扇矢萩子の捜査録~艦これRPGリプレイ~   作:長谷川光

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順天VS出雲

 19CH年3月15日

親仁の教育に若干の監視の意味合いを含め、響は彼女とバディを暫く組むことになった。養民は順天の側で、響と親仁が組むことに不満げな顔をしながら二人を見送った。

松花江での哨戒を何事もなく終えて水師営に戻る段になり、親仁は響に甘えるように強請る。

 

親仁:『その、私…きちんとハルビン市内に出かけたことがないんです。だから…その、私とデートしていただけませんか?』

響@:『……余計な名目無しでなら、市内を案内することは一向に構わないが』

親仁:『それはそれは…申し訳なく。デートの部分は撤回しますわ。案内、願えないでしょうか?』

響@:『いいとも。では、どこからにするかな……』

 

響@:えと……普通に主要施設の案内できました、でいのかなっ

GM:ふふ…主要施設を響が案内した後、暫く親仁の我が儘で逆に響が連れ回されます。

 

親仁:『我が儘を聞いていただけて…その、ありがとうございます。』

響@:『私も普段、割と好き勝手に順天や海王を振り回しているからね……。気にすることはない』

親仁:『そうなのですか……っと、すみません。少々お花を摘みにいってもよろしいでしょうか?』

響@:『分かった。ここで待ってるよ』

 

響@:すぐ近くにあったということで

GM:では、響ちゃん判定を(にっこり) <無個性判定12/技能補正:直観>

響@:ええ…… 2d+7>=12 直感

ダイス判定: (2D6+7>=12) → 8[3,5]+7 → 15 → 成功

GM:では親仁の様子が、主に振り回され始めたころからおかしいんじゃないのかと響は思っていました。手洗いの方に様子を見に行きますが人気はありません。外の方から嫌な雰囲気が流れ込んできます。

 

**:『ぐ……ぐぅ』

響@:『……?』呻き声の方に振り向く

親仁:『……死にますわよ?』(男の腹部に拳をめり込ませている親仁の姿)

**:『うぅ……うぐ…』

響@:(つけられていた……のだろうか)

親仁:『……食い詰めがっ』(止めをさす

 

響@:あっ、何、半殺しじゃなくてマジに止めを刺した?

GM:Yes

響@:まぁ殺っちまったものはしゃーない……

 

親仁:『とんだお目汚しを……どうか、ご容赦願えないでしょうか』(左手の手袋に血がべっとり

親仁:(素早く手袋を裏返し、上着の内ポケットに入れていた替えの手袋をはめる)

響@:替えの手袋はあるか、と聞くまでもなかった

 

響@:『……いや、私の落ち度だ。すまない』

親仁:『あら… 私のこと、軽蔑なさらないのですか?』(意外そうな表情)

響@:『私も人のことを言えたもんじゃないからな。……彼はただのゴロツキか?』

親仁:『はした金欲しさに命を売る、ただの愚か者ですわ』

響@:『そうか。脅して追い払うでは不足と親仁が判断したのならそれまでだ。……早いとこ戻ろう』

親仁:『…イケずなのですから』(肩を竦める

 

親仁:(養民が特別なのは、別にいいのですけれど…ね。 少しぐらい、私を見てくれたっていいのではないですか。 教官殿?)

 

 * * * *

ハルビン市内、打って変わってヤマトホテル

 

眞斗:『初物を使ったご馳走と、新作ケーキを用意してお待ちしております♪』

 

GM:という、手紙がキヨシーモの元に届いたものの、第四艦隊に所属する全艦娘が南方での深海棲艦との戦いの援軍として派遣されることがきまっていた。で、それを飛龍さんにトースした結果。なぜか飛龍は哈爾浜ヤマトホテルで休みを取っていた

飛龍@:「……(なんだってこんなことになったのよ……)」

眞斗:「あの…どうかなさいましたか?」(飛龍の様子に不安げな表情になる)

飛龍@:「……いや、何でもないから」

眞斗:「何かご所望がございましたら、どうぞ私にお申し付けくださいませ~」(ほんわりと笑う)

