魔法少女まどか☆マギカ -異端の物語ー   作:4WD skyline

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Tea time

戦いの後、まどか達と連れていかれて、金髪の少女の家である、とあるアパートの一室に今はいる。

そして今、俺の目の前には紅茶とシフォンケーキが置かれていた。

三角形のテーブルを囲むように俺、優菜、まどか、さやか、そして金髪の少女こと、巴マミさんが座っている。

マミさんは、今優菜の話を聞いていた。

そして話が終わったのか俺の方を向いた。そして、

「優菜さんが円環の理から分離した1人だっていう事と今は普通の魔法少女だということは解ったわ。でも百咲君は一体何者なのかしら?」と俺に聞いてきた。

すると俺ではなく、

『それについては私から説明いたします』

と、バリスタが答えた。

「ちょっ、バリスタ!?」

と俺が慌ててバリスタを止める。

「バリスタ?」

と、マミさんが聞く。

すると、不可視状態を解いたバリスタが現れる。

「「「「えっ!?」」」」と、まどか達が驚く中バリスタは、

『申し遅れました私は、spec weapon type lightning 通称バリスタと申します』と、自己紹介をした。

すると…

「「「「しゃ、喋ったー!?」」」」

と、まどか達は驚いた。

「あっ…そうそう、こいつAI(人工知能)と、ボイスシステム持ってるから」

と、俺は慌ててバリスタについて説明する。

「AIなんて初めて見たよー!」

とまどか驚いているが、他の皆は、驚きすぎて何も言えないようだ。

そして一早く気が元に戻ってきたマミさんが、

「えーっと、そのバリスタっていう百咲君の武器は、喋る武器って考えてもいいのね?」と聞いてきた。

「あっ、はい。そう考えてください」

「なら、百咲君じたいは普通の人って考えてもいいのね?」

とマミさんが聞くが、バリスタが

『いえ、確かに私も特異な存在ですがマスターである百咲さんは、とても特異な存在です』と否定した。

「えっ?それってどう言いうことかしら?」

と、マミさんが聞く。

そしてバリスタはこう答えた。

『マスターは、異能の使い手。通称specホルダーという存在です』

「「「「いっ、異能!?」」」」

と、またまたまどか達は驚いた。

「異能って事はアレよね、いつも寝ているあの豹矢が超能力者って事よね!?」

と、さやかが驚きながらも聞くく。

っておいコラ、いつも寝てるってなんだよ。

「まっ、そんな所だな」

と、(本音は言わずに)とりあえず答えると、

「あのさー」

と杏子が話に入ってきた。

「そもそも、豹矢は能力をどうやって手に入れたのさ」

杏子のその言葉を聞いた時、俺は苦しい記憶を思い出した

だけど…

あえて俺は、

「そうだなー」

と、能力を手に入れた時の話をする事にした。

 

あれは、俺が10歳の時だった。

父と母と俺の家族総出で、見滝原から遠く離れたショッピングセンターに出かけた時だった。

突然店内にテロリストが現れた。

その時とっさに父は、俺を店員専用のスペースとでも言うべき場所に隠した。

そして…

タタタタンッ!という音と共に父と母は、死んだ。

流れる血、血を流す両親、そして…全ての元凶、テロリスト。

その全てを、目が、脳が、捉えた時だった。

「あああああああああああ!」

と俺は絶叫した。

そして、俺は…

(殺す、殺す殺す殺す殺す、こいつら全員、殺してやる!燃やしてでも感電死でも何でもいい!ぶっ殺してやる!)

そう心の中で強く思った、その時だった。

ズバチィィィ!という激しい音と共に、テロリストは死んだ。

そして最初は何が起こったのかわからなかった俺は、ふと身の回りを見ると。

紫電がほとばしっていた。

その後は良く覚えていない。

ただ、テロリストは全員死んだらしい。

 

「という訳で俺は能力を手に入れたのさ」

と、俺は話を締めた。

そしてふと見ると、まどかは泣き、さやかと優菜は俯き、杏子は後ろを向き、マミさんは悲しい表情をしていた。

「色々だいへんだったんだねびょうやぐん!」

「そんなことが……」

「豹矢…」

「…悪かったな。事情も知らずに聞いちまって」

と、まどか、さやか、優菜、杏子は口々に話す。

そしてマミさんに至っては、

ギュッと俺を抱きしめてきた。

つーかマミさん!?胸が、でっけー胸が当たってますけど!?

