扇矢萩子の捜査録~艦これRPGリプレイ~   作:長谷川光

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扇矢萩子の捜査録 第四回 『偐紫』 ~ニセモノの守り方~
海威の覚悟・出雲の復帰


19CH年 1/19 ハルビン 陸軍病院

北洋水師の教官である響は、体調を崩してしまっていた。

 

養民:『教官… 入っても、いいですか?』(コンコンコン

響@:『養民か? どうぞ、空いているよ』

養民:『はい!失礼します』 (ととと

養民:『…お加減は、どうですか?』

響@:『そう心配には及ばないよ。まだ微熱だけは続いているが、すぐに治まるだろう』

養民:『本当に… 本当に、ですか?』(少し涙目)

響@:『大丈夫。』

養民:『教官が居ないから…旗艦さんは大変そうだし、お姉ちゃんもピリピリしてるし…私も…』

響@:『……そ、そんなにか?』

養民:『…お姉ちゃん、海王さんとも…口論するし…』

響@:『海王とも、というのは珍しいな。無理をさせてしまっているか……』

養民:『海王さん、苦笑いしてた…』

響@:『これは早いとこ復帰して、順天にチクチク皮肉られる必要がありそうだ』

養民:『うん… 早く、戻ってきて』

 

神妙な空気になっている所に、誰かの足音が病室へと近づいてくる。

 

響@:『すぐに治すよ。倒れた私が言うのも変だけれど……。海威にしろ順天にしろ、頑張りすぎる性分……おや?』

海威:『響ちゃん、海威です。 今、大丈夫ですか?』(部屋の外

養民:『旗艦さん…?』

響@:『ふむ。……空いているよ。どうぞ』

海威:『失礼するね… あっ養民ちゃん、来ていたんですね』 (カバンを片手に入ってくる)

海威:『ごめんなさい、お菓子ぐらいしか持ってこれなかったんだけど…』

響@:『気を使わせてしまって申し訳ないな……。ありがとう 養民、せっかくだしお菓子をいただこう。お茶を淹れてもらっていいかな』

養民:『は、はい!』 (とたたた…

海威:『…響ちゃん、病床の貴女にお話しすべきことではないのだけれど…』(申し訳なさげに

響@:『いいよ。こんなときに何も知らないでいる方が後から気に病みそうだから』

海威:『ありがとう…関東軍の事だけれど、華北を怒濤の勢いで国民党軍を撃破しています。このことについては、出雲先生には悪いのだけれど関東軍のガス抜きの為には…必要経費だと私は思っています。ただ…』

響@:『……ただ?』

海威:『彼らが、下手な欲をかいて…たとえばこのまま華北占領何てしてしまえば… 否応なく戦争です』

響@:『ああ、そこは同意見だ。駐留邦人を守る名目を越えて、これ以上、国境線を侵すようなことがあれば……』

海威:『私たち、北洋水師の唯一でも何か利点があるとすれば…それは軍拡のための予算拡充なのですが…正直な話、それはソ連を徒に刺激することに成ります。結局、私たちが矢面になるのが早まるばかり…』(ため息)

響@:『……どうしたものかな。本来であれば、中国の各都市に列強の駐留軍が置かれる事自体がおかしなことのはずなんだが』

海威:『そうですね…』

養民:『旗艦さん、教官。お茶、持ってきました』

響@:『ありがとう、養民……』

海威:『養民ちゃん、ありがとう。戦争まで後一年以上は欲しいけれど…半年は死守したいものです。それまでに、満州国軍を…強くしなければなりません。』

響@:『半年と言わず、1年と言わず、私としては何としても全面戦争は避けたい……。私には、その権限も知恵もないけれど』

海威:『…そうですね。私は大戦争の悲惨さを…良く分かっているつもりです。だからこそ、可能な限り回避には動いてはいるのですが』

響@:『仮に満州国軍が戦うことになったとして……誰が誰と戦うんだろうな。五族協和を掲げる、この国では』

海威:『…響ちゃん、この世界に絶対敵何てものは居ないんです。だから北洋水師は…少なくとも私が旗艦を務める北洋水師は、任務を完璧に遂行できるということを目指したいのです』