飛龍@:「……ん、分かった」

眞斗:「ここはお仕事の場ではございませんから、お疲れが取れますようごゆっくりお過ごしください。まずは前菜から。初物でご用意しました、八寸です。右手から~」(一つ一つ料理を紹介する)

 

眞斗と料理長のつくる試作品という名のご馳走が順に出されていく。

一通り飛龍が食べ終えると、眞斗が感想を尋ねる。

 

眞斗:「その、いかがでしたでしょうか?少々、物足りなかったでしょうか…?」(飛龍の様子を見て)

飛龍@:「ううん、別にそんなことないわよ」

眞斗:「左様でしたか」(ニッコリ)

飛龍@:「……ただ、ちょっと息抜きの仕方とかあんまり分かんないだけだから、気にしないで」

眞斗:「息抜きの仕方……ですか。なるほど、いつもはどのようにお過ごしなのですか?」

飛龍@:「……言いたくない」

眞斗:「申し訳ありません…失礼いたしました」

飛龍@:「(何か落ち着かないな……)」

眞斗:「…そう云えば。海軍様からご宿泊のお話をまだ幾らかいただいているのですが、ご存知でしょうか?」

飛龍@:「……いや、知らないけど」

眞斗:「内地から承ったのですが、確か…出雲様がこちらにいらっしゃることになると聞いております」

飛龍@:「………へ?」

眞斗:「妹が海軍士官だとはいえ、これほどまでご贔屓にしていただけて…私としては喜ばしいことです」

飛龍@:「あ、うん……そうなんだ……」

眞斗:「自慢の妹なのですよ…」(恥ずかしそうに笑う)

飛龍@:「……そうなんだ」

眞斗:「こほん、それでは…お食事は以上となります。最後までお召し上がりいただけて、とてもうれしゅうございます。私はこれにて。扇矢眞斗が担当させていただきました」

飛龍@:「……ん、どもね」

眞斗:(丁寧にお辞儀をして去る)

GM:さてと、だいたい4時間ぐらいたった後、ヤマトホテルに出雲たちの姿が現れます

飛鳥:「うへへ… お姉さまだけじゃなくッテ。みっちーもいるだなンて…来てルヨ来てルヨ! っとそういや、ガーラがどっか消えたケド、みっちーは知ってるカ?」

満潮@:「なんで私に聞くのよ…長官に聞かれたらどうだ?」

飛鳥:「姉さまはソーイウのあんまり気にしないノヨ」

満潮@:「じゃあ私に聞いても無駄よ。」

飛鳥:「へーそうアルカー」

満潮@:「もう、だって教えてくれなかったのよ!うるさいな!」

飛鳥:「かわいいなー みっちーハもう!」(満潮の頬ふにふに)

満潮@:「だから口出したくないのよ!こっちくんな!」

 

飛龍@:「……あれ、あの3人……」

 

飛鳥:「にゃははっ かっわいいノォ!」

満潮@:仕方なく飛鳥に遊ばれる満潮であった

出雲:「貴様ら、大概にしろ」

満潮@:「早くこいつを止めてよ長官…」

出雲:「飛鳥」

飛鳥:「姉さま、どうしたカ?」

出雲:「しばらく大人しくしたらどうだ」

飛鳥:「みっちーが可愛いのが悪いノヨ!」

出雲:「…済まんな」(無表情に)

満潮@:「そこであきらめないでよ!?」

出雲:「何れ慣れる、諦めろ」

満潮@:「うぅ…」

飛鳥:「ソーソ、慣れるヨ!」

満潮@:「あんたが言うな!!」

飛鳥:「寧ろ、求めてくれテモ良いヨ?」(しれっと

満潮@:「はっ、はぁあああ!?あんたばかぁ!?」

飛鳥:「素直になった方が良いゾ~?」

満潮@:「…ふん、変なこと言わないでよ、今仕事中でしょう」

飛鳥:「ほぉ…?仕事中ジャなきゃいいノカ?」(目がキラーン

満潮@:「いや、仕事以外でもやめてよね…」

飛鳥:「またまたぁ? 今夜、飛鳥さんとイイコトしよっカ?」(耳元で囁く

満潮@:choice[無言で無視,無言で鉄拳制裁,無言で頷く] 「……」

ダイス判定: (CHOICE[無言で無視,無言で鉄拳制裁,無言で頷く]) → 無言で無視

飛鳥:「くくっ… 無視するトハ、いい度胸アルなァ~?」

*この後滅茶苦茶可愛がった。

 