「あ、あのー」

と、俺が声を掛ける。すると、優菜達はハッと俺の方を向き、マミさんは我に帰り,バッと俺から離れる。

「ご、ごめんなさい!」

「い、いえ」

と、俺とマミさんはなんだか気まずくなる。

ふと優菜の方を見ると、何故か優菜は不機嫌そうな顔をしていた。

「どうした優菜?なんか機嫌悪そうだけど?

「べっつにー?」

 

 

 

何故だろうと私は考える。さっきのマミさんの行動に対して私は何故かムカッとした。

というより、何故か豹矢に対して私はムカッとした。

あーもう何なのこの気持ち!?

豹矢が話しかけてくると何故か緊張するし。

でも話が弾むととっても楽しいし何だか嬉しいし。

まずもってこの気持ちも何か変に心地いいし…。

もう、本当に意味わかんない!

どうすればいいの、この気持ち!?

 

 

 

話が終わって家に帰ると、さすがに優菜の機嫌も治っていた。

俺はあの後にまどか達と話した事を思い出した。

「そう言えば、優菜さんも百咲君もなかなかの力はあるのよね?」

「ええ、まあ」

「そこで、2人に私達の魔獣退治を手伝って欲しいの」

「魔獣?えっと、それってなんですか?」

と俺がマミさんに聞く。すると、

「昨日私を助けてくれた時に出会ったあの化け物のことよ」

と、優菜が答えてくれた。

「ああ、アイツの事か」

「そう、アレを私達は魔獣って呼んでいるの」

「そうなの。そして魔獣達は人々に不幸と絶望をまきちらすの」

「えっ?」

と俺はマミさんのその一言に反応した。

正直に言うと、あの魔獣とやらの存在的スケールがデカすぎて驚き、つい言葉が出てしまった。

「そして、その魔獣を倒して人々に夢や希望を与えるのが私達、魔法少女なの」

と、今度はまどかがはなしてきた。

「スケールデカすぎじゃね?」

と俺がついに我慢ならず言うと、

「でもこれは本当の事なの」

とマミさんが言ってきた。

「正直に言うと、とても危険だし」

とさやかが言う。

けど、俺は

「イイぜ。俺は」と答えた。

「豹矢!?」

と優菜が言うが、その優菜にまどかが、

「優菜ちゃんもやろうよ!」

と言ってきた。

「わ、私!?」

「そうだよ!皆もいいと思うよね!?」

とまどかが言うと、

「アタシはイイぜ」

と杏子が

「私も杏子とおんなじ」

とさやかが

「私も良いと思うわ」

とマミさんが賛同する。

そして当の優菜も

「ここまで言われちゃね……」

という事で、俺と優菜はまどか達の魔獣狩りの手伝いをする事になった。

 

夜になり、俺と優菜は夕飯の俺お手製のクリームシチューを食べていると、

ーピンポーン!ーとチャイムが鳴った。

「はーい」と俺が出ると、

「ヤッホー」と言う、美玲姉が来ていた。

「どうしたのさ?こんな夜に」

「実はあの子に渡したいものがあってね」

「あの子……。優菜の事?」

と俺が聞くと、

「名前付けてあげたんだ。優菜ちゃんか~。良い名前ね」

と美玲姉は嬉しそうに言ってきた。

俺は優菜を呼ぶと、優菜に美玲姉の事を紹介した。

そして美玲姉は紙袋を優菜に渡して「じゃーね~」と言って帰って行った。

そして食後。

優菜は少し緊張した面もちで紙袋を開けた。

すると、

「あっ……!」

「おっ」

中には優菜の身長にピッタリの可愛らしい服やスカートなどの衣類が入っていた。

 

 

真夜中、黒い翼を持つ少女がとあるビルの屋上にいた。

その少女が思うのは一つだけ。

「まどか…安心して。わたしは貴女を守ってみせるから…」

そう呟いた少女の右手には、黒い外装のような物に囲われた紫のジュエルのような物があった。

 


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