響@:『……そうだな。その通りだ。敵が何なのか、そんなものが本当にいるのか否か、定かではないけれど でも、守るべきものは……確かにそこにある』

響@:ふっと養民の方を見ちゃうんだろうなぁ、これ……

養民:『????』(響に助けを求める目線

海威:『私は、私自身が居なくともこの水師が機能できるよう…これからも鍛えていくつもりです。』(養民をちらっとみる

響@:『あぁ。私もできうる限り協力しよう』

海威:『…ふふ …その言葉が、聞きたかったのです、響ちゃん。』(安心した顔)

響@:『な、何だ。私は最初からちゃんと協力するつもりだぞ』

海威:『…響ちゃんが、いるうちに成し遂げたいものですね。もっともある軍人なんかは帰化をしてまでも、その国の教官として活躍を続けていますが…ね』(苦笑)

響@:『……今の私は、いずれ必要なくなる立場の身だけど…必要がある内は、ずっとそこにいる。その人も、きっとそうに違いない』

海威:『響ちゃん、よく聞いてください』

響@:『…………?』神妙な顔になって

海威:『私はあなたを必要とはします、歯車として、ね…』(ニヒルな表情)

響@:『ふっ。任せろ。同じところをぐるぐる回り続けるのは得意なんだ』小さく肩をすくめて、軽くおどけたふうに笑ってみせる

海威:『…そう、期待していますよ。使い古されて、捨てられても…文句は聞きますが受け入れませんので…』(瞼を閉じながら)

養民:『き、旗艦さん…』(オロオロ)

海威:『…何ですか、養民ちゃん』

養民:『私たち、捨てられるの?』(こわごわ)

海威:『ふふっ…捨てるだなんて勿体ないこと、私にはできませんよ。死ぬまで馬車馬のようにこき使ってあげますよ』(意地悪い笑み

響@:『はは。参ったね養民。私たちの旗艦は、満州が平和になるまでとことんやるつもりらしいぞ』

養民:『…へ?えっ?えっ!?』 (養民は混乱している!)

響@:『……さて、そうは言っても今の私の仕事は療養することだから、そろそろお茶とお菓子をいただこう』

海威:『そうですね、ごめんなさい。つい話込んでしまいましたね』

養民:『あっ…お茶、お代わり持ってきます』(逃げるように走っていく

 

海威:『じゃっ、養民ちゃんが帰ってくる前に失礼させてもらうね。響ちゃん、くれぐれもお大事に』(カバンを手に帰り支度)

響@:『Спасибо。熱さえ下がれば、早くて明後日くらいには水師営に復帰できると思う。……順天と海王にもよろしく』

海威:『わかりました…伝えておきますね。』(にこりと微笑むと、病室から出ていく)

養民:『し…失礼します、戻ってきました』(か細い声)

響@:『おかえり。忙しいみたいで、海威は帰ってしまったよ。座って一服しよう』

養民:「え…あっ……は、はい…」(青かった顔がほっとした表情になり、一転赤くなる

響@:『……貰ったお菓子だけど、よかったら、こっそり順天たちの分を持って帰ってやってくれ。海威に悪いから、内緒でね。……海威のことだから、それを見越しての量の気もするけど』ズズズ、とお茶をすすりつつ

養民:『わかった…お姉ちゃんたちに帰ったら渡します』

養民:『お姉ちゃん…元気になるかな』(小声)

響@:『少しの時間でも、一息つければ……。こんな風に、お茶を淹れてあげるといい。きっと、楽になるよ』

養民:『…うん、そうですよね。やってみます、教官』

響@:『私もすぐに水師営に戻る。少しの間、皆のことを頼んだよ、養民』

養民:『! は、はい…私、頼まれました!』

 

 一月二十一日、響は退院すると同時に、任務へと直接向かうことを指示されることになる。

 

**:『…これは、どういうつもりですか?』

 

歯車は、軋みながらただ慈悲もなく回っていくのだ…

 

★☆★

**********

19CH年 1月18日 上海

 