出雲:「…飛龍。馬鹿どもが騒がしくて悪いな」

飛龍@:「……いや、慣れてるから平気」

出雲:「貴様の休暇について私がとやかく言う気は毛頭ない、戦時になれば別だがな」

飛龍@:「……で、3人は何でここに?」

出雲:「差し詰め視察という名の満州観光だ。中央が無駄金を使っていなかったら、私はここに来る必要性がなかったのだがな」

飛龍@:「……どういうこと?」>出雲

出雲:「数日前まで私はとある会議に出席していた。中国問題を一元化する為の調整を謳っていたが結局何ら決まらんでな。誰かを満州に送り込めとなったのだが、その誰かが私になったということだ」

飛龍@:「……それはまた厄介そうなモノね」

出雲:「一体私に何をしろとな…いや、何しろってのは分かっているのだがな」(肩を竦める

満潮@:「厄介払いの意味もあるでしょう、まぁ嫌がらせでしょうね。」

出雲:「貴様は包み隠すべき事を隠さんな、満潮」

満潮@:「口が過ぎました。」

眞斗:「お部屋のご準備が出来ましたよ~」

出雲:「相、分かった。ではな」

飛龍@:「えぇ。じゃあね」

 

 

* * * *

 

 19CH年 3月16日 09:55 北洋水師哈爾浜水師営 正面

北洋水師への視察という名目の下で、出雲は北洋水師の現戦力の調査という役回りを担わされていた。自らの護衛として満潮と足柄の二人だけを連れて、出雲は水師営に正面から乗り込む。

響@:「…………」落ち着かない感じの表情

順天:「ようこそ、お越しくださいま…」(日本語で対応しようとする)

出雲:(片手で順天の言葉を制し)『郷に入っては郷に従えという。貴官らの仕来りに従おう』(流暢なクイーンズイングリッシュ)

足柄@:「……」後ろで無言で立ってる

出雲:『私は大日本帝国海軍支那方面艦隊総旗艦。艦名<出雲> 貴官が知るように、これがアーネチカ・A・足立。そして満潮だ』

満潮@:「…」軽く会釈

出雲:『我ら三名を迎えて頂き、感謝する』

順天:『……え、えぇ…』

響@:順天、緊張してるのかなぁ

順天:『私が…北洋水師旗艦、艦名<順天> こちらから順に海王、養民…チ、親仁、そして響です』

足柄@:「…」目で頑張れって応援してる

響@:響も軽く会釈だけ。順天がアガってるから逆に肩の力が抜けてきた気がする

順天:『…す、すみません。どうぞお掛け下さい』

出雲:『……貴艦隊の状況は石原中将よりいくらか聞いている。まず、海威の件であるが』(席にかけながら)

順天:『………なんでしょうか』(肩が揺れる)

出雲:『貴官は彼女を退役させるつもりか、それとも戦力化を図るのか。答えてもらいたい』

順天:『うっ』

出雲:『私の意見ではあるが、海威は退役させるべきだろう』

順天:『…理由を聞いても、宜しいでしょうか』

出雲:『一つ目、私が云うべきではないが彼女の世代の艦娘は既に全員が退役している。二つ目、そもそも彼女は記憶喪失を起こしており心身への疲労の摩耗が目立つ』

順天:『……………』(握った拳を震わす)

出雲:『三つ目、二か月前の貴官の前科。四つ目、海威と貴官の関係が客観的に見て害悪になっていると考える為である』

順天:『なっ………く…』

出雲:『戦争における1+1は2にも3にも10にもなりうるが、1に成りうることもある。確かに、海威の持つ能力は戦力に乏しい貴艦隊にとって無視せざるを得ないものだろうが、彼女の存在は貴官らの癌になっているのではないか』

