので電探にも映るのでかなりの至近距離でじっと睨まない限り見破るのは難しい。
艦娘たちが攻撃してきた。側面に展開していた艦隊がやられ始めているようだ。
しかし本当に攻撃しても大丈夫なのか?またすり抜けるのに撃つ意味はあるのか?
「〜〜〜!」
破れかぶれで出した迎撃の指示。しかし本当に意味があるのか?
近づくな。こっちに向かってくるな。
初めてそれは恐怖した。
「提督、うまくいったわよ!」
イムヤが無線に向かって報告した。
彼女たちは深海棲艦が超遠距離からの攻撃を受けたと思っているなどということは欠片も知らない。
実際は艦隊の接近するルートを予測してそこにイムヤとゴーヤと北上の甲標的を配置しておいて魚雷を撃っただけなのだが。
『グッジョブだ。イムヤとゴーヤはそのままバレないように潜行しつつ離れるんだ。ゴーヤ、まだキツいのに悪いな』
「ううん、確かにまだ怖いけどずっと逃げてるわけにもいかないから」
ゴーヤは艦娘だ。戦わなければなんのために存在するのかわからなくなっちゃう。精神的なショックで戦えないなんて言い訳でずっと逃げ続けるわけにはいかないでち。
『ありがとな。さて、奇襲には成功したがまだまだこれからだ!加賀、一度退け!陸奥たちが今度は攻撃する番だ。さらしなで補給してこい』
おそらくここから離れたところで加賀さんたちが今撤退し、それと入れ替わりでこんどは陸奥さんたちが攻撃を始めていると思う。
その一方でホログラムで惑わすことも忘れていない。
『ねぇ、提督。いい加減どこにいるのか教えてくれてもいいと思うんだけど』
矢矧さんがぶちぶちと文句を言う。そういえば最初に聞いて後回しにされてたっけ。
『そうね〜。たしかに気になるねぇー』
『もったいつけずに早く教えてよ!』
『指揮官が戦場にいないなんてどうかと思うわよ?』
北上、鈴谷、陸奥の順番でクレームが入っていく。でもゴーヤとしても気になるな。てーとくさんはどこにいるの?
『あれ、俺まだ言ってなかったっけ?』
『中佐、白々しいですよ?』
榛名さんってほんわかした雰囲気してるけどたまに毒吐くなぁ。というか冷静に見てみるとこの部隊ってキャラ濃いよね。
あらら、まだ言ってないっけ?とか通信機からてーとくが言っているのが聞こえる。
「てーとく、で、結局どこにいるの?」
『まぁもう教えてもいっか。俺が今いるのはな』
いるのは………?
『ウェーク島だよ』
………え?
帆波さん、あなたなんでそんなところにいるんですかねぇ。
次々と新兵装が登場してきました。
天津風のチート化の次は帆波の番だ!
次回は明日には投稿できそうです。たぶん。
投稿ペースが乱れていますがどうかご容赦ください。
それでは。