 昨年の終わりごろに、遣支艦隊に移籍した足柄と満潮。

特に足柄は出雲から『遊んでこい』という命令の下で、上海の裏事情の様子見をさせていたため、遣支艦隊内部では顔を知らない人間はそれなりの数が居た。

足柄@:非実在移籍艦娘

 その足柄に命令を下したとうの張本人、出雲はこの日正午に内地での近代化改修を終えて上海へと戻ってくることが決まっていた。

報告を直接聞きたいという出雲の考えを伝えられた足柄は、一度虹口区の艦隊本部に戻ってくることになった。

足柄@:ふむん。じゃあ久々に軍服をきて出頭ですかね

GM:ではでは、執務室にいったん顔を見せるだけ見せに行った足柄さん

足柄@:多分軍服じゃない状態で何人かとあってるきもする…w

*夜の足柄さんはすごいんだぞ☆

足柄@:執務室をノックするかな

能代:「はーい、どちらさまですか!」

足柄@:「足柄さんヨー。」

能代:「どうぞ、入ってください」

足柄@:がちゃっと入ります

GM:では、執務室の中には能代と長谷川長官 そして、もう一人柿色の道着を着た女性がいます

足柄@:「あい、アーネ……足柄、帰還しましたヨ。」>のっしーと長官と飛龍さん

能代:「お疲れ様です。えっと飛龍さんとは足柄さん初対面だっけ?」

飛龍@:「……」(とりあえず顔見るだけ見ておく

足柄@:「多分。」<初対面?

飛龍@:「……覚えがないからそうなるわね」>能代

能代:「ですよね、ごほん、こちらは飛龍さん。遣支艦隊の航空戦力の一翼を担ってもらっています。それから…こちらが足柄さん。出雲さんが連れてきた…情報要員です」

足柄@:「ドンパチもやるヨ?」

飛龍@:「情報要員…… (こいつもまた面倒そうな奴ね……一応は仲間なんだろうけど)」

足柄@:「ん、で出雲は?」居なさそうなのできょろきょろ

能代:「…あれ、今日の正午にここへ戻ってくると伝えたはずですが?」

足柄@:今の時間は?w

GM:午前十一時

飛龍@:まだ一時間もあるじゃないか!

足柄@:「ちょっと早く来すぎちゃったかナ。」

長谷川長官:「…あぁ、そうだ。足柄、お前に頼みたい仕事があるんだよ。時間もあることだし先に聞いていけ」(何か思い出した風に

足柄@:「なになに?」(ちなみに、見て判るレベルで軍人らしくない。<足柄

飛龍@:そんな(性格の)艦娘、飛龍は今まで見てきましたよっと

長谷川長官:「何、お前向きでな。陸戦隊と協力してある男を捕まえてほしいんだよ」

足柄@:「ほーン?なにやったの?」

長谷川長官:「何をやったか、というよりも『何かをやる前に』捕縛してくれ、ということだろうな。」

足柄@:「また難しネー」<やる前に

長谷川長官:「その説明の前にだ、飛龍。」

飛龍@:「……?」

長谷川長官:「お前、去年の7月頭の件を覚えてるか?」

飛龍@:「……もちろんよ」

長谷川長官:「大東亜重工、それと組んで何か企もうとしている冨塚とかいう中佐、今は大佐だったか… 決定的なものがつかめないまま終わってしまったのだが…」

飛龍@:「……そう、ね」

足柄@:「なんかやらかそうとしてル?」

飛龍@:「それだけで済む問題だと思う?」>足柄に

長谷川長官:「結論からいえばそうなる…そうなるのだが、厄介でな」

足柄@:「規模が多くてもやらかしはやらかしヨ…っテ?」<厄介

長谷川長官:「大東亜重工の株主の一人が、捕縛してほしい男…菅原菊之丞というんだが、この男が所属している団体の後援者でもあるのがわかってな」

足柄@:「……それ最悪、大東亜重工全部が絡んでなイ?」

飛龍@:「……何よそれ。 確かにそれはまずいことになる……最悪なんてものじゃない……」独り言のようにぶつぶつと

長谷川長官:「…わからん。極右結社、『刃桜会』 …あの、関東軍でさえマークするような奴らなのだが…対して大東亜重工の方は、表向きは新興財閥として急成長している優良企業… 関係があるとすれば正直頭が痛い」