響@:「…………」順天の後ろでふむふむと感心してる顔 つっても会談の場で不謹慎にならない程度にだけどね

順天:『…わ……わ、我々は…では彼女を手放した場合どうしろと仰るので? 親仁が補充されたと仰られますか…』(声が震えている

出雲:『艦娘単独の力ではなく、むしろ水師としての力を強化してはどうか。江上艦艇の数・質を向上させればよい』

順天:『し、しかし…導入するとなれば、初期費用が…』

出雲:『場合によれば、日本側でそれを拠出しよう』

順天:『………』(顔面蒼白

足柄@:『ボス、あんまりいじめちゃダメヨ?』(小声

出雲:『…アーニャ、分かっている』(小声で返す)

 

出雲:『以上を私は認知した上で、海威を除籍すべきだと貴官に勧告する』

順天:『それは……そ、それは…』

満潮@:「…」響に促すように睨む

響@:「…………」満潮の目線に向けてはほんの微かに笑みを返す

順天:『それは……日本の意向なのですか…?』

出雲:『全て私の意見である』

順天:『私は……私の意見では彼女は、已然必要だと…考えます』(膝が揺れる)

出雲:『何ゆえか、簡潔に答えよ』

順天:『…今の戦力状況が……』

出雲:『戦力の増強案を石原に通しておこう』

順天:『…な……』

出雲:『それでいいか、旗艦殿』(淡々と)

順天:『……あ、そ…な…ちがう…ちがう…』

満潮@:「……」いらいら

出雲:『何が異であるか?』

順天:『違う! あの女がいなきゃいけないんだ!』

出雲:『戦力の為に必要なのだろ?』

順天:『違う違う違う!』

出雲:『違うことなどなかろう?貴官は戦力欲しさに彼女を留めている、それにすぎん』

順天:『なっ…?!』

出雲:『足柄からの報告によれば、貴官は自らの郎党が路頭に迷うことを恐れていると。良かったではないか、新たな艦艇を導入したならば…彼らの必要性は今までの類でなくなる。彼らを路頭に迷わせず、戦力を拡充する。まさに貴様の望みではないか』

順天:『わ…わた…私は…』

出雲:『なぁ順天。何を云う必要があるのか? 貴官も同じ論議を聞きたくなかろう。貴官らの戦力への危機意識、私から各所へ伝えよう。 海威は私が内地に戻る際に連れて行く』(席を立つ)

順天:『勝手に話を進めるな!』

満潮@:「……」

順天:『彼女は…まだ私の指揮下です 勝手な真似は絶対にさせるものか!』

出雲:『指揮下だから? だからどうした』

順天:『違う、指揮下だからとかじゃない!』

出雲:『もう一度問う、何故か』

順天:『海威さんは、私の家族なんだ! 勝手に処遇を決めるなああ!!アンタが…アンタが! アンタが海威さんを否定するな!アンタが海威さんを教えたんだろ!何で、否定するんだよ! アンタがあああ』

満潮@:「…60点でいいでしょう、もう」小声

出雲:(手で制して)「これで満足か、響」

響@:「……悪辣にすぎるぞ。満潮がいなかったらぶん殴ってる」

出雲:「貴様の教育がなっていないのを棚上げするか」

満潮@:「最初から胸を張って長官を殴っていたらいいでしょうに。」やれやれと

出雲:「満潮…それはなかなかに難しかろうて……が」

順天:「…………」(親の仇を睨むような目で出雲を見る)

出雲:『順天、甘ったれるのも大概にしろ』

順天:『なっ……』

出雲:『海威を否定するな、だと? これらを読んでまだ同じセリフが云えたなら謝罪してやる』(何通かの手紙を順天に手渡す)

順天:『何を……ぐっ…』(手紙が海威から出雲に宛てられたものと知り、声を失う)

出雲:『貴官らと冷静な話を行うことは極限的に難しくなったと私は判断する。日を改めて話を続けるべきだと考えるが…どうか、海王』

海王:『は、はい。調整はあた…ごほん。自分がさせて頂きます』

足柄@:「……」めっちゃにこにこしてみてる

出雲:『結構、では…我々はいったん戻る』

満潮@:「響、これで私に勝ち誇るにはまだまだはやいのよ。」

響@:「ふふ、出雲は意地悪だぞ。満潮も気をつけなよ」

出雲:「響」

響@:「はい」 流石に姿勢を直して

出雲:「貴様への説教はまた今度だ」

響@:「抜かりないな……。分かった、覚悟しておこう」

出雲:「アーニャ、満潮。撤退だ」

響@:『ほら順天、見送り』

足柄@:「あいヨー」

順天:『あ……あっ…そ、その』(恐縮)

満潮@:「はっ、息災でな、響」

順天:『……その、申し訳ありませんでした。』

出雲:『…後日、もう一度問う。それまでに整理しておくことだ』

順天:『はい…』

 

順天が渡されたのは、海威が出雲に宛てた何通かの手紙。それを握る手が震えているのを、誰も指摘はしなかった

 

 * * * * * *

 

19CH年 3月16日 17:28 哈爾浜水師営

出雲からの説教が身に応えたのか、順天は仕事に没頭すべく奮戦してた

順天:「…………」(かりかりかり

足柄@:『居ルー?』ノックノック

順天:『……何方で』(低い声で応じる)

足柄@:『足柄ヨー。』

順天:『…どうぞ、開いてますから』

足柄@:『はぁい。』がちゃこん。入ってくる。

順天:『…話し合いは延期になったと、思っているのですが』

足柄@:『そーヨ。お仕事できたわけじゃなイし。』

順天:『では何の用ですか』

足柄@:『そろそろお仕事終わるでショ?良い店見つけたんだけどいかなイ?』

順天:『………本当に、何の用なんですか』

足柄@:『え、本当にこの用だけド?』

順天:『……その為だけに、態々ここに?』

足柄@:『そーヨ?』

順天:『…済みません、私。そんな余裕ないんです』

足柄@:「ぇー。」

順天:『他をあたってください』

足柄@:『順天ちゃんと飲みに行きたいんだけどナー』

順天:『お断りします』

足柄@:『余裕がないかラ?』

順天:『…何ですか』(眉がぴくりと動く)

足柄@:『色々と?根詰めすぎは良くないと思うヨ。』

順天:『……貴女には、関係ありません』

足柄@:『あるヨー。』

順天:『何が!』

足柄@:『順天ちゃんが心配。』

順天:『なっ……ほっといてください!』

足柄@:『ほっとけないのヨー。』

海王:『ん? あぁ…足柄さんか 何の騒ぎで?』

足柄@:『順天ちゃんがつれなイー』>海王

海王:『はぁ……んじゃ、副官としても上申しましょうか。旗艦、アンタ休め』

順天:『ぐっ……』

足柄@:『そうヨー。やすもやすも。』

順天:『海王…貴女に云われたくないのだけれど』

海王:『そこは互いってことでどうっすかね? ってことで、足柄さん、うちの旗艦を頼んます』

足柄@:『お任せー。』引っ張っていこう

順天:『……』(渋々引っ張られる)

足柄@:描写外であちこち引っ張り回して街の様子とか見せたあとにおすすめの酒場に行くか。

満潮@:じゃあ途中で満潮を拾っていくでことにしよう

足柄@:じゃあひろいました!

満潮@:ひゃっはー

順天:『………』(顔色は依然暗い)

足柄@:『ここ、ここ。おいちゃんお勧めヨロシクー』酒場について席に座りつつ

満潮@:『…せっかく来たんだからもうちょっと楽にしたらどうよ、辛気臭いね。』ガラスを揺らしながら

店主:『応よ』(煮込み系のツマミと、それに合わせた酒を出す)

足柄@:『これこれ、お勧めヨ。』お酒飲ませつつー>順天

順天:『あ、ありがとう…』

足柄@:『この煮込みも美味しいでしょー。』まずはほどよく酔わせて本音を吐き出させやすくする作戦。

店主:(程よいタイミングで離れる)