足柄@:「ウへー」<極右結社。極右にいい思い出はない。

足柄@:「てゆーか、急成長の裏っテ。」

能代:「足柄さんからの途中報告も、考慮しても…まだまだ関係は解明できていないのです…」(釘を刺す

飛龍@:「……下手に出れば最悪な方向に展開される……そんな感じみたいね……」

足柄@:「ンー。調べた感じ、かなり手が込んでるみたいだしネ。」

長谷川長官:「あの特命捜査班の連中でさえ手こずってんだ…お前はよくやってくれてるよ」

足柄@:「まあそだけど。実際根が深そうヨ?これ。」

長谷川長官:「そうだろうな。ごほん、それでだ。この菅原ってのは関東軍からの連絡だと結構幹部クラスなんだとか。」

飛龍@:「なっ……!?」

長谷川長官:「こいつを陸戦隊の連中とともに確実に逮捕してくれ。何か取っ掛かりになるに違いない。関東軍の反応から察するにナ」

足柄@:「ま、がんばってみるネ」<逮捕しちゃうぞ

長谷川長官:「と、まぁ…俺からはこんなところか」

足柄@:「あーい。」

飛龍@:「一筋縄じゃいかなさそうなことをよく簡単に言ってくれるわね……」(若干呆れてるけど、事態の重さは察している

足柄@:「あいあい。給料分のお仕事はするヨ。」

飛龍@:「……相手が抵抗することを考えると『今の』装備だと厳しいわよ? そこも考えているんでしょうね?」>対象はいないけど、ふと思ったこと

飛龍@:「……いや、考えすぎか……なんでもないわ」

足柄@:「(黄幇も目障りに思ってるみたいだしそれとなーく繋ぎ取って…まあいけるかな?)」

能代:「っと…はぁ。長官、事務処理はいったんここまでで宜しかったでしょうか?」

長谷川長官:「ん?あぁ、そこまでやってくれたら十分だ。判つくだけなんだろ。行ってきたらいい」

能代:「はい、ありがとうございます。では…出雲さんを出迎えに行ってきます。二人とも、時間があるなら来ませんか?」>足柄・飛龍

足柄@:「いいヨ。いこいこ」

飛龍@:「了解よ」

能代:「ふふっ… 出雲さんも喜びますよ、顔には絶対に出しませんが、ね」

 

GM:ノシロンと共に上海港湾部にやってきたみなさん。一隻の大きな軍艦がタグボート無しで入港してきます

足柄@:出雲ま…出雲号だっけ?

*出雲丸は客船である。

GM:黙々と黒煙を吐きながらゆっくりと進むその艦は、『出雲号』 遣支艦隊の艦艇が群がる埠頭に接岸します。このとき甲板にはてきぱきと入港用意をこなしていく水兵たちの姿が見えます

水兵A:「モヤイ良し!」

水兵B:「こちらも同じく良し!」

足柄@:「おー」のんびり眺めてる

能代:「…さて、お邪魔させてもらいましょうか」(手には何かを包んだ風呂敷

足柄@:「ボス、まだ本調子じゃないんだっケ」

能代:「うーん、私の目からは調子がいいのだと思うのだけれど」

飛龍@:「……さぁね」

能代:「私は旗艦代行、能代です! 出雲さんに会いに来ました」

水兵B:「能代さん、それに飛龍さんも! えと、それから…あれ?そちらの、方は…」(汗)

飛龍@:「……仲間よ」

足柄@:「足柄ヨ。最近入ってきたノ。」

水兵B:「足柄さんですか、わかりました…案内させていただきます。出雲女史は戦闘艦橋にいらっしゃいます。こちらへどうぞ」

GM:で、廊下を歩きラッタルを上り、水密隔壁を通った先に

足柄@:案内されてー

水兵B:「失礼します、能代さん以下艦娘の方々をお連れしました」

出雲:「入れ!」

飛龍@:「……分かった」(入る。

足柄@:「入るヨー」

GM:出雲さんは機関士官やらと話し合っているところです。出雲の様子は足柄さんをスカウトした時よりも、活力に満ちた感じです。

能代:「失礼します。出雲さん、お体の具合は大丈夫なのですか?」

足柄@:「前より元気そネ。」

出雲:「能代…貴様、よっぽど私のことを廃艦扱いしたいのだな。 まぁいい…久しいな、足柄、飛龍も」

飛龍@:「えぇ……久しぶりね」

足柄@:「久しぶりネー」

出雲:「…まぁ、廃艦一歩手前だったらしいのだがな。 ヌニョ・ロドリゲス号の曳航を艦娘の体で行った所為でガタが来ていたらしい。無理をするものではないな」

足柄@:「あー、それで調子悪かっタ?」

飛龍@:「……あれか……」

出雲:「私自身、この艦からある程度力を得ているからと余裕ぶっていたのだが…想像以上の無茶だったらしい。お陰で、呉工廠の奴らから大目玉を食らった… 艤装を大切にしろとな」