順天:『あう……私、お酒…強くないのに…』

足柄@:『まあまあ、順天ちゃんも大変だったみたいだし息抜き息抜き。』

満潮@:『まぁ…最初から強い人なんで殆ど無いわ。』

順天:『ひぐ……ひぐっ』

満潮@:「…(これだけで出来上がってしまうなんて)」

足柄@:「(早いナー)」

順天:『私…私…頑張ってるのに… うぅ…』

足柄@:『うん。皆判ってるヨー。』よしよし。

満潮@:「…」皆のガラスに酒を注ぐ

順天:『出雲さんは…どうしてあんな災害なのよ…』

足柄@:「……っ!」ちょっと吹きかける。災害。言い得て妙である。

順天:『何であんなの送り込んでくるのよ…』

満潮@:『さぁな、誰かさんがヘタレすぎだからじゃないの?』

足柄@:『ボスもコミュ下手だしネー』

満潮@:『あいつは要点以外何も喋ってくれないよね…』

足柄@:『あれ、自分が出来るから他人も大丈夫だろう、って思う癖あるからネー』

順天:『じゃぁ…何で、出雲は出来てるの…?私…いえてるはずなのに…』

満潮@:『そうね…あれだけ不器用なやつだけど、部下に失望させたことだけ絶対しないわ。』

足柄@:『順天ちゃんちょっと逃げ腰だったからネー。』

満潮@:『まぁ、ヘタレだね、要するに。』

順天:『逃げてなんか、ない…はず…』

足柄@:『ンー、順天ちゃん、ボスはあの時こう聞きたかったのヨ。『順天ちゃんは海威をどうしたいの?』って。』

満潮@:「ふーん」

順天:『あれでも…家族だもん』

満潮@:『じゃあ最初から素直に言えばいいじゃないか』

順天:『だって…私、今更…云えないかったし…それに』

足柄@:『それに?』

順天:『……傷つけたもん、たくさん。……嫌いだったのは本当だし、酷いこと沢山云った…』

満潮@:『…誰かの上に立つ人はそういうものよ キレイ事でやれるものじゃないわ、それは出雲も、たぶん響も』

足柄@:『そーネ。』響は怪しいところあるけど

順天:『違うの!違うの!』

足柄@:『ンー。でもさ。家族だって喧嘩するもんヨ。』

順天:『……喧嘩でさえなかった、ら?』(涙目)

満潮@:『ふーん、つまり何?気まずくてどうすればいいかわからない?教えてやるよ、喧嘩をすればいいの。』

足柄@:『独り相撲だってあるヨ?まあ、そう言う事ネ』<気まずくて

満潮@:『一度腹を割って言いたいことを全部ぶっちゃっけたら?』

順天:『…あの人の手紙見て 私…どれだけ…の、ことを…』

満潮@:『ふーん でも、彼女はまだあんたの言い分…いや、言葉を聞いていないわ。私さっき言ったよね、出雲があんたと最も違う所、それは彼女が部下に失望させたことのないことよ。彼女の手紙を見たから何?こんなに無駄に畏まって…これは彼女が望んだことかしら?』

順天:『だって……私はいい部下じゃなくって、いい上官でもなくって。私のことで悩ませて、挙句記憶まで失わせて!!  許すって言ったてくれたのは別人みたいになったあの人で…それが悔しくって…自分が情けなくって』

満潮@:『はぁ…じゃあ聞くけど、あんたは海威を取り戻したいのか?海威の記憶を取り戻したいのか?あんたの水師營の海威を取り戻したいのか? 逃げないでよ。』

足柄@:『自分が今までした事は取り合えず置いて考えてネ。』<何したいか

順天:『海威さんを、これ以上……傷つけたくない』

満潮@:『じゃあ海威を解任しなさい』

順天:『でもっ!』

満潮@:『どうせ彼女いま記憶喪失でしょ、これ以上ない好都合だよね、あんたから彼女を切り離してしまえば、もうあんたから海威を傷付けること…二度と無いわ。』

足柄@:『ほんとに海威を傷つけたくないならそれが一番だしネ。』

満潮@:『人の心に入り込む事自体、その心を傷つけることだわ。』何故か足柄をチラッと見る

足柄@:「?」

満潮@:「ふん。」

順天:『………彼女のことは、もう…楽に、させたい…だ、だから…』(震え声

満潮@:『…待って。あんたの気持ちを整理できる前に、ちょっと私の昔話に付き合ったらどう?』

順天:『……何ですか』

満潮@:『…私はね、自分の生きる意味が分らなかった…いや、今でもわかってない。なんで人を殺す兵器でしかない兵士に人の心があるのかってね…だからいっそものを考えない兵器になればいいと…思った。それなのに、どこかでふざけた奴が居た、私のことをいつもいつも構えてくれた。……正直言って、ウザかった…いや、ウザいのよ。』

足柄@:(・3・)~♪

満潮@:『あいつが私のことを構えてくれたたびに、私の心が乱暴に入り込ませ、私の決意にヒビを生んだ。あいつのせいで、もう私の人生がめちゃくちゃ、一度入れるかもしれないチャンスも…自ら否定してしまってね……それでもね、私は…あいつが居て、よかった、私のことを構えてくれて、嬉しかった』

 

満潮は足柄から目をそらした。

 

満潮@:『…ね、順天、海威はどんな人だった?私は彼女のこと分からないけど、あんたなら分かるでしょう?』

順天:『…腹が立つほど自信を持ってないくせに、あれもこれもと勝手に話を進めて…』

満潮@:『ウザいやつのようね。』

順天:「……」

満潮@:『それでも、あいつはあんたの心に入り込んだ、そうじゃないの?』

順天:『………いつも、あの人の「私がやるから」っていう言葉を聞くのが嫌だった』

満潮@:『でもそういう時に限って彼女がやったほうがいい結果が出るでしょう。』

足柄@:『でも、なんかシャクなのよネー』<いい結果がでる

満潮@:『そうよね…』足柄を睨む

順天:『……それでも、海威さんにいて欲しいと思ってしまう…』

足柄@:『良いじゃないノ?『家長』でも『旗艦』でもない『順天ちゃん』がそう思ってるんだし。』

満潮@:『私なら…そばに居て欲しいじゃなくて、今度こそ私がそいつに何かできることないかとやってらるとおもうけど。』また目をそらす

満潮@:『…さっきがいじわるしてて、その、悪かったわ。』

順天:『………』

満潮@:『でも、私も、そして多分長官も、あなたの言葉で聞かせて欲しい。あんたの人生、あんたの覚悟、決意、何もかもを変えた彼女をこのまま勝ち逃げしやがっていいの?』

満潮@:『このまま、彼女に『自分はもう大丈夫だから』って認められなくていいの。このまま、あんたを守るばっかり彼女を今度こそあんたが守ってやるって、見せなくていいの? ……このまま、昔のままのあんたに戻って、いいの?』

順天:『彼女を… 守りたいよ 私は、守れるんだって…示したいよ』

足柄@:『じゃあそうしヨ。』

順天:『けど… 恐い 自分が…怖い』

満潮@:『ね、順天、怖いのは…あんただけじゃないのよ。彼女も多分、怖いんだ。あんたを傷つけることだけじゃなくて、多分彼女も彼女なりに、変わったのよ。あんたによって、ね。』

順天:『……海威さんが』

満潮@:『…そろそろお開きか。』からのガラス瓶を置いた。

足柄@:『良い時間だしネー。』

満潮@:『柄にもないべらべら喋ってしまって、もう頭痛いし、帰るわ。』

足柄@:『みっちーもお酒弱いもんネ。』

満潮@:『うるさい、これでも昔より強いの』

順天:『…………』

足柄@:『ま、ボスが知りたいのは“順天ちゃん”の答えだと思うヨ。』

順天:『…信じても?』

足柄@:『ボスが聞きたいのはそれだしネ。他の何でも無く順天ちゃんの言葉が聞きたいのヨ。そうじゃないと預けて良いか判断出来ないからネー。』

満潮@:『まぁ、うちの長官がいつも言葉足らずだからしかたないけど。今度こそ、長官を押し返すような答えができるといいな』手を振って酒場を後にした

順天:『………』(黙って頭を下げる)

足柄@:『立場に甘えるとこわーいボスは見抜いてくるから頑張ってネ』手を振って満潮と一緒に出る

 

 

 


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