足柄@:「そりゃ大目玉も無理ないネ。」

飛龍@:「ま、そのおかげでこっちは戦闘に専念できたけどね」(肩すくめて

能代:「…はぁ」(額に手を当てている

出雲:「何にせよ、私の近代化改修の予定が繰り上がったのだから…最終的にはよかったとしておけばよかろう」

能代:「ですがね…艦隊旗艦が二か月も不在ってどういうことですか!」(ふんすっ)

飛龍@:「装備が遅れていた……程度の話にはならなそうね」

足柄@:「のしろん苦労してたもんネー」

出雲:「…悪いことをした、すまぬ」

能代:「『すまぬ』ですみません!」

出雲:「…そこまでだ、能代。貴様の愚痴は後で書類作業の片手間で聞かせてもらう。それよりもだ、足柄。呉工廠から貴様の改二用の艤装も運んできた、受領してくれ」

足柄@:「ああ、そ言えば改装してるって…改二?」改だと思ってた

出雲:「あぁ、20.3cm連想砲の改造版だとかをはじめとした艤装等々だな」

足柄@:「おおー。うん、受け取ったヨ。」艤装をぺたぺた触って確認してる

出雲:「私は対空強化が中心だったが、貴様は見事に攻撃特化だな」 (足柄の武装を眺めながら

足柄@:「敵はぶっ殺すものだからネ。」

飛龍@:「……そうね」>足柄

出雲:「…敵には容赦は必要ない、が…敵で無くなったものには慈善の心で対すべきだと考える」

足柄@:「慈善……」初めて食べる食べ物を聞いたような顔をした!w

飛龍@:「あー……いたわねそういうやつ」(苦笑を浮かべている

出雲:「…貴様、ジュネーブ条約は理解しているだろうな」

足柄@:「酷い事すると酷い目にあるから我慢しましょう?」<ジュネーブ条約

出雲:「…違う、捕虜を殺すなということだ。貴様の理論は、敵兵の降伏を認めないことにならぬか」

足柄@:「すなおに降参したら敵じゃないヨ?」きょとん。

飛龍@:「……」(一瞬にして考え込むような表情になる

出雲:「ならいい、素直に降らん兵には慈悲は要らぬからな、だがな、どれだけ彼我の損耗を防ぐか考えるのも考えろ。まぁ…貴様は兵の身で居たいんだろうがな」

足柄@:「痛いのはやだもんネ。」<損耗を防ぐ

飛龍@:「……死んだほうがマシって考えのやつもいるけどね」

能代:「…あの、足柄さん。それって…うーん」

足柄@:「ン?」<それって

能代:「…若干、荒っぽくはないですかね」

足柄@:「でもそんなもんじゃなイ?」

出雲:「…どう動かすかを考えるのは我らの仕事だ、ということにしておけ…能代」

能代:「うぅ… 事務官僚型の人間、あの少尉並みにはできなくていいから…なんとか人を…」

出雲:「諦めろ、能代。ともあれ、足柄…菅原とかいう奴はとっ捕まえろ。ただし、尋問するためにも生け捕りにしてくれ」

飛龍@:「……ところで、用事はこれだけってこと?」(足柄の装備を指さしながら

足柄@:「あーい。ちょっとめんどくさいナ。」<生け捕り

出雲:「私は貴様等を呼び立ててはいないのだが…飛龍、お前にはこれを渡しておく」 (と、何やら黒表紙のものを手渡す

飛龍@:「……これは?」(受け取りながら

出雲:「まず前半は上海の航空戦力再編計画、その概要。それから後半は貴様用の艦載機モジュールのカタログだな」

飛龍@:「……」(目を通しながら

出雲:「当然ながらどちらも軍機だ、早い段階で焼却しておくことだな」

飛龍@:「……なるほどね…………つまり、こっちに専念してもらいたい……ってことかしら?」(パタンと閉じて

出雲:「そうだ…貴様なら出来るだろ?」

飛龍@:「……やってみせる」

出雲:「信頼している」

飛龍@:「……」(小さくうなずく

出雲:「…それでいい、足柄、飛龍。貴様らは先に本部に戻れ 私は能代と先に詰めることがある」

飛龍@:「……了解よ」

足柄@:「あいヨー。忙しくなりそネ。」

能代:「えぇ… 今年は、いえ今年も忙しくなりそうですよ…」

 

 出雲の帰還と足柄の改二改装 さらに、飛龍を中核にした航空戦力再編 多くのことが行われ始めるなか、暗躍する極右グループ。そして大東亜重工との関係の疑惑。果たして、遣支艦隊の面々に迫られる選択とは?

 


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